2024年2月初め



2月1日 木曜日 予報とは裏腹に昼過ぎまで晴れて暖かく…

 昨日の夜間パトロールが身体にこたえたのか、早めに床に入ったのに、今朝は7時まで眠ってしまたのです。台所の女将が朝食の支度をしていたけれど、最近は少しずつ遅くなるのです。彼女はどう考えても、朝ドラの時間に合わせて行動しているようにしか見えない。自分のペースで動くから、割を食うのは亭主ばかり。朝飯前のひと仕事が出来ないと、こんな所にも影響が出てくる。今日は気温が高いと言うから、蕎麦を二回打とうかと思ったけれど取りやめ。

 蕎麦屋に着いても青空が広がって、見渡す限り雲がないから直ぐに曇りにはなりそうにない。蕎麦を打つにも一回の蕎麦打ちで足りるのだろうかと心配したけれど、時間の関係もあるから今となってはどうしようもないのです。暖かく晴れていれば、平日とは言ってもきっとお客が来るに違いない。あまり早い時間に蕎麦がなくなった場合には、準備中の看板を出して、もう一度蕎麦打ちをするしかないと諦めて、750g八人分の蕎麦を打ち、厨房に戻るのでした。

 加水率はこのところ同じ48%。生地はちょうど好い硬さで、四隅を綺麗に取って打ち終える。140gほどで一束を作ったら、60gほど余分に取れたのです。厨房に戻って金柑大福を包み、野菜サラダの具材を刻む。早めにテーブルをアルコール除菌液で拭いて回れば、動くことで少し身体の調子がよくなるのです。生姜と大根をおろして、薬味の葱を刻んだら、新しい油を天麩羅鍋に注ぐ。いよいよ開店の準備が整ったところで、女将が手伝いに来てくれたののです。

 暖簾を出して直ぐに、四人連れのご家族がみえた。お婆様と老夫婦と甥っ子という若い男性が、天せいろの大盛り二つに天麩羅蕎麦と天麩羅うどんを頼まれる。コロナ禍以前にも来店したことがあって「親子丼がとても美味しかった」と、お婆様が懐かしそうにおっしゃるのでした。女性は年を取ってもよく話をするから、お婆様も年を取ったご主人も、二人とも腰の骨を折って大変だったと言う。その間に若い男性がやって来て、鴨せいろの大盛りをご注文。

 皆さんの帰ったのは1時前で、今日はこれで終わりかと、亭主は切れ端の蓮根の天麩羅とかき揚げを揚げ、月曜日に打った蕎麦の残りを茹でて食べる。食べ終わったところで車が一台駐車場に入ってくるのでした。女性一人のお客で天せいろのご注文。1時半からの女将のスポーツクラブの予約も取れなかった。平日の割には随分お客が来てくれたから、これも暖かくて天気の好いお蔭だと思った。家に帰って午後の昼寝をしたら、夜は鮪のたたきで手巻き寿司。


2月2日 金曜日 昨日とは違ってとても寒い一日でした…

 寒い朝でしたが、仕込みがあるので朝飯前のひと仕事に蕎麦屋に出掛けるのでした。カウンターに干してあった盆や蕎麦皿を片付けて、お新香を漬け物器から取り出して切り分け、小鉢に盛り付けたら、南瓜の煮物を小鉢に盛って、甘く煮た小豆を掛けていく。空の蕎麦徳利に蕎麦汁を補充して、冷蔵庫に収納する。昨日の洗濯物を干して、時間は7時を過ぎていました。家に戻って朝食の出来るのを待つのです。早く食べないと食後のひと眠りが出来ない。

 今朝は珍しく親子丼だったので嬉しい。蕎麦屋でキノコ汁に使った鶏肉を持ち帰っていたのです。ひじきと厚揚げの煮物も温かくて美味しかった。若布と豆腐の味噌汁は煮干しの出汁が効いていた。身体が温まったところで、ストーブの前でひと休みしてから、書斎に入ってひと眠りです。朝の5時前から起きているから、どうしても暖まると眠くなる。小一時間眠って洗面と着替えを済ませ、8時半には家を出るのでした。水仙の花が満開なのでした。

 手袋こそジャンパーのポケットに入れたままでしたが、空はどんよりと曇って、寒さも昨日の朝とは大違いなのです。それでもエアコンの暖房を早朝に入れたままだったから、店の中は15℃ほどで、蕎麦打ちにはちょうど好い温度なのです。蕎麦打ち室に入って、今日も48%の加水で750gの蕎麦を打つ。湿度は28%なのに、今日は少し柔らかめの生地に仕上がって、伸すのに力が要らなかった。なにが原因なのか、あまり深く考えないけれど不思議なのです。

 生地が柔らかいとは言っても、綺麗に等間隔で蕎麦が切れたからまずまずの出来でした。昨日の残った蕎麦と合わせて9束の蕎麦を生舟に並べて、端切れを合わせて昼の賄い蕎麦用に取っておく。10時前には蕎麦打ちが終わっているから、今日は予定通り進行なのです。厨房に戻って金柑大福を包み、野菜サラダの具材を刻み始めれば、大鍋の湯が沸いてポットにお湯をいれる。ここからはそれこそ分刻みで作業をこなしていく時間帯なのです。

 大根もおろして、カウンターに金柑大福と野菜サラダを並べれたら、後は天麩羅の油を天麩羅鍋に入れて、具材と天ぷら粉を調理台に並べ、テーブルを拭いて回る。これで11時過ぎだから、カウンターの隅の椅子に座ってひと休み出来るのです。暖簾を出せば、早い時間に駐車場に車が入って、女性の一人客がご来店。ヘルシーランチセットのせいろ蕎麦を頼まれ、すぐに野菜サラダをお出しする。蕎麦豆腐を出して蕎麦を茹でていたら、次のお客がいらっした。

 見ればいつもの常連さんで、まずはビールと野菜サラダ。駅前の高層マンションから、この寒い中を歩いていらっしゃったのです。1㎞以上はあるから、冷たい野菜サラダも食べられるのでしょう。金柑大福を帰りに二つお持ち帰りでもらうから、取っておいてくださいとおっしゃって、豚のハラミの串焼きを頼まれる。焼き始めようとしたら、奥に座った女性のお客も「私もハラミをください」とおっしゃるので、一緒に焼いてお出しするのでした。

 常連のお客は、最近は最後が鴨南蛮蕎麦のご注文で、たった二人の二人のお客だけれど、四人分ほどの売り上げがあった。有り難い事なのです。1時半になったので、今日は天麩羅が出なかったから、器具を汚さぬように、亭主はおろし蕎麦で端切れの蕎麦を茹でて、賄い蕎麦にする。女将のいない家に戻ってひと休みしたら、書斎に入ってひと眠りするのでした。暖房を入れて眠ったのでぐっすりと寝込んでしまい、目覚めればもう夕食の時間なのです。食後は今日は夜のプールに出掛ける日だから、ゆっくりとひと休み。


2月3日 土曜日 風もなく晴れた朝でした…

 今朝は蕎麦屋の暖房を入れるためだけに出掛けて行った。午前7時前の東の空には、森の向こうに太陽が昇ろうとしている。家に戻って朝食の席に着けば、昔ながらの女将の手作りの煮物が並んでいた。ほっけの塩焼きは綺麗に半分に切られている。これが身体に良いのかは判らないけれど、タンパク質がちょっと足らない気がするのです。それでも美味しく全部食べ終えて、お茶をもらってひと休みしたら、書斎に寝に行くけれどすぐに目覚めてしまう。

 陽射しはあるけれど、朝はまだ手袋が必要な寒さなのでした。風もなくのどかな天気なのですが、空気が冷たいのはやはり今の季節だからか。蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打てば、このところ綺麗に仕上がっているから、蕎麦切りも順調で今日は12食の蕎麦を用意したのです。端切れを出さないようにと145gほどで一束を作る。厨房に戻って金柑大福を包み、野菜サラダの具材を刻めば、大釜の湯が沸いてくるのです。包丁を置いてポットに湯を入れていく。

 今週のブロッコリーは形も好く新鮮で美味しそう。アスパラガスも根元の四分の一ほどから切って2分半茹でれば、柔らかく食べ頃に仕上がるのでした。最初に歩いていらっしたご近所のご主人が、寒いからと珍しく鴨南蛮蕎麦を頼まれる。鴨肉を厚切りにして焼いて蕎麦を茹でる前に、野菜サラダをお出ししておく。続けてせいろ蕎麦と白エビの掻き揚げとキスの天麩羅を頼むいつものお爺さんがご来店で、今日はカウンターからお客が入ってくるのでした。

 テーブル席にはまずはご夫婦らしい中年の男女が座って、鴨せいろと温かい汁の天麩羅蕎麦を頼まれる。続けて入って来た若い作業員二人が、天せいろの大盛りと追加で赤いかの天麩羅をご注文。更に橋の向こうの常連さんがカウンターに座っていつものせいろの大盛りと辛味大根。1時までの間に洗い物をする暇もなくお客が入ったので、厨房の亭主も身体が温まる。2時半には女将と蕎麦屋を出て、夕刻までひと眠りして、また蕎麦屋に出掛けて仕込みをする。



2月4日 日曜日 朝から冷たい雨の降る日でした…

 雪でなくて好かったというのが正直な気持ちでした。こんな寒い日にお客は来ないだろうけれど、雪が積もると駐車場の雪かきが大変なのです。この時期は夜から降る雨に注意。6時半に蕎麦屋に出掛けてとにかくエアコンの暖房だけ入れておくのでした。日曜日の朝だから家に帰るまで車にも人にも会わなかった。玄関に入れば、ぷーんと魚の焼ける匂いがした。食堂に行くと今朝はナス焼きとほつけの塩焼き。味噌汁が付いて美味しい朝食なのです。

 お茶をもらってひと休みしたら、書斎に入ってひと眠りするのだけれど、夕べは熟睡したからか20分ほどで目が覚めてしまう。洗面と着替えを済ませて、ストーブで暖まったら「行って来ま~す」と玄関を出る。手袋をして傘を差して歩く道には、今日は幼稚園も休みだからやはり誰にも会わないのです。蕎麦屋に着いて看板と幟を出したら、傘を差しながらチェーンポールを降ろす。蕎麦打ち室は15℃まで温度が上がっていた。湿度はエアコンのせいか37%。

 いつもと同じ加水率で捏ねた生地は、今日もしっとりと仕上がって、四隅も綺麗に決まっていたから、八つに畳んで包丁切りをすれば、等間隔に切る事が出来た。昨日の残りの2束と合わせて今日は10束の用意で営業を開始するのです。昨日作った金柑大福があるから、今朝は明日の金柑大福の金柑を甘露煮にする事から始める。時間がないから金柑10個を半分に切って酢水で茹で、氷砂糖を溶かした鍋で甘露煮にする。そして、野菜サラダの具材を刻み始める。

 今日は暖簾を出す前に車が駐車場に入ってきた。よく見れば見覚えのあるご夫婦で、成田からわざわざ蕎麦を食べに来て下さるリピーターさんなのでした。せいろ蕎麦とおろし蕎麦を頼まれて、天麩羅にキスとワカサギと海老を追加する。奥様が蕎麦豆腐のぷるんとした食感が好きだと言って、お替わりをしたから驚いたのです。ご主人はビールを飲み終えたら日本酒に変えて、蕎麦を食べながら日本酒をのんでいらっしゃった。1時間ほど話をしていかれる。