9月10日 火曜日 定休日でも今日は朝から忙しかった…
夕べは早くから床に就いて、今朝は5時には目が覚めました。家のコーヒーがなくなっていたので、蕎麦屋に行ってコーヒーを入れる。朝飯前のひと仕事は昨日から準備しておいた出汁を取って、蕎麦汁を作り、大根のなた漬けを作るために、大根を塩漬けにして漬け物器に漬けるのです。これで1時間以上はかかったから、7時前に家に戻って朝食を食べる。最近の習慣で、食後のひと眠りが出来ないのが、好いのか悪いのか。定休日だというのに時間が余る。
今日はお袋様がいないけれど、いつもの時間に農産物直売所に向かうのでした。女将に頼まれた米を精米してもらって、野菜を買ったら、隣町のスーパーに向かい、残ったものを仕入れて蕎麦屋に帰る。買って来た野菜類を冷蔵庫に収納したら、奥の座敷に干してあった洗濯物を畳んで、洗濯機の中に入れたままの昨日の洗濯物を干しておきます。ほうじ茶を沸かして、陶器の湯飲み4杯分を作ったら冷蔵庫に入れて冷まします。昼には早いけど家に戻るのでした。
昼食は昨日残った蕎麦を茹で、店で残ったとろろ芋をすってとろろ蕎麦を食べる。あまり美味しかったので、亭主はもう一束茹でて食べるのでした。上手く打てた時の蕎麦は、かなり美味しく感じるのです。昼食後は書斎に入ってやっと眠れた。1時間ほど冷えた部屋で眠ったら、梨を剥いて冷蔵庫に入れておいてくれた物を食べ、目を覚ますのです。午後は2時からの病院の面会時間に間に合うように出掛けて、2時半には蕎麦屋に戻るつもりなのです。
女将のスマホも持って出掛けて、2時過ぎにはスポーツクラブの予約をしなければいけない。3時からは蕎麦屋を建てた業者の10年診断とやらで業者が来るから、それまでには帰らなくてはならないのです。ところが、今日に限ってお袋様の検査が終わらない。弟もやって来て、検査が長引いているのだろうと話をする。時間になったので心配だったけれど病院を後にする。途中で弟から電話をもらい、無事に検査は終わって異常ないと言うことなので安心した。
9月11日 水曜日 お袋様は明日退院の知らせが…
夕べは8時間も目を覚まさずに眠って、今朝は朝飯前のひと仕事はなし。いつもの時間に車で蕎麦屋に出掛け、まずは厨房のレンジ周りを掃除しました。蕎麦豆腐を仕込んで、天麩羅の具材を切り分けたら、もう午前中の仕込みは終わりなのです。今日も昼からはお袋様の病院に行くから、少し早めに昼を食べておこうと家に帰りました。帰りがけに国道沿いの酒屋と履物屋によって、焼酎と新しい雪駄を買って帰る。いつもの安いものはなかったのです。
昼飯には今日も店で残った蕎麦を食べる。二日続けて昼に蕎麦を食べても、女将は何も文句を言わなかった。残りものから先に片付けてしまおうというのが、最近の我が家の傾向なのです。しっかりと打てていれば、三日目の蕎麦もなかなか美味しいのです。食後はエアコンの効いた書斎に入ってひと眠りする亭主。女将はその間にスポーツクラブに出掛けていく。病院の面会開始の2時に間に合うように家を出て、熱い中を空いた駐車場を捜して車を走らせる。
面会会場の食堂で待っているとお袋様が歩いてやって来た。少し遅れて弟も来る。そして、昼に担当の医者から電話が入って、明日の午前中に退院しても好いと言われたのだとか。「鉄分欠乏症」以外にどこも悪くなかったと言うのです。そのためにいろいろと検査をしたのだから、間違いはなさそうです。お袋様の父親も兄も白血病だったから、心配していたのですが、それもないとのことで安心でした。今日は安心して彼女の好きな大相撲を観られそうです。
3時過ぎに家に戻って、女将が帰ってきたので今日の話をする。明日は蕎麦屋が終わってから、女将がお袋様のところに行って、何か買い物はないかと聞いてくることになったのです。一週間、歩いていないからだいぶ体力も落ちているに違いない。美味い物でも食べて元気を付けて欲しいところ。4時近くになって蕎麦屋に出掛けたら、店の中は33℃もあった。明日の蕎麦の一回分を打ち、お新香を漬けて家に戻るのでした。夜はあんかけ焼きそばを亭主が作る。
9月12日 木曜日 いつまで続くのかこの暑さ…
午前6時前に蕎麦屋に行って、まずは糠床に漬けておいたお新香を取り出す。大きなキュウリとナスだったから、二本ずつ漬けたのに小鉢で10鉢になった。とてもカブを入れる隙間がないのです。店の中は朝から30℃を越えて、蕎麦打ち室は32℃もあるのでした。夜もあまり温度が下がらないから、昨日の午後の温もりが残っているらしい。冷たく冷えたほうじ茶を冷蔵庫から取り出して飲む。冷房を入れて30℃まで下がった蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。
加水率は39.2%にして、蕎麦粉を捏ねればちょうど好い硬さで、ビニール袋に入れて寝かせておけば、この温度だから少しは柔らかくなるだろうと思った。案の定、蕎麦切りの時には上手い具合に蕎麦が切れて、少しずつならこの方法も良いだろうと思った。沢山の量では捏ねるのに力が要るから、腱鞘炎の酷くなる恐れがあるのです。昨日の夕刻と今朝の分を合わせて、13食の蕎麦を用意したけれど、果たして今日は朝からのこの暑さでお客が来るのだろうか。
朝食を終えていつもの時間に家を出て蕎麦屋に向かう。お袋様が退院する日なので、弟が迎えに行ってくれるから、亭主はもう車で店に出掛ける必要がなくなったのです。風はあるものの陽射しは強くて、残暑と言うより真夏がそのまま続いているような感じなのです。暑中見舞いも残暑見舞いも書けない今年の特殊事情。せめて、このブログを見てくれることを願っているだけ。蕎麦屋に着いて幟と看板を出したら、厨房に入っていつものように準備を始める。
大根と生姜をおろして薬味の葱を刻んだら、野菜サラダの具材を取り出して刻み始めたのですが、少しずつ値段の上がっている野菜は、それなりに新鮮なものが多かった。人参も柔らかくて今日はジュリエンヌの出来が良かった。ブロッコリーやアスパラガスも胡瓜も皆いつもより新鮮なもので、皿に盛り付けるのが楽しくなるのでした。新しい油を天麩羅鍋に注いで、今日はこの油を使う機会があるのだろうかと自問する。暑さは朝よりも増してきた感じがする。
エアコンの入った蕎麦屋の中でさえ29℃だから、外は相当な暑さなのに違いない。幟が風でひらめくのが涼しく見えるのは、涼しい店の中にいるからなのです。女将がやって来て「家からここまで来るだけでもう汗をかいたわ」と言う。暑いから人も歩いていない。12時半になってもお客は現れない。1時前になってそろそろ片付けようかと思っていたら、車が一台駐車場に入ってきた。若い女性が一人でカウンターに座って、ヘルシーランチセットを注文した。
洗い物が終わったら、女将は今日退院したお袋様のところに寄って帰ると言うので、残った野菜サラダや水羊羹を持たせる。亭主は後片づけをしたら先に家に帰って、居間と書斎のエアコンを点けるのでした。1時間ほどしたら女将が帰ってきた。お袋様も元気そうだというので安心した。4時過ぎまでひと眠りして、今日は業者が荷物を届けてくれる日なので、蕎麦屋に出掛ける。業者がやって来るまで、少なくなったカレーの具材を切り分けて仕込んでおく。
9月13日 金曜日 一人営業の日に限ってお客が入る…
今朝は蕎麦屋へ行く前に釣り銭を用意しにコンビニに行くのでした。昨日の仕入れが思ったよりも費用がかさんだので、釣り銭分が半分になってしまっていたから、銀行から降ろして補充しなければなりませんでした。度重なる食材の値上げで、なかなか苦しいところです。店に行って看板と幟を出していたら、向かいの農園の若旦那が挨拶をしてくれた。厨房に入って温度計をみれば朝から30℃もあるから、急いでエアコンのスイッチを入れるのでした。
昨日、仕込んだままで鍋ごと冷蔵庫に入れておいたカレーを、ジブロックに詰めてラップでくるんでおきます。隣同士が冷凍してくっついてしまうのを防ぐ爲と、レンジで温めたときに袋から中身が漏れたときの爲に、ラップでくるむようになったのです。大根をおろして、野菜サラダの具材を刻み始める。時計は9時半だったから十分に時間があるのでした。外は曇り空で薄陽が差しているけれども、気温は高く湿度も相当なものなのです。
今日は11時過ぎに老人夫婦が駐車場に車を止めて、店に入って来たから、暖簾は出さずに注文を聞いて開店前にひと仕事。天せいろとぶっかけ蕎麦をご注文だったから、丁寧に天麩羅を揚げて蕎麦を茹で、テーブルに運んだらちょうど開店の時刻になっていました。奥様が「こんなに美味しい蕎麦を宣伝していないのですか」と尋ねられたので、「ホームページはあるのですが、あまり宣伝をするとお客が来すぎて対応が出来ないのです」と亭主は応えるのでした。
開店の時間になっていつもの常連さんが自転車でやって来る。昼前になって近くのマンションから常連さんが歩いて来る。宅配のお兄さんが車で駐車場に入ってきて、いつものメニューを注文するのでした。最後の辛味大根をおろして「この時期はこれで終わりなのですよ」と言って大盛りのせいろ蕎麦をお出しする。常連さん達は三人とも大盛りだから、蕎麦がみるみるなくなっていく。1時前にまた一人お客が車でいらっして天せいろのご注文。
手の空いたときにお袋様に電話をすれば、近所の友人達が心配をしてくれたとかで、電話で事情を話したのだと言う。また表には出られないから、今日は溜まっていた洗濯物を片付けたらしい。昨日弟と帰りに食材や果物を買って帰ったと言うから、まずはひと安心なのです。まだ脂っこい物や生野菜などは、消化に悪いので食べないようにしていると言うので、亭主が持って行こうと思っていたカレーや野菜サラダの残りは、家に帰って我が家の夕食に食べる。
9月14日 土曜日 三連休の初日はお客も少なかった…
午前6時前、蕎麦屋に出掛けて朝飯前のひと仕事。朝の空気は涼しかったけれど、店の中は30℃を越えていたから、まだまだ暑いのです。蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打てば、加水率39%でちょうど好い仕上がり具合なのでした。最近は硬く仕上がった生地を伸して畳んでも、蕎麦切りをする段階でどうしても切りむらが出来るから困ったものです。やはり包丁を研がないといけないのかも知れない。亭主の目の悪い事だけでは片付けられない問題なのです。
7時過ぎには家に戻って女将の用意してくれた朝食を食べ、涼しく冷えた書斎でひと眠りする。女将が洗濯物を干している間に、台所でコーヒーを入れてテレビの映画を観ていたら「先に行くわよ」と言われて時計を見れば、もう9時20分なのでした。慌てて玄関を出て女将の後を追いかける。今日は朝市のある土曜日なので、梨を買ってお袋様に届けると言っていたから、女将も早めに家を出たらしい。一日花の庭の紅葉葵が今朝も咲いているから嬉しい。
バス通りを店の近くまで来れば、女将が八百屋で梨を買っている姿が見えた。今日は新しくカレーとフライドポテトを売るキッチンカーが加わって、朝市も早くから賑わっているではありませんか。朝市は昼までの営業だから、蕎麦屋が店を開ける頃にはもう片付け始めるのです。若い人たちの活動は微笑ましく、元気に満ちあふれている。蕎麦屋の開店準備もそれらの光景を店の中から見ながら、いつもの時間に追われて進めて行くのです。
昼を過ぎた頃に中年のご夫婦がいらっして、天せいろとぶっかけ蕎麦のご注文でした。その後、車がもう一台駐車場に入って、リピーターの中年男性がカウンター席に座り、ぶっかけ蕎麦と今日は海老とキスの天麩羅を追加で頼まれる。よほど天麩羅が食べたかったのか、天麩羅も六つだからかなり量があるのです。しかし、それからというものお客はなく、暑さだけの爲ではないような気がした。いつも三連休というのは、お客の動きが読めないのです。
お客が来そうにもなかったので、1時過ぎには亭主もかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べておく。1時半には暖簾をしまって店を閉めるのでした。「今週は1時半で閉店」という張り紙を外して、明日からは2時間で営業するつもり。家に帰って冷たい梨を剥いてもらったら、涼しい書斎でひと眠りするのです。5時前には目覚めて、買い物から帰った女将が具材を準備した冷やし中華を亭主が作る。ひと休みしたら、蕎麦屋に出掛けて明日のお新香を漬けて来る。
9月15日 日曜日 秋風が吹くけれど日中は真夏の暑さで…
今朝も6時前に蕎麦屋に出掛けて、まずは夕べ漬けておいたお新香を糠床から取り出す。小鉢10鉢に入るように切り分けて、急いで蕎麦打ち室に入るのです。エアコンを入れても、店の中はまだ30℃もあるから、外の方が風が吹いて涼しいのではないかと思う。ちょうど向かいの森から朝日が昇って、その光が眩しくてたまらない。今朝は加水率を思い切って38%台にしてみたら、昔の感覚が蘇るのでした。綺麗な蕎麦が出来上がったのです。
今朝は600gの蕎麦粉を捏ねて6人分の蕎麦を取り、昨日の残りと合わせて13人分の蕎麦を用意できた。昨日もしっかりと打てた蕎麦だったから、今日は胸を張ってお客に出せるのです。7時過ぎに家に戻って、朝食を食べたら例によってクーラーの効いた書斎に入ってひと眠りする亭主。日曜日だから女将の観る朝ドラはなかったけれど、習慣で朝ドラの終わる時間には目が覚めるのです。洗面と着替えを済ませて、コーヒーを入れてから蕎麦屋に出掛けます。
エアコンを点けたままにしておいたから、店の中は25℃と快適な涼しさなのでした。外も風はあるのですが、湿気が凄いからやはり暑く感じる。大根と生姜をおろして、いつものよう野菜サラダの具材を刻んでいたら、女将が汗をかきながらやって来て「朝は涼しいと思ったのに、もう暑くなったわ」と水を飲む。店の掃除を済ませたら、割り箸やおしぼりなど細々としたものを用意して、早お昼を食べに家に戻るのです。11時過ぎにまたやって来て開店の準備。
昼過ぎにいきなり4人のご家族がいらっして、双子のお子さんを見たら、先日いらっしたお客さんだと分かった。今日はご主人を連れてお出でなのでした。その後も日曜日だからか、ご家族連れが多く、あれよあれよという間に、生舟の中の蕎麦がなくなっていく。テーブル席は一杯だったから、最後の年配のお二人はカウンターに座って、ヘルシーランチセットとぶっかけ蕎麦を頼まれた。久々に10人を越えるお客が来たので、忙しくも嬉しいのでした。
今日は洗い物をする暇がなかったので、2時半過ぎまでかかって洗い物と片付けをするのでした。チェーンポールを上げに行っても鎖の部分の熱さが、熱くて触ることも出来なかった真夏とは違うのだけれど、午後の陽射しはまだまだ半端ではないのです。それでも家々の影に入ると少し涼しく感じる。空にはあちらこちらに鱗雲が出て、やはり季節は秋なのだと思うのでした。家に帰って冷たく冷えた梨を剥いてもらい、亭主は書斎に入って例によってひと眠り。
1時間ほど眠って食堂に行けば、女将はテレビを点けて相撲を観なから夕食の材料を用意している。亭主が台所に入って、残った野菜サラダを使って得意の五目焼きそばを作るのでした。30分ほど休憩をしたら、亭主は三度蕎麦屋に出掛けて、明日の蕎麦汁を作ったり、蕎麦豆腐を作ったり、カウンターの上に並んだ洗い物を片付けて8時前には家に戻るのです。明日は曇り空で30℃にならないと言うから、朝は蕎麦を一回打てば好いだろうと思うのでした。
9月16日 月曜日 雨のち曇りの三連休最終日は…
ウッドデッキに洗濯物を干しに出た女将に「雨は降っている?」と尋ねたら「止んだわよ」と言うので、傘も持たずに歩いて出掛ければ、途中からポツポツと降り出して、蕎麦屋に着く頃にはかなり濡れてしまうのでした。今日は一日中こんな天気だろうと、気温も低いし、蕎麦は一回打てば大丈夫だと考えたのです。38%で750gの蕎麦を打つのは、久し振りなのです。力も要るし、何度も捏ねなければならないので時間がかかる。左手の腱鞘炎は大丈夫だろうか。
しかし、蕎麦玉を伸して畳んでみれば、きっちりとした蕎麦が出来上がるのです。包丁切りもスムーズに、最近にしては最高の出来なのでした。昔はいつもこんなに力を入れて蕎麦を打ったのだったろうか。五年十年という年月で、自分もかなり老いたのかも知れない。思い起こせば、蕎麦を打ちすぎて両腕が腱鞘炎になったこともあるのです。少しの量ずつならまだまだ好い蕎麦が打てる気もするのです。雨の降る連休最終日なのが残念でした。
朝飯前のひと仕事に来なかったから、今日は蕎麦打ちを終えてからすぐに厨房に戻って、大根をおろし、薬味の葱を刻み、野菜サラダや天麩羅の具材を切り分けなければならなかった。時計を見ながらどんどん仕事を片付ける。女将も来てくれて店の掃除を終え、洗濯物を畳んで早お昼を食べに帰るのです。彼女の戻るまでに、開店の準備は何とか間に合った。雨は止んだけれども、昨日までに比べて気温も低いし、お客の来そうな気配はないのでした。
暖簾を出せばすぐに常連さんがいらっして「ぶっかけ大盛りとビール」と言う。大盛りの器は大きいので、掻き揚げ二つに蓮根と南瓜の天麩羅に生椎茸の天麩羅を加えてお出しする。カバーを掛けた文庫本を読みながら、今日も40分ほどカウンターの隅で食べて行かれた。その間に、ご夫婦のお客が来店して、おろし蕎麦とぶっかけ蕎麦に海老を追加して頼まれる。天麩羅を揚げて女将が席に運ぶともう一台車が駐車場に入ってくる。若い夫婦がせいろ蕎麦を二つ。
今日の蕎麦には自信があったから、せいろ蕎麦で食べてもらえて嬉しかったのです。味わうようにゆっくりと召し上がる二人のお客の姿が印象的なのでした。1時を過ぎた頃には少し明るくなったけれど、混むのは昼過ぎのほんの一時だけなのです。1時半まで待って、亭主はかき揚げを揚げ、今朝打った端切れの蕎麦を茹でて賄い蕎麦を食べてしまう。硬く打った蕎麦は確かにしっかりとした歯ごたえがあって美味しい。女将と2時過ぎには家に帰るのでした。
9月17日 火曜日 涼しすぎる夜中に何度も目が覚めて…
今朝は早く起きて蕎麦屋の西の小径に枝を伸ばした木槿を剪定しようと思っていたけれども、涼しすぎる夜中に何度も目が覚めて、結局、女将に朝食だと起こされるまで眠ってしまったのです。いつもの時間にお袋様に電話をすれば、調子は好さそうで、買い物に連れて行ってくれと言われて迎えに行く。退院してまだ一週間が過ぎていないから、ちょっと心配なのでした。沢山の買い物を玄関まで運んでやると言えば、珍しく今日は亭主の言葉に逆らわなかった。
蕎麦屋に着いて荷物を降ろしていたら、向かいのサツマイモ農園の若旦那に会ったから、先日、採れたてのサツマイモを頂いたお礼を言うのでした。土曜日の朝市でも売っているそうなので、今度は買いに行きますと言っておいた。厨房に入ってカウンターに干した昨日の洗い物を片付け、固めた油をゴミ箱に入れて、大根のなた漬けの準備に、漬け物器に切った大根を入れて塩をまぶしておく。洗濯機の中の洗濯物を干したら、家に帰ってちょうど昼の用意です。
「昼は何にしようか」と朝のうちに女将に聞いておいたから、亭主は久し振りにパスタとソースを買って帰っていた。ついでに買って帰ったトンカツも一枚を半分にしてネギと一緒に茹でたてのパスタに載せて、懐かしいボロネーズ風のパスタを食べる。学生の頃は毎週、駅の階段の下にある食堂で、カウンターに座ってこのボロネーズを食べていたのです。茹でたてのパスタを皿に載せてソースをかけると脂っこくなくてちょうど好い。久し振りに美味しかった。
午後は女将のスポーツクラブの予約を終えるまでは、家でテレビを観て、夕刻になったら蕎麦屋に出掛けて仕込みをするのでした。西の小径の木槿の枝も気にはなっていたけれど、外で活動するにはまだまだ暑いのでした。蓮根の皮を剥いて輪切りしたら酢水で茹でて、南瓜を切り分けてチーンする。そして、天麩羅の具材を切り分けて容器に入れるのです。生椎茸も新鮮なものが手に入ったので好かった。三ツ葉がなかったので明日にでも仕入れに行かなくては。
明日の朝に出汁を取る準備をして5時過ぎに家に帰れば、女将は食堂のテレビの前で大相撲に見入っている。夕食にはまだ早いと、亭主は先週残った豚のハラミを焼いてもらって、焼酎を飲み始めるのです。贔屓の力士が勝つと、声を上げて喜ぶ女将の姿に驚きながら、明日の仕事をシュミレーションする亭主。朝の出汁取りと蕎麦汁作りはあるけれど、少しでも西の小径の木槿の枝を切り落としておきたい。午後から雨という予報もあるから、要注意なのです。
9月18日 水曜日 晴れても湿度90%以上の蒸し暑さ…
少し涼しく感じた朝、今日こそは西の小径の木槿の剪定をしようと、早くから蕎麦屋に出掛けるのでした。小一時間かけて径に張り出した枝を切っていくうちに、すっかり汗ばんでしまったのです。90㍑のゴミ袋が一杯になって、なんとか仕事を終えたら、もう7時前なのです。やはり出汁取りまでは出来なかった。朝食を食べに家に戻って、女将の用意してくれた飯を食う。今日は昨日買えなかった三つ葉を手に入れなければと、ショッピングモールに出掛ける。
早い時間のショッピングモールは駐車場も空いているから、入り口近くの場所に車を停めて、目的の三ツ葉を三束籠に入れたら、ライムや寒天粉とお袋様にパンと鮪のたたきと果物を買うのでした。ついでに酒屋に寄って夜の焼酎を手に入れる。お袋様の家に行けば綺麗に部屋を掃除したばかりらしく、元気そうな姿をみせたからひと安心。まだ、外には出ていないけれど、そろそろ普通の食べ物を食べても好いかと思っているのだと話していた。
蕎麦屋で午前中の仕込みを済ませたら、昼は素麺を食べる。キャベツが随分と余っているからと、亭主が豚肉と炒めておかずにするのでした。食後は例によって書斎でひと眠り。その間に女将はスポーツクラブに出掛けていく。亭主はまだ左手首の腱鞘炎が完治していないので、この一ヶ月ほどプールはお休みなのです。使わなければ早く治るのだろうけれど、どうしても毎日の仕事で動かしてしまうから、なかなか治らないのです。困ったものです。
遅い午後にまた蕎麦屋に出掛けて、まずは明日のデザートの水羊羹を作り、お新香を糠床に漬けておく。今日は夜の防犯パトロールのある日だったけれど、夕刻は雨の予報でどうなることやら。女将と二人で相撲をテレビで観ていたら、外は暗くなって佐倉はかなりの雨が降ると言う。これではパトロールも中止だろうと酒を飲み始めるのでした。明日は仕事が終わったら、皮膚科に行って足の湿疹を見てもらうことになっている。放っておいたら酷くなっている。
9月19日 木曜日 9月の中旬も終わるのに暑さは治まらない…
今日も5時起床、5時半に蕎麦屋に出掛ける亭主。剪定を済ませた西の小径を眺めれば、下に生えた雑草を抜いたり、タラの木の枝を切り落としたりと、まだまだやることが沢山あるのでした。お隣のお花畑も、機械で刈れるところは綺麗に草を刈ってあるけれど、これから手作業で径沿いの雑草を刈っていくはずです。先月97歳で亡くなったと言うお爺さんの元気な頃は、お互いに鎌を持って休憩したら、径の端で二人で一服するのでした。
厨房に入って夕べ漬けておいたお新香を糠床から取り出し、10鉢だけ盛り付けて起きます。ついでになた漬けも4鉢盛っておいた。これで混んでも二日は持つはずです。今朝は曇っていたけれどやはり湿気が多くて、店の中でも朝から暑いと感じるのでした。6時を過ぎたら蕎麦打ち室に入って、今朝の蕎麦を打つ。最近は木曜日が混まなくなったので、今日も750g八食分だけで一回の蕎麦打ちなのです。そして一人で営業の金曜日が混むから嫌になってしまう。
今朝は少し硬すぎるのに疲れて39%の加水にしたら、ずっと捏ねやすかったので助かったのです。わずか数グラムの水の量の違いでこんなにも変わるものなのかと、自分でも驚いてしまう。無事に生舟に八束の蕎麦を並べて、7時10分になったから家に戻って朝食を食べる。食後はお茶をもらったら、書斎に入って横になるのでしたが、何故か今朝は眠れない。ウトウトとしただけでもう起きなければいけない時間なのでした。今日は髭剃りがあったから大変。
再び蕎麦屋に出掛けて幟や看板を出したら、厨房に入り、昨日作って鍋のまま冷蔵庫に入れておいた蕎麦汁を、徳利に詰めていきます。この作業は週に二、三度ほど繰り返すのです。足らなければ予備の一番出汁で1㍑ほどの蕎麦汁を作るのですが、だいたいそれで最近は足りている。薬味の葱を刻んで、大根と生姜をすって、それから野菜サラダの具材を刻む。野菜サラダを盛り付けて冷蔵庫にしまったら、天麩羅の具材を調理台に並べて天麩羅鍋に油を入れる。
木曜日は女将が来るのは開店間際だから、テーブルも亭主が拭いて回らなければならない。暖簾を出してしばらくしたら女将がやって来た。どうも一人で始める定休日明けは何故か心細いのです。昼前に珍しく平日に、カレーうどんの小父さんが一人でいらっしゃるのでした。続けて駅前のマンションから自転車でいつもの常連さんがやって来る。1時過ぎにはやはり駅前のマンションから、珍しく車で常連さんがご来店。暑くてとても歩いてこられないと言う。
やっと天せいろが出たので、今日は亭主も賄い蕎麦を食べるのに天麩羅を揚げた。お客が少なかったから、2時前には洗い物も終わって、二人で家に戻るのでした。今日は亭主が皮膚科に予約を取ってあったので、昼寝もせずにひと休みして出掛けて行く。塗り薬を処方してもらって1時間ほどで家に帰り、それからひと眠りなのでした。目を覚まして食堂に行けば、連勝の力士が負けたと女将が騒いでいた。今日は彼岸の入りだから、いつ墓参りに行こうかと女将と話したのは夜になってからなのでした。