2023年6月中旬



6月12日 月曜日 朝からの雨で蕎麦屋も小休止 …

 混んだ日曜日の翌日だから、なかなか起きられなかった。今日の小鉢をまだ仕込んでいなかったから、熱いコーヒーを入れて、6時前には車で蕎麦屋に行く亭主。知り合いの農家の親父様が、雨だと言うのに傘を差して犬の散歩に出ていた。すれ違う車の中から頭を下げて挨拶をする。蕎麦屋に着けば、ヤマボウシの白い花はもう散り終えて、未央柳も雨で散り散りになっている。これからが元気な枝がもうひと伸びの季節なのでしょう。また剪定をしなければ…。

 梅雨の時季に元気なのは、やはり、紫陽花ばかりで、玄関脇では綺麗なブルーに色づいた花を咲かせている。厨房に入って、昨日のうちに塩で浸けておいた大根の容器を見れば、随分と水が出て柔らかくなっていた。ここに京唐辛子を輪切りにして、冷凍の刻み柚子と一緒に入れたら、砂糖の入っていない甘酒の素と砂糖を加え、また重しを置いて、今度は冷蔵庫に入れておく。朝食後にまた蕎麦屋に来たときには、小鉢に盛り付けられるのです。

 カウンターの上に干してある沢山の盆や蕎麦皿を片付け、蕎麦徳利をしまったら、昨日の洗濯物を干して家に戻る。小一時間の仕事でした。まだ7時前だったから、女将がやっと起き出して台所に入る。今朝のおかずはベーコンエッグとひじきの煮物に人参と挽肉ののグラッセ。キュウリのお新香もテーブルの中央に置いてある。更に納豆まで付いているから、おかずが多すぎるのです。最近は亭主も本当に沢山は食べられなくなったから、納豆はパス。

 朝食の後は書斎に入ってひと眠り30分。それでもまだ眠り足りないのか、なかなか起き上がることが出来ないのです。疲れているのは判っているけれど、『今日一日だから』と起き出して洗面と着替えを済ませる。女将の入れてくれたお茶を飲んで一服したら、やっと出掛ける態勢が整う。雨はまだ降り続いているので、車で蕎麦屋まで行くのでした。こんな月曜日にはお客がないのが、長い経験で判るのです。半袖でも寒くないから気温は高いのです。

 蕎麦を打って野菜サラダを盛り付けたら、ポットに湯を入れて、天つゆと天麩羅鍋を準備する。天麩羅の具材と天ぷら粉を調理台に置いたら、店の掃除に取りかかる。暖簾を出しても、予想したとおり、昼過ぎまではお客が来ない。宅急便の配送のミニバンが駐車場に入ってきたから、見れば何時も来る青年なのでした。今日はヘルシーランチセットの天麩羅抜きのご注文でした。蕎麦豆腐が美味しいと、お変わりを頼まれた。1時前までゆっくりと話をする。 

 もう一台、車が入ってきたから、お茶の用意をして待っていたら玄関を開けて中に入ってくる。ところがお客ではなくて、「連れがいるから、下調べにきました」と、メニューの写真を撮り始めるではありませんか。「宜しくお願いします」と、店置きのパンフレットを渡して、帰る姿を眺めるばかり。お客が一人でも、月曜日の後片づけは、一週間の掃除をするようなものだから、結構、大変なのです。女将の帰っていない家に戻り、夕方までぐっすりと眠るのでした。



6月13日 火曜日 昼からは晴れて蒸し暑く…

 朝から蒸し暑い日なのでした。玄関前の木槿もだいぶつぼみが付いて、今年は早くから花を咲かせそう。夏の前にもう一度剪定をしないと、高さも幅も不揃いになってしまう。6時前に蕎麦屋に出掛けて、仕入れに出掛ける前に、なくなった返しを作っておこうと思ったけれど、味醂がないのに気が付いた。仕方がないから、荒れ放題の南側の庭を少しは綺麗にしようと、部屋の中から剪定ばさみでタラの木を切っておく。ハンズボン半袖では外には出られない。

 家に戻って朝食を終えたら、今朝は朝ドラの15分でひと眠り。女将が珍しく買い物に一緒に行くと言うので、お袋様に電話をして今日は三人で農産物直売所と隣町のスーパーに出掛ける。家の食材を女将が買ってくれるので、亭主は蕎麦屋の食材を買うことだけに専念できた。二人を家まで送って店に戻れば、冷蔵庫の野菜籠が随分と汚れているのに気づき、まずは掃除から始める。これでまたしばらくは快適に使えるというもの。面倒くさがってはいけないな。

 わずか15分ぐらいの掃除の成果に気分を好くして、野菜を収納したら、買ってきた味醂を加えて、早速、返しを作るのでした。奈良県から取り寄せている再仕込み醤油が残り一本になったから、これも早めに注文しておかなければならない。今朝の味醂ではないけれど、歳を取ると、店のすべての食材や調味料などのチェック・調達をすることが大変になるのです。洗剤や消毒液などの衛生管理も常に残っている量を頭に入れておかなくてはならない。

 11時になったら一度家に戻って、昼食に蕎麦を茹でて女将と食べる。その間に作った返しが冷めているからちょうど好い。食後にひと眠りして、目覚めればもう直ぐに、女将のスポーツクラブの予約作業に取りかからなければならない。女将は農産物直売所と隣町のスーパーで買って来たらっきょうを洗って、酢に漬ける準備に余念がない。予約が終わったところで、亭主は蕎麦屋に出掛けて出汁取りの仕事にかかる。夫婦それぞれに結構忙しいのです。

 出汁取りと蕎麦汁作りが終わったところで、厨房の床の掃除を始める。天麩羅を揚げる油が飛び散って埃を吸うから、かなり黒くなっていたのです。重曹の粉を振りかけ、お湯を垂らして30分ほど置いておく。去年、新しく購入した電動ポリシャーを使って洗えば、見事に綺麗になる。今までは床に屈んでタワシで擦っていたのだから、かなり楽になったのです。完璧には汚れは落ちないけれど、汚れた泥水を紙で拭き取って、モップで拭いたら気分が好いのです。

 4時を過ぎていたから、酒屋に出掛けて今日の酒を買ってこなければと玄関を出れば、青空が広がって紫陽花が綺麗に映えているのでした。ガクアジサイの一種らしいけれど、「銀河」と言う鳥取県で作られた品種だと、以前、亭主が調べたのを女将が覚えていてくれた。この色合いが素敵なので、夫婦共に蕎麦屋に来る度にしみじみと眺めている。駐車場に停めてあって車の車外温度は34℃まで上がっていたし、家に帰れば、居間の部屋は28℃と暑いわけです。

 5時のニュースに間に合うように、夕食の準備に忙しい女将。今日は書道の課題が届いていないと言うので、午後はらっきょう漬けに精を出していたらしい。食堂にはぷ~んとお酢の香りが漂っている。前回の2kgと合わせてこれで4kgのらっきょうを漬けたことになる。家族の多かった昔は10kgも漬けていたと言うから、大変だったのだろう。夕飯は鰯の蒲焼きで、中型の鰯を開いたのを3匹食べて一杯飲んだら、もう眠くなって風呂の時間まで2時間も眠った。




6月14日 水曜日 定休日なのに、今日も朝から忙しかった …

 朝は5時には目が覚めて、居間の部屋で椅子に座って、熱いコーヒーを入れて飲む。ところが身体が動かず、また床に入れば好かったのに、朝食の時間まで座り続けていたから驚きです。夕べは少し夜更かしをしたから、そのつけが回ってきたらしい。納豆と卵と鯖の塩焼きで朝食を済ませ、朝ドラが終わったら、もう蕎麦屋に出掛ける準備をするのでした。蕎麦屋に着けば小雀たちが電線に止まって朝のミーティング。車のドアを開けたら皆飛んで行った。

 雨が降っていなかったから、南側の庭の様子を見に行けば、前のお宅に垂れ下がるように蔦が絡まり、月桂樹や酢橘の枝が伸びているではありませんか。今朝は暑いのに長袖長ズボンを履いてきたから、剪定ばさみと軍手を持って庭に出て、取りあえずは伸びた枝や蔓を切っておく。コゴミの群生や、タラの木の剪定など、残り半分はまた次の機会にすることにして、厨房に戻るのでした。僅か20分ぐらいの作業でしたが、少しだけやっておくことが大切なのです。

 厨房は、昨日、床の半分を掃除したから、道具もそのままなので残り半分を、今度は中性洗剤を撒いてポリシャーで磨くのです。完璧は目指さずに、ある程度綺麗になったところで、雑巾で汚れた水を拭き取っていく。それでも随分と綺麗になった気がするので、これも少しずつ気分を好くして続けるしかない。店の掃除は始めれば切りがないほどやることが多いのです。体力もなくなったし、すべて一人でこなさなければならないから、ほどほどが一番好い。

 昨日作った蕎麦汁を蕎麦徳利に詰めて、ほうじ茶を沸かしてグラスに入れたら、洗濯物を畳んで、一昨日の洗濯物を洗濯機から取り出して干すのでした。洗濯機の中のゴミ取りのケースも外して洗っておく。家ではそんな掃除をしたこともないから、いつも女将には「蕎麦屋の洗濯機も同じよ」と言われているのです。11時を過ぎたから、家に戻って昼飯にはまた蕎麦を茹でて食べるのでした。タンパク質がないからと、女将が豆腐を用意してくれた。

 蕎麦一杯では足りない亭主でしたが、蕎麦湯を飲んで腹の足しにするのです。食後のお茶をもらったら、書斎に入って昨日の眠り足りなかった分を昼寝でカバー。女将はその間にスポーツクラブに出掛けたらしい。目が覚めたら、1時間以上眠っていたらしく、やはり腹が空いていたので、食パンを焼いてバターを付けて牛乳と一緒に食べておきます。テレビの昼の映画はジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンのでる「ペリカン文書」だったから最後まで観る。

 女将が帰ってきたところで、亭主はやっと立ち上がり、蕎麦屋に午後の仕込みに出掛けるのでした。デザートの水羊羹を作り、蕎麦豆腐をしこんだら、天麩羅の具材を切り分け、鴨せいろに入れる小松菜を茹で、糠床に新しい煎り糠を補充してお新香を漬けたら、開け放っていた窓を閉めて家に戻るのでした。本当は今夜はプールに行ければ一番いいのだけれど、朝からかなり仕事をした気がするので、夕食の野菜炒めの鍋を振って、晩酌を始めるのでした。




6月15日 木曜日 今日も満員御礼お蕎麦売り切れ …

 今朝も店の銀河が色鮮やかでした。午前5時半から厨房に入り、まずは夕べ漬けておいたお新香を糠床から取り出して、小鉢に盛り付ける。キュウリがやけに長いので、いつもより沢山の小鉢に盛ることが出来ました。夕べ塩で浸けておいた大根を漬け物器から取り出して、大きなタッパに唐辛子の輪切りと刻み柚子を入れ、甘酒の素と砂糖を加えて更に漬け込む。そして蕎麦打ち室に入って、残る時間で一回目の蕎麦を打つ。最近は木曜日が混むので多めに用意。

 42%の加水で水回しを始めたら、ちょうど好い具合の硬さで蕎麦玉を作ったのですが、これがいけなかった。20分ほどビニール袋に包んで寝かせている間に、随分と柔らかくなってしまったのです。やはり、湿度が高いからなのでしょう。雨こそ降っていなかったけれど、梅雨時の蕎麦打ちは本当に難しい。打ち粉を多めに振って、何とか伸したのは好いけれど、包丁打ちの段になったらどうも上手く切れない。今朝は切りむらの連続で恥ずかしい限りなのでした。

 7時過ぎに家に戻れば、食堂で魚を焼いている匂いがする。鯖の半身を半分に切って、今朝も生卵と納豆が付いて来たのです。野菜はキュウリとカブの漬け物に豚汁。炊きたてのご飯を食べて満足したら、亭主は書斎に入ってひと眠りするのでした。朝ドラの終わる時間まで40分ほど眠ったら、洗面と着替えを済ませて、また蕎麦屋に出掛けるのです。看板と幟を出して、チェーンポールを降ろしたら、二回目の蕎麦打ちをするために蕎麦打ち室に入る。

 今朝ほどの失敗を繰り返さないように、今回は加水を41%に落とし、掌の中の感触ではかなり硬いけれど、やはり寝かせて置く間にしっとりとしてくるのでした。今度はいつものように綺麗に包丁を打つことが出来たのです。大鍋で茹でてしまえばあまり気にならないけれど、見る人が見れば段違いなのです。野菜サラダを盛り付けて、店の掃除を終えたら暖簾を出す。昼前にリピーターのご夫婦がまずいらっしゃる。「天麩羅が美味しいのよ」と奥様が言う。

 女将が来てくれた頃には二組目が入って、皆さん天せいろ。その後は3人連れが続いて、やはり皆さん天せいろ。天麩羅の具材が足りなくなって、生椎茸や南瓜を切り分けて用意する。1時過ぎには蕎麦が売り切れ、売り切れの看板を出して幟をしまう。雨が降ってきているのに、駐車場は車で一杯なのでした。雨のお蔭か、今日はその後からいらっしたお客はいなかった。女性の三人連れがやはり最後まで話をして、やっと帰られたのが2時半過ぎでした。




6月16日 金曜日 気温は高かったけれど湿気がなかった …

 今朝も早くから目が覚めたのだけれど、なかなか起きられなかったのです。やはり、昨日が混んだから疲れたのだろうか。6時前には蕎麦屋に出掛けて、コーヒーを一杯飲みながら、足りなくなった小鉢の補充をする。朝日が店の中まで差し込んで、今日は天気が好さそうなのでした。昨日は業者を待って夕方まで店にいたので、洗い物を片付けたり、おおかたの仕事は終えていた。小鉢を盛り付けたら、洗濯物を畳んでもう家に帰るのです。

 朝食を終えて9時前に家を出れば、雲は多かったけれど青空が広がっている。天気予報はコロコロと変わるので、目の前の空模様で判断するしかないのです。陽射しはまるで夏のようなのでした。蕎麦屋に着いてひんやりとした店の中に風を入れるために、窓を開け放って蕎麦打ち室に入る。湿度計は47%だったから、蕎麦打ち室の温度が26℃もあったけれど、今日は42%の加水で蕎麦粉を捏ね始めた。蕎麦玉を寝かせてひと休みすれば、生地は絶妙の仕上がり。

 そんな日は、包丁打ちもスムーズで、切りべら26本で135gと綺麗に蕎麦が切れるのです。750gで8食半の蕎麦を仕上げ、厨房に戻って野菜サラダの具材を刻む。11時前には開店の準備が終わるのでした。店の掃除を終えて暖簾を出せば、すぐに車が駐車場に入ってくるから嬉しい。男性お一人のご来店で、天せいろのご注文だったから、すぐに支度をして蕎麦をお出しする。続けてお客が来ないかと心配したけれど、このペースなら一人でも十分耐えられるのです。

 外の気温は時間と共に上がって、厨房の温度計が28℃になったから、エアコンを入れたけれどどれだけ動くのか心配なのです。この間、直してもらったばかりなのに、2時間近く動くと自然に止まってしまう。取扱説明書を見ながら、故障箇所を調べるけれど、ピッという音が鳴ったときにリモコンの表示を見なければならない。このピッという高音が、耳の遠くなった亭主には聞こえないのです。可能性のある幾つかの項目をチェックしたけれど異常がない。

 昼を過ぎて年配のご夫婦がいらっして、ヘルシーランチセットととろろ蕎麦のご注文。全部並べてお出しすれば、スマホで写真を撮っている。「いつもお一人でやっているのですか?」と聞かれるから、「月曜と金曜は女将がスポーツクラブで、お客も少ないから一人なのですよ」と応える。最近は木曜日と週末はいつも売りきれになるほど混んでいるのです。今日はその疲れを癒やす日かな。夕刻にプールに出掛けてリハビリの水泳に興じるのでした。




6月17日 土曜日 30℃を越えた暑さの一日で …

 昨日は疲れていたはずなのに、今朝は4時にはもうすっかりと目が覚めてしまった。4時半前に蕎麦屋に出掛けて、一回目の蕎麦を打ち、夕べ漬けに来たお新香を糠床から取り出して、小鉢を用意するのでした。昨日の蕎麦も5束ほど残っていのだけれど、今日は晴れると言う土曜日だから、いつも早い時間に蕎麦が足りなくなるので、朝から750g八人分の蕎麦を打つ。湿度は低かったけれど気温は高く、42%の加水で捏ねたらちょうど好い具合なのでした。

 眩しい朝日が昇ってきて蕎麦打ち室を照らす。これで13食分は確保したけれど、朝食後にまた500g五食分を追加するつもりでいた。18食分あれば、恐らく営業時間内には、出し切れないほどの量だけれど、小鉢も明日の分も含めて用意しておくのでした。家に戻って朝食に朝から豪華なマグロ丼をだったから、ご飯の盛りをいつもより多くしてもらう。小一時間ほど眠ったら、再び蕎麦屋へ向かうのです。青空が広がって陽射しはもう真夏の様なのでした。

 湿気のない分、日陰を通ると風が涼しいけれど、家の前の通りはもう影もない程の時間なのです。蕎麦屋の中は夕べの暑さが残っていたので、窓を全開にして涼しい風を入れるのでした。二回目の蕎麦を無事に打ち終えて、野菜サラダの具材を刻んだら、開店の準備を着々と進める亭主。後から来る女将も黙々と仕事をして、早お昼を食べに家に戻るのでした。店内の気温は徐々に上がって、28℃を越えたところで、エアコンを入れて扇風機を回す。

 昼前に最初のお客がいらっしたと思ったら、続々と後に続いて、今日はカウンターを含めて二回転以上のお客が入ったのです。駐車場もいつも満杯の状態。1時過ぎにはあれほど用意した蕎麦が売り切れて、天麩羅の具材も補充しなければならないから、お客の待つ時間が長くなるのです。女将がすぐにテーブルを片付けて、カウンターに座って蕎麦を待つお客を案内する。全部出し終えたのが1時15分で、最後の三人連れがせいろ蕎麦の注文で助かったのです。

 コロナ禍以後では初めての15人越え。用意した蕎麦汁も小鉢もほとんどなくなってしまったので、今日は夜の仕込みがまた大変。夜7時からの防犯パトローにはとても出られそうにない。洗い物を終えて家に戻ったのが3時半。これだけの量があるから、二人でこなしても2時間はかかる。すっかり疲れて家に戻ったら、エアコンの効いた書斎でひと眠りして、夜のご飯も食べずにまた蕎麦屋に出掛ける亭主。出汁取りと蕎麦汁を作り、漬け物を漬けて家に帰る。



6月18日 日曜日 今日もまた30℃越え、15人越えの混みよう …

 昨日の疲れで朝がなかなか起きられなかった。厨房は30℃以上になるから、首にアイスノンを巻いているのだけれど、軽度の熱中症らしい。それでも今日は日曜日だから、蕎麦も小鉢も蕎麦汁もないので、5時半には蕎麦屋に出掛けて準備をするのでした。朝日の差し込む蕎麦打ち室で、750g八人分の蕎麦を打って、一回目の蕎麦打ちを終える。加水率は41%で、昨日の失敗は繰り返さない。それでも室温が26℃と高いから、少し柔らかめの生地になっている。

 7時前には家に戻って、女将の用意してくれた朝食を食べる。すぐに書斎に入って、小一時間眠るのです。早朝の1時間半のひと仕事は結構疲れるのです。空はうっすらと雲がかかっていたけれど、陽射しは昨日よりも強い。梅雨の中休みも今日がピークのようなのです。南風だから気温が上がる。店の中は時間毎に温度が上がるから、28℃になったところで、窓を少し閉めてエアコンを入れるのでした。これがどういうわけか1時間ほどしか動かないから困った。

 二回目の蕎麦打ちを終え、今日は15食の蕎麦を用意して、厨房に戻って野菜サラダの具材を刻む。昨日と同じだけの蕎麦を用意しても、営業時間内には出し切れないのが判っているから、意を決して開店に臨むのでした。暖簾を出したらすぐにご夫婦がいらっして、天せいろのご注文。すぐに次のお客が入って、店の中はすぐに一杯になる。「ただ今満席です」の看板を出して、一つ一つ丁寧に蕎麦を茹でていく。恐ろしい勢いで、まだ12時前なのでした。

 車が一台駐車場に入ったと思ったら、なんと5人連れのお客がいらっして、カウンターに並んで座ってもらうのでした。ぶっかけ蕎麦三つととろろ蕎麦と天せいろだったから、何とか間に合わせる。玄関の外では二組ほどお客が待っている状態。それにしても天せいろがよく出るのです。そんなこともあろうかと、天麩羅の具材は多めに用意したのだけれど、天せいろだけでも9つも出たから、皿が足りずに女将が洗っているのが判った。とにかく忙しかった。

 「お蕎麦売り切れ」の看板を出してと亭主が言えば、また車が一台入って来る。三人連れのご家族で、座るところもなかったから、女将がカウンターに椅子を一つ増やして待ってもらうのです。亭主が賄い蕎麦で食べるはずだった最後の一束も使って、何とか三人前の天せいろを作ってお出しする。天麩羅の具材は尽きたから、南瓜の代わりにアカイカを揚げて、小鉢には野菜サラダと蕎麦豆腐。皆さんお帰りになったのが1時半近くなのでした。

 幟と暖簾を下げて、2時前には女将のスポーツクラブの予約を終え、亭主は腹が減っていたのでうどんを茹でて、天かすと山葵を載せて賄いうどんを食べる。その間に女将が盆や皿を同じ種類に分けて洗う準備をしてくれたので、今日は3時には片付けが終わった。家に戻ってひと休みしたら、夕食前に亭主は隣町のスーパーに、足らなくなった食材の仕入れに出掛ける。蕎麦屋に寄って、明日の蕎麦汁を仕込み、今日の洗い物を片付けてくるのです。



6月19日 月曜日 梅雨の中休みの今週は、コロナ以前よりも …

 夕べは9時にはもう眠気に耐えられずに床に入った。暑さの中の週末の営業は、やはりかなり疲れたのです。7時間ぐっすりと眠って4時には目が覚めたけれど、コーヒーを入れて目を覚まそうとするけれど、なかなか動き始められない。5時過ぎにやっと玄関を出て、目の前に咲いている木槿の花に朝のご挨拶。一日花だから、これが一期一会の出会い。紫色の花が毎年最初に咲くのです。昨日の夜は蕎麦汁の補充までは出来なかったから、今朝は仕事が多い。

 東の空にはとっくにもう陽が昇る時間なのに、雲がかかって不思議な夜明けの光景を作り出している。昨日までの習慣で、蕎麦打ち室に入って蕎麦を打ち始めたのは好いけれど、今日は月曜日だから一回の蕎麦打ちで好かったのです。捏ねた蕎麦を菊練りにして、蕎麦玉を作ったら寝かせている間に厨房に戻り、昨日すっかりなくなった小鉢に切り干し大根の煮物を作っておく。今日で今週の営業は終わりだから、打った蕎麦の数だけ小鉢が出来れば好かった。

 フライパンに煮物を入れたまま、蕎麦打ち室に戻って蕎麦玉を伸して畳めば、今日も好い具合に生地が仕上がっている。少し太めに切って、8人分の蕎麦を束ねれば、これでもう今日の蕎麦打ちは終わりなのでした。朝食を終えて少し遅く家を出ても大丈夫です。家に戻ればちょうど7時前で、テレビで天気予報をやっていたから、見れば昼間は天気が好さそうなのです。それでも、亭主一人の営業だから、小鉢も蕎麦の数だけ盛り付けて終わりのでした。

 野菜サラダの具材を刻んで何時もの通り三皿盛り付けて、開店の準備が整ったら、11時半には暖簾を出す。と、待っていたかのように、リピーターのお客様がいらっして、奥のテーブルに座って天せいろをご注文。すぐに続いてご夫婦でいらっしたお客様が、やはりヘルシーランチセットの天せいろを頼まれる。更にサイクリングの途中らしい男性がカウンターに座って天せいろのご注文でした。12時前だというのに、もう店は混んでしまうから驚きなのでした。

 天麩羅の具材もなくなってきたので、新しく用意するかどうかと悩んでいたのです。ところが午後からいらっしたお客は、仕事の途中らしい若い女性がぶっかけ蕎麦、その後にいらっしたご夫婦がせいろ蕎麦にぶっかけ蕎麦と違うメニューだったので助かった。これで今日打った蕎麦は、1時前にすべて売り切れです。幟を倒して、暖簾をしまい、チェーンポールを上げたのですが、まだお客は来るのです。今週は50人を越えるお客があったから忙しかったのです。

 女将の記録によると、夜も営業していたコロナ禍以前も、50人を超えるお客はなかなかないと言うことでした。梅雨の中休みのお蔭で、なかなか疲れが抜けないけれど、久し振りに蕎麦屋の冥利に尽きる週になったのです。3時過ぎに、洗い物を終えて家に帰る途中で、家に持ち帰る残った食材を、取りに来てくれた女将に出会う。本当は、今夜はプールに出掛ければ好いのですが、ひと休みしたら5時過ぎまで眠ってしまった。夜は蛸の唐揚げで一献です。