2023年8月中旬



8月10日 木曜日 暑い日だったのにお蕎麦は売り切れた …

 雲の多い朝でした。6時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、途中、ひまわり畑の写真を撮る。後ろを向いていても花が沢山咲いてきたので、絵になるかと思ったのです。蕎麦屋に着いて昨日漬けた糠漬けを取り出し、小鉢に盛り付けておきます。ついでに切り干し大根の煮物も三鉢だけ盛り付けておく。こんなには出るはずもないと思ったのですが、今日は平日なのに10人を越えるお客が来たから、分からないものです。明日から台風7号の影響が出そうで心配。

 家に帰って朝食を食べたら、今朝もひと眠りをせずに早めに家を出る。9時前に蕎麦打ち室に入って、今日の蕎麦を打つのでした。何時もの朝よりは気温が低かったけれど、蕎麦を打てばやはり汗をかくから、冷たく冷やした蕎麦茶を飲んでひと休みです。昨日、洋包丁を研ぐついでに、蕎麦切りの包丁も研いでおいたら、やはり切れ味が違って、今朝はかなり細く、しかもエッジの効いた蕎麦が仕上がったから嬉しい。11食半の蕎麦を用意して厨房に戻る。

 野菜サラダの具材を刻んでいたら、11時だというのに家の近所の子供がやって来て「お婆ちゃんとお兄ちゃんも来る」と言う。歩いて来たから暑かろうと、テーブル席に座ってもらい、急いで開店の準備をするのでした。テーブルもまだ拭いていないから、三人が腰掛けてから、やっとテーブルを拭いてお茶を出す。これが今日の始まりで、1時半まで延々とお客が続いたから、女将もびっくり。最後は常連の農家のご家族三人でした。

 それで今日の蕎麦はすべて売り切れて、亭主の昼飯は夕刻の4時半までお預けなのでした。冷蔵庫の中を見たら、蕎麦汁が明日の分が足らないので、出汁を取る準備をしようと思ったら、干し椎茸もないではありませんか。仕方がないから、家に帰ってひと眠りしたら、4時から隣町のスーパーに出掛けて仕入れてくる。女将も明日の墓参りの花を買うからと一緒に車に乗り、亭主はパンを買って食べることが出来たのです。夕刻は業者が荷物を持ってきたのです。




8月11日 金曜日 予報が外れ、昨日にも増してお客が増えた …

 平日にしては沢山用意したつもりの蕎麦が売りきれると、今日のように祝日には当然お客がくるから、いろいろな物が足りなくなるのです。ましてや、朝までの天気予報が日中は雨だったのが、一日中、晴れていたから、客足は止まらない。今朝は4時に蕎麦屋に出掛けて、出汁取りから始めました。これで約1時間。蕎麦汁を仕込んで空になった蕎麦徳利に詰めるのです。そして、今日、一回目の蕎麦を打つからこれも約1時間。朝飯前にしては働き過ぎです。

 そして、小鉢を盛り付けたけれど、これでも足らなくなったから女将が客が来てからその場で盛り付けていた。蕎麦打ち室に入ったのは6時過ぎで、今朝も850g9人分の蕎麦をまず打っておく。朝食後に2回目を打つ時に500g5人分を打てば、端切れを合わせて、15人分の蕎麦が出来上がる計算なのです。包丁を研いだのが幸いして細くてエッジの効いた蕎麦が出来るのが、亭主にしてみれば何よりも嬉しい。一束135g前後の蕎麦の束を生舟に並べる。

 開店後、間もなくお客は着始めて、二人、三人、四人と駐車場は満杯状態。天せいろを注文するお客が10人もいたから、やはり、値段が安いのだろうか。最後のお客でちょうど天麩羅の具材も尽きたのです。若いカップルが蕎麦湯の飲み方を聞くから、女将が丁寧に説明していた。蕎麦粉を溶いて作る蕎麦湯は、蕎麦好きのお客には好まれて、綺麗に飲み干して帰られる。最後に子ども達と来たお客のお婆様が「他の店と蕎麦湯が違って美味しかった」と言う。

 1時過ぎには「お蕎麦売り切れ」の看板を出して、まずは女将とひと休みです。亭主は賄い蕎麦をぶっかけで食べて、女将は新聞を読んでゆっくりとする。今日は短い時間で沢山のお客が来たから、疲れ方も尋常ではないのでした。雨の予報など何処かに消えて、外はしめった暑い空気で満ちあふれている。お袋様に電話をして、今は洗い物をしているから、家に帰ってひと眠りしたら墓参りに行こうと言っておく。5時前にやっと墓参を済ませた。

 お袋様と女将を家まで送ったら、亭主はそのまま蕎麦屋に直行。昼の洗い物の片付けと、すべて空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めて、糠床にお新香を漬けたら、明日の天麩羅の具材を切り分ける。考えたら、まだ金曜日だから、到底、食材が足りそうにないのでした。隣町のスーパーに行って、足りない食材を買い足し、家に戻ったのは夜の8時近く。明日の天気が気になるけれど、また、早朝から二回の蕎麦を打つつもりでいる。嬉しくはあるけれど、疲れる。




8月12日 土曜日 さすがに三日連続の売り切れはなかった …

 台風の行方がどうなっているのか、早朝の時点ではまだ予報円が大きすぎて分からなかったのです。6時前の空は広く雲に覆われていましたが、徐々に青空が広がって陽射しが出て来る気配。木・金と二日続けて蕎麦が売り切れたから、今朝も朝飯前に850g9人分の蕎麦を打ちに蕎麦屋に出掛けました。夕べ漬けておいたお新香を糠床から取り出して、今日と明日ぐらいの小鉢を用意しておいたら、まだ土曜日だから、小鉢の材料が尽きるかも知れない。

 そんなことを考えながら、12鉢の小鉢にお新香を盛り漬けて、蕎麦打ち室に入るのです。昨日と同じ加水率で蕎麦を打ち始めたら、ちょっと柔らかい感触で、包丁が切れるから支障はなかったけれど納得がいかない仕上がりなのでした。後から分かったのですが、今日はいつになく湿気の多い日なのでした。7時を回って、家に帰って朝食を食べなければいけない。食後にまた打つ時には、もう少し水を減らしてみようと考えるのでした。

 女将も疲れているだろうからと、今朝はネギトロ巻きと豆腐と若布の味噌汁。蕎麦屋で残った出しを持って帰ったから、朝から贅沢ですが、あっさりとして美味しかった。炊きたてのご飯の酢飯が暑さにあうのかも知れない。食後はひと眠りをせずに、女将の朝ドラが終わってからコーヒーを入れて飲む亭主。わずか15分のことだけれど、女将はすっかりドラマに没入しているから、物音を立てるのも憚られるのです。洗面と髭剃りを済ませて蕎麦屋に出掛ける。

 今日は一日中曇りだという予報も、もう外れて、外は青空なのでした。みずき通りを越えて蕎麦屋に向かえば、夏の陽射しがジリジリと肌に突き刺さる。二度目の蕎麦打ちは水を少なくしたら上手く仕上がって、順調に開店の準備を終える。早めに暖簾を出したけれど、今日は昼を過ぎてもお客は来なかった。「三日は続かないのでは」と女将が言ったけれど、お客が来始めると次々といらっしゃるから、出足が遅かっただけ。少し少ないくらいが骨休めなのです。

 それでも、家に戻ってエアコンを効かせた書斎で昼寝をすれば、5時過ぎまで眠ってしまう。まだ今週は三日目なのに、身体は相当に疲れているのです。明日の日曜日は日中は雨という予報だけれども、台風が逸れたらしいからどうなるか分からない。昼にかき揚げを揚げて食べた賄い蕎麦が、油を替えたばかりなのに何故か凭れ、夕飯を食べられずに、夜のパトロールに出掛ける亭主。元気な老人達の後を追いながら、汗ビショになって家に戻るのでした。



8月13日 日曜日 久々に恵みの雨が降った一日 …

 今日こそは天気予報が当たるだろうと、蕎麦屋に出掛ければ、間もなく雨が降りだして道路が濡れ始めたのです。昼間は雨が降ると言うことだから、今朝は蕎麦も沢山打たなかった。昨日の残りと合わせて11食半の蕎麦を用意して、厨房に戻って野菜サラダの具材を刻んでいたのです。時折、激しく雨が降り、窓ガラスに吹き付けるから、北側の窓は閉めたままで、エアコンを効かせていました。これなら、お客もそれほど多くはないと安心していたのですが…。

 開店の10分ほど前に、何時もいらっしゃるカレーうどんのご主人が奥様と来て「お盆だからやっているか心配でした」と言う。奥様は鴨せいろのご注文。すぐに続けてご夫婦がご来店で、こちらはせいろ蕎麦の大盛りとぶっかけ蕎麦のを頼まれる。これが今日の始まりでしたが、盆や蕎麦皿を洗う暇がないほど、続けて混んできたから驚きです。雨は止んだり降ったりで、時折、陽も差す天気。1時前に客足が停まったので、急いで洗い物を済ませたら、またお客。

 結局、蕎麦は売り切れて、木曜日からずっと忙しかったから、亭主はもうふらふらなのでした。暇さえあれば書斎で横になって眠っている状態で、昨日の夜間パトロールで随分と歩いたから、尚更、疲れているのでした。厨房の暑さで汗をかいて、食も細くなり、嬉しい事に体重も減ったのはいいけれど、お酒を飲むだけでは元気が出ない。明日も雨だと言うので、定休日前と言うこともあるから、残った食材だけでなんとか乗り切ろうと考えている。

 1時間以上も昼寝をして、5時になったら夕食の時間で、遅い昼飯との時間があまり空いていないから、昨日残った野菜サラダと、鶏の手羽元を焼いてもらって一献なのでした。今日作った野菜サラダは幸いなことにすべて売り切れていた。夕刻になってまた雨が降りだしている。今日は気温はそれほどではなかったけれど、湿度が高くて汗をかくという陽気。蕎麦屋から家まで歩く間にもう汗びしょになってしまうのでした。明日も無事に終われば好いけれど。



8月14日 月曜日 降っては止み、止んでは降る今日の空模様 …

 午前5時半の空にはまだ青空が広がっていました。森の向こうから朝日が昇って、今日も暑くなるのだろうかと思っていたのです。昨日、小鉢がまったくなくなったので、思案した挙げ句、冷凍してある南瓜の切れ端を出汁醤油で茹で、砂糖を加えて味を付けたら、冷凍してある茹でた小豆を戻して、従姉妹煮を作っておきました。残った野菜類を浅漬けの素に漬けて、浅漬けも作ったのです。今朝打つ蕎麦の数だけ用意したら、冷蔵庫に入れておく。

 家に戻って朝食を済ませたら、今朝もひと眠りをせずに早めに蕎麦屋に出掛ける。この時も雲は多くなっていたけれど、まだ雨は降っていなかった。看板と幟を出してチェーンポールを降ろし、蕎麦打ち室に入った時にも、まだ雨は降っていなかったのに、厨房に戻った頃から外は雨。時折、激しく降って北側の窓を叩くのでした。そう言えば、今朝方も激しい雨の音で目が覚めたのだった。台風の影響は、何百㎞も離れた千葉の方まで及んでいるのです。

 蕎麦はぴったり41%の加水で750g8人分を打って、ほどよい硬さで上手く仕上がったのです。昨日までの店の混みようでは、ちょっと少ないかとも思ったけれど、女将の記録データによれば、去年もお盆の時期の月曜日は4人しかお客は来ていないのだと言う。蕎麦がなくなれば営業も終わりだから、何処かで決断しなければならないのです。明日から定休日だから、今週はすでに40人を越えるお客が来店しているから、あまり欲張らなくても好い。

 暖簾を出してしばらくしたら、先日は店が混んでいて入れなかったと言う女性二人のお客さんが、天せいろとヘルシーランチセットを頼まれて、ゆっくりと召し上がって行かれた。スタッフも来てくれて、近所に住む小母さんから家に電話があって、蕎麦屋は混んでいるだろうかと問い合わせがあったそうなのです。特に土日は混んでいるから、5人では入れないだろうと応えてくれたそうで助かった。小さな蕎麦屋の宿命なのだと、またの機会を待つだけです。

 1時前にも母と息子さんらしい青年がやって来て、天せいろの大盛りとぶっかけ蕎麦をご注文。お盆で子供が帰省しているのだろうか。外は相変わらず降ったり止んだり、陽が照ったりと忙しない天気なのでした。洗い物を終えて家路を辿る頃には雨も上がって、陽の当たらない家の影だけ道路が濡れている。やっと休みになるのかと、書斎で横になったら夕刻まで眠り続けてしまう。身体が疲れているから、今日はプールをお休みにして、ゆっくりしようか。




8月15日 火曜日 激しい雨の朝でしたが …

 昨夜は10時前に床に就いたのに、朝の6時過ぎまで目が覚めなかった。一週間の疲れがどっと出たという感じなのでした。それでも毎日、よく眠っているから大事には至らないけれど、あまり疲れすぎると熱を出したりするものなのです。歳を取ると本当に無理が出来ない。朝食の出来る前に蕎麦屋に行っておこうと家を出て、コンビニで煙草とサンドイッチを買って店に入る。コーヒーを沸かしてパンを食べ、今日の段取りを考えるのでした。

 後ろ向きのひまわり畑も、ずっと向こうまで花が咲いて見事なのでした。先日、蕎麦屋に食べに来た農家の親父様が言うには、森の手前の小径を歩けば、このひまわり畑が綺麗に見えるのだとか。見方が替えればまた違って見えるものらしい。カウンターの上に干した昨日の洗い物も片付けないで、家に戻って朝食を食べる。亭主は動くのがやっとと言う状態なのです。もの凄い大雨の中を、ドラックストアでアルコール除菌液を買い、お袋様と仕入に出かける。

 いつものように農産物直売所に行ってみると、お盆休みが終わっていなくて今日はお休みなのでした。仕方がないから、そのまま隣町のスーパーに出掛けて、買い出しメモに印刷した食材を買い集める。蕎麦屋に戻って大根のなた漬けのために、大根を切って塩で押し漬けにしておく。家に戻れば、女将は買い物からまだ帰っていなかった。家に買って来た魚や肉を冷蔵庫に入れて、昼の支度を始める。昼は素麺という打合せだったから、冷凍食品を温める。

 食後はエアコンの効いた書斎でひと眠り。1時間以上眠った頃に女将がスポーツクラブの予約の時間だと起こしに来る。無事に予約が取れて、梨を剥いてくれたので食べ終えたら、女将は稽古場へ亭主は蕎麦屋に行くのでした。午前中に出来なかった片付けや洗濯物の処理を済ませて、なた漬けを仕込んで、夏野菜の揚げ浸しを作ったのは好いけれど、黄色にパイナップルの残りを入れたのが、好かったか悪かったか。家に少し持ち帰って明朝にでも試食をしよう。

 家に戻れば、女将が、また居間のエアコンから水が漏れていると言う。昨年の暮れに一度修理をしてもらった年代物だけれど、そろそろ寿命なのかも知れない。明日は女将と二人で近所の家電量販店にでかけ、新しいエアコンを入れてもらおうということになった。夜になってやっと体調も好くなり、休日の有り難さをしみじみと感じる。明日の朝は出汁取りをして、蕎麦豆腐を仕込み、午前中に天麩羅の具材の切り分けまで出来るか。夜はパトロールがある。



8月16日 水曜日 やはり34℃は異常な暑さ …

 昨日は先週の疲れが抜けずに、ゆっくりと休んでしまったから、今朝は4時起きで蕎麦屋に出掛け、準備しておいた出汁を取る。厨房の椅子に座りながら、コーヒーを入れて出汁の煮立つのを待つ間に、次は何をすれば好いのかと眠たい頭で考えるのです。午前中に水の噴き出すリビングのエアコンを買い換えに出掛けるには、どこまで仕込みをしておけば好いのか。この早朝の2時間あまりは貴重な時間なのです。蕎麦豆腐を仕込んでレンコンの皮を剥き湯通し。

 二番出汁まで取って、天つゆまで作ったら、一番出汁で作った蕎麦汁を冷やし、蕎麦徳利に詰めていく。2時間を過ぎるとかなり疲れてくるから、レンコンの皮を剥いて湯通ししたら、南瓜を切り分けてレンジでチーン。洗い物を済ませて家に帰るのです。朝食には昨日、亭主が買って帰った生鮭を、女将が塩麹に漬けたのを焼いてくれた。味見に蕎麦屋から持ち帰った夏野菜の揚げ浸しもあった。あっさりとした食事に気をよくして、食後のひと眠りはなし。

 再び蕎麦屋に出掛けて、まずはレンジ周りの掃除から始める。油汚れは重曹を振りかけ、熱湯を注いでしばらく置いておく。後ろのレンジは蕎麦を茹でる釜を使っているので、台所用の洗剤に浸けてこちらもしばらく放置する。その間に、天麩羅の具材を切り分けて容器に詰めるのです。ショッピングモールの開く10時になって家に戻れば、女将はもう出掛ける支度をしていた。「ちょっとは休ませてよ」と言って、亭主は居間で涼んで一服するのでした。

 帰りにはショッピングモールの中に入ったトンカツの専門店で昼を食べようと話しながら、家電量販店に行けば、沢山のエアコンが並んでいるのでした。部屋の広さと掃除のし易さを目安に、結局、今と同じ機種の最新版を購入したけれど、14畳用は20万円もするのでした。当分、出費を控えなければ、やり繰りが出来ない額なのです。帰りに寄ったトンカツの専門店では、揚げたてのトンカツを食べて、女将もすっかり満足そうなのでした。

 家に戻って亭主はエアコンの効いた書斎でゆっくりとひと眠り。女将はこの暑さの中をスポーツクラブに出掛けて行ったらしい。とにかく、尋常な暑さではないので、遅い午後まで眠って、女将が帰ってきたから、やっと蕎麦屋に出掛けて小鉢の盛り付けをする。夏野菜の揚げ浸しは、三日ほどで色が悪くなるから、早めに出しておこうと全部盛り付けておきました。夕食は冷しゃぶがおかずで、昼間、農家の親父様がわざわざ持って来てくれたオクラを散らす。

 夜の防犯パトロールに行くまでは1時間ほどあったから、ひんやりとした書斎に入って横になればまたひと眠り。集合場所に集まったのは、80歳前後の老人たちが10名足らず。皆さん元気で勇気づけられるのです。今日は蚊に食われないようにと、スプレーを素肌に塗りつけて参加したのでした。一緒に歩いた80歳の老人が、最近は頭がクラクラするので、夜もエアコンを入れていると言う。「それはもう、まさに熱中症なのですよ」と亭主が注意をするのでした。



8月17日 木曜日 熱中症警戒アラートが連日のように …

 夕べも寝苦しい夜でした。二時間おきにタイマーでエアコンが切れるので、暑くなってまたエアコンを入れて眠る亭主。朝食を食べて蕎麦屋に出掛ける8時過ぎには、外気温はもう30℃を越えているのです。朝日の当たる蕎麦打ち室は32℃もあるから、店のエアコンを全開にして、首にアイスノンを巻いて今朝の蕎麦を打ち始める。こんな暑さで果たしてお客は来るのか。佐倉市は連日、熱中症警戒アラートが出て千葉県で一番高い数値。これは危険な暑さです。

 それでも750g8人分の蕎麦を綺麗に仕上げて、生舟の中に並べるのです。去年の盆明けも数人しかお客は来ていないけれど、盆休みの最後だからと、蕎麦を食べに来るお客もいるのかも知れない。厨房に戻って、薬味の葱を刻み、大根と生姜をおろし、野菜サラダのアスパラとブロッコリーを茹でる。ひと休みしたら、今度はレタスをちぎってキャベツと赤玉葱を刻み、パプリカと人参を刻んだら、キュウリをスライスしてトマトを飾り、パイナップルを切る。

 ここまでで時計は11時を回っている。天麩羅の具材と天ぷら粉を調理台に並べて、天つゆと新しい油を入れた天麩羅鍋に火を入れたところでひと休み。女将の来る昼の時間より早く、お客が入るかと思っていたら、駐車場に車が入って、中年のご夫婦がご来店。天せいろと鴨せいろのご注文だったから、すぐに作り始めたところで、女将がやって来た。お客は続くもので、次のご夫婦はお二人とも天せいろ。更に三組目は鴨せいろとせいろ蕎麦…。

 大盛りが出たので、蕎麦が二人分取れないから、売り切れの看板を出したのがちょうど1時前なのでした。数が少ないから洗い物もすぐに終わって、暑い最中を女将と家に戻る。家々の日影の中を辿りながら家まで着くけれど、家の中はもう32℃もあるのです。今日の戸外は36℃だったと女将が言う。エアコンを入れて書斎でひと眠りしようと思ったけれど、枕が熱くなっていてなかなか眠れそうにないのでした。そのまま蕎麦屋に戻って、業者の配達を待つ。





8月18日 金曜日 暑すぎてお客も来ない盆の明け …

 午前5時半の空はうっすらと雲がかかって、蕎麦屋の向かいの森から朝日が昇ってくる。夕べも熱帯夜だったから2時間おきに目が覚めて、タイマーで切れたエアコンを入れなければならなかった。蕎麦屋の店内も昨日の熱気が残っているから、29℃よりは下がらない。西日の差す窓のブラインドを下ろしておけば好いのだけれど、毎日のことだから面倒なのです。洗濯物を畳んで、小鉢を盛り付けたら、お湯を沸かして今日の分のお茶を作り、コーヒーを入れる。

 家に戻ってもまだ6時過ぎだから、もう一度床に入って眠るのですが、30分ほどで女将が「朝食の支度が出来ましたよ」と起こしに来る。今朝はネギトロの手巻きに野菜たっぷりの豚汁が付いた。出がけに、庭の金柑の実が随分と混み合って着いていたから、朝日の当たる側だけ小さな実を摘果しておく。少しは大きな実になるのだろうか。どうせ小さな実は最後まで女将も採らないから、何日か掛けて大きな実だけを残す様にしてみよう。

 門を出るときに、犬の散歩でご近所のご主人が「風が涼しいね」と挨拶をするから、見れば彼のシャツはもう汗だくになっている。蕎麦屋に着けば、まだ8時半だというのに蕎麦打ち室は32℃もあった。5時半にエアコンを入れて扉を開けておいてもこの暑さなのです。首にアイスノンを巻いて今日の蕎麦を打ち始めるのでしたが、41%の加水なのに、何故か少し柔らかい生地に仕上がった。湿度が高いからなのだろうか。750g8人分の蕎麦を仕上げて厨房へ。

 9時になったところで、昨日まで盆休みだった蕎麦の農園に電話をして、蕎麦粉を急いで送ってもらうように頼んだ。快く今日発送で明日の午前中に着くようにしてくれたのは有り難い事でした。野菜サラダの具材を刻みながら、足りなくなりそうな天麩羅の具材を切り分け、11時前にはもう開店の準備が終わってしまう。テーブルをアルコール除菌液で拭いて回ったら、11時半前に暖簾と営業中の看板を出す。むーっとした外気温はもう32℃もあるのでした。

 普段なら散歩で歩く人の影さえも見えない。それでも常連さんが昼過ぎにいらっして、何時もの辛味大根とせいろ蕎麦の大盛りのご注文。月金でお願いしているスタッフもやって来て、茹でた蕎麦をカウンターに運んでくれた。それから待つこと一時間。1時過ぎに若い女性が一人でいらっして、カウンターに座って天せいろを頼まれる。元気な方でいろいろ話をした挙げ句に、亭主に向かって「熱中症にならないように気をつけて下さい」と言って帰られた。

 客が少なかったから、片付けも早く終わって家に帰ったけれど、女将はまだ帰っていないし、エアコンを入れた書斎も、暑すぎて昼寝どころではないのです。壊れかけた居間のエアコンを強めに入れて涼んでいれば、直に女将が帰って冷えた梨を剥いてくれる。外は相当な暑さらしい。お袋様が洗濯物を入れる籠が壊れたと言っていたのを思い出して電話をすれば、近所のDIYの店で買ってきてくれと言うので、ついでに頼まれた米と合わせて届けてくる。
 いつも買っている近所の農家が、新米までもう米がなくなったと言うので、家の分の米と合わせて10kgの荷物を抱えて暑い中を歩くのは堪えた。広い団地の大通りを東へ西へと車を走らせ、帰りに蕎麦屋寄って明日のお新香を漬けて、汗だくになって家に戻ったのです。夕日の差し込む蕎麦屋はなんと34℃もあったから、首にアイスノンを巻きながら作業をしたのでした。朝も昼もひと眠りもせずに働いたので、疲れて夜のプールには行けなかった。



8月19日 土曜日 暑すぎてもやはり週末は混んだ …

 朝日の当たる腕がピリピリと痛いような暑さ。今朝も熱帯夜が明けてそのまま気温が上がっていく気配なのです。みずき通りを渡って、蕎麦屋まであと100mというところで、もう汗がにじみ出てくるのです。早朝に車で蕎麦屋に来て、エアコンを入れておいたから、店の中は涼しくて快適なのでした。それでも蕎麦打ち室はまだ32℃より下がっていない。首にアイスノンを巻いて今朝の蕎麦を打ち始める。加水率は41%で850g9人分を打ち、14食の蕎麦を用意する。

 女将がやって来て店の掃除や洗濯物を畳んでくれるから、亭主はじっくりと蕎麦打ちに専念できるのです。頼んでおいた蕎麦粉も届いて、厨房に戻って今日の分のほうじ茶を入れ、残ったお湯でコーヒーを入れて飲む。多めに入れるから、残った分はアイスコーヒーにしておくのです。女将が早お昼に家に戻った後は、亭主が一人で野菜サラダの具材を刻む。日によってまったく出ないときもあるけれど、出る時は全部なくなるから分からないもの。

 以前は四皿、五皿と盛り付けていたけれど、残ったときの処理に困るのです。全部残っても、家に持ち帰って、食べ終えることが出来るのは三皿分ぐらいだと、今はこの数に落ち着いている。十種類以上の野菜を刻んで盛り付けるのに、約30分の時間を見ている。ブロッコリーとアスパラガスを茹でるのにも、2分半と決めてタイマーをセットする。季節によって少し野菜の種類も違うけれど、蕎麦屋で野菜サラダを食べられるのを喜んでくれるお客もいるのです。

 今日は暖簾を出してすぐに中年の男性二人がご来店でした。初めてのお客で「この店はいつからやっているの?」と聞かれたから、「今年でまる10年になります」と応える亭主。おろし蕎麦ととろろ蕎麦の大盛りを頼まれて、蕎麦湯まで綺麗に飲んで帰られた。昼前にもう一人最近の常連さんがいらっして、いつものように、せいろ蕎麦と白エビの掻き揚げとキスの天麩羅を頼まれる。午後は随分とお客が入って、亭主はひたすら天麩羅を揚げて蕎麦を茹でていた。

 老いた母親を連れた娘さんや、近くの乗馬クラブに通うという若い娘さん達、いつも二人で大盛りを頼まれる若いご夫婦など、皆さんリピーターの方々なのでした。洗い物が半分終わっていたので、午後の片付けはすぐに終わった。雲一つない青空の広がる家路をたどって、室温34℃になっている居間の部屋に入る。外はどれだけ暑いのだろうか。水の垂れる場所にバケツを置いて、もう直ぐ付け替える居間のエアコンを騙し騙し使っているのです。