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2022年10月末

10月27日 木曜日 「段取り」と言う言葉 …

 午前6時過ぎの朝日はもう森の上に昇っていました。今日も青空の広がる寒い朝なのです。朝飯前のひと仕事は、お新香を糠床から出して切り分け、小鉢に盛り付けること。ついでに筑前煮も少しだけ盛り付けておきました。大釜の水は夕べのうちに満杯にしておいたし、珈琲を飲みながら今日の「段取り」を考える亭主。ふとこの言葉で思い出した。昔、福島の山中の釣り宿に泊まった時「段取りがあるから暗いうちに出ないと」と前夜に宿の老女将に言われた。

 若かったから「段取り」などと言う言葉は、知ってはいてもほとんど使ったことがなかった。渓流で竿を出すまでに、ばか長を掃いたり、糸を竿に付けたり、餌を針に付けたりしているうちにもう明るくなって、大きな山女魚が一番餌を食う朝まづめを逃してしまうのです。そんな経験を重ねても、日常の仕事や何かでは「段取り」ではなく「準備」などと言っていた。ところが最近は歳を取ったせいか、「準備」では言葉の重みが足りないと感じるようになった。

 朝飯前のひと仕事は、まさに日中の「段取り」をこなすためのいろいろな「準備」に他ならない。山中の釣り宿にはその後何年も通い続けて、渓流釣りの名人と言われた親父様からは、お婆様が亡くなってからも、随分長い間年賀状が届いた。年老いた父親が心配だからと、一人娘が付いて釣りに出掛けていた。その娘さんも結婚して親父様は近所の親類が面倒を見ていると言う話を聞いた。小さな息子を連れて行った時も、お婆さんには随分世話になったのです。

 今朝は髭を剃って着替えを済ませたら、9時前には蕎麦屋に出掛けていく亭主。看板を出し、幟を立てて、チェーンポールを降ろしたら、蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。加水率は41%で、少し硬めの生地に仕上がる。暖房を入れた室温は19℃ほどだったけれど、暑くなってエアコンを消し、窓を少し開けるのでした。日中は18℃までしか上がらないという予報だったけれど、これだけ晴れていれば寒くは感じないのです。今日も天せいろが出そうです。

 蕎麦を打ち終えて10時を過ぎる。前掛けの粉を払いに玄関を出れば、柊南天の黄色い花に、5cmほどの大きなスズメバチが寄って来る。二匹もいたからちょっと警戒して写真に収めておきました。近くに巣があるのでなければいいけれど。お客が刺されたりしたら大変なのです。厨房に戻って野菜サラダの具材を刻む。今日のキャベツは少し葉の厚味が薄かったから、余分に使って刻むのでした。晴れた日だから、以前のように平日バージョンで三皿用意した。

 大鍋に沸いた湯をポット4本に入れて、胡麻油を天麩羅鍋に空けたら、冷蔵庫から天麩羅の具材を取り出して調理台に並べる。天ぷら粉も天つゆも皆冷蔵庫から出しておきます。開店の15分前には、天麩羅鍋と天つゆの鍋に火を入れて温めておく。テーブルをアルコールで吹いたら、いよいよ暖簾を出すのです。宅配の車が駐車場に入ったから、何か持って来たのかと思えば、若い男性が蕎麦を食べに来たと言う。いきなりヘルシーランチセットの天せいろの注文。

 作ったばかりのサラダを出したところで、続けて若いカップルがご来店。お二人は天せいろだったけれど、最初のお客の天麩羅を先に揚げてしまう。天麩羅鍋には一人分しか具材が入らない。二人の時は半々に分けて揚げていくのです。油の温度が下がるとカリッと揚がらないので、最近は十分に注意して上げている。それでもお客が続くと、油が疲れるから少し間を開けてまた揚げるようにしているのです。宅配の青年からいろいろ仕事の苦労を聞かされる。 

 後半は隣町の常連さんがいらっして「何か新作はないの?」と言うものだから「この間ご所望だったキノコつけ蕎麦を作りました」と言えば、早速、ご注文。ご自分でサラダをカウンターから取るから、ドレッシングを渡せば「まだ箸をもらっていないんだけど」と随分せっかちに言うので、お茶と箸をお持ちするのです。今日の話題は自分でシチューを作ったら、具が多くなりすぎて困ったのだとか。スマホを持った女将が来て、次のお客の配膳をしてくれる。

 夜は肩ロースの塩胡椒焼きで、店で残った野菜サラダを二人で分け、家で作ったマカロニサラダを添え、今日もご飯を食べる亭主。今日も早い夕食の時間には、焼酎を飲まないことにしたのです。夕食の時間から飲み始めると、寝る前まで5時間もあるから、途中で風呂に入っても、ついつい飲み過ぎてしまうらしい。夕べも風呂上がりから飲んでちょうど好い量なのでした。夕食にご飯を食べるから、糖質が多めでちょっと心配だけれど、飲み過ぎるよりは好い。

10月28日 思ったより寒かった一日 …

 今日は晴れるという予報だったのに、朝家を出る時からもう空は雲に覆われていました。蕎麦屋の隣のコスモス畑も、白い雲ばかりで、青空が隠れてしまっていたのです。今日は少し暖かくなると思っていたら、朝から随分と寒いから驚いた。店の中に入って温度計を見たら、室温15℃、湿度が40%しかなかった。湿度が低いと寒さが増すのです。暖房を入れて店内が暖まるまで、お茶を沸かしながら、大釜に水を張り、昨日の洗い物を片付ける。

 ほうじ茶を飲んでちょっと暖まったら、看板を出して幟を立て、チェーンポールを降ろしに出た。蕎麦打ち室もまだ15℃しかなかったけれど、まずは蕎麦を打たないといけないからと、41%の加水で蕎麦粉を捏ね始める。乾燥しているからか、水回しを終えて粉をまとめようとしてもすぐには固まらないのです。ここで慌てて水を加えてしまうと柔らかくなりすぎるといけないので、じっくりと力を入れて捏ねるのです。じわじわと水分がにじみ出てくる。

 こんな日は生地が硬いと蕎麦を伸すのにも根気が要る。伸し棒を何度も行き来させて、生地を広げていかなければなりません。それでも生地の端がひび割れてこないから、十分に捏ねられていることが分かります。90cmの奥行きに達するまで伸すのが難しいと分かったら、伸し棒に生地を巻いて何度も転がしていくのです。すると、自然と生地が伸びて90cmになるから不思議。ここで初めて八つに畳み、蕎麦切りに入ります。硬い生地はしっかりとエッジが立つ。

 八人分の蕎麦を打ったら、厨房に戻って野菜サラダの具材を刻む準備です。蕎麦打ちをして身体が熱くなり、室温も19℃まで上がってきたから、エアコンを消して窓を少し開けておきます。この時点でも外は陽射しがないから、今日は気温は低いままなのかも知れない。タブレットで市内の天気予報を見れば、いつものことですが昼まで曇りに変わっているから嫌になる。それでも野菜サラダは三皿用意しておきました。出るはずもなく、お客も来るかどうか。

 向かいの畑のネットで覆われた中に、葉物野菜が育って来ているのが見える。その後ろの柿の木には、人間の目で見ると色づいた柿が沢山なっているのですが、スマホのカメラのレンズでは捉えきれないようです。天麩羅鍋に油を入れて、天つゆの鍋にも火を入れておく。天麩羅の具材を調理台に並べ、天ぷら粉の容器を冷蔵庫から出して脇に置く。これでテーブルを拭いて回ったら、いよいよ開店の時刻なのです。10分前に暖簾を出してスタンバイする。

 気持ちはさあ開店というつもりでも、やはり、この陽気だから、お客は来ないのです。1時間経っても人影さえ見えず、こんな寒い日に蕎麦屋に行こうという人はまずいないのでしょう。1時になってもお客は来そうになかったので、今日は賄い蕎麦に最近開発したキノコつけ蕎麦を作って試食してみる。昨日の常連さんにはもう出したのですが、亭主は自分でまだ食べていなかった。茸の香りが美味しいけれど、まだまだ研究の余地がありそうなのでした。

 1時半にならない頃に、遅いお客がいらっして、海老を一本追加して天せいろを注文なさる。もう直ぐ片付けを始めようかと思っていたから、注文の品をお出ししたらもう大鍋の火を落とす時間なのでした。自転車で高層マンションの方からいらっしたようで、ゆっくりと時間をかけて蕎麦を食べて行かれた。たった一人のお客でもパットやボールや笊や大鍋などは洗わなければいけないから、洗う皿の数が少ないだけなのです。2時半には家路につく。


10月29日 土曜日 10月最後の週末は暖かさに救われた

 夕べは11時には床に就いたのに、今朝は6時半まで眠っていた。昨日もお客は少なかったから、疲れているはずもないのによく眠れたのです。夕食の時に晩酌をしなくなってから、そういった日が続いているから、少し続けてみようか。酒の量も減るし、プールに出掛けるようになれば、自然と晩酌はなくなるので、ちょうど好いかも知れないのです。一番の変化は体重が減っていること。だらだらと酒を飲んでいると何かしら食べているから、身体には好くない。

 朝飯前のひと仕事に出掛けなかったから、朝食を終えて朝ドラの時間が過ぎたら、もう蕎麦屋に出掛けていく亭主。みずき通りのハナミズキの紅葉が今年は綺麗なのでした。毎日の寒暖の差が激しいからに違いない。去年は枯れているのか紅葉しているのかが、はっきりと分からなかったのです。蕎麦屋の隣の畑の秋桜も、相変わらず元気に花を咲かせていました。今朝も雲一つない青空で、今日は暖かくなりそうなのでした。お客を期待したいところ。

 女将の記録によると、去年のこの土曜日は晴れていたけれど、お客はゼロだったと言うから、こればかりは何年やっていても分からない。蕎麦は500g5人分だけ打って、昨日の残りと合わせて14人分を用意しました。打ち粉がなくなったので、蕎麦粉を代わりに使ったのですが、どうしても勿体ないから少量にすると、蕎麦と蕎麦がくっついて宜しくない。明日は沢山使ってみようと思う。新蕎麦がもう直ぐ出るから、その時に一緒に打ち粉は頼むつもりなのです。

 野菜サラダは週末だけれど、最近の出具合からして三皿で十分と判断した。キノコのつけ蕎麦の汁を鍋に二杯分ほど作っておく。蕎麦汁に一番出汁を少し足して、新しいキノコを入れて煮るだけだから、手間はかからないのが好い。茸の香りがぷーんと漂うのです。開店の準備を終えて暖簾を出したら、珍しく今日は開店時刻にお客がいらっした。しかも四人家族で、天せいろを三つに鴨せいろ。大盛りが二人もいたから、作り甲斐があるというもの。

 その後も次々とお客が入って、厨房の亭主も女将もてんてこ舞いなのでした。10人入ったところで時計を見れば、まだ12時半になっていなかった。ほとんどが天せいろなのでしたが、三人のお客が天せいろを頼まれて、ほぼ同時に入ってきた年配の女性二人はカウンターに座る。「温かいお蕎麦ならキノコつけ蕎麦がすぐできます」とカウンターのこちらから亭主が言えば、ご注文だったから、汁を温めて蕎麦を茹でて早くにお出しする。これは大正解でした。

 「キノコの香りが季節を感じさせるわ」と、綺麗に汁まで飲み干されてお帰りなったのです。1時過ぎにはお客もいなくなって、洗い物と片付けに専念する女将と亭主。亭主はまた昼飯を食い損ねたのです。2時過ぎには片付けを終えて、例によってコンビニに出掛けてサンドイッチとカレーパンを買って食べる。ついでにマカロニサラダやハラミや軟骨の唐揚げを買って、夜の酒の肴にするのでした。ひと眠りして夕刻になったら、防犯パトロールに出掛ける。


10月30日 日曜日 空の綺麗な一日でした …


 午前5時には家を出て蕎麦屋に向かう。昨日の夜はパトロールもあったから、疲れてもう片付けや仕込みに来られなかった。蕎麦汁も小鉢もなくなっていたし、沢山の洗い物がカウンターの上に干したままだったから、気になって早くに目が覚めたのです。厨房に入って洗い物を片付け、蕎麦汁を詰め替えた頃に、やっと東の空が明るくなってきました。夜明け前の黎明がとても鮮やかなのでした。ちょうど5時半を回った頃です。

 小鉢は浅漬けにして、キュウリとカブとナスを二つずつにニンジンを半分スライス。いつもより多い量だけれど、残れば明日も使えるのです。朝食後に店に来たときには、水が上がって漬いている計算です。蓮根の皮を剥いて酢水で茹で、隣の鍋ではキノコ汁を4人分作って味見をする。二番出汁と薄口の出汁醤油で煮込んで、後で蕎麦汁を加えて味を調整した方が、色が薄くなると分かったので、今日は少しは美味しそうな色合いの汁になりました。

 家に戻ってもまだ6時半過ぎだったから、朝食までの30分ほど書斎で横になってひと眠りするのでしたが、ウトウトするだけでぐっすりとは眠れない。女将が「ご飯が出来ましたよ」起こしに来てくれて、朝食の食卓につくのでした。豚汁と縞ホッケの焼いたのが、今日のメインのおかず。南瓜の煮物ととろろ芋はその引き立て役なのでした。炊きたての新米はとても美味しいのです。近所の農家に持ってきてもらったばかりの米で、去年よりも味が好いと感じる。

 食後にもうひと眠りしたかったけれど、打ち粉の切れた蕎麦打ちは、蕎麦粉を打ち粉の代わりに使っているから、うまく蕎麦が打てるかと心配でならなかった。今日はもっと粉を沢山使って打ってみようと、意気込んで蕎麦屋に出掛けたのです。みずき通りを渡れば空は青く、真っ赤に紅葉したハナミズキが遠くまで見渡せて、とても素敵なのでした。考えたら今日は日曜日。通る車の姿も見えず、冷たい風に吹かれて歩くのは亭主一人なのです。

 看板を出して、幟を立てチェーンポールを降ろしたら、まず蕎麦打ち室に入って蕎麦を打つ。湿度は50%、気温は15度とまだ寒かったけれど、蕎麦粉を捏ねていくうちに身体が暖かくなって来る。今日は伸していく間の粉打ちを、篩にかけて細かくたっぷりとやってみたのですが、これが案外と効果的で、蕎麦と蕎麦がくっつくのを防いでくれました。ただ、包丁切りの時には注意をしないと、ゆっくり切っていると蕎麦がくっつくのでした。

 野菜サラダを三皿盛り付けて暖簾を出せば、開店時刻に合わせるかのように、昨日来た女性の二人連れがご来店。席が空いているのにカウンターに座って「今日もキノコ蕎麦をお願いします」と言うのでした。汁を温めている間に野菜サラダもご注文で、随分と気に入ってもらえたようでした。続いて常連の農家のご家族が、葉の付いた大根を二本ぶら下げて来てくれた。お婆様は今年90歳になると言う。天せいろを頼まれてしっかりと食べて行かれたのです。

 お客が途切れたからと、亭主が奥の座敷で休んでいる間に、いつもの時間よりは早く、女将の友だちが来たらしく、店の方で話し声が聞こえる。一つ残った野菜サラダをお出しして、蕎麦を茹でるのです。これで最後かと思ったら、亭主のブログを読んでいるというご夫婦がいらっして、奥様はキノコつけ蕎麦とデザートの蕎麦饅頭を頼まれる。昨日ほどではないが、二日続けて好く客が入った。片付けを終えた帰り道、蒼い空にかかる絹雲がとても綺麗 … 。

 明日も今日と同じような天候らしいけれど、月曜日だからあまりお客は期待できない。それでも蕎麦は打たなくてはいけないから、もう一度、蕎麦粉を打ち粉にして蕎麦打ちをしようと思う。新蕎麦の注文をして、ついでに打ち粉も忘れずに頼んでおかなくては。今週は鴨肉も海老も発注しておかなくてはならない。問題は小鉢の数が残り5鉢だから、何か作っておかなくてはならないかと悩む。浅漬けか切り干し大根の煮物が簡単だけれど、果たして客が来るか。



10月31日 月曜日 今日も爽快な青空で …

 今朝は6時に家を出て朝飯前のひと仕事。雲一つない青空がとても素晴らしい。東の森の上に朝日が昇って、辺りが神々しい景色に変わる。厨房に入って昨日の洗い物を片付けたら、蕎麦豆腐を仕込み、数の足りない小鉢に切り干し大根を作って盛り付けておく。乾いた洗濯物を畳んで戸棚にしまい、洗濯機の中の洗濯物を干していくのです。平日の今日は女将がいないので、亭主が全部やらなくてはいけない。わずか5分もかからないのに面倒に感じる。

 長年、主婦をやっていれば苦でもないのかも知れないけれど、習慣とは恐ろしい。だから、朝から何回も洗濯をして、朝食を用意する女将の働きぶりにはいつも感心してしまう。朝飯前のひと仕事ぐらいでは威張れたものではない。豚汁の具の多さに驚いて、今朝も美味しくご飯を頂いた。食後のひと眠りもせずに、朝ドラの終わる時間に再び蕎麦屋に出掛けるのでした。玄関を出れば金柑の実が少しずつ色づいている。今日でもう10月も終わりなのですね。

 蕎麦屋に着いたら、昨日の反省を忘れずに、今日は打ち粉にする蕎麦粉を篩でさらに細かくして、伸して畳んで包丁切り。41%では水が少ないのか、それとも打ち粉の蕎麦粉がくっつくのか、どうしても包丁で切るときに硬い感触がある。それでも、今までよりはずっと綺麗に蕎麦が切れた。いつも頼む農場に電話をして、明日から発売される新蕎麦と打ち粉を多めにを注文しておく。木曜日の午前中に着くと言うが、蕎麦打ちに間に合うだろうか。

 材料が残ってしまうからと、今日も野菜サラダは三皿用意したのですが、一つも出ずに残ってしまった。昼前に5人ほどお客が入って、やはりこの晴天が影響しているのかと思えた。鴨せいろと日本酒の注文以外は、せいろ蕎麦とおろし蕎麦で、調理は極簡単なのでした。この調子でもう少しお客が来るかと待っていたけれど、やはり平日の月曜日で、5人お客が会っただけでも有り難いと思わなければならないのです。洗い物もすぐに終わって賄い蕎麦を食べる。

 天麩羅の油を替えなければならないので、沢山ある油が勿体ないからと、残った天麩羅の具材をすべて揚げて、夜と明日のおかずに家に持ち帰る。それでも月曜日はゴミ捨てもあるし、片付けるのに時間がかかるのです。3時前にやっと仕事を終えて家に帰れば、途中でスポーツクラブから帰って来た女将に出会う。夕飯まで書斎に入って横になれば気持ちよく眠れた。食事の時間に女将が今日撮った写真を見せに来る。公園の銀杏がもう黄葉しているのでした。

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2022年10月下旬

10月20日 木曜日 久々に雲一つない秋晴れの一日で …

 昨日も10時半には床に就いたのに、今朝は7時過ぎに女将に起こされた。朝方が寒かったこともあるけれど、夕べの防犯パトロールで4キロ近く歩いたのが応えたのでしょう。食堂に行くとぷーんと好い匂いで、鰺の開きが焼かれていた。昨日の蕎麦屋の試作品で、野菜と肉と豆腐がたっぷりと入ったけんちん汁を持ち帰っていたから、これにカブの葉のお浸しが付いて、十分な質と量なのでした。食後に煙草を買いに出て、青空に映えるみずき通りを上って帰る。

 たっぷりと眠ったから、今朝は食後のひと眠りもせずに、シーツと枕カバーとを洗濯に出して、蕎麦屋に出掛けたのです。ご近所の蜜柑がもう黄色く色づいていました。いつもご主人が綺麗に庭木を手入れするお宅だから、蜜柑に陽の当たるように工夫されているのかも知れない。蕎麦屋の前のバス通りに出れば、何処を見渡しても今朝は雲一つないのです。蕎麦屋の中に入れば室温は15℃と寒いのですが、日中はこの陽射しなら暖かくなりそうでした。

 それでも木曜日の蕎麦は、750g8食分を一度打つだけで止めた。天気が好くてもお客が来ないと言うこともあるのです。この時期は平日に8人来ることはまずないから、加水率を41%にして少し硬めの生地に仕上げる。捏ねる時と伸す時に、少し力が必要だったけれど、昔はこれでよく打っていたものだと懐かしく思い出しながら、包丁切りもトントントンと綺麗に仕上がるのでした。店の窓を全開にしてあるから、外から金木犀の香りが漂ってくる。

 今年は二回花が咲いていると女将が言っていたので、駐車場まで出て匂いの元を確かめる。果たして、黄色い小さな花がまた咲いているではありませんか。隣のコスモス畑も今朝の青空に映えて、素敵な風景なのです。元気を貰って厨房に戻れば、今日は天気も好いからと、野菜サラダを以前のように三皿出すことにする。アスパラガスとブロッコリーを茹でている間に、瑞々しいレタスをちぎってキャベツを千切りにする準備をしておきます。

 気温が上がってきたらしいから、エアコンを消して窓を半開きにしておく。室温は19℃まで上がってきた。野菜を刻んでいる間に、後ろの二つの大釜の湯が沸いたので、お茶と温め用のポットにそれぞれ湯を詰めておきます。今日は新しい胡麻油の缶を開けるから、空の前の缶をビニール袋に詰めて外のゴミ箱に入れる。野菜サラダが仕上がったらひと休み。11時過ぎだったから、後は店の掃除でテーブルをアルコールで拭いて歩くのです。

 昼前に隣町の常連さんがいらっして、カウンターの野菜サラダをご自分で取って「ドレッシングをください」と言う。好物の辛味大根は明日入荷すると伝え、けんちんつけ蕎麦を勧めてみたら、「たまには変わったものを食べたいからね」と言うので、汁を温める。その間に、向かいの地区の常連さん三人がいらっして、いつもの天せいろのご注文。お茶を出して天麩羅を揚げている間、彼女たちはのんびりと会話を始めるのでした。皆さん亭主より年上の人たち。

 1時近くまで話は尽きずに、帰りに残っていた野菜サラダをお持ち帰りになる。スマホを持って女将がやって来て、亭主はやっと昼の賄い蕎麦を食べる。食べ終わるか終わらないうちに、自転車に乗った親父様がいらっして、天せいろのご注文。急いで調理を始め、女将のスポーツクラブの予約の時間に間に合わせる。最近の平日にしてはまずまずのお客の入りで、今日の天気に感謝するしかないのです。午後の陽射しは夏を思わせる暑さなのでした。


10月21日 金曜日 平日なのに今日は蕎麦日和で …

 今日も秋晴れの好い天気になりそう。日の出が段々と遅くなったので、蕎麦屋でひと仕事を終えた6時前は、東の空が明るく光っているだけでした。雲一つない空らしいけれど、まだ青い色になるほどは明るくないのです。昨日の夕食前に蕎麦屋に出掛けて糠漬けを浸けておいたから、今朝は早く起きて店に来た。厨房に入って冷蔵庫から糠床を取り出し、キュウリとナスとカブを水で洗って切り分ける。今日と明日の分があれば好いだろうと小鉢は九つ。

 家に戻って朝食を食べたら、さすがに今朝はひと眠りです。それでも今日は午前中に蕎麦粉と辛味大根が届く日だから、30分ほどウトウトしただけで、髭を剃って着替えて蕎麦屋に向かうのでした。青空が気持ちよくて、つい店を通り越して、隣のコスモス畑に足を踏み入れるのです。秋の桜と書くだけあって、もう花の散っている枝先もあるのでした。端正に並んで咲くというよりは、てんでに好きな方向に伸びて、花を付けるのがまたいいのかも知れない。

 蕎麦屋に戻って看板を出し、幟を立てて、チェーンポールを降ろしたら、早速、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。前掛けをしたところで店の前に宅配便が止まったので、外に出て蕎麦粉と辛味大根を受け取るのです。まだ育っていないという小さなものを無理を言って送ってもらったのですが、握り拳よりも小さいから、ちょうど一人分の分量で使い切れるから好かった。ただ、心配なのは育っていないと味はどうなのかです。

 今朝も750g八人分を41%強の加水で打ち始めたのですが、湿度が46%しかないのに柔らかいから不思議。早朝から暖房を入れておいたから、蕎麦粉が感じている自然の気温・湿度と違うのだろうか。それでも騙し騙し、地伸し・四つ出しを終えて本伸しにかかれば、もう後は打ち粉を振って包丁切りだけでした。切りべらは26本で、140g前後の束を八つ作って生舟に収める。昨日残った三束と合わせて、今日は11人分の蕎麦が用意できました。

 晴れた天気だからと、野菜サラダは三皿盛り付けておく。気温が高くなると野菜サラダは案外と出るのです。11時前に大釜の湯も沸いて、天麩羅油を天麩羅鍋に移し、天つゆの鍋も火にかけたら、最後に店の掃除を始める。開店の10分前に駐車場に車が入ったので、暖簾を出してお客を店の中に入れるのでした。若い青年が一人で入り口近くのカウンターの端に座る。天せいろと蕎麦豆腐と蕎麦饅頭と言うから、サラダが付いて割安なヘルシーランチを勧める。

 開店の時刻の前に暖簾を出したから、すぐに次のお客が入って来た。仕事らしいお兄さん達は天せいろのご注文。カウンターのお客に配膳しながら、テーブルにお茶を運んで注文を聞く。厨房に戻って盆に蕎麦皿や何やらをセットして、やっと天麩羅を揚げ始めたらもう次のお客が三人連れで入ってくる。どうやら先に入った仕事仲間の後輩らしい。お茶を出しながら注文を聞いているうちに、今度は女性客が来て、カウンターの奥に座るのでした。

 気持ちは焦るけれど「今お茶をお出ししますからね」と声をかけながら、一つ一つ順番に仕上げなければと、先に出す料理の準備に専念する。僅か30分で四組のお客が入って、もう目一杯の亭主なのでした。幸いにも全員が天せいろのご注文だったから、盆をセットして、天麩羅を揚げては蕎麦を茹でるの繰り返しなので助かった。三人組の若者達が全員大盛りの注文だったから、生舟の中の蕎麦はあっという間になくなる。最後の女性客に配膳したのが12時半。

 テーブルの盆や皿を片付けることも出来ずに、先に入ったお客の会計を済ませて、ヘルシーランチセットを頼まれた若い女性客一人が残ったので、デザートの蕎麦饅頭を出しながら「お腹の赤ちゃんの分まで食べなければね」と言えば「9ヶ月なんです」と応える。そこで駐車場に車が入ってきたので、天麩羅の具材は切れたし、どうしようかと思っていたら、温かい蕎麦とおっしゃるのでけんちん蕎麦を勧めた。リピーターの親父様だったからすんなりご注文。

 お腹の大きな若い女性は「上の子が幼稚園に行っているので帰るまでに蕎麦屋に来ようと思って」と、次の子供も男の子だと言う。隣に座った親父様も交えて、子育ての大切さを話をするのんびりとした午後なのです。「けんちん蕎麦おいしかったよ」と言われて、嬉しく思う亭主。「また来ますね」と言って帰る女性を有り難いと感じる亭主。お蕎麦売りきれの看板は出したけれど、時計を見ればまだ1時前なのでした。昼を食べるのも忘れて洗い物に精を出す。
 3時過ぎに家に帰って、パソコンに今日の売り上げと写真のデータを入力したら、蕎麦粉の支払いに郵便局に出掛け、コンビニで牛乳とサンドイッチを買って家に戻り、遅い昼飯を食べるのです。やっとひと眠りの午後なのでした。1時間ほどぐっすりと眠って、夕食は女将の手料理で塩胡椒で味つけした鶏肉のカリカリ焼き。パンを食べたばかりの亭主はもう腹が一杯で、風呂上がりの焼酎を飲みながら、このブログを書き終えるのです。


10月22日 土曜日 曇り空、昨日までの賑わいは夢のよう …

 店の混んだ日の翌日は、いろいろとやることが多い。コロナ以前はそれが毎日だったから、あまり苦にもならなかったけれど、暇な時期が続いたからさあ大変と思うのです。6時前に蕎麦屋に出掛けて昨日の洗い物を片付けたら、まずは蕎麦汁の詰め替えで空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を入れていく。週末は暖かくなるからお客が来るだろうと思って、出来ることは全てやっておこうと思うのです。暖かい朝だけれど、外は曇り空なのでした。

 昨日は天麩羅ばかりが随分と出たから、天麩羅の具材が一つもなくなったので、レンコンの皮を剥いてゆがいている間に、南瓜を切り分けてチーンする。生椎茸とピーマンとナスは容器に入るだけ用意しておくのです。7時を回っていたので、蕎麦豆腐は朝食後に来てからで好いだろうと家に戻って朝食を食べる。食後は今朝もひと眠りなのでしたが、30分ほどウトウトしたらもう出掛ける時間。今朝は蕎麦を二回打たなければいけなかったのです。

 蕎麦屋の前のバス通りに出れば、青空がかき消されてしまうほど雲が多くなっていました。向かいの畑が綺麗に耕されていたから、昨日の午後に仕事から帰ったお兄さんが、耕耘機で耕したらしい。お父さんの元気だった頃は、休耕地の隣の広い畑を含めて、ここは落花生の畑で家族揃って草取りに出ていたのです。秋になると沢山の「ぼっち」と呼ばれる山状に積み上げた姿が見られたものです。お兄さんもまだ勤めているから、田んぼだけで今は何も作らない。

 蕎麦屋に着くと、電線にスズメたちが止まって何やら朝の会話を交わしている。近づいていくと金木犀の木の枝の中からも何羽か飛び出していくのでした。微笑ましい光景だけれど、亭主はもう蕎麦打ちの事を考えている。昨日の蕎麦は売り切れたから、今日は二回打たなくてはならない。しかし、この天気ではとちょっと考えるのでした。晴れていれば暖かくはなると言うから、750gを二回と思ったのですが、二回目は500gで好さそうなのです。

 看板を出したら幟を立ててチェーンポールを降ろし、手洗いを済ませて蕎麦打ち室に入る。今朝は41%の加水で蕎麦粉を捏ね始めたけれど、どうもまだ生地が柔らかいのです。室温は18℃で、湿度は58%だから、間違いはないだろうと思ったのに不思議でならない。捏ねるのに力は要っても、もう少し硬めの方が、包丁切りの際にトントントンと調子よく切っていけるのです。二つの蕎麦玉を作って時計はとうに9時を回っている。寝かせている間に厨房へ戻る。

 葱も大根も生姜もなくなっていたので、この間にすべて用意してから一服です。その間にタブレットの天気予報を確認して、やはり今日は曇りだとがっかりする。気温は23℃までは上がるらしい。多少の期待は残るのです。開店までに2時間毎に更新される天気予報を、何度も見るのが最近の習慣になっている。再び蕎麦打ち室に戻って地伸しから四つ出し、本伸し、畳みを終えて、今日の蕎麦を切っていくのです。切りべら26本で140g前後の束を13束用意。

 10時を少し過ぎていたけれど、今日は女将が来てくれるから、店の掃除や細かな準備は彼女に任せて、大釜に火を入れたら、亭主は野菜サラダの具材を刻むのに専念するのでした。ちょっとだけ陽が差すこともあるのでしたが、空には厚い雲がかかっている。夏場の週末は四皿を準備していたのに、勢いを失って今日は三皿だけ盛り付けるのでした。木、金と三皿ずつ用意したけれど、昨日は一皿だけ残っただけで、持ち帰って家で夫婦で食べるのにも適量だった。

 サラダなど出さなければ30分は時間に余裕が出来ると、思うこともあるけれど、メニューにサラダを付けているものが多いので、もっと歳を取ってから考えようと思い直すのです。今日は暖簾を出しても1時間以上お客が来なくて、やはり天候のせいなのかと女将と話をしていたところ。1時前になってやっとリピーターのご夫婦がいらっして、なんとかゼロは免れた次第。県の感染予防対策事務局から電話が入って、閉店時刻に合わせて検査に来るという。

 女将を先に帰して、係員の来るのを待っていたら、9月と同じ人がやって来て、型どおりの質問をおえたら無事にクリア。二酸化炭素の測定機器があるかとか、客席のしきり板がないのかとか、それでなくても客の少ない小さな蕎麦屋には、そんなにお金をかける余裕はない。三組で満席にしていると亭主は応える。家に戻ってひと眠りしたら、足らなくなりそうな生椎茸やピーマンと豆乳に加え、キノコ汁のつけ蕎麦をつくるのにきのこ類を買いに出掛ける。

10月23日 日曜日 爽やかな風の吹いた午後 …

 暖かな朝でした。ゆっくりと目覚めて定刻に朝食。青空が広がって、風は涼しい秋の風なのです。朝ドラがない日なので、時間の感覚が違って、亭主は髭を剃って着替えを済ませたら、もう蕎麦屋に出掛けるのでした。家の珈琲が切れていたから、蕎麦屋に行ってからゆっくりしようと考えたのです。隣のコスモス畑では相変わらず賑やかに花を咲かせている。夕べ糠漬けを漬けたのを思い出して、朝の仕事を済ませたら、急いで厨房に入るのでした。

 時間的には少し長すぎるくらい漬けたのですが、塩を少なめにしておいて好かった。キュウリが少し小さかったので、六鉢しか用意できなかったけれど、他に二種類の小鉢があるので安心。蕎麦は昨日の蕎麦がほとんど残っていたから、今日は蕎麦を打たないことにするのでした。12食もあれば十分だろうと考えたのです。となると時間にかなり余裕が出来るので、昨日の夕刻に仕入れに出掛けて、買ったきのこ類を眺めながら、キノコ汁の作り方を考える。

 西側の小径を通って女将がやって来て、木槿の枯れ葉や亭主が枯れ葉剤で枯らした雑草を綺麗に掃いてくれたから、感謝感謝。隣の畑は綺麗に草が刈られているから、気が付いてはいたのだけれど、なかなか手が回らなかったのです。南側の狭い庭もしばらく手を付けていないから、来年は何か植えられるようにこの冬の前に草を刈って耕しておかなくては。身体を動かすのが億劫になったのか、毎日の活動に一つ余分に何かを加えるのが大変なのです。

 時間があったので、今日は野菜サラダを早い時間から作り始める亭主。昨日持ち帰った野菜サラダもまだ食べ終わっていないから、やはり夏場と違ってサラダを注文する人は少ない。それでも、カレーうどんや鴨南蛮に付けるから、今日も三皿だけ用意しておきました。果たして、ヘルシーランチセットで一皿が出て、単品でまた一皿が照る。今日は日曜日だからお客の出足が遅く、1時前から急に混み出して、まずまずのお客の入りなのでした。

 最後のお客は例によって女将の古くからの友人で、いつも1時半頃にいらっしゃる。洗い物を終えて奥の座敷で休んでいた亭主は、話し声が聞こえたので厨房に戻るのでした。彼女が帰って後片付けをしたら、女将がスマホを持って来たので、スポーツクラブのヨガの予約をしてやる。今日も昼飯を食べ損なった。家に戻ってすぐにコンビニに出掛けて、サンドイッチと牛乳を買って食べるのです。女将は早く昼を食べて蕎麦屋に来るから、夕食の時間が難しい。

 蕎麦屋の冷蔵庫に週末用と思って解凍してあったハラミとカシラが、ドリップが出始めていたから今日は家に持ち帰って焼いて食べる。ちょうど好い具合に焼き上がって、味は最高なのでした。具合の悪かったエアコンが今日は珍しく作動したので、寒くなるという明朝に向けて今日は運転したままにしておこうか。予備に用意してある石油ストーブも、古い灯油を入れたままだし、次から次へとやらなくてはならないことが現れるのに、行動が追いつかない。

 夜になって女将が亭主に、珍しくスマホで撮った写真を見せに来た。露出やズームの知識もない彼女なのですが、公園の空に出た鰯雲が綺麗に映っているではありませんか。広告のメールやメッセージが頻繁に届いて煩わしいと思う夫婦だけれど、スマホを持ち歩く習慣のない彼女も、少しは新しい時代のアイテムを使う気になるのだろうか。今日は暑すぎず涼しすぎず、爽やかな一日なのでした。明日は寒くなると言うから、蕎麦屋はどんな展開になるやら。

 

 

10月24日 月曜日 冷たい雨の降る中を …

 今朝は7時過ぎに女将に起こされた。夜中に雨の音で目が覚めてしばらく寝付けなかったが、3時過ぎにまた眠りに入ったら熟睡してしまったらしい。今朝は寒くなると思っていたけれど、エアコンが壊れていてもなんとか凌げたのです。それでも食事か終わると、女将もエアコンのある稽古場に引き上げてしまうし、亭主も珈琲が飲めないから、早めに家を出て蕎麦屋に出掛けたのです。玄関を出たら冷たい雨が降っていたから、車を出して店に行く。

 予報では曇りのはずだったけれど、午前中は店の前の道路が乾くことはなかった。看板を出し、幟を立ててチェーンポールを降ろしたら、まずはカウンターの洗い物を片付けながら、大釜に水を張るのです。それから冷蔵庫の中の蕎麦徳利を出して、空の徳利に蕎麦汁を詰めていく。珈琲を入れて飲みながら、今朝の段取りをじっくりと考える亭主。なくなっていた小鉢を盛り付けて、蕎麦は500gだけ打てば好いだろう。そして問題は野菜サラダの数なのでした。

 今朝の寒さからすると、単品でサラダの出ることはまずないけれど、カレーうどんや鴨南蛮、ヘルシーランチセットを頼まれたら、出さないわけにはいかないのです。蕎麦豆腐やデザートの蕎麦饅頭は用意してあるから、いつものように三皿盛り付けておこうか。そんなことを考えながら、蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打ち始める。昨日までの加水率の多さを反省して、今朝は41%弱で蕎麦粉粉を捏ね始めた。しかも計量カップに少し水を残しておいたのです。

 すると、水が足りないかと思いきや、水回しをしていくうちに、じわじわと水分が伝わってくる。室温は18℃、湿度は56%だけれどエアコンの暖房が効いているので、あまり当てにはならない。結局指先の感覚を頼りに捏ね上げて、ちょうど好い硬さになった。蕎麦打ちに慣れて来ると、急いで捏ね上げようと思う心が、やはり加水の多さに繋がるのかも知れないのです。蕎麦玉を作って寝かせている間に、厨房に戻って大根をおろしておくのでした。

 蕎麦打ち室に戻って、伸して畳んで包丁切りをすれば、切りべら26本で140g前後の束が五つ取れた。135gにすると、最後に5cmほど切り残しが出来てしまうのです。最近は、あまり切りムラを気にしなくなったから、気楽に打てるようになりました。上手く均等に切れるときもあれば、多少は太さが違った束の出来ることもあるのです。それが手打ちらしいと思えばストレスが軽減する。名人への道は遠くなるけれど、機械で切るのとはわけが違うのです。

 蕎麦打ちの台を掃除したら、前掛けの蕎麦粉を払いに玄関を出れば、雨は止んでいるのでした。昼の気温が14℃と言うから、かなり寒いはずなのに、暖房の効いた店の中にいたからあまり感じない。それでも厨房に戻って野菜サラダの具材を刻む頃には、窓を開けておけないくらい雨が吹き付けている。タブレットで佐倉市の天気予報を見れば、折りたたみの傘マーク。気象庁もずるいな。レタスを敷いてキャベツ、赤玉葱、パプリカ、ニンジンの順に載せていく。

 少し小振りになったのでまた窓を少し開けて換気の体勢。テーブルをアルコール出吹き終えた頃に、駐車場に車が入ってくる。開店時刻の10分前で、大釜の湯も沸いているから、暖簾を出して店の中に入っていただく。カウンターの奥に座って天せいろのご注文で、壁に掛けてある霊犀亭のいわれを読んで、「ご主人も書家なのですか」と言われて「いや、家内なのですよ」と応える。なんでも男性の奥様も謙愼に出品しているのだとか。今となっては懐かしい話。

 昼前にご家族連れでお客がいらっして、また皆さん天せいろのご注文だった。降ったり止んだりの雨の中をよくぞ来て下さったと、亭主は予想外の来客に喜んでいる。一人だとお客は少なくても洗い物と片付けがあるから、どうしても昼飯を食べる気になれない。今日もゴミ捨てや洗濯まですませて2時半過ぎには、持ち帰る荷物を車に積み、コンビニに行ってサンドイッチと牛乳を買って食べた。夜は持ち帰った野菜サラダとコンビニで買ったハラミで一献です。

10月25日 火曜日 真冬のような寒い一日で …


 午前6時の西の空にはまだ青空が見えていた。今日も寒い一日になりそうですが、少しでも朝焼けの見られたのを好しとしよう。寒さが尋常ではなかったから、灯油の入れ物を玄関の戸棚から出して近くの24時間営業のスタンドに寄ってこようと蕎麦屋に出掛ける。カウンターに干してある昨日の盆や蕎麦皿をしまって、洗いかごに伏せたままのボールやパッドを片付ける。ポットに湯を沸かして珈琲を入れたら、今日一日の段取りを考えながら一服です。

 国道沿いにあるスタンドの石油は、いつも買っている団地の中のスタンドより灯油が少し安いような気がした。家に戻って早速ストーブに灯油を入れて温まる。金曜日に修理の業者が来るというエアコンの暖房よりも、ずっとこちらの方が温まるのでした。子どもの頃は、朝早くに炬燵に入れる練炭をお袋様が火鉢で熾す間、寒さに耐えて我慢していたのをふと思い出す。用意された朝食に温かい豚汁が出てほっとする。さあて今日は仕入れに出掛ける日。

 ひと休みしたら洗面と着替えを済ませ、お茶を飲みながら出発の時刻を待つ亭主。石油ストーブが点いているので部屋の中はかなり温かいのです。外の気温は14℃で、まるで真冬のような寒さに感じる。お袋様を車で拾って農産物直売所へ行けば、やはりもう白菜が出ていた。今夜の鍋の具材にしようと、取りあえず四分の一だけ買っておく。里芋やニンジンも隣町のスーパーよりこちらの方が品が良いとお袋様と話しながら、次の店に仕入れに行くのでした。

 お袋様を家まで送って店に戻れば、調理台が朝のうちに用意した出汁取りの道具を置いたので使えなかったから、空いた場所に野菜を積み上げる。冷蔵庫に仕分けをしながら収納している間に、もう出汁取りの鍋には火を入れておく。一番出汁を取って蕎麦汁を仕込んでいる間に、後ろのガスレンジに大きな釜を沸かして、二番出汁を取る準備をしておくのです。40分ほどで出汁取りと蕎麦汁、天つゆの仕込みが終了して、家の買い物を持って帰宅するのでした。

 昼食は寒いので先週蕎麦屋で残ったけんちん汁を温め、蕎麦を茹でてつけ蕎麦にする。汁が温かくてなかなか美味しい。新しいメニュー用に盆と蕎麦皿は蕎麦屋から持って来て写真を撮っておいた。午後はすぐに床屋へ出掛けようと思ったけれど、女将のスマホと予約ノートが居間のテーブルに置いてあるのでした。2時5分の予約開始に、ログインして席を取らなければならないので、2時間も時間を潰さなければと、午前中の写真でこのブログを書いてしまう。

 昼寝もせずに、ヨーガ教室の希望の席を予約することが出来て、ひと安心。それから床屋に出掛けたから、随分と遅い時間なのでした。久し振りに顔を見た親父様は今日は無口で、あまり元気がないのでちょっと心配。帰りがけに、「家で採れた蜜柑だから」と袋煮一杯の蜜柑をくれようとしたけれど、今日は家の果物に蜜柑を袋一杯買って帰ったから、「他のお客さんに上げて」と言って断った。蕎麦屋に寄ったけれど、何かするにはちょっと時間が足りない。

 結局は、家にカシラとハラミの串刺しを持ち帰って、新しいメニュー表の写真を撮ることにしました。夕食のメニューは茸のたくさん入った鴨鍋で、最後にうどんを入れて汁まで啜る。塩味と醤油少しの味付けだったけれど、女将もとても美味しいと満足そうなのでした。テレビのニュースに二人でコメントをし合って、いろいろなことを語るのも、認知症予防には効果があるのかも知れない。明日は少し暖かくなると言うから、何から始めようかと考えるのです。


10月26日 水曜日 今朝はふたたび青空が広がった …


 天気予報では6時から晴れマークでしたが、日の出前に蕎麦屋に出掛けた時には、まだ少し雲が出ている様子なのでした。さすがに寒いので店のエアコンを点けて、厨房でまな板を敷いて筑前煮の材料を冷蔵庫から取り出す。鶏肉、蒟蒻は家から持って来たし、ニンジン、里芋、牛蒡はストックがある。干し椎茸は出汁を取った昨日の残りがあったし、レンコンも茹でたものが取ってある。鶏肉を半分だけ使って油で炒め、根菜類を入れて馴染ませる。

 少しだけ作るつもりでも、根菜の種類が多いから、いつも多くなってしまう。まあそれが筑前煮の好いところなのかも知れない。灰汁を取りながら10分ほど煮たら、薄口の出汁醤油と砂糖を入れて味つけをするのです。落とし蓋をして更に煮込んで、汁が少なくなったところで火を止める。これで今週の小鉢が一品出来上がったけれど、さあてもうひと品は何にしたら好いだろうか。夕方にぬか漬けを漬ければそれで二品だけれど、三品目が決まらないのです。

 家に戻ってもまだ6時半過ぎだったから、ちょっと床に入って横になる。ウトウトしたら女将が「ご飯が出来ましたよ」と起こしに来てくれて、時計を見れば7時過ぎ。寒い朝は具沢山の豚汁が有り難いのです。さすがに食後はひと眠りをせずに、今日は休日だからとテレビで映画を観る。昔懐かしいロバート・デ・ニーロ 、 トミー・リー・ジョーンズ 、 モーガン・フリーマンの出演する喜劇は最近の作品らしく、皆さんかなりの年齢なのでした。

 映画を見終えて蕎麦屋に出掛ければ、空は昨日よりもずっと晴れて青かった。隣の畑のコスモスが、毎日のように新しい花を元気に咲かせて、秋の深まりを思わせるのです。厨房に入って昨日の洗い物を片付け、蕎麦豆腐を仕込んだら、材料を用意しておいたキノコの蕎麦汁を作ってみた。蕎麦汁に鶏肉と何種類かのキノコを入れて煮込むだけなのですが、味は好いのだけれどちょっと見てくれが濃いのでお客に出せるか。塩味をベースに薄く作った方がいいのか。

 洗濯機の中の洗濯物を干して、乾いた洗濯物はカウンターの下に置いたままにして、昼飯を用意する時間だからと家に戻るのです。今日は久し振りにスパゲッティを茹でて、先週残った玉葱のスライスとキノコが沢山あるから、肉と炒めてミートソースと絡めたのです。市販のソースは味が濃いので、ちょうど好い味になって美味しかった。折角タバスコを出したのに、粉チーズを捜したりしているうちに、もう入れるのを忘れてしまったから世話はない。

 満腹になった午後は、書斎の窓から差し込む午後の陽を浴びながら、やっと昼寝の時間です。女将はその間にスポーツクラブに出掛ける。女将の帰るのを待って、亭主は蕎麦屋に行って午後の仕込みをするのでした。南瓜をチーンして明日の天麩羅の具材を用意し、蓮根の皮を剥いて酢水でゆがいている間に、椎茸の飾り切り、ピーマンや茄子を切り分けて、玉葱をスライスし、三ツ葉を刻む。使ったまな板を消毒している間に、蕎麦汁を蕎麦徳利に詰める。

 一番最後に、冷蔵庫から糠床を取り出して、キュウリとカブとナスを漬け込むのでした。時計は5時少し前。コンビニに寄って煙草を買ったらやっと家に戻り、車をガレージに入れるのです。気温の下がった夜は、肩ロースの肉を入れてキノコ鍋にしてもらう。昨日とは違って今日はご飯を入れておじや。夕食には珍しくアルコールはなし。昨夜は酔ってふらついた亭主がひっくり返って、居間の入り口のドアのガラスの小窓を割ったのです。怪我は軽症でしたが。

 

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2022年10月中旬

10月11日 火曜日 久々秋の青空が広がって …

 今朝は昨日大量に残った蕎麦を消化しないといけないので、亭主は責任上、肌寒い朝だからかけ蕎麦を食べるのでした。小鉢の野菜もすべて蕎麦屋の残り物。「蕎麦屋冥利に尽きる」と言いたいところですが、ちょっと寂しくもある。味は格別の出来なのですが、女将は納豆で白いご飯を食べている。食事を終えてひと休みしたら、天気が好いので、昨日の続きでムクゲの木の剪定を始めるのです。夏の前に剪定した高さまで切り戻して、30分ほどでもうお終い。

 お袋様に電話をして、仕入れに出掛ければ、陽が差して段々と暖かくなって来た。8年使った店のエアコン修理を済ませたこと、20年も使っていた家の風呂釜を交換したことなどを伝え、人間と同じで古くなるとあちこちメンテナンスが必要だと、二人で笑うのでした。目も見えなくなるし、耳も聞こえなくなると言う話になって、悪いことばかりではないと前向きに考えようという話になる。農産物直売所に寄って、隣町のスーパーまで足を伸ばす。

 お新香に漬けるカブだけは、まだ棚に並んでいなくて手に入らなかった。買い物を終えて、お袋様が「今日はいつもより値段が高かった」と言うから、「野菜も値が上がっているからね」と、自分も同じ感覚なのでした。それでも新鮮な大根が97円と、他に比べたら相当に安いのです。品物の新鮮さを吟味して買うのが大切です。店に戻って調理台に買った野菜を並べ、足りないものはないかと確認するのでした。今日はアスパラもちょうど好い太さなのでした。

 空は本当に蒼い秋の空で、店の中はエアコンを入れる暑さなのでした。洗濯物を畳んで、洗濯機の中に洗ったままになっていた昨日の洗濯物を干しておく。今日はムクゲの剪定の続きが出来るかと、早めに家に戻ったのですが、やはり暑くなってきたので取りやめにしました。夕方少し涼しくなってから再開しようと思ったのです。書斎でパソコンに向かって今日の仕入れの金額を入力して、女将が沸かしてくれた鍋の湯が沸いた頃に台所に入る。

 亭主は朝に続いて昼も蕎麦。それでもまだ三束ほど残っているから、明日の分を差し引いてもまだ余る。今日の夜は冬場に向けてけんちん蕎麦に挑戦してみようと、新しいメニューの作成に意欲を燃やす亭主なのでした。食後は女将が書を書いている間にひと眠り。夕方近くになって、ムクゲの剪定の続きを始め、やっと全部終わらせたのです。女将が出て来て切り落とした枝の袋詰めをしてくれました。亭主は蕎麦屋に出掛けてけんちん蕎麦の汁を作り始める。



10月12日 水曜日 20℃でも涼しく感じる今日この頃 … 


 定休日の二日目も、亭主はゆっくりと目覚めて外に出たら、昨日の木槿の剪定の後を眺めるのでした。左隣の南天の木がまた大きく伸びているから、これからの時期は、隣の金柑の実に陽が当たらないといけないとまた剪定。ついでに団扇サボテンの伸びた葉を切り落として、すっきりと通路を確保する。手伝おうと思ってはいたけれど、朝食の前に女将がこれらのゴミを捨ててくれた。朝の時間帯の彼女の活動力には頭が下がるのです。

 朝食は茄子とピーマンの味噌炒めに、亭主が昨日試作したけんちん汁。これに蕎麦を付けて食べたらどうだろうと思ったのですが、汁そのものが今ひつだったので、これでは店では出せないのです。冬場に温かい汁で出せないかと考えたのですが、薄口の出汁醤油だけでは、どうも物足りない。やはり蕎麦汁を加えて濃い味にしないと、鴨せいろのように茹でた蕎麦を付けて食べるには今ひとつ。温かい汁で鴨南蛮のように出す事も出来るはずだけれど … 。

 朝食を終えたら、亭主はまたテレビの洋画を観てまったりとしている。忙しくしている女将には悪いのだけれど、これが定休日の過ごし方で緩急自在の極意なのです。9時になったら蕎麦屋に出掛けて、まずは蕎麦豆腐をしこんで、午前中の仕込みの準備をするのでした。気分転換に隣のコスモス畑まで歩いて、曇り空の下で写真を撮って帰る。種がこぼれて育ったコスモスは、てんでばらばらであまり絵にならないのでした。店の厨房に戻って午前中の仕込み。

 冷蔵庫の中に残っている食材を使って、南瓜の従姉妹煮と冬瓜の煮物を作る。小豆は煮上がるのに一時間はかかるから、その間に南瓜を煮て味つけをしたら、冬瓜も茹で上がって透明になるのです。小豆はゆで汁が減ってきたところで硬さを確認して、同量の砂糖を三回に分けて加えていきます。南瓜は身が崩れないように弱火で火が通ったら、竹串で確認をしてから火を止める。それぞれを冷ましたら、タッパに移して冷蔵庫に入れるのです。

 11時を過ぎていたから、家に戻って昼食の支度をする。女将が大鍋に湯を沸かしてくれていたから、亭主は蕎麦を茹でて蕎麦座に盛り付けるだけ。よーく水を切って少しずつ盛り付けていくのが固まらない秘訣。食べるのが遅い女将の蕎麦は、ともするとくっついて硬くなるのです。二人分の蕎麦を茹でて、女将には少し減らして、100gぐらい、亭主は160gの蕎麦にして盛り付ける。蕎麦汁まできれいに飲み干して、満腹になった亭主は書斎に入ってひと眠りです。

 その間に亭主は書斎で1時間ほどひと眠り。ぼうっとした頭で目覚めて、午後の仕込みのことを思うのでした。まずは昨日の仕入れ出てに入らなかったカブを買ってこなければと、隣町のスーパーに出掛ける。そのまま蕎麦屋に向かって、ジャンパーを脱いで厨房に入る。午前中に仕込んだ従姉妹煮と冬瓜の煮物を小鉢に盛り付け、天麩羅の具材の仕込みにかかるのでした。時折、雨の降る天気でしたが、明日もかなり雨が続いて寒くなりそうなのです。

 レンコンの皮剥きをしたら酢水で茹でて、その間に南瓜を切り分けてレンジでチーンする。生椎茸とピーマンを切ったら、茄子に包丁を入れて容器に詰めてラップをする。玉葱を刻んで三ツ葉をサグ切りにして容器に入れてラップをする。4時半を回っていたので、最後にお新香を糠床に漬けるのです。まな板の消毒と洗い物を済ませて、まだ時間があったので、包丁研ぎを始める。僅か20分くらいの時間だったけれど、これが明日からの仕込みの準備なのです。



10月13日 木曜日 冷たい雨が降り止まない一日 …



 寒い朝でした。外を見れば雨が降っている。予報では一日中雨マークが出て、気温は16℃ぐらいまでしか上がらないと言う。女将の用意してくれた朝食を美味しく食べて、今朝は朝ドラの終わる前に家を出るのでした。定休日明けの木曜日は、糠漬けを取り出して小鉢に盛り付けたり、薬味の葱を切り、大根と生姜をおろす作業があるから、ちょっと時間がかかるのです。蕎麦屋に着いたら、まずは幟と看板を出して、エアコンの暖房を入れたら、珈琲を一杯。

 9時前に蕎麦打ち室に入り、41%の加水で蕎麦粉を捏ね始める。最近の気候を身体で覚えているから、加水もそれほど間違わない。しっとりとした生地に仕上がり、地伸しの段階で今日は好い仕上がりになるだろうと思っていた。本伸しを終えて八つに畳んだら包丁切り。切りべら26本で140g前後になったので、まずまずの仕上がりなのでした。やはり500gを打つよりは750gの方が、生地が均等に伸されて厚味が揃い易いのかも知れない。

 厨房に戻って、寒い一日になりそうだからと、一年ぶりでデザートに蕎麦饅頭を作る。蕎麦粉と小麦粉を90gずつ計って、忘れてはいけないのが重曹を少々。これに氷糖蜜を加えて捏ねていくのですが、この分量が記憶にないから、同量にしてみたらまだ少し硬かったから、100ccまで増やして丸めては潰し、餡を包んでいく。クッキングペーパーを敷いた鍋の中に並べて、下段の鍋に沸いたお湯の上に載せ15分。ふっくりと仕上がった饅頭の出来上がりです。

 隣の鍋ではブロッコリーとアスパラを茹で、今日の野菜サラダは二皿だけ作ることにするのでした。この雨と寒さでは、まずお客が来ることはないだろうと思っていたら、暖簾を出して昼前に、常連さんの女性がいらっしゃった。いつもバイクでやってくる方なのでしたが「今日は寒いわねぇ」と暖かい蕎麦を食べたいと言うので、昨日作って夜中に試食したけんちんつけ蕎麦を勧めてみたのです。これが好評で味も好いと言うから嬉しかった。

 昼を過ぎた頃に、バス通りをお袋様のマンションの方から、例の少年が歩いて来るのが見えた。亭主はすぐに天麩羅油に火を入れ、カルピスを作ってバームクーヘンの用意をする。海老を一本揚げたら、蕎麦を茹でて出してやる。辛いのが好きだといつも唐辛子を沢山振りかけて食べるから、最近は山葵を少し薬味皿に盛って出してやるのです。野菜は出しても食べないから困ったものなのです。これで12時半を回ったけれど、その後はお客の姿は見えない。

 1時になったら雨の止んでいる間に女将がスマホを持ってやって来る。今日は1時半にスポーツクラブの予約があるのです。客がいないから好かった。その分、後片付けも手伝ってくれるから、亭主は楽なのです。天麩羅を揚げて賄い蕎麦も食べられた。家に戻ってパソコンに今日の売り上げと写真のデータを入力して、亭主は夕刻までひと眠り。薄暗くなった時間に目が覚めて食堂に行けば、今日残ったサラダを盛り付け、鶏の手羽先を塩で焼いてもらって一献。




10月14日 金曜日 肌寒い曇り空だったけれど …



 今朝も小雨が降っていたので、朝飯前のひと仕事に車で出掛ける亭主なのでした。何度も試作を繰り返して、蕎麦に浸けるけんちん汁を考えていたから、今朝は少しまとまった量を作っておこうと、意気込んでいたのです。目標があると早朝の仕事も嫌にならずに、頑張って食材を刻んでいくから、人間って不思議なものです。大根ニンジン、里芋、牛蒡、蒟蒻、シメジ、豆腐、肉と食材を煮込みながら、味つけをしていくのですが、これが一番の問題なのです。

 作った汁は既に冷凍して保存出来ると実証済みだから、冷凍する段階では薄口の出汁醤油で味を付けておけば好い。これに前回は蕎麦汁を足して煮込んだだけなのですが、冷蔵庫の蕎麦汁はもう今日明日の分しかない。そこで甕に入れてある返しを加えてみたのですが、この分量が多すぎたのか、かなり味が濃くなった。考えたら、蕎麦汁は一番出汁と返しを合わせて作るのでした。慌てて砂糖を入れたら今度は甘くなりすぎて、修正するのに時間がかかった。

 朝食の支度が出来た家に戻れば、今朝は珍しく親子丼でした。寒い朝に暖かい食べ物は有り難いのです。店で残った三ツ葉もちゃんと使われている。これに味噌汁と小鉢二つが付いて、最近の亭主の朝食には十分な量なのです。食後もひと眠りをせずに、朝ドラの時間が終わる頃に蕎麦屋に出掛ける。今朝は昨日残った蕎麦があるので、500gだけ打てば足りるから、あまり慌てることはないのです。今朝は41%強の加水で、50cm幅に広げて本伸しが出来た。

 最近の天気予報はあまり当てにならないから、雨上がりの駐車場に幟を立てて、いつもの通り野菜サラダの具材を刻み、今日は二皿だけ盛り付けておく。暖簾を出してしばらくしたら、車が入ってきて男性客お一人のご来店。天せいろのご注文で、カウンターの隅で静かに食べて帰られた。その後、ご夫婦連れのお客が二組、ぶっかけ蕎麦の温かい汁を頼まれたご夫婦には、けんちん蕎麦もありますよと言えば、ご主人が注文なさって美味しいとおっしゃる。

 他にお客はいなかったので、店の開業の時期や名前の由来などを聞かれて、話をするのでした。次ぎにいらっしたご夫婦はとろろ蕎麦と天せいろのご注文。天気の悪い平日にしては珍しくお客が続いたのです。しかし、それも前半だけで、やはりコロナは勿論ですが気温が低いからなかなか客足は伸びない。今日は女将も手伝いに来てくれない日だから、亭主一人でゆっくりと洗い物を済ませる。帰り道、店から50m程のバス停の蕎麦のお宅の柿の木を写真に撮る。




10月15日 土曜日 少し気温の上がった週末だからか …



 新メニュー開発中のけんちん蕎麦の仕込みに、今朝は5時起きで5時半には蕎麦屋に着いた。冷蔵庫の中をチェックしたら、昨日は意外とお客が入ったせいか、蕎麦汁が残り少なくなっているのでした。まずは出汁取りの準備をして、一番出汁のストック分で蕎麦汁を仕込んで、残りの火口でけんちん汁の汁を作る。昨日残った汁の中に、冷凍保存してある具材を入れて、出汁醤油を加えて煮込めば終わり。定休日に仕込みを済ませれば五日間の営業は出来る計算。

 家に戻って食卓につけば、今朝は豪華なおかずが顔を揃えているのでした。最近の亭主の食べる量からすると、ちょっとおかずか多すぎる。大食いだった若い頃を記憶にとどめている女将は、このくらい出さないと亭主が文句を言うと思っているらしい。器の配色や形状も工夫してあるから、朝早くにひと仕事に出掛けた亭主を労う意味なのかと思った。食後にテレビの映画チャンネルを点ければ、チャールストン・ヘストンの「十戒」をやっていた。

 同じ監督が、二回目の同じ作品を撮ったらしいのですが、「出エジプト記」を題材にした、モーゼの生涯を描いた見所のある映画なのです。リバイバル上映で恐らく父と映画館に観に行ったらしく、海が割れて人々が逃げる場面が印象に残っていたのです。学生の頃に世界史にとても興味があったのも、父親の与えてくれた書物やこうした映画作品の観賞に寄るところが大きいのかも知れない。高校の頃に聖書は面白いぞと言われて読んだのを覚えているのです。

 9時前までテレビ映画に見入って、雨上がりの道を蕎麦屋に歩いて出掛ければ、向かいの畑の休耕地に雑草が生え広がっていた。近隣の農家の人々はこの様子をあまり好ましいとは思っていないらしい。何百年も続いている農地を冒涜していると考えるのだろうか。わずか何十年前だけれど、大手の開発業者が昔の山林や農地を団地に変えて、私たちが住みついたのだけれど、土地を大切にすると言う意識は、学ぶべき点が多いのかも知れない。

 今朝は750gの蕎麦を一回打って、昨日の残りと合わせて14食を用意した。気温は昨日とあまり変わらないけれど、今日は湿度が高かったので、加水率は42%弱で生地を作った。野菜サラダは週末だからと三皿だけ盛り付けておきました。包丁を研いだばかりなので、キャベツもニンジンも面白いように細く切れる。少し暖かかったせいか、暖簾を出したら次々とお客が入ってくる。今日もけんちん蕎麦が出て、「美味しく頂きました」と言われたから嬉しい。

 リピーターの親父様は焼酎の蕎麦湯割りを頼まれて、お替わりまでされたから厨房は忙しいのでした。他のお客の注文の品を作っている間に、やれ串焼きだ蕎麦豆腐だと頼まれるのが、嬉しくもあり飲めば話もするからその対応が大変なのです。1時過ぎにやっと一段落して「ご免なさいお蕎麦売り切れです」の看板を出し、洗い物をし始めたら、駐車場に車が入ってくるではありませんか。生舟にはあと四束の蕎麦があったので、女将に言って店に入ってもらう。

 今日もけんちん蕎麦の注文があったから、ホワイトボードに書くだけではなく、そろそろ正式なメニューに昇格させても好いかも知れない。お客に認められるのが一番。最後のご夫婦は二人とも鴨せいろのご注文で、天麩羅の具材や天つゆの鍋も片付けてしまったから、ちょうど好かったのでした。「鴨肉が多くて嬉しかった」「ご主人のブログを読んで来ました」と言って冷凍の蕎麦饅頭をお持ち帰りになられた。夜は半年ぶりで防犯パトロールに参加する。



10月16日 日曜日 珍しく二日続けて混んだ蕎麦屋 …


 午前5時半はまだ夜明け前で、今日は晴れそうな空なのでした。昨日の売り切れで蕎麦も蕎麦汁もなくなったから、今朝は朝飯前に出掛けてひと仕事。カウンターに干しておいた昨日の洗い物を、片付けるだけでも時間がかかるのです。小鉢を盛り付け、浅漬けを漬け込んで、蕎麦豆腐を仕込んでおきます。あっという間に時間が過ぎて、もう7時近くになっていました。青空が広がるのかと思っていたけれど、雲がかかって陽が差すどころではなくなった様子。

 家に帰って朝食の食卓に付けば、「天気予報では晴れと言っていたのに」と、女将が大きな洗濯物をどうしようかと不満そうなのでした。確かに亭主もデータ放送で、午前中は晴れると言う予報を見ているのでした。それでも気温は少し上がると言うから、今朝は蕎麦を二回打たなければいけないと、早めに家を出るのです。ゆっくりと歩いて蕎麦屋に着いたら、隣の畑のコスモスが元気に花を咲かせているので、気になって写真を撮りに行く。

 毎朝、沢山の花がシャンとしているから不思議です。元気を貰って蕎麦屋に帰り、看板を出して幟を立て、チェーンポールを降ろしたら、早速、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。加水率は42%弱で750gと500gの蕎麦玉を二つ作ったところで、ビニール袋に入れて寝かせておくのです。その間に厨房に戻り、今朝漬けておいた浅漬けを取り出して、水気を切りながら小鉢に盛り付ける。他の小鉢と合わせて14鉢もあれば足りるだろうと考えていた。

 蕎麦打ち室に戻って二回分の蕎麦を伸す。加水の段階から好い具合だったので、包丁切りも綺麗に終わって、無事に生舟に蕎麦の束を並べ終えるのでした。いつもより多少時間がかかったから、10時を10分ほど過ぎていた。厨房に戻って、野菜サラダの具材を刻む。湿度が70%以上もあるせいか、気温は23℃と低いのに汗ばむ陽気なのでした。こんな日は、野菜サラダも出るかも知れないと、久し振りに週末の四皿を用意したのです。暖簾を出せばすぐにお客さん。

 各週毎にいらっしゃるカレーうどんの親父様と、奥様は今日は鴨南蛮蕎麦。調理をしている間にもう次のお客が入って、日曜日なのに早くから忙しい。歩いていらっしたお客の方が多かったのです。カウンターに座った女性客が天せいろを食べてお帰りになれば、やっと一段落で洗い物と片付けに終われる夫婦。じきに後半のお客がいらっして、ビールも頼まれ、また厨房は忙しくなる。最後のお客はリピーターの方らしく、鴨せいろを頼んだ奥様が冷凍した蕎麦饅頭を全部持って帰られた。外は晴れ間が出て暖かな陽射しでした。




10月17日 月曜日 雨の降り止まぬ一日で …


 今朝も4時半には目覚めて、珈琲を一杯飲んだら、明るくなるのを待って蕎麦屋に出掛けました。昨日も混んだから、小鉢がないのです。夕べはもう疲れて糠漬けを漬けに来る元気がなかったので、今朝も安易に浅漬けで勘弁してもらう。細かな雨が降り続き、道は濡れているのでした。残った野菜をかき集めて、漬けもの器に入れて浅漬けの素を入れ、重しをかけて置くだけで、3時間後には小鉢に盛り付けられるから、とても便利ではあるのです。

 4㎞近くの道程を歩く夜の防犯パトロールに久々に参加したら、二日経ってやっと筋肉痛になった。右足の親指が変形したままだから、まだ多少足を引きずるので、不自然な歩き方をしているのでしょう。パトロールの人たちも気づかってくれたので、なんとかこなしたけれど、正常に戻る日が来るのだろうか。朝食を終えて蕎麦屋に出掛ける道すがら、そんなことを考えながら歩く。今朝は歩道に咲いている鶏頭の花を写真に撮ってやろうとシャッターを切る。

 蕎麦屋に着いて朝の仕事を済ませたら、窓を開け放って蕎麦打ち室に入る。気温は23℃、湿度は75%。暖かいと感じるのは気温よりも湿度が高いからなのでしょう。加水率42%で、少し柔らかめだったけれど500g5食分の蕎麦を打つのでした。生舟には、昨日打った蕎麦が6食分だけ残っていたけれど、これで営業を始めるのはちょっと心配なのでした。合わせて11食分の蕎麦を用意して、お客が来なければ自分で食べるほかはないと覚悟しているのです。

 それでも天気予報では気温が少しは高くなると言うので、野菜サラダも三食分盛り付けて、開店の時刻を待つのです。デザートには冷凍保存の効く蕎麦饅頭を作って、11時過ぎには蒸し上がるように準備をしておきます。外は曇り空で何時の間にか雨まで降っているから、寒くはないけれど今日は道路が乾くことがなかったのです。タブレットで雨雲レーダーを見れば、今日はずっと雨雲がかかっているので、あまり期待が出来ないことが分かる。

 それでも饅頭が蒸し上がれば嬉ししくて、もっと寒くなれば食べてしまいたいほど美味しそうなのです。今週はけんちん蕎麦をメニューに加えて、お客にも食べてもらったけれど、やはり五日間の営業には向いていないらしく、火を入れる度に野菜が煮崩れて味が濃くなるのです。親子丼をやっていた時のように、小分けにして冷凍しておくのが一番好いかも知れない。蒟蒻は冷凍すると食感が変わってしまうから、食べる直前に火を通すのが好い。

 お客が来ないことを好いことに、けんちん蕎麦を作って試食してみたのです。やはり、作ったばかりの時より味は濃いし、見てくれも好くないから、がっかりしました。雨が降り止まないので、今日は持てるだけの荷物を家に持ち帰る。エアコンの修理代の請求書がやっと届いたので、コンビニに支払いに出掛ける。そのついでに蕎麦屋に寄って、残った食材を車に積んで家まで運んだのです。夜は早速、残り物の処理で、ハラミとカシラの串焼きが美味しかった。



10月18日 火曜日 暗い朝 …


 夕べも定休日前だというのに10時半には床に就いた。今日の仕入れの一覧票も印刷したし、今朝は子ども会の廃品回収の日だから、早い時間に蕎麦屋に行って、新聞紙と段ボールを束ねなければと、考えながら床に横になったらすとんと寝入ってしまう。5時前に寝覚めてみれば外は雨。明るくなったら出掛けようと思ってお茶を飲んでいたら、いつまで経っても暗い朝なのでした。また床に入れば眠れるとは思っても、一日が短くなると気を取り直して家を出る。

 暗いから部屋や廊下の電気をすべて点けて、奥の八畳に積んであった段ボールを潰してビニルの紐で縛る。店で取っている新聞は朝刊だけだから、ひと月分だとそんなに量はないのです。これを車のトランクに載せたら、今度は乾いている洗濯物を畳んで、洗面所に行って洗濯機の中の洗濯物を干す。昨日はお客がなかったけれど、布巾類と一週間が終わったから前掛けや制服も洗っておくのです。6時半を過ぎて、やっと家に帰って車の荷物を指定の場所に置く。

 昨日は天麩羅を揚げて帰ってこなかったので、天麩羅の具材がそのまま残っていた。それを女将が上手に使って茄子とピーマンの味噌炒めを作ってくれた。掻き揚げ用の玉葱と人参に豚肉を加えたから、かなりボリュウムがあるのでした。それと店で残った小鉢を合わせて、おかずはもう十分。蕎麦も沢山残っていたけれど、こちらは今日の昼から少しずつ消化していくしかない。30分ほどひと眠りしたら、お袋様に電話をして小雨の降る中を仕入れに出掛ける。

 農産物直売所も雨の降る日は農家が野菜を持ってくるのが遅い。昨日の野菜が随分残っていたけれど、綠の葉が付いたカブと小松菜は今朝届いたものらしく瑞々しいのでした。ニンジンや里芋、キャベツも籠に入れて会計を済ませる。隣町のスーパーにも行って、残った食材を買い足すのがいつものこと。お袋様も亭主が沢山の買い物をしている間に、ゆっくりと店内を見て歩くのです。いつも混んでいるレジも雨の朝だからか比較的空いていました。

 先週は鴨せいろが随分と出たので、小松菜を茹でておこうと大鍋に湯を沸かす。小さなタッパに二回分ずつ詰めて冷凍しておくのですが、お湯が沸く間に出汁取りの準備をしようと思ったら、干し椎茸と昆布を買ってくるのを忘れたのに気が付いた。買い物リストに印刷するのを忘れていたらしく、気が付かなかったのです。買い物の途中で一度チェックをするから、メモに載っていれば忘れることはないのですが、午後からまた出掛けて行かなくてはならない。

 魚や肉や果物など、家の買い物を沢山持って家に戻れば、女将が「重すぎて一度には運べない」と言う。亭主が今日の食材の買い物データをパソコンに入れている間に、買い物を冷蔵庫に収納した女将が、蕎麦を茹でる鍋に湯を沸かしておいてくれる。昼食の支度は亭主の仕事だから、寒いのでけんちん汁の残りを温めて、けんちん付け蕎麦にしました。野菜がたっぷりで、多少に崩れてはいたけれど味は美味しい。残った蕎麦の数を数えたら気が遠くなるのです。

 午後は酒屋へ出掛けて少なくなったビールをケースで買い求め、ついでに焼酎も買ったら、隣町のスーパーに再び出掛けて、干し椎茸と昆布を買って蕎麦屋に戻るのでした。明日の出汁取りの準備をしたら、切り干し大根の煮物を作り始めるのです。4時半過ぎに家に帰って夕飯の支度を待てば、テレビは国会中継だから間が持たない。やっと焼けた手羽中とサラダをつまみに、今日一日を慰労して焼酎を飲むのです。今日買って帰った鰯のフライも出て来た。



10月19日 水曜日 随分と冷えてきた朝 …



 夕べも10時半には床に入ったのに、今朝は6時過ぎまで目が覚めなかった。思ったより朝が寒かったので、暖かい床の中が気持ちが好かったのです。車を出して蕎麦屋まで行けば、ちょうどお隣のご主人が出勤する時間なのでした。今朝の仕事は昨日から昆布と干し椎茸を浸けておいた鍋に火を入れて、一番出汁と二番出汁を取る事です。いつもより少し遅い時間だったから、強火で鍋を温めて沸騰する直前で削り節を入れて灰汁を取る。

 2リットルの一番出汁に返しを600cc加えて火にかけたら、干し椎茸と昆布を入れて後ろのレンジで火にかけてあった5リットルの鍋に、出汁を取り終えた削り節を入れ、沸騰直前にもう40gだけ新しい削り節を入れる。追い鰹で少し多めに二番出汁を作っておくのです。最近は寒くなってきたから温かい汁をよく使う。足りなくなっても二番出汁だけを作る事は出来ないから、多めに作っておくのです。7時を回っていたから、水に冷やしたまま家に戻る。

 台所では昨日買って帰った鰯を女将が蒲焼きにしてくれていた。小鉢が並んで味噌汁とご飯が運ばれ、今朝も有り難く朝食を頂く。食後の一服をしたら、洗面と着替えを済ませ、書斎のパソコンに向かって、筑前煮のレシピの確認をしておく。小鉢の二品目にと思って、材料は昨日のうちにすべて揃えてあったのです。ネットの天気予報やニュースを見て、今日の段取りを考える亭主。夕刻にはまた防犯パトロールがあるので、それまでが勝負なのです。

 朝食後はいつものひと眠りもせずに、買い忘れた綠の野菜を求めて近くの農産物直売所に寄ってから蕎麦屋に向かう。やはりこの時期はインゲンが出ていた。茹でて筑前煮に添えようと買って帰る。厨房に入ってまな板を取り出し、レンコンと牛蒡を切って下茹でをしておく。次は里芋を六方に剥いてさらに半分に切ったら、これも火を通して笊に取る。出汁を取った残りの干し椎茸を切って刻み、蒟蒻を茹でて水を切つたら、ニンジンを刻んで準備をする。

 最後に生もの用のまな板を出して鶏肉を少し小さめに切り、中華鍋に油を引いてまずは鶏肉を炒める。色が変わってきたら根菜類を入れて鶏の油を絡ませる。野菜に火が通ったところで干し椎茸と里芋を加え、全体が色よく炒められたら出し汁を入れ、出汁醤油と砂糖で味付けをするのです。中火で落とし蓋をして約10分、味見をしながら中華スプーンで全体をかき混ぜて、汁が少なくなるまで弱火で煮詰める。一年振りだったから丁寧に時間をかけて作った。

 11時を過ぎていたから、洗い物を済ませ、味見の筑前煮を小さなタッパに入れて家に帰る。女将が小鉢を盛り付け、蕎麦を茹でる湯を沸かしておいてくれたから、亭主はとろろ芋を擦って蕎麦を茹でるのです。持って来たばかりの温かい筑前煮も鉢に盛られて、豪華な昼飯となりました。亭主は昨日の夜食にとろろ蕎麦を食べたけれど、まだ蕎麦が残っているから、今夜で終わりにしようと考える。午後はパトロールの時間まで、仕込みの続きをしなければ。

 明日は相当に冷え込むと言うから、お新香は明日の夕方に漬けることにして、けんちん蕎麦の汁を作るのが午後の課題。デザートには冷凍の蕎麦饅頭があるし、蕎麦豆腐も月曜日に仕込んだのを使える。そして天麩羅の具材を切り分ければ終わりだからと、午後はゆっくりと昼寝が出来るのでした。それでも30分も眠ったらもう目が覚めてしまうから、このブログを書いて女将がスポーツクラブから帰るのを待つ。やっと陽が差してきた。窓辺は暖かくなった。

 明朝は10℃を切る寒さになると言う。晴れて放射冷却の到来なのです。寒い陽気で蕎麦屋にはどれだけお客が来るのか。粛々と明日の支度をしながら、無事にけんちん汁も作って、野菜サラダの具材も切り分けた。家に味見のけんちん汁を持ち帰って、亭主は夜の防犯パトロールの支度を始める。10人ほどのメンバーが集まり、今日も亭主の足を気づかってくれて、楽なコースを割り当てられる。片足を多少引きづりながらも、歩き終わって汗をかくのでした。

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2022年10月上旬

10月6日 木曜日 朝から冷たい雨の降る寒い一日 …

 2日間の定休日に、ゆっくり朝寝をする習慣が付いてしまったらしく、今朝も6時半までぐっすりと眠ってしまった。朝飯前のひと仕事に出掛けないと、どうしても後の仕事が詰まってくるから、今朝は朝食後に朝ドラの終わるのを待って、蕎麦屋に出掛けました。朝から雨かが降って、今日は一日中冷たい雨が降るという予報だったから、お客も来ないだろうと車に乗って出掛けたのです。11月下旬の寒さと言うから、蕎麦を食べるには少し寒すぎる。

 蕎麦屋に着いたら、まずは昨日の洗い物を片付けて、小鉢を盛り付けたら、珈琲を一杯飲んで目を覚まします。店内の温度は19℃と本当に寒いというくらいなのでした。湿度も54%で、まさに冬の初めの寒さと言っても好い。蕎麦打ち室に入ってまず考えたことは、昨日と同じ加水率では生地が硬くなりすぎるだろうということ。かと言って、何%ならちょうど好いという答えがあるわけではないので、取りあえず42%で蕎麦粉を捏ね始めたのです。

 季節の変わり目は、ちょうど好いという加水率が微妙に変化するから、ほんの少しずつしか増やせない。それでも長年の経験で、ちょうど好い柔らかさで生地は仕上がる。わずか750gしかない蕎麦打つのに、二度に分けて加水するのももどかしいから、最近は一気に計量した水を粉に混ぜているのです。練り上げて蕎麦玉にしたら、ビニール袋に入れて寝かせておきます。その間に、厨房に戻って、今日は大根と生姜をおろし、薬味の葱を刻んでおきました。

 9時半になったところで再び蕎麦打ち室に入り、地伸し、丸出しから四つ出しにかかり、本伸しを終えたら八つに畳んで包丁切り。これで朝飯前のひと仕事に来なかった分の時間は取り戻せた。10時前に蕎麦切りを終えて、厨房に戻ってひと休み。外はまた冷たい雨がシトシトと降り続いている。この寒さではお客は来ないだろうと思えたから、今日は野菜サラダも二皿だけ盛り付けておきました。暖かい鴨南蛮やカレーうどんにもサラダを付けるからです。

 暖簾を出しても、こんな寒さの中を、お客が来るはずもなかったけれど、12時半前に雨の中を傘も差さずに例の少年がやって来た。「いつもので好いかい?」と亭主が言えば、こっくりと頷く。海老を一本天麩羅にして揚げて出してやれば、大事そうに食べているのでした。この寒さの中を七分ズボンで来たらしく、「カルピスは冷たいので好いかい?」と聞けばまたコックリと頷くのでした。亭主が話しかければにっこりと応えるけれど、他にあまり話はない。

 少年が帰って油の冷めないうちにかき揚げを揚げ、1時前にぶっかけで賄い蕎麦を食べておく。客が来なければ大釜の湯も天麩羅油も汚れないから、昼は抜きにしようと思っていたけれど、彼のお蔭で昼飯にありつけたのです。じきに雨の中を女将が「寒いわねぇ」と言ってやってきた。午前中に風呂釜の交換工事があったのだけれど、無事に済んでほっとしたらしい。「夕食は何にしましょうか」と言うのでかき揚げを揚げ、葱を持たせて鍋焼きうどんに決める。

 家に戻れば居間の室温はやはり19℃。急に冷えてきたから、エアコンを入れなければいられない寒さなのです。書斎でひと眠りしたら、荷物を届けるはずの業者から、電話が入って到着が5時過ぎになるというので、5時前に蕎麦屋に出掛けて、珈琲を入れる準備をしておく。新米の若者は店を回るのにも時間がかかるらしく、やっと来たのが5時半近くなのでした。西の空は少し明るくなっていたけれど、雨は止みそうにない。夜は鍋焼きうどんで温まった。



10月7日 金曜日 昨日よりも強い雨と寒かった一日 …


 今朝もゆっくりと眠った朝なのでした。寒さが昨日よりも増しているから、暖かくして眠ったのが好かったらしい。昨日はお客が少なかったから、取り立てて片付けるものも用意するものもなく、大根をおろして蕎麦を打てば、後は野菜サラダを二皿盛り付けて終わりなのです。雨は昨日よりも強く降っていたから、今日もお客は来ないだろうと、車を出して蕎麦屋で出掛けるのでした。店の中は、なんと16℃と最近にしては一番寒いのです。

 エアコンが壊れているから、奥の座敷のエアコンを二つともフル回転にして、店との間にある扉を開け放って、なんとか暖を取るのでした。蕎麦は昨日の残りが随分あったけれど、500g五食分だけ打ち足しておくのです。今日もお客が来なければ、明日で調節するしかない。明日は雨も上がると言う土曜日だから、朝に二回打つのは避けたかったのです。蕎麦打ち室も寒かったけれど、湿度が70%近くあったから、今朝は41%の加水率で何とか生地を捏ねました。

 冷たい雨は昨日の様に霧雨になることはなく、かなりしっかりと降っていた。風は北西から吹いているようで、秋桜の咲く隣の畑側から窓に雨しぶきが当たる。その窓から見えたのは雀たちの群れ。何羽も蕎麦屋の柵に止まって雨に打たれている。しばらくすると皆で飛び立って、向かいの畑の中に消えていく。ひまわりを刈った後だから、種がこぼれているのかも知れない。見上げれば、電線には何十羽も鈴なりに雀が止まっているではありませんか。

 暖簾を出してもこの寒さでは、蕎麦を食べに来る人がいるはずもなく、1時近くまで待ってから、油を温めて天麩羅とかき揚げを揚げる。少し粉っぽいまま揚げた方がパリッとするから、200℃の設定にして蕎麦がゆで終わるまで揚げた。実に美味しい蕎麦なのでした。食後のひと休みをしていたら、1時半を過ぎてから駐車場に車かが入ってきたのです。若い真面目そうな青年がぶっかけ蕎麦の温かい汁をご注文。先ほど練習をしたばかりだったから楽勝でした。

 ご両親は四国の方だからうどんだけれど、彼は茨城出身だとかで蕎麦が大好物なのだとか。今度来た時は、冷たいせいろ蕎麦を頼みますと言って帰って行った。後片付けをしていたら、エアコンの修理の人たちが来て、何処が悪いのかとチェックをしてくれた。ピッと鳴ったところでリモコンに出た記号を見て「基盤が壊れている」と言うから大したものです。亭主にはこのピッが聞こえない。日曜日の午後には基盤を持って出直してくると言うから助かった。

 家に帰ってひと休みしたら、傘を差していてもずぶ濡れで帰った女将を迎える。夜の女将のパトロールもなさそうなのでひと安心。4時からは今度はディラーに出掛けて、車検の見積もりをしてもらわなければなりませんでした。まったく今週は忙しい。蕎麦屋と一緒で相手があることだから、自分のペースでは行かないのです。車のチェックが終わったのに約一時間待たされて、やっと見積書が出来る。向かいの有名店でトンカツを買って夜は女将とカツライス。



10月8日 土曜日 やっと雨の止んだ一日 …


 久し振りに雨が上がって、蕎麦屋の隣のコスモス畑も元気に花を咲かせていました。蕎麦屋の屋根には小雀たちが沢山集まって、羽を休めているのです。雨の降り続けた昨日までは、いったい何処で暮らしていたのか。小さな生き物たちの心配をするよりも、お客の来ない蕎麦屋は、いったいどうやって営業を続けていけば好いのかと、心配すべきなのでしょうが、亭主はいつもの通りのんびりと、辺りの写真を撮っている。これが隠居仕事というものなのか。

 西の空には青空も覗いて、鯖雲が広がっていました。まだ気温は低いけれど、昨日までの雨の日よりはずっと好い。三連休の初日だから、天気さえ持てば少しはお客も来るのではないかと期待する。朝の厨房は17℃と昨日よりは少し暖かかったけれど、奥の座敷のエアコンをフル回転させて、店の方も20℃近くまで室温を上げておくのでした。蕎麦打ち室に入っても、思ったよりも湿度はあるから、今朝は41%強の加水で蕎麦粉を捏ね始める。

 昨日までに残った蕎麦は、生舟の中に沢山あるのでしたが、週末はやはり15食は用意しておかなければ心配なのです。去年の今日は19人のお客があったと女将が言う。夜の営業もしていたから、夜の営業を休んでいる今年とは随分と違うだろうけれども、今はちょっと状況が違うのです。ちょうど好い水加減で、伸して畳んで包丁切り。向かいの畑では、親父様達が朝の仕事に精を出しているのでした。馬酔木の木の下で小雀たちが遊んでいるのが見える。

 さすがに週末だからと、今日は野菜サラダを三皿用意しました。この寒い日に、野菜サラダを単品で頼む客はいないと思うけれど、カレーうどんや鴨南蛮蕎麦にはサラダを付けるから、念のためにと作っておくのです。昨日までに毎日残ったサラダは、家で今朝やっと蒸し野菜にして食べ終わっただけに、今日売れ残ったらどうしようという気持ちの方が強かった。三皿残ったらお好み焼きにするしかないかと、女将に言えば嫌いでないから笑っていたのでした。

 暖簾を出してお客を待てば、昼過ぎにご家族連れのリピーターさんがいらっして、せいろ蕎麦二つにぶっかけ蕎麦の温かい汁、天せいろのご注文でした。お子様達のせいろ蕎麦を先に出して、ぶっかけ蕎麦と天せいろの天麩羅を揚げていく。その間に、家のご近所の常連さんがやって来てカウンターに座るのです。いつも座るテーブル席も空いているのに、カウンターに座るときは少しは話をしたい時。気の好い夫婦はゆっくりと話し相手になっていました。

 1時になってお客も来そうになかったから、亭主はかき揚げを揚げてぶっかけで賄い蕎麦を食べてしまう。ボールに残った衣を硬めに溶いて揚げたから、本当にカラッと仕上がって美味しかったのです。昨日の蕎麦だったけれどコシがあって歯ごたえも好いのです。女将と片付け物をし始めたら、ラストオーダーの時間にお客が入って、暖かいぶっかけ蕎麦とハラミとカシラの串焼きを注文される。「ここら辺は食べる所がないですね」と美味しそうに蕎麦を啜る。

 閉店時刻をだいぶ過ぎてお客が帰ったら、亭主は洗い物を済ませて大釜を洗い、女将は洗い物を片付けてまな板を消毒する。家に戻って梨を剥いてもらったら、亭主は今日のデータをパソコンに入力して、横になってひと眠りなのです。朝も食後のひと眠りをしなかったからかぐっすりと眠り込んで、5時を過ぎた頃に「お腹が空いたわ」と女将に起こされ、台所に入ってお好み焼きを作る。今日残った三皿の野菜サラダが全部なくなったのでした。

10月9日 日曜日 日中は陽も差して昨日よりも暖かい一日 …

 今日は朝から少し青空が覗いていました。日中も陽が差して、晴れるのかと思ったけれど、やはり今日は曇り空一色。でも、そのせいか気温は上がって、店の中の温度は朝で18℃もあったのです。厚着をしていた昨日までとは違って、薄手の長袖シャツにベストを羽織って蕎麦屋に出掛けた亭主。腕まくりをして蕎麦打ち室に入るのでした。生舟の中の蕎麦をチェックしたら、8食分しかなかったので、今朝も500g5食分を打ち足しておきます。

 このところ連日500gを打っているのですが、練習と思って気楽に伸している。それが好いのか悪いのか、短時間で打てるから楽なのですが、どうも厚味にムラがあるような気がするのです。少し加水が多すぎるのかも知れない。力を入れすぎるとすぐに生地が広がってしまうから、加減して伸し棒を転がすから、その分、厚味が均一にならないのだろうか。切りむらがあるわけでもないけれど、太さが揃わない時があるのです。明日はもう一度試して見たい。

 野菜サラダは三皿盛り付けておいたのですが、最初のご夫婦がヘルシーランチセットを頼まれたので、すぐに二皿なくなってしまいました。奥様がいつも亭主の書くブログを読んでくださっているとかで、一人でも来たくなるのだと言う。お蕎麦が美味しかったとおっしゃって帰って行かれた。いつも一人でいらっしゃる常連さんが今日はお友だちを連れていらっしゃる。二人とも辛味大根を頼まれたけれど、一人分しかなかったので半分ずつにしてお出しした。

 気温は昨日よりも高かったけれど、22℃止まりだったから、やはり蕎麦を食べるには涼しすぎるのか、日曜日にしてはお客が少なかった。天麩羅が出ないのも珍しい。かき揚げを揚げてぶっかけ蕎麦でも食べたかったけれど、自分だけのために油のパットを洗うのも憚られたので昼は抜き。蕎麦も明日のことを考えると微妙な数が残るのでした。片付けを終えて女将が帰った後に、点検をして亭主が後を追う。道の途中でエアコンの修理に来る業者から電話が入る。

 もう近くまで来ているというので、家に帰って車を出してまた蕎麦屋に逆戻り。外に置いてある室外機の基盤が壊れたらしく、新しい基盤を取り付けて30分ほどで運転できるようになった。修理の時間を利用して、朝のうちに出汁取りの準備をしておいたから、出汁を取って蕎麦汁を仕込む。さすがに明日の分の蕎麦汁がもうなかったのです。帰りがけに酒と煙草を買いにコンビニと酒屋に寄って、パンを買ってやっと遅い昼飯。夜はカシラの串焼きで一献です。



10月10日 月曜日 三連休の最終日だったけれど …



 朝は雨が降っていたから、玄関を出てみればもう上がっていた。伸びすぎた団扇サボテンの葉を切ってやろうと思ったけれど、女将がまだ花が咲きそうだから可哀想だというので、新聞を取って家に入る。この天気では外の物干しには洗濯は干せないから、まだこのままでもいいのかも知れない。雨なら車で蕎麦屋に出掛けてしまおうかと思ったが、考えたら今日は三連休の最終日で、暖かくなると言うから、もしかするとお客が来るかも知れない。

 最近は、お客が少ないから朝飯前のひと仕事にも出掛けずに、その分、亭主は食後のひと眠りもしなくなった。洗面と着替えを済ませたら、お茶をもらって朝ドラの時間が終わったら、蕎麦屋に向かうのです。すっかり道路も乾いて、みずき通りのハナミズキは紅葉を通りすぎてもう枯れ始めている。午後からは晴れて暑くなるという予報だったけれど、天気が不安定だから予報もあまり当てにならない。朝は薄い長袖のシャツにジャンパーを羽織っていた。

 8時半前に家を出ても、今日も500gしか蕎麦を打たないので、朝の蕎麦屋では、幟を立てて看板を出したら、ゆっくりと珈琲を飲んで、昨日のブログを読み返す。朝のうちはまだ肌寒いから、直ったばかりのエアコンの暖房を入れておく。そして、この後の段取りを考えたら、重い腰を上げて蕎麦打ち室に入るのです。室温は22℃、湿度は65%。暖かくなると、加水率をまた変えなくてはならない。今朝は41%の加水で水回しを始めるのでした。

 昨日の反省から、伸しはしっかりと厚味を揃え、伸し棒も60cmの伸し棒を使って、丁寧に伸していく。ところが、やはり生地が小さいだけに、つい力が入りすぎてどうしても伸し幅が55cmほどになってしまう。50cmが適正なのだけれど、5cm幅が広いと生地が薄くなるから、包丁切りの際に、切りべら26本では120g程にしかならないのです。切りべらを28本にしてなんとか135g以上の束にしました。昨日よりは満足な仕上がりで生舟の中に並べるのです。

 向かいの畑の親父様は、朝から紅葉の終わったコキアを抜く作業をしているらしい。毎日、蕎麦を打ちながら、朝から自然相手に仕事に出るから偉いといつも見ている亭主。今日も野菜サラダは三皿盛り付け、暖かくなるというのを期待していました。ところが、雨が降り出したり、陽が差したりと目まぐるしい空模様で、結局は曇り空。暖簾を出して1時間経ってもお客は来なくて、女将と暇をもてあましていたのです。やっとお客が来たのは1時前なのでした。

 4700ccの国産の高級車で乗り付けた隣町の常連さんは、いつもと同じご注文でしたが、辛味大根だけが品切れなのでした。女将が野菜サラダを出している間に、亭主は季節の野菜と稚鮎、キスの天麩羅を揚げてせいろ蕎麦を出す。彼の今日の話題は葉山の友だちに誘われてのカワハギ釣りの話。亭主も毎週のように釣りに出掛けた昔を思い出して懐かしい。今は昔の世界なのは、彼も同じらしいけれど、亭主よりも若いから記憶がはっきりしているのでしょう。

 明日は定休日だから片付けが終わったら、今週の残り物を女将と手分けして、家に持ち帰る準備をする。天麩羅も少しだけ揚げて、沢山残った蕎麦を、お袋様と家と定休日明けの賄い蕎麦の分とに分けて持ち帰るのでした。青空も覗いて暖かくなったから、柿を剥いてくれた女将が「ムクゲの剪定を始めますか」と言うので、亭主は半袖に雪駄をつっかけて、脚立と剪定ばさみをもって通りに出る。一番大きな木を刈り終えたところで30分。後は明日の朝に回す。

 

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2022年10月初め

10月1日 土曜日 嬉しい誕生日プレゼント …

 偶然なのか昨日は、写真家の野口里佳さんから展覧会の招待状が届いた。10月7日(金)~1月22日(日)に恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館で「Small Miracles(不思議な力)」という写真展を開催すると言う。日本での開催の時はいつも招待状が届くので、女将と伊豆まで出かけたこともあるのに、彼女を誘ったら全く乗り気ではない。新型コロナも収まる頃だと思うのだけれど、どうしたものか。まだ日にちはあるから、誰か誘って出かけて見たいけれど … 。

 今日は午前4時半に目覚め、珈琲を入れて一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛けて出汁取りとお新香を糠床から出す作業をする。出汁取りは蕎麦汁まで作ってやはり小一時間はかかるから、終わった頃にはもう辺りはすっかり明るくなっていました。隣のお花畑のコスモスを見に出たら、自然に種がこぼれて生えたものだと言うから、背丈もまちまちで、見てくれはあまり綺麗ではないのです。それでも今朝の青空に映えて、季節を感じさせてくれるのでした。 

 蕎麦屋で盛り付けたお新香の残りを持って家に帰れば、朝食のおかずは豚汁とベーコンエッグでした。冷蔵庫の中はすっかり空っぽだったから、今週はなかなか好い成績。蕎麦屋の残り物ばかり食べていると女将も気が晴れないだろうから、新しいレシピでいつもと違う料理を作る方が好い。と言っても、子供たちが家にまだ居た時のような洋風の食べ物はなかなか難しい。今はやはり煮物が中心で今朝もひじきの煮物が出ていたのです。

 朝が早かったから、食後は書斎でひと眠りかと思ったら、洗面と着替えを済ませたら、もう蕎麦屋に出掛ける体勢なのです。5分間だけ横になったら、意識が遠のいて眠ってしまいそうになった。朝ドラの終わる時間だから、これから寝てしまうと大変なことになると、居間でお茶をもらう。今日は蕎麦を500g五人分しか打たないつもりだから、あまり早く出掛けると向こうで暇をもてあますことになるのです。洗濯物を干す女将に「行って来ま~す」と門を出る。

 駐車場の金木犀はますます色濃くなって、開け放った窓から店の中にまで香りを漂わせている。今日も室温23℃と、エアコンの壊れているのを忘れさせてくれるから嬉しい。蕎麦打ち室に入って蕎麦を打とうとしたら、ポ~ンとFacebookのメツセージが届く。こんな朝早くから誰かと思ったら、50代も後半になるはずの昔の教え子が誕生日のお祝いをくれた。「お元気でいてください」と亭主を年寄り扱いする。折しもアントニオ猪木が亡くなったと言うから … 。

 もう、そんな歳になったのかと、まだ時間に余裕があったので、「ありがとう」とコメントを返した。今朝も加水率は昨日と同じく42%で蕎麦粉を捏ね始めたけれど、どうも少し柔らかめなのです。昨日の反省から、今日は丸出し、四つ出しで力を抜いて、50cm幅になるように生地を伸して畳んでいく。どうしても少し幅か広がるので、切りべらを28本にして135gにしたら、少し細い仕上がりになった。昨日の残りの蕎麦と合わせて、今日は14食用意しました。

 いつもサラダが残るから、野菜サラダは三皿だけにしようと具材を刻んでいたら、またポ~ンポ~ンポ~ンと続けざまにメツセージが届く。みんな同年代の教え子たちなのでした。包丁を持っているから今は返答も出来ずにイイネで勘弁してもらった。世間は週末の休日なのです。蕎麦屋はお客の来るのを期待する週末です。暖簾を出せば、すぐに駐車場に車がつづけて入ってきたから嬉しい。一番手はカレーうどんの小父さんご夫婦。これが手間がかかるのです。

 最初の二組をこなしたかと思ったら、休む間もなく次のお客がいらっしてカウンターに座る。1時間ちょっとで10人を越えたから、厨房は嬉し楽しの大忙しで、女将もてんてこ舞いなのでした。メールが入ったのもチャリーンという音だけは聞こえたけれど、とても見ている暇はない。たぶん毎年お祝いのメールをくれる友人だろうとは思うけれど、時間のある時にゆっくりと味わいたい。1時を過ぎても客足は止まらなかった。1時過ぎには「お蕎麦売りきれ」

 洗い物もしていなかったから、後の片付けに時間がかかる。一段落して2時になったところで、暖簾と幟をしまってチェーンポールを揚げたら、亭主はぶっかけで賄い蕎麦を食べておく。久し振りの10人越えで、これも誕生日のプレゼントか。3時前には女将と二人で家に戻り、林檎を剥いてもらったら、蕎麦屋で足りなくなった食材と、夜のおかずを買いに隣町のスーパーに車を走らせるのです。疲れているだろうに、夜が寝れないと困るからと、女将は2kmの距離を歩いて買い物に出掛けるのでした。亭主は昼寝もなし。


10月2日 日曜日 二日続けては混まなかった週末 …


 蕎麦の売り切れた日の翌日は、小鉢も蕎麦汁もなくなっているから、今朝は5時半過ぎに家を出て、朝飯前のひと仕事。夕べは早く休んだけれど、4時半までまったく目が覚めずにぐっすりと眠れたのです。今日も朝から秋晴れの好い天気で、蕎麦屋で車を降りればもう金木犀の香り。まずは空になった蕎麦徳利に、作ってある蕎麦汁を詰めていきます。週に二回蕎麦汁を作ったから、今週は結構お客が来た方なのか。それは今日のお客の入り如何なのです。

 小鉢は夏野菜の揚げ浸しと冬瓜の煮物。これにお新香が加わるから、10数人分はいつも用意していることになります。お新香は昨日でなくなったけれど、夕べは疲れてもうぬか漬けを漬けに来る元気がなかったので、キュウリとナスとカブにニンジンを加えて、今朝は浅漬けを漬けておくのでした。天麩羅の出る時には、さっぱりと小鉢にお新香を付けることが多い。最近はぬか漬けを食べない人もいるから、特に若い人には食べられるかと聞くこともあるのです。

 家に戻って朝飯には亭主の希望でカレーライスにしてもらった。昨日はカレーうどんが出たので、例によって大盛り分を解凍するから、残ったカレーを持って帰って来ていたのです。これに豚汁がつくので朝から結構なボリュウム。混んだ日には昼を食べる暇がないから腹持ちが好いだろうと考えた。食べ終えたら満腹になって、書斎に入ってひと眠り30分です。今日は蕎麦も二回打たなければならないからと、緊張していたから8時には目が覚めて出掛ける準備。

 秋晴れの朝は風も涼しくて気持ちが好い。蕎麦屋の駐車場と前のバス停の向こうにはコスモスの咲く畑が続いている。バス停は101系統という路線で、ユーカリの駅の南口から、9時50分12時15分、16時5分と日に三本だけ出て、蕎麦屋のある小竹入り口までは、団地の中をぐるぐる回るから10時14分、12時39分、16時29分に着く。循環型だから小竹入り口から駅までは25分で着く。電信柱の3本向こうには1時間に1本の市のバス停があるのです。駅からは早い。

 朝の仕事を終えたら、今朝はひと休みする間もなく蕎麦打ち室に入って、二回の蕎麦を打ち上げる。どうも加水率42%では少し柔らかくなるので、次は41%に下げてみようか。柔らかい生地は、気を抜くとぐにゃっと太く切れてしまうから、要注意なのです。15食の蕎麦の束を生舟に並べて、今日のお客を待つのでした。開店の時刻までには、まだもうひと仕事。野菜サラダの具材を刻んで盛り付ける作業が残っている。休日でも三皿だけの用意で臨むつもり。

 ヘルシーランチセットの注文が多くて、「ご免なさい」と断る日もあるけれど、蕎麦豆腐も日に四つしか用意しないから、多くても四皿しか出せないのです。野菜サラダは作ったその日しかお客に出さないから、残ればすべて家で食べなければならない。食品ロスの分までは値段に含めていないので、これが難しいところなのです。昨日は最後のお客が四皿目の注文だったので、サラダのない分を値引きしてヘルシーランチセットを出したのでした。

 「混む日は続かない」と経験上知ってはいるものの、こんな秋晴れの蕎麦日和の日に、そのまさかが起きるとは思ってもみなかったのです。いつもの時間にいつものジョギングの人たちが通り、散歩の人たちが店の前を行き過ぎるけれど、お客は少なかった。女将と二人で暇をもてあまし、用意した食材も、明日出なければまた家に持ち帰るのです。それでも今週は来客数がやっと20人を越えたと、コロナ禍後の復調を見守るのでした。陽射しの強かった午後 … 。


10月3日 月曜日 お客は少なかったけれど … 


 今朝は珍しく遅い時間に目が覚めて、居間のテレビで6時のニュースを見るのでした。お客少なかった昨日打った蕎麦が沢山残っていたから、今日は蕎麦打ちをしないつもりなのです。その分、朝はゆっくりと出来るから「ニコラ・テスラ」という発明家の半生を描いた映画をしみじみと観てしまうのでした。テスラモーターズがこの発明家の名にちなんで社名としたと言うのも頷ける。いつもの時間に女将が朝食を用意してくれたけれど、食べてまた映画を観る。

 9時前にやっと家を出て、蕎麦屋に向かえば、今日も涼しい秋の風が吹く。隣のコスモス畑がやけに元気そうだったので、店に入る前に写真を撮りに行く。朝の仕事を終えて、いつもなら蕎麦を打つのですが、今日は蕎麦打ちはないから、空いた時間で奥の座敷を掃除機で掃除した。洗濯物を畳んで、洗濯機の中の洗濯物を干して、段ボールを潰して片付けるのでした。それでもまだ9時半だから、蕎麦打ちというのは、随分と時間と労力がかかるものだと感じた。

 一応、心配だから昨日打った蕎麦の様子を見ておく。綺麗にひと束ずつキッチンペーパーで包んで、更に布巾を被せて冷蔵庫の生舟に入れてあるから大丈夫。10食分の蕎麦があったから、今日はこれで十分なのです。先月は連休が続いたせいか、月曜日にお客が来なかった日が二日もあったけれど、まさか10月になってもゼロが続くとは思えなかったのです。厨房に戻って、いつもの通り野菜サラダの具材を刻み、三皿だけ盛り付けてカウンターに並べる。

 大根をおろして、天麩羅の具材を調理台に並べ、天麩羅油と天つゆを火口に載せて、天ぷら粉を用意したら、もう大釜の湯は沸いている。11時前にひと休みして、店の掃除を始める。開店時刻の10分前には暖簾を出して、営業中の看板をぶら下げる。この時間帯が一番緊張するのです。何を頼まれたらこうしようと頭の中でシュミレーションを繰り返し、材料のある場所を確認しておくのです。最初のお客が来るまでは、ハラハラドキドキの時間なのです。

 昼を過ぎた頃に若い作業員風の男性が二人車で乗り付け、天せいろの大盛りを二つ頼まれる。お茶を出したら「お水もください」と500cc入るグラスに氷を入れて出せば、4杯もお替わりするから、「随分汗をかいたのですね」と言えば、「現場が近いんで、美味しい蕎麦を食べようと思って来たんです」と応える。若くて元気が好いから二人の声も大きい。手際よく天麩羅を揚げて蕎麦を茹でて出せば、さすがに大盛りはすぐには食べ終わらないのでした。

 二人の食べた盆や蕎麦皿を下げて、テーブルをアルコールで吹いたら、洗い物の開始です。次のお客が来る前に洗い終えられれば、一番好いのだけれどと思いながら、次々と皿や小鉢を洗っていく。週末とは違うから、そうお客は続かないのです。戸棚に片付けられる食器はしまって、蕎麦皿や盆などの漆器はカウンターに干しておきます。1時近くになっても次のお客は来ないから、かき揚げと余分にある天麩羅の具材を揚げて、賄い蕎麦をぶっかけで食べる。

 1時をだいぶ過ぎた頃に、駐車場に車が入って、女性が一人でご来店。亭主は「テーブル席でも好いですよ」と言ったけれど、カウンターに座って、ヘルシーランチセットの天せいろをご注文なのでした。野菜サラダと蕎麦豆腐を席に運んだら、亭主は厨房で盆や蕎麦皿、小鉢に蕎麦汁や薬味をセットしてから、天麩羅を揚げるのですが、カウンターの向こうからいろいろ話しかけてくるから大変。か細い声なので、耳を澄まさなければいけないから、調理が滞る。

 それでも何とか天せいろをお出ししたけれど、彼女の話はまだまだ続くのです。四十代なのかと思ったら、大きなお子さんが何人もいて、親御さんの介護で大変なのだとか。二人の親を最期まで家で面倒を見た、家の女将の苦労と重なって、相手をしているうちに、閉店の時間を過ぎてしまった。それでも最後のデザートを食べて「お腹いっぱいです」と言って帰られたから好かった。残った天麩羅の具材を揚げて、家に戻ったのは3時過ぎなのでした。


10月4日 火曜日 ゆっくりと眠った朝 …


 今朝は7時過ぎに女将に起こされるまで目が覚めなかったから、よほどぐっすりと眠っていたのです。朝食を食べて蕎麦屋に出掛けると、9時前の太陽がもうギラギラと輝いているのでした。雲は多かったけれど青空が広がって、昨日よりは少し暑いという体感温度なのです。1年365日、まったく休み無しで蕎麦屋に通っているから、定休日くらいはゆっくりと朝寝でも好いと、自分にご褒美。蕎麦屋に寄って足りないものはないかと再度チェックしておく。

 お袋様に電話をすれば、相変わらず元気な声で「お早うございます」と言うものだから「蕎麦屋に来てるけれど、もう行ける?」と迎えに行くのでした。農産物直売所には橋を渡って何百メートルかで着いたら、今朝は随分と車が沢山並んでいた。田植えも終わって晴れた日が続いたからか、今日は野菜が随分と沢山あって、新鮮な形の好いキャベツやキュウリやナスのほかにミョウガ、インゲン、冬瓜を買ったら、知り合いの農家の親父様がオクラを持って来た。

 隣町のスーパーに足を伸ばして、足りない野菜や家の魚や肉を買い込み、蕎麦屋に戻って品物を確認するのです。大根が随分と安くなっていた。いつもなら、これらの野菜を冷蔵庫に収納したところでもう家に戻ってひと休みなのですが、ゆっくりと眠れた今日は、冬瓜の皮を剥いて下茹でをしたら、天つゆを仕込んで冷やすところまで仕事がはかどる。鶏の胸肉の粗挽きも忘れずに買って来たし、午後は冬瓜の煮物から始めようと考えるのでした。

 11時過ぎに家に戻れば、女将が昼の支度をしてくれて、蕎麦を茹でる湯も沸かしておいてくれたのです。昨日揚げて帰った天麩羅の具材をグリルで焼いて、亭主が持ち帰った小鉢とお新香を添えて、立派な天せいろの出来上がり。昨日、蕎麦打ちの調節をしたので、明日は蕎麦以外の昼を食べられそうなのでした。嫌いではないのだけれど、営業のある日も昼に蕎麦を食べている亭主だから、たまには違うものも食べてみたいというのが本音です。

 蕎麦湯まで美味しく飲み干して満腹になったら、いつもの習慣で書斎に入ってひと眠り。今日は女将のスポーツクラブの席取り予約があるから、どうせ2時過ぎまでは午後の仕込みに出掛けられないのです。彼女のスマホを片手に無事に一番好い席を予約したら、先日、亭主が買って帰った「秋月」という新しい品種の梨を剥いてくれたのですが、これが幸水と豊水を掛け合わせたような甘くて瑞々しい美味しさなのでした。2時半過ぎにやっと蕎麦屋に行く。

 駐車場に車を止めたら、今日は昼間なのに雀が集まっていて、電線に止まった二羽は、車の窓を開けても逃げないでおしゃべりをしている。スマホのカメラでは望遠が上手く効かないけれど、シルエットだけで記録しておきました。明日はもう雨になると言うから、秋晴れの最後の日なのです。雨が降ったその後は、また一段と涼しくなるのでしょうね。金木犀の黄色い花も散り始めてきたから、季節は目まぐるしく変わっていくのです。

 厨房に入っての冬瓜の煮物作りは、まずは出し汁を沸かして鶏の胸肉の粗挽きを入れ、今日唐辛子を輪切りして加えたら、午前中に下茹でした冬瓜を入れて、砂糖と塩と出汁醤油少々で味つけをするのです。これを冷ましている間に切り干し大根の煮物を作り、小鉢の二品が完成。奥の座敷に干してあった洗濯物を畳んで、洗濯機の中の洗濯物を干しておく。家に帰れば、夕食には今日買って帰った活きの好いサンマが焼かれていました。脂が乗って美味しかった。



10月5日 水曜日 暗い空、午後のような午前 …


 今朝もゆっくりと目覚めた。涼しいからよく眠れるのだろうか。今日は朝のうちにムクゲの枝を剪定してやろうと思っていたら、ゴミ出しから帰って来た女将が「雨が降っているわよ」と言う。夏の終わりに枝を随分払ったはずなのに、秋に入ってからもまだ伸びるらしく、道路側に大きくせり出しているのです。奥にある黄色い花を付けたカッシアは、枝が伸びすぎると道路に花びらが散って掃除が大変だからと、夏に短く切り詰めておいたのです。

 庭の団扇サボテンも、ついこの間短く切り詰めたはずなのに、また棘のある葉をどんどん伸ばしている。花の時期も終わったから、再び剪定をしなければならない。この種の植物の生命力は恐ろしい程なのです。蕎麦屋のカッシアや二本あったオリーブの木は、切り詰めすぎて枯れてしまったけれど、サボテンは不死身なのかも知れない。外にあっても寒い冬を十分に越して育つのです。この葉を天麩羅にすると美味しいという話を聞くけれど、本当なのだろうか。

 昨日買って帰った新サンマは四尾でひとパックだったから、今朝も当然サンマの塩焼き。大根がなかったから、ミョウガを刻んで添えてくれた。一人分だけ残っていた野菜サラダは、ウインナソーセージと炒めて出されていたけれど、塩と胡椒でなかなかの味なのでした。後は蕎麦屋の小鉢の最後の残り。それにしても美味しいサンマなので、頭と中骨だけを残して綺麗に食べてしまう。入れてもらったお茶を飲みながら、今日の仕込みの段取りを考えるのです。

 今日は遅い午後から整形外科へ行って、薬をもらって来なくてはならない。店のエアコンの修理も頼まなくてはならないし、夜は再開された防犯パトロールに出なくてはなどと、やることが多かったから、午前中に出来るとこまでやっておきたかった。蕎麦屋に着いてまずは洗いかごに伏せたままの昨日の洗い物を片付け、返しを作る準備。味醂が足りるかと心配したけれど、何とか間に合った。ワインビネガーはそろそろ注文しておかなくてはならない。

 外はどんよりと曇って、まるで夕方のような暗さなのでした。5リットルの鍋が沸騰する前に火を止め、そのまま隣のコンロに移して自然に冷めるのを待つ。空いた火口で蕎麦豆腐を仕込み、明日のデザートの水羊羹を作って豊缶に流し込む。こちらも自然に冷めるまで動かせない。その間に蓮根の皮を剥き、酢水に浸けたらそのまま火にかける。次ぎに南瓜の種を取り、端を揃えて切ったら、端切れは煮物用に冷凍する。四つに切り分けた南瓜はラップでくるむ。

 最後に天麩羅の具材を切り分けて、容器に入れていく。生椎茸は6つ、ピーマンも半分に切って6個、茄子だけは中が黒くなるのが早いから4つだけにしてラップをかけて冷蔵庫に入れる。火にかけておいたレンコンは笊に取り、水で洗ってペーパータオルを敷いたタッパに入れておく。最後に玉葱を刻んで水で洗ったら、こちらもペーパータオルを敷いた容器に入れ、ざく切りにした三ツ葉を詰めてラップをかける。これで今日の仕込みはお終いなのです。

 時計は11時前なのでした。朝がゆっくりと眠れたからか、とても順調に仕込みが終わった。業者に電話をして海老と胡麻油の注文をしておく。ぬか漬けは、明日の夕方に業者が荷物を持ってくる時に漬ければ好い。昼前に家に戻って昼食の支度をするのが、定休日の亭主の仕事。酒屋とコンビニに寄って酒と煙草を買い、先週の残り物を使ってカレー炒飯を炒める。女将がスポーツクラブに出かけている間にひと眠りして、蕎麦屋のエアコンの修理を依頼する。

 2時半を過ぎたところで、駅前のマンション群にある整形外科に出掛ける亭主。今日は薬をもらうだけだったけれど、さっき電話したエアコンの修理担当から電話が入った。7日の金曜日の14時から19時の間に伺いますと言うからOKしたけれど、その日は車の車検見積もりの予約もしてあった。何とかなるだろうと処方箋をもらって、近くの薬局に並ぶのでした。夜のパトロールの前に女将が夕食を用意してくれたのに、6時前には雨が降りだして今日は中止。