2024年4月中旬



4月10日 水曜日 風は冷たいけれど晴れて気持ちが好い一日…

 定休日二日目はやはり朝寝坊でした。天気予報の通りの晴れた朝で、富士山も少し霞んでいましたがよく見えたのです。いつもの時間に家を出て、今朝はまず蕎麦屋の下の調整池に行ってみました。昨日までの雨で折角咲いた桜が散っていないかと心配なのでした。多少の花びらは散り広がっていましたが、満開の桜がやっと青空の下で見られたので,胸がスーッとした思いなのです。ソメイヨシノのこの薄い色がどうしてこんなに胸に響くのだろうか。

 蕎麦屋に戻って厨房に入れば、室温はまだ15℃と今朝はかなり冷えている。暖房を入れてまずは蕎麦豆腐を造り、蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら、酢水で茹でるのです。そして、南瓜を切り分けてレンジでチーンする。洗濯機の中の洗濯物を干したら、少し早い時間だったけれど、昨日作ったカレーの残りと、先週のキノコ汁の残りとお新香などの残りものを車に積んで、家に帰るのでした。女将はまだ帰っていなかった。天気が好いので花見にでも行ったのか。

 昼食は、早速、カレーとキノコ汁を温め、お新香を小鉢のまま出して、簡単に済ませるのでした。女将のスポーツクラブの予約を取り終えたら、眠くなかったので蕎麦屋に出掛けて、まずは東側のミニ菜園の雑草を抜く作業にかかるのです。30分ほどで90㍑のビニール袋が一杯になって、久し振りに庭の手入れをして気持ちが好い。南側と西側の庭も順次手入れをしなければいけないのです。タラの木がもう芽を出していたから、早く芽を摘まなければいけない。

 厨房に戻ってまずは蕎麦汁の補充をしてから、キノコ汁の仕込みを済ませ、天麩羅の具材を切り分けておく。最後にまだ時間は早かったのだけれど、冷蔵庫から糠床を取り出して、ナスとキュウリとカブを漬け込んでおきます。家に戻って早めの夕食を済ませたら、書斎で横になっていたのですが、スマホが鳴って近所に住む前のスタッフから電話。「タケノコが出来たので…」と言う。今年は少し遅いけれど、店に行って有り難く受け取るのでした。

 家に戻ってすぐにプールに出掛ける支度をして、ひと休みしたらスポーツクラブまで車を走らせる。6時半には子ども達のスイミングも終わるので、ちょうど好い時間なのでした。今日も一人一コースでゆっくりと泳いで、気分転換になりました。家に戻って居間の椅子に座り、やっと焼酎のライム炭酸割りを飲む。明日も晴れて気温は上がると言うけれど、朝はやはりまだ4℃ほどにしかならないそうな。朝一番でまた蕎麦を打つのが好いだろうと思うのです。


4月11日 寒い朝、日中も思ったほど晴れなかった…

 昨日に比べて気温4℃と寒い朝でした。定休日明けなので、まだ眠っていたいと思う気持ちを堪えて、5時過ぎには蕎麦屋に出掛けたのです。東の森も日の出前の明るさで、季節が変わって随分と早く陽が昇るらしい。蕎麦屋に入れば13℃と昨日よりはずっと寒いのです。放射冷却のせいなのか、晴れた日が続くと気温は下がるらしいのです。気になっていた糠漬けを取り出して、お新香を小鉢に盛り付ける。それから蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打ちました。

 木曜日はたまに混むこともあるので、いつまで朝の晴れ間が出ているかを気にしながら、今朝は44%で850g9人分の蕎麦を打ちました。平日は10人ということはここしばらくはないのです。蕎麦打ち室の湿度は45%だったから、かっちりと硬めの生地が仕上がって、伸して畳んで包丁切りをしても、綺麗に角が立っていました。わずか9食分の蕎麦のために朝の5時過ぎから店に来て、仕込みをするのも仕事のうちなのです。趣味と言われても仕方がないかな。

 家に帰って朝食を食べたら、今朝はしっかりと食後のひと眠りをしました。食事前の2時間近い仕事はやはり疲れるのです。8時半には起き出して、洗面と着替えを済ませ、また蕎麦屋に出掛けていきます。もう空は曇って時折陽が差す程度。朝が寒かっただけに、お客はあまり見込めないと思うのでしたが、そんなことも行っていられない。厨房に入って、苺大福を包み始めるのでした。日持ちのしない苺はコンポートにしても一週間が限度なので生のまま使う。

 少し酸っぱい味が、白餡の甘さと求肥の甘さで美味しくなるはずなのです。仕入れた苺の美味しさがもろに出るので少し心配です。時間にはかなり余裕があったので、大根や生姜をおろして、薬味の葱も刻んでおきました。大釜に火を点けたら、ゆっくりと野菜サラダの具材を刻み始めるのです。今日のキャベツは新キャベツだから昨日研いでおいた包丁の切れ味がものを言う。人参のジュリエンヌも細く細かく刻んで、美味しそうなサラダが出来上がるのです。

 開店して直ぐにいらっしたご夫婦は、ヘルシーランチセットを頼まれて、次に来た常連のお客もヘルシーランチセットだから、サラダとデザートは直ぐになくなったのです。お客は予想通り少なかったけれど、作ったばかりのサラダと苺大福が売れたのは嬉しい。2時過ぎには家に戻って、書斎でまたしっかりと昼寝をするのです。今日は夕刻に業者が食材を持ってくる日なので、4時過ぎにはまた蕎麦屋に出掛ける。コーヒーを沸かしてサービスするのでした。


4月12日 金曜日 金曜日にしてはお客が入った… 

 日の出と共に蕎麦屋に出掛けて今朝の蕎麦を打つ。隣の菜の花畑はもう花も終わりの頃たったけれど、蕎麦屋の駐車場のモミジや他の木々の新芽が芽吹いて、やっと春らしくなっのです。店に入れば室温は17℃と暖かく、眠い目をこすりながら蕎麦打ち室に入るのでした。湿度は40%だったけれど、44%の加水で蕎麦粉を捏ね始めたら、ちょっと硬めで大丈夫だろうかと思うのでした。何とか四隅を決めて包丁切り。昔はいつもこのくらいの硬さだった気がする。

 柔らかい蕎麦に慣れてしまうと、どうしても力が要らないので楽だから、その習慣から抜け出られないのです。たまにはこのくらいの硬い蕎麦を打って元気を出す方が好いのかも知れない。昨日の蕎麦と合わせて、今朝は11食の蕎麦を用意した。勿論、金曜日だからそんなにお客は来ないはずなのですが、明日の分を残して終わればその分明日が楽になる。無理に大変な仕事を自分に強いる必要はないと、最近ではつくづく思うのです。細く長く続けるのが秘訣。

 厨房に戻って苺大福を包み始める。今週は取りあえず苺のある限り同じものを作ろうと決めている。生の苺だから1週間は持つかどうか。10時前に作り終えて、野菜サラダの具材を刻む。この時間までは外は晴れ間も覗いていたのですが、じきに雨が降ってきたから春の天気は分からない。それでも暖簾を出せば、お客がやって来たから嬉しいのです。若いご夫婦が天せいろとぶっかけ蕎麦のご注文で、調理をしている間にもう次のお客がご来店なのでした。

 「今、お茶をお出ししますから」と言って天麩羅を揚げ終えて、次の注文を聞くのでした。次のご夫婦はお二人ともぶっかけ蕎麦の冷たいのをご注文で、同じ作業を繰り返せば好かったから楽なのでした。ところが途中で年配のご夫婦がもういらっして、テーブルが一杯だったからカウンターの隅に座るのです。やっとお茶をお持ちすれば、キノコ付け蕎麦を二つと注文されて、鍋に作ってあったキノコ汁を温めるのでした。たった三組でも続くと忙しいのです。

 ぶっかけ蕎麦を頼まれたご夫婦が、蕎麦豆腐と苺大福を一つずつ頼まれたけれど、苺大福が美味しかったと見えて追加でもう一つ。そんなところから会話が始まって、コンポートするよりも生のママの方が美味しいとおっしゃる。キノコ蕎麦のお客は小鉢のなた漬けが美味しいとおっしゃるので、「秋田の漬け物で…」と亭主が解説するのでした。お客との会話が始まると店の中も和むのです。亭主一人だから、食べ終えた盆をカウンターまで運んでくれたのです。

 3時前に鍋釜の洗い物も終わって、小雨の降る中を家に戻れば、まだ女将は帰っていなかった。「雨に降られちゃったわ」と言って帰った女将は、今日の天気に文句を付ける。亭主は書斎に入って今日のデータをハソコンに入力したら、横になってひと眠りなのです。5時前に起き出して食堂に行けば、今晩は筍ご飯とタケノコのお吸い物。美味しくいただいてひと休みしたら、蕎麦屋に寄って明日の出汁取りの準備をする。それからプールでひと泳ぎなのでした。


4月13日 土曜日 朝の6時から夜の8時まで蕎麦屋に通って…

 5時50分の東の空にはもう太陽が昇っていました。桜も何時の間にか散っているから、季節の推移に自分が追いついていないと感じる今日この頃なのです。蕎麦屋それほど忙しいわけではないのに、やはり年齢を重ねて認知する機能が衰えているのだろうか。夕べ泳いだプールの疲れではないと思うのです。今朝はもう出汁がなくなっていたので、朝早くから夕べ用意しておいた出汁取りをする。ところが返しも少なくなっていたので、量を減らして蕎麦汁を作る。

 それで1時間はかかるから、家に帰って朝食を食べるのでした。女将も魚を焼くと時間がかかるからと、ベーコンエッグにタケノコの煮物を出して、亭主の忙しいのに合わせてくれるのでした。今朝は食後のひと眠りをしないばかりではなく、8時前にはまた家を出て、蕎麦屋に向かうのでした。昨日の蕎麦も少ししか残っていなかったので、今朝は9人分の蕎麦を打って合わせて13人分の蕎麦を用意するつもり。加水率44.5%で絶妙な硬さの蕎麦が仕上がる。

 厨房に戻って苺大福を包み、野菜サラダの具材を刻みながら、小鉢の盛り付けをする。暖簾を出せば、今日は次から次へとお客がいらっして、一組仕上げればまた一組ご来店という具合で、休む暇がなかったのです。天麩羅がよく出たから、具材を切り分けて追加したりと忙しかった。12時半にはもう生舟の蕎麦がなくなって、1時にはお客もすべて帰ったのです。今日は先日仕入れた伏見唐辛子をサービスで天麩羅にして付けたけれど、喜んでもらえただろうか。

 11人分の盆や皿をそのままにして、女将としばらく休憩する。亭主は賄い蕎麦を食べて、女将は今日の新聞を読んでいた。お蕎麦売り切れの看板を出していたけれど、まだお客が来るのでした。電話もかかってきて、まだ営業していますかと尋ねる人もいる。急に暖かくなって、蕎麦を食べたいという人が増えたらしい。2時半には気の遠くなるような洗い物を終えて、女将が先に家に帰る。まな板の消毒を終えて亭主は後から家に着くのでした。

 ここからがまた大変で、明日の蕎麦汁もないし、蕎麦汁を作る返しもないし、小鉢は一つもなかったのです。今日は防犯パトロールの日だったけれど、とても明日の仕込みが終わりそうにないのでした。ひと眠りして夕食に五目焼きそばを亭主が作り、ひと休みしたら隣町のスーパーに足らなくなった食材を仕入れに出掛ける。その足で蕎麦屋に寄って、返しを作ったり、明日のお新香を漬けたり、天つゆを作ったりと、8時過ぎまで作業を続けるのでした。


4月14日 日曜日 暖かく、昨日に引き続き大勢のお客が…

 今朝は5時過ぎに蕎麦屋へ出掛けました。昨日の混みようで蕎麦が一つも残っていなかったので、朝のうちに二回蕎麦を打たなければならないのでした。向かいの畑は5時でもう明るく、日の出前の朝靄が立ちこめているのです。蕎麦打ち室に入って蕎麦を打っているうちに陽が昇ったのですが、外は深い霧に覆われて太陽もぼうっと輝いている。750gの蕎麦玉を二つこしらえ、寝かせている間にコーヒーを入れて飲む。20℃を越えて店の中はかなり暖かいのです。

 今日も加水率44.5%でちょうど好い加減なのでした。16食を生舟に並べて、厨房に戻ってひと休みです。冷蔵庫から糠床を取り出して、夕べ漬けたナスとキュウリとカブを切り分け、小鉢に盛り付けておく。それでも小鉢が足りなくなりそうなので、家から持って来たタケノコを出し汁で煮て味つけをしたら、乾燥若布を戻して火を止めた汁につけて小鉢に盛り付ける。残れば明日の最終日まで使えるだろうという考え。家に帰って女将の用意した朝食を食べる。

 今日は業者が置いていった冷凍の桜餅が解凍されていたので、女将が近所の公園で採ってきてくれたヒガンザクラの葉を塩漬けにしたのを皿に載せて、その上に餡を巻いて伸せていく。片栗粉が足りないので、手についてベタベタと成形しにくい。味は好いのですが見た目が悪いので、8皿作ったけれど、サービスでお客に出すことにした。次はきちんと成形して売れば好い。何でもやってみないと分からないもの。野菜サラダを刻んで開店の準備を済ませる。

 仕込みの最中にも何本か電話が入って、お客の来る気配は濃厚です。開店前から客が入って、次から次へと席が埋まっていく。昨日と同じような状況なのでした。店の中は窓も開けてあるのに24℃もあるのでした。1時過ぎに最後のお客が入って、天麩羅の具材が切れたので、売り切れの看板を出すのでした。今日はヘルシーランチセットを含めて、すべて天せいろばかりが出たのです。昨日の反省で、時間が空いたら洗い物を済ませていたので、2時半には帰宅。

 二日続けて10人を超えるお客が来て、夜も2時間近く蕎麦屋に出掛けて、蕎麦汁の仕込みや小鉢の用意、天麩羅の具材の準備などととても忙しかった。10年前の若さは今はないから、身体がどっと疲れるのです。この先、いつまで続けられるのだろうかと考えるようになりました。家に戻れば、何十年も前に、祖母にもらった釣鐘水仙が庭の片隅で花を咲かせていた。90歳を過ぎても広い庭の畑に出て仕事をして、102歳でなくなったから大したものだと思う。


4月15日 月曜日 外気温26℃、蕎麦屋の中も25℃で…

 午前6時10分前の蕎麦屋からの光景。向かいの森の向こうから、もう太陽が昇っているのです。今朝は出汁を取って、そのうえ蕎麦まで打たなければならなかったから、何処まで出来るのだろうかと不安なのでした。一週間の疲れが蓄積して、なかなか床から起き上がれなかった。急な暑さも原因しているのかも知れない。コーヒーを入れながら、一番出汁を取って蕎麦汁を仕込み、二番出汁で天つゆを作る。椅子に座って目を覚ますひとときなのです。

 冷めた蕎麦汁を冷蔵庫に入れ、盥の中で二番出汁を冷やして、これも冷蔵庫で保管するのです。一番出汁の残りは瓶に入れ、予備の蕎麦汁を作るためにやはり冷蔵庫に入れておきます。ここまで終えて鍋や道具を洗って6時半前。今日は500gの蕎麦を打てば好かったから、急いで蕎麦打ち室に入るのでした。加水率は44.5%で、最近は上手く捏ねられている。朝食の時間に間に合うようにと、時計を見ながら再び蕎麦打ち室に入って、蕎麦を打つのでした。 

 7時過ぎに蕎麦は打ち終わり、急いで家に帰るのでした。ちょうど卵焼きが出来上がったところで、筍ご飯の最後の一杯を豚汁と共に食べて、今朝も満足な朝食なのでした。居間の部屋でお茶をもらったら、書斎に入って横になってひと眠りです。40分ほど眠ったところで目が覚めたけれど、なかなか起き上がれないのです。身体が重くて立ち上がるまでに10分ほどかかった。洗面と着替えを済ませて、やっと家を出ていくのでした。外は朝からもう暑いのです。

 看板と二本の幟を出してチェーポールを降ろしたら、昨日の洗濯物を干したら、厨房に入って、早速、苺大福を包み始める。向かいの畑ではさつまいも農園のスタッフ達が何人も車でやって来て、道路との間に竹で背の低い垣根を作り始めている。規模の大きな農園らしいのですが、若い人たちの働く姿を間近で眺めて、亭主も元気を貰うのでした。野菜サラダの具材を刻みながら、大根をおろしたり、大鍋に沸いた湯をポットに入れたり、開店の準備に忙しい。

 暖簾を出せば、今日も早くから仕事着姿のお客が入り、最初からヘルシーランチセットの天せいろが二つ出て、作ったばかりのサラダや苺大福がなくなっていくのをうれしく思うのでした。40分ほどゆっくりとなさって、帰っていらっしゃる。そのすぐ後に、車が駐車場に入ったかと思うと、3人連れのご家族がご来店で、せいろ蕎麦とおろし蕎麦の大盛りと普通盛りをご注文なのでした。すぐに蕎麦を茹でてお出しすれば、ゆっくりと召し上がるのです。

 洗い物を溜めないようにと、カウンターに下げた盆や皿から洗い始めて、暖かいから身体が好く動くと感じるのでした。窓を開け放った店内の気温は25℃になっている。亭主はとっくに長袖のポロシャツを脱いで、ノースリーブの下着の上に店のユニフォームを着ているのです。お客が帰った後からは、窓を閉めて思わずクーラーを入れる程なのでした。2時半には女将の帰っていない家に戻り、半袖短パンに着替えてひと休み。昼寝をしたら4時には目が覚めた。
 今日は疲れているのでプールには行きたくなかったけれど、明日はスポーツクラブがお休みで、水曜日は夜のパトロールがあるからプールには行けない。あまり間が空いてしまうと身体の調子が戻ってしまうからと、頑張って夕食に女将とパスタと野菜サラダを食べて、6時過ぎに家を出てプールに向かうのでした。子ども達のスイミング教室が終わって、成人の泳げる時間まで少し待ったけれど、それでも一人一コースとは行かなかった。ゆっくりは泳げない。



4月16日 火曜日 今日も暖かな一日で疲れが癒やされた…

 夕べはプールから帰ってブログを書いたら早く床に就いたのに、暑かったからか夜中に何度か目を覚まして、居間の部屋に行って煙草を燻らせる。最後は女将に起こされて朝の食卓に就くのでした。お袋様との仕入れに出掛けるのが火曜日の日課だったから、9時前には家を出なければならない。定休日とは言っても、やはり時間には縛られているのです。それが好いのか悪いのか、農産物直売所に行って新鮮な春キャベツを手に入れて、隣町のスーパーへ。

 店に戻って買い込んだ野菜類を冷蔵庫に収納したら、洗濯機の中の洗濯物を干して、買って来た大根の一本を切って皮を剥く。細かく切ったら漬け物器に入れて塩をして漬け込むのです。帰りがけに向かいの畑の若いご主人と挨拶を交わして、「やっとホームページを捜して見ましたよ。大規模に薩摩芋を作っているのですね」と言えば「植え付けの時と、収穫の時が大変なのです」と言う。ハウスの中に植えた薩摩芋の苗に、井戸から組み上げた水を遣っていた。

 11時前に家に帰ったけれど、女将はまだ帰宅していなかった。昼は昨日残った蕎麦を茹でて、とろろ蕎麦を食べる。店で使うとろろ芋も、すぐに次か出れば問題がないのですが、日にちが経ってしまうと切り口から傷んでくるので、家に持って帰って食べるしかないのです。亭主は大盛りの分が残っていたから、食べられるか心配だったけれど、暑い日の蕎麦はやはり美味しく、お客が増えるのも頷けるのでした。急に暖かくなったからか、去年よりも蕎麦が出た。

 食後は書斎に入ってひと眠りしたら、女将のスポーツクラブの予約を取るために起き出して居間の部屋に行く。テーブルの上には早くから彼女のスマホが置かれているのでした。テレビで映画を見ながら、アラームが鳴ったら入力する準備を始める。稽古場にいた女将も心配なのか食堂にやって来るのです。無事に予約が取れたら、彼女に確認をしてもらって、亭主は蕎麦屋に出掛けていくのです。水の上がったなた漬けの大根に甘酒の素や砂糖などを入れておく。

 午後の仕事のメインは狭い東側の庭に伸び広がった雑草の処理なのでした。隣に細道があるので人目に付くから、早くから気にはなっていたのですが、暖かくなってやっと草取りが出来る。フェンス際に植えた木槿ももう新芽が出て伸びているから、そのうち丈を短く切らなければならない。釜を使ってわずか30分ほどだったけれどビニール袋が一杯になるまでと頑張ったのです。残るは一番広い南側の庭なのですが、来週には手を付けられるだろうか。

 


4月17日 水曜日 不安定な天候とは言いながらも蒸し暑い…

 5時半には目が覚めて居間の部屋でテレビ映画を観ていた。蕎麦屋に行ってまず何をするかは決まっていたのですが、ニコラス・ケイジ主演の「ピッグ」という映画を最後まで観てしまったので、そのまま朝食の時間になった。昔、シェフだった男が森の中に住んでトリュフを採って暮らしていたという設定なのですが、トリュフを捜す豚が何者かに盗まれたところから、話が始まる。以前にも見たことがあるけれど、じっくりと見てみるとなかなか面白い。

 蕎麦屋に出掛けて隣のお花畑を覗けば、菜の花はもう終わりの頃で、代わりに今度はオレンジ色のポピーがあちこちに咲いているのでした。蕎麦屋の西側の小径も草を刈ったから、少しは綺麗になっている。厨房に入ってまずは蕎麦豆腐を造り、型に入れたらラップをして、南瓜の種を取って天麩羅の具材用に切り分け、レンジでチーンするのです。そして、最後にピーラーで蓮根の皮を剥いて、輪切りにして酢水で茹でる。これで午前中の仕込みは終わりにする。

 家に戻って昼飯の準備をしなければいけなかったので、残りものの野菜を刻んで炒飯を作る。昼食を終えて居間でお茶をもらってWBCの野球中継を観ていたけれど、途中で見飽きてしまった。書斎に入って横になれば、またひと眠りなのです。女将はもう出掛けてしまったらしい。1時前に蕎麦屋に出掛けて、午後の仕込みをするのでした。向かいの森には新緑が鮮やかで、店の駐車場のヤマボウシの木の枝には、雀が止まってきょろきょろとしている。

 厨房に入ってまずはキノコ汁を作り、玉葱を刻んでかき揚げの具材を用意する。次に生椎茸とピーマン、人参を切り分けて、明日の天麩羅の具材を用意しておきます。それから、時計を気にしながら冷蔵庫から糠床を取り出して、キュウリとカブとナスを付け始めるのです。あまり早い時間だと、漬けすぎて塩辛くなるのが心配なのでした。今日の夜は防犯パトロールがあるから、早めに家に戻って夕食を食べなければいけない。時間に追われるのはちょっと辛い。

 夕食は鮪のたたきの手巻き寿司にしてもらって、5時前には夕飯を食べ終える亭主。防犯パトロールも、4月からは集合時間が7時に変わったから、書斎で横になって15分ばかり眠った。定休日のパトロールは疲れていないから、足の具合が好いので歩くのも調子が好いのです。薄暗くなった道を歩いて、集合場所の集会所前に行けば、今日はかなり人数が少ないのでした。亭主は土曜日に出られなかった言い訳をして、二手に分かれて歩き始めるのです。


4月18日 木曜日 今度は八重桜が見事に咲いた…

 朝の6時前なのにもう陽が昇ってくる。日にちや時間の感覚がどうしてもついて行けなくなっている亭主。窓の外が明るくなるから目を覚ますから、当然、どんどん朝が早くなるのです。蕎麦屋に出掛けて、気になっていた糠漬けを取り出して、小鉢に盛り付ける。ついでになた漬けも少しだけ盛り付けておきます。週末まで持たなければ、切り干し大根の煮物を作っても好い。またタケノコをいただいたから、女将に頼んで家の分を分けてもらっても好い。

 お茶を一杯飲んだら、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。定休日明けの木曜日は、女将が開店から来てくれるので、多少お客が増えても対応できるのですが、来ない時もあれば来る時もある。でも、蕎麦がなければ仕方がないので、暖かくなると言う今日は850g9人分を打っておこうと考えたのです。今日の天気で加水率44%ではちょっと硬すぎるかと5gだけ水を足して捏ねれば、ちょうど好い硬さになる。四隅も綺麗に取れて蕎麦を切れば首尾は上々。

 7時過ぎに家に戻って女将が朝食を仕上げる時間に間に合った。食後はお茶をもらってひと休みしたら、書斎に入って横になってひと眠り。1時間ほどで目が覚めたけれど、なかなか起き上がれないのです。夕べの夜間パトロールが堪えているのか、身体が言うことを利かない。30分ほどしてやっと立ち上がって洗面と着替えを済ませるのでした。「半袖では寒いだろうか」と女将に言えば、「上着が必要だと言っていたわよ」と言うから、薄いジャージの上着を着る。

 蕎麦屋に行く道々、団地に隣接する農家の八重桜が綺麗に咲いていた。店の向かいの薩摩芋農園にも、もう人が来て仕事を始めていたのです。幟と看板を出してチェーンポールを降ろしたら、やっと蕎麦屋も仕事を再開するのでした。早朝に蕎麦を打ってあるから、時間には余裕がある。大根や生姜をおろして、薬味の葱切りも済ませ、苺大福を包んだら野菜サラダの具材を刻む。11時過ぎにはすべての準備が終わって、暖簾を出すまで椅子に座ってひと休みです。

 隣のお花畑にはポピーが綺麗に咲いていた。暖簾を出せばすぐにお客がやって来て、天せいろを二つご注文なのでした。女将が来ないので、亭主がお茶を出して盆や皿を用意する。天麩羅を揚げている頃に女将が来てくれて、後は調理に専念するのでした。12時前に女性客が一人でいらっして「待ち合わせてもう一人来るのですけれど」と言って、出したお茶を飲む。10分ほど遅れてもう一人若い女性がいらっして、ヘルシーランチセットの天せいろをご注文。
 何をそんなに話すことがあるのかと思うほどゆっくりとされて、お帰りは1時20分を過ぎていた。もう次のお客がカウンターで蕎麦を食べていたのです。洗い物は済ませてあるから、後片づけも楽だった。2時過ぎには女将と店を出て家に帰るのでした。今日のデータをパソコンに入れたら、亭主は4時過ぎまでまた昼寝をする。早めの夕食を食べて、今日は業者が来ないから、昨日行けなかった夜のプールに出掛けたのです。一人一コースでゆっくりと泳いだ。


4月19日 金曜日 なぜか今日はお客が多かった…

 6時前の東の空は雲に覆われて、昇ってきた太陽も存在感がないのでした。蕎麦屋に入って蕎麦打ち室の温度計を見れば18℃。家の居間の温度は11℃だったのに、蕎麦屋はまだ昨日の温もりが残っているのだろうか。44.5%の加水で750g8人分の蕎麦を打って、昨日の残りと合わせて10人分の蕎麦を用意しました。今朝もエッジの効いた蕎麦が打てて嬉しかったのです。昨日の洗濯物を干して、家に戻って女将の用意してくれた朝食を食べる。

 食事を終えたら例によって書斎に入ってひと眠り。最近は、30分では起きられずに、だらだらと起き上がるまでに時間がかかるのです。蕎麦を打ってあるからという安心感もあってか、着替えても9時過ぎまでのんびりとすることが多い。洗濯を終えた女将に声を掛けて、晴れた通りに出て蕎麦屋に向かうのです。みずき通りのハナミズキももう花が咲いている。ついこの間までは枯れた枝ばかりが目立っていたのに、何時の間にか新緑の季節になっているのです。

 蕎麦屋に着いてまずは看板と幟を出して、チェーンポールを降ろしたら、大釜に水を入れながら、ポットにお茶のパックを入れて、他のポットも用意して、次の用意をしておくのです。それから、苺大福を作る材料を取り出して、小鍋に計量した白玉粉を入れ、糖蜜を計って溶かしておく。溶けるまでに時間がかかるから、白餡に苺を包んで皿の上に並べておくのです。熱々の求肥でこれを包んだら片栗粉をまぶして皿に並べる。わずか5分の作業ですが一段落。

 野菜サラダの具材を刻んだら、いつも通りに三皿に盛り付けて、天麩羅の具材を冷蔵庫から取り出して調理台に並べ、天つゆの鍋を火にかけ、天麩羅油を温めるのです。ここまでで11時過ぎだから、今日は少し早い。テーブルを拭くのも5分で終わって、カウンターの隅の椅子に座ってひと休みなのです。開店時刻の5分前には暖簾を出して、ついでに隣のお花畑のポピーの写真を撮っておく。風はあるけれどもう初夏の陽射しなのでした。

 最初のお客は常連さんで、今日は鴨南蛮蕎麦とビールのご注文。手間はかかるけれど値段も高いのでしっかりと調理をするのです。ところが、その間にもう次のお客がいらっして天せいろのご注文。今日は続けて何組も来るものだから、12時半前には蕎麦が残り少なくなっていたのです。向かいの薩摩芋畑のリピーターの男性を最後に、お蕎麦売り切れの看板を出したのです。それから何組かいらっしたけれど、ご免なさいお蕎麦がなくなったからとお断りした。

 金曜日にこんなにお客が来るとは意外なのでした。やはり暖かくなったからなのでしょうか。月曜金曜は亭主一人のため蕎麦は8食しか打たないと看板にも書いてあるのですが、お客はそんなものは見はしないのです。最後に残った薩摩芋農園の男性は、天麩羅蕎麦の大盛りのご注文だったけれど、随分と待たせたものだから、伏見唐辛子やタケノコの天麩羅も追加してサービスするのでした。向かいの畑の今後の利用方などを語るのを、亭主は嬉しく聞いていた。