2024年2月末



2月27日 火曜日 好く晴れたけれど冷たい風が強くて…

 定休日でも起床の時間は変わらないから、明るくなるまでコーヒーを飲んで早朝のニュースを見たら、蕎麦屋に出掛ける亭主。甥っ子の住んでいる駅前の高層マンションに朝日が当たって赤く輝いていた。ガレージのシャッターを開けたら、冷たい風がびゅーっと吹き込んでくる。陽が差している割には冷たい朝の陽気なのでした。蕎麦屋のカウンターを片付けて、洗濯機の中の洗い物を干したら、後は何をしておけば好いかと厨房の椅子に座って考える。

 7時前に家に戻って、女将が蕎麦屋で残ったキノコ汁を温めている間に、亭主は隣の火口で野菜サラダの残りに肉を入れて、あんかけ煮にするのです。冷たい風のせいか家の中もずいぶんと寒く感じるのです。二階の窓から西の地平線を眺めれば、今朝も富士山がくっきりと見えたから、風が強く空気が澄んでいるのがよく分かる。書斎に入ってひと眠りしようとしたけれど、昨日の夜はプールで泳いだのに、店が暇で身体が疲れていないからか眠れなかった。

 9時前にお袋様に電話をして、今日の仕入れに出掛ける。空は青く気持ちの好い朝だったけれど、車の外は冷たい風で草木が揺れているのでした。農産物直売所で近所の農家のご夫婦に挨拶をして、今朝持って来た野菜をもらってから隣町のスーパーに行けば、やはり寒いからか駐車場には車が少ないのでした。印刷した買い物リストを見ながら買いそろえていくのだけれど、どうしても忘れてしまうものがある。午後にまた買いに行かなければならなかった。

 蕎麦屋に戻って野菜類を冷蔵庫に収納したら、今日は床屋に行かなければならなかったので、家に買った肉や魚を一度沖に戻って、車を走らせて床屋に出掛けるのです。先客の髭を剃っていた親父様が、「もう少し待っていて」と言うから、椅子に座ってしばらく待つのでした。80歳になると言うのに、親父様の身のこなしは軽やかで、長年やっているとはいえ、疲れないのだろうかとこちらが心配するのでした。自分はもっと早く引退するのではないかと思う。

 帰りがけに家の女将に電話を入れて、昼の準備をしてもらっておく。大鍋に沸かした湯で、女将が天麩羅を焼いている脇で、帰った亭主がすぐに蕎麦を茹でる。今日はスポーツクラブが休みなので、二人とも時間に急かされないから好い。ゆっくりとしているせいか午後も昼寝をしなかった。3時になってもう一度蕎麦屋に出掛け、午後の仕込みを始めるのでした。白菜と大根を塩で漬け、昆布と干し椎茸をお湯に浸けて、明日の出汁取りの準備をしておく。


2月28日 水曜日 今日は晴れても気忙しい一日で…

 今朝は5時前に蕎麦屋に出掛ける。小一時間かけて出汁を取って蕎麦汁を作ったら、まだ6時前だったので小松菜を茹でておきました。向かいの畑の森から朝日が昇っていたのです。7時前に家に戻って早めに朝食を食べ、30分だけ眠ったら、洗面と着替えを済ませて、高層マンション群の中にある整形外科に出掛ける。年に二度の血液検査の日だったので早めに出掛けたけれど、もう順番待ちの老人がいた。今日から薬は弱い物に替わっていた。

 そのまま蕎麦屋に行って、午前中の仕込みを終える。今日は夜の防犯パトロールがあるので、出来ることはやっておこうと、明日の天麩羅の具材を切り分けることまで終えるのでした。家に戻って昼は蕎麦を茹でて食べる。腹が一杯になったら、午後の陽射しが差し込む書斎で、ゆっくりと昼寝をする。女将はその間にスポーツクラブに出掛けていくのでした。3時過ぎに女将が帰ったので、亭主は蕎麦屋に出掛けてやり残した仕事をするのでした。

 お新香を切り分けて小鉢に盛り付け、金柑の種を取って酢水で湯がいたら、氷砂糖を入れた湯で煮込んでいく。隣の火口では同じく氷砂糖を入れた湯を沸かして蜜を作っておくのです。帰りに改装を終えたコンビニに出向いて煙草を買って家に戻る。家に着いたら、早めの夕食に塩ラーメンを作って腹ごしらえ。夜のパトロールの集合場所に出掛ければ、今日は集まったメンバーが少なかった。例によって足を引きずりながら、年配の人たちについて歩くのでした。



2月29日 木曜日 早いものでもう2月も終わり…

 夕べの夜のパトロールが堪えたのか、今朝は6時まで目が覚めなかった。居間で珈琲を飲んでいたら、7時前に女将が起き出して来て、「ご飯が出来ましたよ」と言うのです。銀ダラの煮付けに小鉢が三種類とキノコ汁が出て、食べきれないほどのおかずでしっかりと朝飯を食べる。朝飯前に蕎麦屋に行っていないので、寒いだろうなと思いつつ、家を出る亭主。今日は一日中曇りだと言う予報だったけれど、朝のうちは晴れて青空も覗いていました。

 8時半前に蕎麦屋に着いたら、向かいの畑ではもう新しい農家のご主人達が仕事をしていました。この間からビニールハウスを作っていたのですが、今日は更に扉まで付けて、後はビニールを被せるだけのようなのです。亭主も負けじと厨房に入り、生姜をおろして薬味の葱を刻み、大根をおろしてから、蕎麦打ち室に入って蕎麦を打ち始めるのでした。8人分750gを篩にかけて、47%の加水で水回しを始める。いよいよ今日の始まりなのです。

 蕎麦打ちを終えて厨房に戻れば、今日は金柑大福を作らなければいけない。昨日のうちに金柑の甘露煮を作っておいて好かった。三皿だけ包み終えたら、次は野菜サラダの具材を刻む。木曜日は女将が開店の時間からしか来ないので、店の掃除もあるし、亭主の仕事は多いのです。開店時刻の10分前にテーブルも拭き終わり、ひと休みしていると「今日は薄ら寒いわね」と言って女将がやって来た。外はたまに薄陽が差していたけれど北風が吹いているのでした。

 昼前に常連さんがいらっして、黙ってカウンター席に座るから、女将が「辛味大根とせいろの大盛りで好いですか」とお茶を出しながら尋ねるのでした。新聞を読みながらゆっくりと食事をして帰るのです。すぐ後に今週は二度目のお客がやって来て、ビールとカレー蕎麦をご注文。今日は常連さんばかりなのでした。満足そうに会計を済ませてお客が帰った後は、道を歩く人が多い割に誰も蕎麦屋には来なかったのです。亭主は賄い蕎麦を茹でて食べる。