2023年5月末



5月27日 土曜日 嬉しい悲鳴の今日もお蕎麦完売で …

 5時に起床。5時半には蕎麦屋へ出掛けていく亭主。もう太陽は森の影から昇っていました。早速、蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。生地を寝かせている間に、夕べ漬けたお新香を糠床から採りだして、切り分けたら小鉢に盛り付ける。このほかに切り干し大根の煮物を5鉢用意して、暖かくなるという昼に備えるのでした。朝に8食分の蕎麦を打ち、朝食後にまた8食分の蕎麦を打って、昨日の残りと合わせて今日は17食の蕎麦を用意したのです。

 家に戻ったらもう朝食の用意が出来ていました。鰺の開きが大きすぎてなかなか食べ終わらない。半分の量で好いのに、どうして女将は1匹を食べさせるのだろうか。新しく買った魚焼き器の使い勝手が好すぎるのかも知れない。やっと食べ終えて、書斎に入って横になるけれど、これがなかなか眠れないのです。仕方がないから、朝ドラの始まる時間に起き出して、洗面と着替えを済ませ、コーヒーを入れてひと休みする。今日は朝から暑いから半袖で出掛ける。

 さつきの綺麗に咲いているご近所の前を通れば、次のお宅はラベンダーが並んで咲いているのです。ちょっと暑すぎるようだけれど清々しい5月の朝。蕎麦屋に着いて朝の仕事を終えたら、すぐに蕎麦打ち室に入って、二回目の蕎麦を打つ。湿度が随分と低かったから、加水率を42%まで上げたら、伸しも綺麗に仕上がって、蕎麦切りもまずまずの出来なのでした。これで17食の蕎麦が一つの生舟に入ったことになる。残れば明日に使えるからと思っていたのです。

 苺大福を包んで、野菜サラダの具材を刻んで盛り付ける。11時には開店の準備か整って、やっと座ってひと休み。早お昼を終えて女将がやって来る。暖簾を出したらすぐにお客がいらっして、最初の二組までは覚えているのですが、後はぞろぞろと続けてご来店なのでした。満席になって、後から玄関を開けたお客が「どのくらい待ちますか?」と尋ねたら「今ここがが空きます」と、最初のお客が言ってくださった。女将もてんてこ舞いの忙しさなのでした。

 1時を過ぎて、生舟の中にある蕎麦はもう注文済みの数だけで、それからいらっしゃるお客は「お蕎麦売り切れ」の看板を出して、お断りした。カウンターのお客はビールと焼酎のライム炭酸割りをご注文で、奥のカウンターのお客が先に天せいろをご注文。その後で、ご夫婦と四人連れのお客が別々に入ったから、店はコロナ前の賑わいなのでした。天せいろの具材がなくなったので、新しく野菜を切り分ける。全部出し終えたのが1時半前なのでした。

 野菜サラダや苺大福はほとんど出ていないから、30分近く待っていただいたお客達に、サービスでお出しして食べていただいた。1日15食と決めて営業をしているのは、続けて作り続けても、閉店の間際までに15食ぐらいしか調理できないからなのでした。それが今日は17食の蕎麦がすべて売り切れたから、コロナ以前の混みようなのです。洗い物をかたづけるのに3時過ぎまでかかり、天麩羅の具材もなくなってしまったので、また隣町のスーパーに買いに行く。  へろへろになって家に帰って、夜は出汁取りと蕎麦汁の仕込み、お新香のぬか漬けを漬けに、また蕎麦屋に出掛けていく。今日は夜の防犯パトロールがあった日ですが、申し訳ないけれどパスでした。



5月28日 日曜日 今日は余裕でお蕎麦完売で …

 今朝は午前5時半には蕎麦屋に出掛けて、朝飯前のヘビーなひと仕事なのです。昨日の洗った盆や皿はそのままカウンターに干したままだし、蕎麦汁も一つもない。おまけに蕎麦も打たなくてはならないし、夕べ漬けたお新香も糠床から取り出して、切り分けたら盛り付けなければ。まずは蕎麦打ち室に入って、朝一番で蕎麦を打つのです。生地を寝かせている間に、蕎麦汁を徳利に詰めて、盆や皿を片付ける。蕎麦打ち室に戻って蕎麦を伸して包丁切りをする。

 夕べは10時過ぎに床に入って、今朝は5時過ぎまで一度も起きることなく眠ったから、休養は十分のはずだけれど、やはり疲れは戻って来るのです。頭がふらふらして、蕎麦切りも多少むらが出る。それでも8食分を無事に切り終えて、厨房に戻ってお新香を切り分ける。今朝は加水率を42%にして打ったのが好かったらしい。硬すぎずに伸して畳めたのが正解なのでした。7時を過ぎていたけれどコンビニまで足を伸ばして煙草を買って帰る。

 1時間半の朝飯前のひと仕事を終えて家に戻れば、今朝は豪華な食卓なのでした。蕎麦屋でぬか漬けに使ったカブの葉を持ち帰ったら、女将はお浸しと味噌汁に入れて使ってくれた。ピーマンも蓮根もほっけの塩焼きに添えた大根おろしも、すべて蕎麦屋の残りものだけれど、食品ロスは出さないという信念の女将の力で、美味しく生まれ変わったのです。食後は書斎に入ってひと眠り30分。眠ったかどうかも判らないけれど、髭を剃って着替えを済ませる。

 今朝も暖かかったから、半袖に薄手のズボンをはいて蕎麦屋に出掛ける亭主。みずき通りもすっかり初夏の装いなのでした。早いところではもう紫陽花の花が咲いて、色づき始めているのです。昨日と同じで朝のうちは青空が覗いたけれども、日中は薄曇りで、時折陽が差す程度。それでも、気温はぐんぐん上がって、今日も26℃ほどになるのでした。日曜日だから、これでお客が来ないはずがないのです。暖簾を出したら、すぐにもうお客が二組ほどいらっした。

 苺大福も野菜サラダも売り切れるほどに出て、1時過ぎには用意した13食の蕎麦がすべて売り切れたのです。昨日の反省から、数を打って蕎麦を出せば好いというのではなく、後の片付けまで考えて売り切れのタイミングを決めたのが好かった。売り上げは少なくなるけれど、いらっしたお客様も忙しない思いをしなくて済むのでした。ご家族三人で来たお客は、せいろ蕎麦を頼んでワカサギと赤いかの天麩羅を別にご注文。蕎麦が美味しいと褒めてくださった。

 10人を越えた来客の後は、昨日の混雑に比べたら、洗い物も適度に忙しく、2時半には女将と蕎麦屋を出ることが出来たのです。コロナ禍の前には日に20人を越えるお客もあったけれど、夜もやっていたし、まだ亭主も若かったからこなせたのかも知れない。歳を取ると年々出来ることが少なくなっていくとは、お袋様がよく言っている。今日も小鉢が明日の営業には足りないので、夕刻にぬか漬けを漬けに蕎麦屋へ行く。そして、大相撲の千秋楽をテレビで観る。




5月29日 月曜日 やっと普通の平日の営業が戻った …

 今朝も6時前に一度蕎麦屋に出掛けて、夕べ漬けたお新香の糠漬けを取り出して、切り分け、小鉢に盛り付けておく。混んだ次の日というものは、小鉢も蕎麦汁もなくなるから、いろいろと補充しなくてはならないのです。それでも、今日は一日中雨だと言うから、久し振りに暇な営業かと思うと、少しホッとするのです。家に戻って朝食を食べたら、10分ほど横になるけれど、眠れるはずもなく、着替えと洗面を済ませて、車で蕎麦屋に出掛ける。

 看板と幟を出して、チェーンポールを降ろしたら、最初に蕎麦打ち室に入って、今日の蕎麦を打つ。雨だから湿度も高いので、加水率は41%強にしたけれど、捏ねている間にまた柔らかくなってしまう。それでも打ち粉を上手く使って8人分の蕎麦を打ち上げて、厨房に戻るのでした。今日は雨も降っているし、お客は少ないはずだけれど、苺が残っている数だけ大福を包み、野菜サラダもいつもと同じ三皿用意して開店の準備を整える。

 暖簾を出したら、車が駐車場に入って来たので、生舟を蕎麦打ち室の冷蔵庫から厨房に運んで、お茶を入れる準備をしていたら、玄関が開いて、「いらっしゃいませ」とお客を迎える。ところが「予約は出来るのかしら?(予約は受け付けていません)」「水曜日はお休みなのよね。電話番号が判るものはないかしら?」と聞くだけで、店置きのパンフレットをお渡しすれば、すぐに帰って行くではありませんか。『な~んだ』と拍子抜けがして、次のお客を待つのでした。

 昼を過ぎて若い女性客がお二人でご来店。天せいろ二つのご注文でした。昼の時間だからか、雨が降っているというのに、常連さんもいらっして、いつものせいろ蕎麦の大盛りと、珍しくワカサギの天麩羅を頼まれたのです。天せいろを先にお出しして、一緒に茹でた蕎麦を後のお客にもお出しする。ワカサギの天麩羅はすぐに揚げて席にお持ちするのでした。亭主一人の営業でもこのくらいはこなせるけれど、続けてお客が入るともう大変なのです。

 1時半になっても次のお客が続かないから、亭主はかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べ始める。雨は少し小振りになって、暖かいのか涼しいのか、訳の分からない天候なのです。雀や椋鳥などが元気に飛び交っているだけなのです。月曜日はこの後が大変で、残った食材を整理して持ち帰る用意をしなければなりません。鍋や釜を洗って、2時半を過ぎた頃に、やっと車で家に戻るのでした。書斎に入って今日のデータをパソコンに入れたら、5時半までひと眠り。



5月30日 火曜日 疲れの取れない定休日は寝てばかり …

 夕べは早く寝たからいつものように5時には目が覚めて、目が覚めれば朝飯前のひと仕事を考える。返しがなかったから、小雨の降る中を車で蕎麦屋まで出掛け、カウンターの洗い物を片付けて返しを作り始める。出汁を取るよりは時間がかからないので、作ったら後は自然に冷ましておけば好い。空になった瓶類は前回のものと一緒にして、今日取りにくるゴミに出せばいいのです。ついでに昨日固めた古い油も、生ゴミと一緒に出しておく。

 7時前に家に戻れば、玄関脇の団扇サボテンが眠そうに花を開いていた。昼になればもっとはっきりと開くのだけれど、気温の低い朝はこんな感じなのです。食堂に入るとまだ女将が調理の最中で、亭主は居間で映画を見始める。シュワルツネッガー主演の「ジュニア」というコメディーで、何時も最初を見ていないから、興味を引かれたのです。朝食が出来て、おかずが野菜サラダにベーコンエッグだったので、すぐに食べ終えてまた居間に戻る。

 CMの時間に着替えや洗面を済ませて、9時前には最後まで見終えたので少し眠りたかったのだけれど満足。お袋様に電話をして、毎週火曜日の仕入れに出掛ける。半袖のTシャツの上にジャンバーを羽織って、小雨の降る中をお袋様を迎えに行けば、彼女は「暑いんだか、寒いんだか判らない天気だね」と言って車に乗り込んできた。雨の日は農産物直売所に野菜が届くのが遅い。帰る頃になって、知り合いの農家の親父様が来たけれど、隣町のスーパーに出掛ける。

 入り口に置いてある果物からいつも買い始めるのだけれど、夏みかんも苺ももう終わりの時期なのでした。メロンと西瓜とキイウイと貯蔵林檎だけが並んでいたので、キイウイと林檎を買って、いつもの食材を次々と籠の中に入れていく。今日は新型コロナのワクチン接種の予定があったので、早めに家に帰って女将と出かける。予約の人の数が少なかったと見えて時間前に完了。帰りに二人で近くのカレー専門店でカツカレーを食べる。深みのないカレーが残念。

 蕎麦屋のカレーうどんを、来るたびに「美味しい」と言うお客がいるけれど、カレーと出汁の効いた蕎麦汁とを合わせているから深みがあるのでしょう。午後はひと眠りしてから蕎麦屋に出汁を取りに出掛ける。朝の返しと違って、たっぷり1時間はかかったのです。夜は昨日残った串焼きと鴨肉とを、野菜サラダの残りを添えて二人で別々に食べる。今日は眠っても眠ってもまだ眠たい。夜になって風呂に入る頃になって、やっと眠気が覚めてきたのです。

5月31日 水曜日 今日も一日中眠かったけれど …

 定休日二日目もなかなか起きられなかった。夕べ飲んだ酒のせいなのか、先週の疲れのせいなのか判らない。休みだと思うから無理に起き出さないで、朝飯の時間まで床の中でウトウトするのでした。昨日ワクチン接種をした左腕が夜中から痛くて、目が覚めたということもある。今朝は寝間着代わりのジャージのまま蕎麦屋に出掛け、蕎麦汁を徳利に詰めて、洗濯物を干すことから始まった。ところが天麩羅の具材を切り分ける段になって、買い忘れに気が付く。

 南瓜も三つ葉も買っていなかったから、これは大変と昼前に隣町のスーパーまで出掛けて購入してくる。もう時期が終わりかと思っていた苺が少し出ていたので、山芋や切り干し大根などと共に、ついでに買って帰るのです。白餡を作ったのがまだ残っていたから、ちょうど好かった。店の駐車場の未央柳が満開なのでした。考えたら五月ももう今日で終わり。いよいよ紫陽花の季節になるのです。月日の推移について行けないのは歳を取った証拠なのかも…。

 昼は昨日食べなかった蕎麦を茹でて、山芋をおろしてとろろ蕎麦にして女将と食べる。昨日のカツカレーと比べたら、ずっと食べやすい。やはり年齢のせいなのか。でも、好きな食べ物だけに、もっと肉を厚くして、カレーを美味しくして食べてみたいという気はあるのです。昨日のカレー専門店にはまた出掛けて行って、違うメニューで食べてみたい気がする。量販店でのメニューはも次にもう一度食べたくなるという秘訣があるような気がするのです。

 女将がスポーツクラブに出掛ける頃には、亭主はまた書斎に入ってひと眠り。とにかく食べると眠くなるというのは、好いのか悪いのか身体の疲れを取るには一番好いのかも知れない。それでも1時過ぎには蕎麦屋に出掛けて、午前中に出来なかった仕込みを開始するのでした。蕎麦粉の発注も電話して、出入りの業者への注文も、最近はLINEで済ませる。天麩羅の具材を切り分けて、糠床にお新香を漬けたら、今日の仕込みは終わりなのでした。

 家に戻れば、すぐに女将が帰って、「随分と早かったわね」と言うから、「ちょっとお新香を早く漬けすぎたかも知れない」と応える亭主なのでした。夜は防犯パトロールがあるので、早めにラーメン餃子を作って食べる。大阪の王将の出している冷凍餃子は、値段も安く、中身は少ないのだけれど亭主の作る餃子に似ているから、最近、好く買ってくるのです。食べ終えたらまた書斎でひと眠り。パトロールは7時前に出掛けて約一時間、汗びしょで帰って来た。