2023年11月末




11月27日 月曜日 昨日に比べれば暖かくはなったけれど…

 夕べは9時半にはもう眠くなって床に入りました。朝早く目が覚める習慣が付いてしまったのか、今朝は4時には目が覚めて、テレビのニュースを見ながらお茶を入れ、しばらく起きていたのです。5時になったら再び床に入って、朝食の時間までまた眠る。いろいろな夢を見るけれど、どれもはっきりと覚えてはいない。食堂に入ればぷ~んと鰺を焼いた匂いが食欲をそそるのです。旅先の旅館で出るような小さな鰺は、亭主と女将にはちょうど好い大きさ。

 女将の見る朝ドラの最中に家を出て蕎麦屋に着けば、夕べの雨の雫がヒイラギナンテンの葉に光っていました。幟を出して店のエアコンを点け、蕎麦打ち室に入れば室温は13℃。加水率は45%でちょうど好い硬さで蕎麦を打つ。切りべら24本で140g。今朝は少し厚めに生地を伸したようです。昨日の残った蕎麦と合わせて12食の蕎麦を用意して、今日の営業に臨むのでした。給料日後の月曜日は、去年はお客がなかったから、今日もどうなるかと不安なのです。

 それでも厨房に戻ったら大根をおろして薬味の葱を刻み、野菜サラダの具材を刻んでいつも通り三皿作っておきます。昨日よりは随分と暖かい朝なのですが、暖簾を出してもお客の来る気配はない。給料日の後の週末に何処かに出掛けた人々は、月曜日には外食をしないのでしょう。月曜日を定休日にする店が多いのも頷ける。1時前になってやっと車が駐車場に入ってくる。若いカップルがテーブル席に座ってヘルシーランチセットを頼まれるのでした。

 作ったばかりの野菜サラダが出るのが嬉しい。蕎麦豆腐やデザートの水羊羹も捌けるから嬉しいのです。ゆっくりと食べて帰られたから、もうその後のお客は期待できないのです。天麩羅とかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べてしまう。好く揚げた天麩羅は、汁に浸けてもまだカリカリとして美味しいのです。蕎麦汁に染み込んだ天麩羅の油がまた好い味を出している。2時半までかかって後片づけをして、女将の家に帰る前に家に着き、蜜柑を食べて寛ぐのでした。



11月28日 火曜日 陽射しは暖かいけれど風が強くなって…

 夕べは9時半にはもう眠くなって、ぐっすり眠ったと思ったら、夜中の2時半に目が覚めて、居間の部屋でテレビを観る。5時前にもう一度眠って朝食の時間に目覚める亭主。習慣と言うのは恐ろしいもので、うまくコントロールできないのです。女将の朝ドラの時間に家を出て、蕎麦屋に行くのだけれど、カウンターに干した昨日の洗い物を片付け、天麩羅鍋に固めた油と生ゴミを外のゴミ箱に移したら、もうお袋様を迎えに行く時間なのでした。

 風が出て来て空の雲が何処かに流され、青空の広がる中を農産物直売所に車を走らせれば、最近は開店直後からお客さんが来ているのです。野菜が安くなっているのに、農家の人たち反応は遅く、トマトも大根も隣町のスーパーの方がずっと安いから、生椎茸や漬物用の太いキュウリなどをもらってスーパーに向かう。入院していたという親戚の小母さんの様子を聞いたり、お袋様の体調を尋ねたりと、週に一度の息子の仕事は結構気を使うのです。

 蕎麦屋に戻って野菜類を冷蔵庫に保存したら、一本97円で二本買った大根を、なた漬け用に一本切って、塩で押し漬けにしておく。昨日持って帰れなかったお新香の小鉢の残りや、野菜類を持って家に戻れば、女将は買い物から帰っていた。スーパーで買った果物や肉や魚を手渡して、昼の用意を始めるのでした。亭主が蕎麦を茹でている間に、昨日揚げて帰った天麩羅を、女将がフライパンで焼いて、今日の昼は天せいろとなかなか贅沢な食事なのでした。

 昼食の後は、女将のスポーツクラブの予約の時間まで間があるから、書斎に入ってひと眠りです。昼からの陽射しが暖かくて、ぐっすりと意識を失って眠る心地よさ。1時間ほど眠ったら目覚めて、居間の部屋に行けば、女将はもう仕事部屋に入って書を描いているのです。起きているかと心配なのか2時前には現れて柿を剥いてくれる。テレビの映画を最後まで観て、4時前には蕎麦屋に出掛ける亭主。水の上がった大根の水を切って、なた漬けを漬け込む。

 残る時間で出来ることは、大釜に重曹と一緒に入れた天麩羅鍋や油の付いたパットに火を入れて、キノコ汁を仕込むことでした。鶏肉と一緒に先週の材料を半分冷凍してあったので、今週はそれを使ってキノコ汁を作るのでした。明日の早朝に取る出汁の準備をしたら、時計を見ながら洗濯機の中に入っていた洗濯物を干して、家に帰るのです。5時過ぎに家に戻って、夕食の支度には、亭主が昨日残ったサラダや野菜を使ってあんかけの肉炒めを作る。

 それと、店で出た鴨肉が半分だけ出て残っていたので、女将が長葱と塩で焼いて晩のおかずにするのでした。今月は去年よりも売り上げが多いのに、なぜか赤字になっている。食材の購入費用が増えているのです。店のメニューの値上げもそんなには頻繁には出来ないので、困ったものです。辛抱する向こうに道は開けるのでしょうか。酒と煙草を買う余裕があるから、亭主はなんとか凌いでいるけれど、冬場はお客も減るからなおさら厳しいのです。



11月29日 水曜日 霜の降りた朝…

 今朝はとても寒かった。それでも5時前に目覚めて、居間の部屋でコーヒーを一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛けて出汁取りをする。その合間に、昨日漬け込んだなた漬けを小鉢に盛り付けておきます。やっと明るくなったので玄関を出てみれば、向かいの畑は霜が降りて真っ白なのでした。外の気温は2℃だから寒いわけです。使った鍋や釜を洗って、大鍋で重曹に浸けて、油汚れを落としている天麩羅鍋の汚れは、簡単には落ちそうにないのです。

 7時になるからと家に戻って朝食を食べる。今朝は整形外科に行って薬を処方してもらわなければいけなかったので、食後のひと眠りもせずに、早めに出掛けて行くのでした。開院の15分ほど前に着いて廊下の椅子に座って待つ。9時開院なのですが、その15分前には扉が開くから、その分を見込んで早くから並ぶのです。一番で保険証と診察券を出して「お薬だけなんですけれど」と、待合室で座っていれば、直ぐに処方箋が出来て300円取られる。

 なんでも誕生日が過ぎて、医療費負担が3割から2割に減ったので随分と安くなった感じなのです。すぐに近くの薬局に行けば、他にまだ人がいなかったので、こちらも一番で待って、いつもの尿酸値を抑える薬をもらって帰る。そのまま蕎麦屋に行って、今朝の続きの鍋の油落としを開始する。鍋だけではなく、一斗缶の油を置いておくステンレスのお盆や、油濾し器とそれを置いておく盆まで、重曹を振りかけてお湯に浸け、少しは綺麗になるのでした。

 ついでにレンジ周り油汚れも重曹を使って綺麗にしておく。こちらは週に一度は掃除しているから、油汚れも直ぐに落ちるのです。床の油汚れはなかなか落ちそうにないから、午後の仕事に掃除しようと、家に帰って蕎麦を茹でて女将と二人で食べる。大盛りで天麩羅を焼いて食べたら、もう眠くなって書斎に入ってひと眠りです。その間に、女将はスポーツクラブに出掛け、亭主は1時間ほど眠ったら、午後の仕事に蕎麦屋に出掛けていく。

 今日は夜の防犯パトロールがある日だから、早め早めに行動しないと後が大変になる。午前中から少しずつこなしていた油汚れの掃除は、まずは天麩羅鍋を内側だけは綺麗にして、いよいよ床の油汚れを落としにかかるのでした。こびり付いている汚れは完全には落とせないけれど、重曹を振りかけてお湯をかけ、10分ほどおいて電動のクリーナーブラシで磨いていく。確かに黒い部分は綺麗になったけれど、こびり付いた頑固な汚れは落ちないのです。

 完璧さは求めずに、下に敷くステンレスのお盆を置いて、新しい胡麻油の缶と油濾し器を載せるのです。そして、小松菜を茹でながら、いよいよ天麩羅の具材を切り分けて、糠床を冷蔵庫から取り出したら、お新香を漬けていく。4時前にすべて終わって、家に戻って早い夕食を簡単に食べておきます。5時半には家を出て集合場所の集会所まで歩く。今夜の歩いた距離は約6000歩。歩く速さは少し早くなったけれど、まだ足を引きずっているのが気になるのです。


11月30日 木曜日 今日で11月も終わり…


 今朝は4時前に目が覚めて、居間の部屋でコーヒーを一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛けて夕べ漬けたお新香を糠床から取り出す。切り分けて小鉢に盛り付けたけれど、まだ5時過ぎなのでした。折角、朝飯前に来たのだからと、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打っておく。二回打つほどお客は来ないかも知れないけれど、何故か気になって、今日は久し振りに、900g 十人分の蕎麦を打つことにしました。菊練りに入るまでに随分と力を入れて蕎麦粉を練る。

 加水率は45%で、最初は硬くて大丈夫かと思ったけれど、捏ねている間にしっとりとしてきて、伸せば好い仕上がりなのでした。切りべら24本で135gで、10人分の蕎麦が取れました。二回に分けて、13人分を打つまでもないという時に、900gで打つということもありなのだと思った。ただ、今日は大盛りの注文が多かったので、お客様9人で1時にはもう売り切れになった。後からお二人見えたけれど、「ご免なさい。お蕎麦売り切れなのです」とお断りした。

 こんなに平日に混むことも最近では珍しいのでした。最後は、亭主が今日と明日の賄い蕎麦の分として、月曜日に打った蕎麦を少し使って数を合わせるのです。最後にいらっした常連さんには、「明日から新蕎麦なんですよ」と言っておいたら、帰り際に「明日もまた来ます」とおっしゃって帰られた。辛味大根も入ったので、ちょうど好かったのかも知れない。せいろ蕎麦の大盛りと辛味大根で、ちょうど1000円になるから、きりも好いのです。

 さすがに9人も入ると、洗い物をする暇がなかったので、今日はまとめて洗い物をしたから、腰が痛くなった。それでも3時前には女将と家に戻って、剥いてもらった柿を食べてひと休み。女将が買い物に出掛けている間に、亭主は書斎で横になって夕方までぐっすりと眠るのでした。今日は陽射しはあったけれど寒かったから、野菜サラダが一つも出なかった。夕食は亭主がお好み焼きを焼いて、サラダを消化するのでした。明日も寒い朝になりそうです。