2023年4月中旬


4月12日 水曜日 風の強い曇り空の日だったけれど …

 暖かな朝でしたが、風が強くなりそう。遅ればせに咲いた庭のチューリップが二本。他の家のチューリップはとっくに花を終えているというのに。それに比べて今年は芍薬の育ちが早いのです。蕎麦屋に向かえば、何処の家もドウダンの花が綺麗に咲いているではありませんか。これも少し季節が早いのではと今年の暖かさを感じるのでした。この先は季節の営みがいったいどうなるのだろうかと、ちょっと心配な気もするのです。

 みずき通りを渡れば、ハナミズキの木がずっと向こうまで白い花を咲かせている。これも例年よりは少し早い気がするのです。曇りと言いながらも、青空が見えていたから少し安心するのでした。バス通りに出れば、蕎麦屋の向かいの菜の花畑も、もうそろそろ終わりの時期。オレンジのポピーの花が鮮やかなのが嬉しい。風はどんどん強くなるばかりで、蕎麦屋着く頃には外回りの仕事は出来ないと思うのでした。グリストラップの掃除がまだ済んでいない。

 厨房の中は19℃もあるから、暖房も入れずに今日の仕込みをするのでした。まずは時間のかかる白餡に氷糖蜜を加えて、弱火でぐつぐつと煮始める。南瓜の種を取って切り分けたら、レンジでチーンして明日の天麩羅の具材の準備。昨日採ったばかりのコゴミとタラの芽を洗って、容器に入れて冷蔵庫で保存する。今日一日は待てるけれど、明日には次の芽を採らなくてはならない。客に出す数より沢山育つから、毎年、採り終わらないうちに終わるのです。

 キノコ汁の具材を鍋に入れて出し汁で煮込む頃には、白餡も固まってくる。柔らかすぎると中に入れる具材をなかなか包めない。今週はそろそろ苺大福を作ろうと思って、小さな苺を買ってきてあるのですが、苺の日持ちがしないのでちょっと心配です。女将がスポーツクラブに出掛ける時間の関係もあって、11時前には蕎麦屋を出て昼食の用意に家に帰る亭主。風の強いせいか雲が流れて青空が広がっていました。暖かな風でまさに新緑の季節。

 家に戻って昼はキャベツの炒め物にして、鶏ガラスープの素と砂糖と水溶き片栗粉で、女将も美味しいと言うおかずを作った。彼女がスポーツクラブに行く前に、亭主は書斎に入ってひと眠り。小一時間ほど眠ったら起き出して、コーヒーを入れて飲む。お新香を漬ける糠床を復活させるために、冷蔵庫から取り出して表面の黴を取って、塩を振ったら好くかき混ぜておいたけれど、今日は漬けられない。天麩羅の具材きりと切り干し大根の煮物が午後の仕事です。

 蕎麦豆腐も仕込んでおいたけれど、一度、口を開けた豆乳はいつまで持つのかが心配なのです。二ヶ月も賞味期間があるのに、開封したら三日で消費しろと、箱に書いてあるのを発見したからです。大きなパックではなく小さな物にすれば好いのだけれど、まだ、どの豆乳が最適なのかを確かめていないから、時間がかかるのです。夜は予定通りにプールに出掛けた。一日おきだとやはり身体が軽くて泳ぎやすい。リハビリも順調に進んでいるのです。



4月13日 木曜日 今日も日中はかなり暖かくて …

 今朝も5時半前には目が覚めて、歩いて蕎麦屋に出掛けるのでした。木曜日は定休日明けだから、やることが結構いろいろとある。空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めて、大盛り用と普通盛り用の21本を用意する。これで二日分の分量なのですが、ぴったりと出ることはまずない。鍋に残った蕎麦汁は容器に入れて冷蔵庫にしまっておく。お客の多い週は、3㍑分の蕎麦汁も作り足さなければならないので、予備の一番出汁がものを言うこともあるのです。

 次に小鉢の盛り付けなのですが、糠床がまだ完成していないので今日は切り干し大根のみの用意です。皿を置くトレイが一杯になったところで止めたから、後のお客には女将が別に盛り付けていた。洗濯物を畳んでもまだ7時前だったから、ミニ菜園に出てコゴミとタラの芽を採っておくのです。1日おきでもコゴミはもう伸びきって葉が開いている茎もあるから、自然の力は凄いものがあるなあと感心するばかり。タラの芽も芽元から採らないのでまた出て来る。

 家に戻って朝食を食べたら、書斎に入って横になればウトウトとして30分。洗面と着替えを済ませて蕎麦屋に出掛けようとすれば、女将が「今日は朝ドラがなかったから早いわ」と洗濯物を持ってウッドデッキに干している。「北海道にミサイルが飛んでくるとずっとニュースでやっていたのよ」あり得ない事だとは思ったけれど、果たして、その情報は取り消されたらしい。そのまま蕎麦屋に出掛けて、今朝の蕎麦を打つ亭主なのでした。

 今朝は二回蕎麦を打とうかとも思ったけれど、先週も木曜日はお客が8人だったから、大盛りが出ても9人分も打てば十分だろうと考えて、850gの蕎麦を打つのでした。加水率は43%で、硬めの生地に仕上げて、エッジの効いた蕎麦を9束生舟に並べるのでした。よほどお客が集中しない限り、全部の蕎麦を出すには1時を過ぎてしまうから、売り切れで好いと考えたのです。厨房に戻って、今日は一年振りで苺大福を包む。野菜サラダも三皿盛り付けておく。

 暖簾を出して10分ほどしたら、何時ものお客がバス通りを歩いていらっしゃるのが見えた。今日も誰か連れがある様子なのでした。「いらっしゃいませ」とお茶を出せば、カレーうどんとカレー蕎麦にビールのご注文。大きな鍋で二人分のカレーを温めるのでした。出し終える前に、もう次のお客がいらっしゃるから、『早く女将が来てくれないかな』と時計を見れば、まだ12時前なのでした。せいろ蕎麦とぶっかけ蕎麦のご注文だったから、すぐに用意をする。

 注文の品が出来上がった頃に、やっと女将が来て配膳をしてくれた。少し休めるかと思ったら、また駐車場に車が入ってご夫婦が来店で、天せいろの大盛りと普通盛りのご注文。まだ天麩羅鍋の温度が下がっていなかったので、すぐに天麩羅を揚げることが出来た。女将が盆や蕎麦皿をセットしてくれるから、時間にしたら倍以上の速さで料理を仕上げることが出来るのです。時計は1時少し前。生舟には蕎麦が三束。最後のカップルが来て売りきれの看板を出す。



4月14日 金曜日 半袖で過ごすことが多かった一日 …

 昨日も早く休んだから、今朝も5時過ぎには目が覚めた。普段の日も定休日も同じリズムで暮らしているからか、まだ今週は1日しか営業していないのに、曜日の感覚がなくなってしまったようで怖いのです。今日は曇りかと思っていたら、青空の方がずっと広がって雲の合間から朝日が昇っていました。今朝はお新香の漬け物を糠床から取り出して、切り分けたら小鉢に盛り付ける。今年初めてのぬか漬けは、思ったよりも上手く漬かっていたので嬉しい。

 切り干し大根の煮物も幾つか盛り付けて、冷蔵庫の中身を確認したら、洗濯物を畳んで、洗濯機の中の洗い物を干しておきます。今日は女将が来ない日なので、全部を亭主が一人でこなさなければならないのです。家に戻って朝食を食べたら、書斎に入ってひと眠り30分。8時過ぎに洗面と着替えを済ませて、早めに家を出るのでした。新緑が綺麗な森の風景も、幾分雲の増えた今朝の空に映えて、まさに初夏の装いなのです。朝の仕事を終えて蕎麦打ち室に入る。

 今朝も昨日と同じく850g9人分の蕎麦を打つ。昨日はカレーうどんが出たから、蕎麦が一つ残った計算で、今日は10食の蕎麦を用意したことになる。これがすべてなくなったから、やはり暖かい日にはお客が来るのです。一人での営業は、お客が続けて来る時が一番大変になるのですが、今日はそれほどには繋がらずに、切れることもなくだらだらとお客が続いた。女性陣は話が長いし、酒を飲んだご主人は一番長く座って、ライム酎ハイの炭酸割りまで頼む。

 1時を過ぎて最後の二人がいらっしたところで「お蕎麦売りきれ」の看板を出しました。天せいろ二つのご注文だったから、用意した天麩羅の具材も綺麗になくなったのです。お新香も綺麗に売り切れたから、残っていた野菜サラダを小鉢代わりにお出ししたら喜ばれた。それでも女性は話が長いので、閉店時間の直前までゆっくりとしていかれた。一人だと亭主は休憩をすることも出来ないのです。まずはかき揚げを揚げて賄い蕎麦を茹でて腹を満たしておきます。

 それからが長い後片づけの時間になるのです。お盆と蕎麦皿や器を全部洗い終わった頃に、女将がやって来てくれたから助かった。女将が食器を拭いて片付けている間に、亭主は大釜を洗ったり、天麩羅油の鍋を綺麗にしたり、時間は半分になるから4時前には家に戻ることが出来たのです。パソコンに今日のデータを入力して、亭主はひと眠り1時間。早い夕食を簡単に食べて、再び蕎麦屋に出掛けて、片付け物をしてお新香を漬ける。それからプールへ直行。



4月15日 土曜日 朝から冷たい雨が降り続けて …

 夕べも早く床に就いたのに、今朝は目覚めて何故か身体が疲れていると感じたのです。夜のプールも身体が重かったから、恐らくは一人で営業したのが疲れたのでしょう。それでも、元気を出して雨の中を車で蕎麦屋に向かうのです。天麩羅の具材入れも空になっていたし、南瓜も蓮根もなくなっていた。まずはカウンターの上に干した盆や蕎麦皿を片付けて、レンコンの皮を剥いて輪切りにしたら酢水で茹でる。南瓜も種を取って切り分けレンジに掛ける。椎茸やピーマン、ナスを切り分けて、最後にお新香を糠床から出す。

 小一時間の仕事でした。家に戻って女将の作った朝食を食べて、書斎に入ってひと眠り30分。まだ身体は疲れていると感じる。朝から冷たい雨が降っているから、今日はお客も来ないのではないだろうかと、二度打つはずだった蕎麦も一度で好いと思えた。9時前には傘を差して家を出て、蕎麦屋に向かうのでした。チェーンポールを降ろし、看板と幟を出すのです。蕎麦打ち室に入れば、空の生舟が打ち台の上に置いたままだったから、850gの蕎麦粉を計量する。この天気では、9人分も打てば十分なのです。加水率は43%。

 雨のせいか43%の加水でもまだ少し生地が緩いと感じる。切りべら26本で135gで揃えたいのだけれど、どうしても140gになることの方が多い。それでも9束と70gほど取れたから、やはり打ち粉の重量分だけ重くなっているのでしょう。亭主が厨房に戻る頃には女将は「また来ます」と言って早い昼食を食べに家に戻る。今日も苺大福を包もうと、香蘭社のバラの絵の描かれた小皿を五つ並べる。季節が明るくなったからと皿を替えたのに、今日は暗い雨の日だから嫌になる。新しく作った白餡は少し焦がして茶色くなっていた。

 野菜サラダの具材を刻んで盛り付けが終わる頃に、女将が戻って来てくれた。その前に亭主はお湯をポットに入れたり、天麩羅鍋に油を注いだり、天つゆの鍋を火にかけたりと仕事をし続けていたのです。サラダの皿が並んでやっと椅子に座れる。朝から3時間以上も立ち仕事を続けているから、腰も痛くなるのです。それでも、動いていたからか、朝のだるさはなくなっていました。車はかなりの数で通るのですが、暖簾を出しても蕎麦屋に来るお客はない。当然と言えば当然のこと。少しはゆっくりと休めと言うことなのか。

 やっとお客が来たのはもう1時過ぎで、80歳になると言う母親を連れた娘さんが、労るように寄り添ってご来店なのでした。天せいろ二つのご注文。小鉢の代わりに野菜サラダをお出しして、食べていてもらう。話を聞けば、娘さんの方は何回か蕎麦屋に来ているのだそうな。近くのマンションに住んでいるのだけれど、母親は歩くのが不自由だから、なかなか一人では来られないのだと言う。ゆっくりと食べていかれたから、今日はこれで終わりなのでした。片付け物も早く済んで、雨の中を二人で家に帰る。



4月16日 日曜日 今日は目まぐるしい天気で … 


 昨日は蕎麦屋も暇だったのに、ゆっくりと目覚めた朝でした。夜まで雨だったから女将も買い物に行けず、亭主の仕入れに付き合って隣町のスーパーまで行っただけなのに、よく眠れたと言う。朝靄が出て駅前の高層マンションが曇って見えた。蕎麦も沢山残っていたけれど、今日は午前中に蕎麦粉が届く日だからと、朝食を終えて早めに蕎麦屋に出掛けたのです。白い花が満開のみずき通りを渡れば、蕎麦屋まであとわずか。日曜日だから車の陰もないのです。

 蕎麦屋に着いたら、まずは看板を出して幟を立て、チェーンポールを降ろして活動の開始。カウンターに干してある二人分の盆や蕎麦皿を片付けたら、早速、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。その前に、早いことにもう宅配便が届いて、蕎麦粉を受け取るのでした。8時45分。この地区を回る運転手が地区の入り口にある蕎麦屋を通るときに、亭主が来ていれば受け取ることが出来るのです。加水率は43%で、今日はちょうど好い柔らかさで上手く打てた。

 女将が来る前に蕎麦粉を捏ね終えて、薬味の細葱を刻んで大根をすり下ろす。再び蕎麦打ち室に入って、伸しを始める頃に女将がやって来る。「折りたたみ傘は持って来たのだけれど」と言うから、外を見れば確かに黒い雲も出ているのでした。不安定な陽気だけれど気温は高いから、それなりにお客は来るのではないかと考えた。野菜サラダも新キャベツになったら柔らかくて美味しそう。人参も綺麗に千切りが出来て、今日は正解なのでした。

 玄関前の馬酔木が新芽を出しているのにやっと気が付いた。時間に余裕があるからいろいろと気が付くのです。ミニ菜園に行って、コゴミとタラの芽も摘んでくる。使い切れないからどんどん溜まってしまうのも困ったものなのです。天せいろやぶっかけ蕎麦などに付けて出せばいいのですが、天麩羅が多くなりすぎるので出せないから、どうしても躊躇してしまう。仕入れる具材を減らすしか方法はなさそうです。こういう日に限って天麩羅物は少ない。

 開店して間もなく、そろそろいらっしゃる頃だと思っていた、カレーうどんのご主人を連れてご夫婦がご来店。奥様は今日はとろろ蕎麦。串焼きを四本頼まれたから最初に焼いてお出しした。週末は串焼きをあらかじめ解凍してあるから早いのです。青空が広がって陽も差してきた。続けてはお客が来ないものだから、何故かのんびりゆったりとして、亭主は奥の部屋でひと休みすることが出来た。平日よりも混まなかったこともあるかも知れない。

 1時をだいぶ過ぎて最後のお客が帰ったら、気になっていたコゴミとタラの芽を天麩羅にして、賄い蕎麦を食べる。タラの芽のほろ苦さが春らしい。ぶっかけ蕎麦にはこの二つを入れて出せば好い。でも、ぶっかけ蕎麦も、出る時と出ないときの差が激しいのです。天せいろのようにはコンスタントに出ない。2時過ぎには片付けを終えて、夫婦で家に戻る。女将はすぐに美容院に出掛けた。彼女が帰ってきたかと思えば、雷の音と共に強い雨が降ってきた。




4月17日 月曜日 陽も差して暖かかったけれど …

 今日も5時起き。夕べは10時にはもう床に就いたのです。それなのになかなか起き上がれなくて、5時半になってやっと居間の部屋に移動。「春眠暁を覚えず…」なのか。熱いコーヒーを入れて飲んだら、少しは目が覚めてきました。明日は定休日だと言うこともあって、少し気が緩んでいるのかも知れません。朝飯前のひと仕事に何をするかを考えながら、玄関を出れば外は思ったよりも暗く、今にも雨が降りそうな空模様なのでした。

 蕎麦屋の厨房に入って、カウンターに干したままの盆や蕎麦皿を戸棚にしまい、冷蔵庫から蕎麦汁を入れる徳利を取り出して、予備の一番出汁で蕎麦汁を仕込む。鍋ごと水で冷やしている間に、小鉢の切り干し大根の煮物を盛り付けて、昨日出したお新香と合わせて9鉢用意する。気温も低そうだから、今日はそんなにお客は来ないと考えたのです。洗濯物を畳んで、洗濯機の中に入れたままの洗い物を干して家に戻るのでした。煙草を買いにコンビニまで行く。

 朝早くとは違って青空が見えて来たから、昨日よりは好い天気になるのかも知れない。家に帰れば女将が台所で朝食の用意をしてくれていた。早朝に飲んだコーヒーの残りを啜りながら一服していると、「ご飯が出来ましたよ」と言う声が聞こえる。朝食を終えて、亭主は書斎に入ってひと眠り、今朝は1時間。やはり「不覚暁」なのか。目覚めて洗面と着替えを済ませたら、「行って来ま~す」と家を出る亭主。晴れて好い天気なのでした。

 蕎麦屋に着けば、例の小雀がまた一羽で電線に止まっている。やはりどこか身体の具合が悪いのだろうか。仲間たちはとっくにあたらこちらに飛び立っているのです。この時期、嘴と脚の黄色い椋鳥の子ども達も電線に止まっていることが多い。この雀だけが一羽で止まっているから、何故か気になるのです。看板を出して幟を立てたらチェーンポールを降ろして、今日の仕事の始まりです。蕎麦打ち室に入って、今朝の蕎麦を打つ。加水率43%で絶妙の仕上がり。

 昨日の蕎麦の残りと合わせて11食の蕎麦を用意して、厨房に戻って苺大福を包み、野菜サラダの具材を刻む。開店の準備が整って、テーブルを拭いて回っている間に、珍しく早い時間に隣町の常連さんが車を駐車場に止めるのでした。開店の10分前だったけれど、放っておくわけにも行かずに、暖簾を出して中に入ってもらう。「今日は随分と早いですね」「車を洗いに行こうと思ってね」と何時ものご注文だったから、キノコ汁を沸かして、辛味大根を擦るのです。

 野菜サラダはカウンターからご自分で取って食べるから、ドレッシングと箸とお茶を後から出す。しばらく選挙の話をしていたら、次のお客がいらっして、この地区の史跡を巡っているのだと言う。今日で三回目のご来店なのだとか。話をしているうちに亭主も思い出して、「また来ます」と帰って行かれた。今日はウンターに座るお客ばかりで、最後は若い男性が隅に座って天せいろのご注文。早めに終わって、片付けを済ませて家に戻る。勿論、夜はプール。



4月18日 火曜日 久し振りに朝寝をした定休日 …


 蕾だった玄関脇のツツジが花を開いていた。朝はまだ薄手のジャンパーが必要な涼しさなのでした。隣のお花畑もポピーが花びらを閉じていました。亭主の定休日に合わせて、花も眠るのだろうか。

 蕎麦屋に寄って今朝の仕入れの確認をしたら、お袋様に電話をして迎えに行く。夕べはプリンターのインクがなくなっていたので、買い物リストを印刷できなかったのです。

 青空が覗いて陽が差してきたら、急に暖かくなって上着を脱ぐ。お袋様のマンションの周りも躑躅が満開なのでした。通りの並木も木々の新芽が赤く燃えていた。今日の仕入れは最小限度。

 午後の出汁取りの準備をして、今年最後の筍の煮物を作る。どうしても客に出し切れない山菜を天麩羅にして、家に持って帰って昼は天麩羅蕎麦にした。コゴミもタラの芽も天麩羅が一番美味しい。

 月曜日のお客が少なかったので、打った蕎麦が残ったのです。午後はプリンターのインクを買いに出掛けて、蕎麦屋で出汁を取り、夕方に家に戻って夕食を食べる。串焼きと鰯の蒲焼き。

 40℃の風呂に20分入るのが好いと言われて、やってみたら、風呂から上がってもう眠くなった。酒の量はワイングラスに二杯だけ。7時間眠って朝の4時に目覚め、この記事を書いているのです。



4月19日 水曜日 日中は暑いくらいで …

 今朝も随分と早くから目が覚めて、5時過ぎには蕎麦屋に出掛けて、朝飯前のひと仕事をする亭主。昨日洗った鍋類を片付けて、蕎麦汁を徳利に詰める。昨日煮込んだ筍を小鉢に盛り付けて冷蔵庫に入れる。二番出汁に返しを加えて天つゆと温かい汁を作っておく。最後に洗濯機の中に入ったままの洗い物を干して、家に戻るのでした。まだ6時半なので女将は起き出して来ないから、食事の時間までと書斎に入ってひと眠りするのです。

 「ご飯が出来ましたよ」と女将が起こしに来てくれて、やっと朝食にありつく。食後のお茶をもらって、テレビで懐かしいスーパーマンの映画をやっていたから、最後まで観てしまうのでした。9時をとうに過ぎ、急いで洗面と着替えを済ませて蕎麦屋に出掛ける。今日は午後から整形外科に行って、なくなった尿酸値を下げる薬をもらわなくてはならない。夜は地域の防犯パトロールがあるので、体調を整えておかなければ。厨房に入れば仕事が待っていた。

 1600ccの鍋でキノコ汁を作って、小さな鍋とタッパに分けて冷蔵庫に入れておきます。明日の天麩羅にする分だけ、南瓜の種を取って切り分けたら、レンジに掛けて残りはラップをして野菜籠に入れておく。玉葱をスライスしてかき揚げの材料を容器に入れてストックし、三ツ葉はキノコ蕎麦にも使うので別の容器に入れておく。今週、これで最後にしようと、採っておいたタラの芽とコゴミを洗って、タッパにそれぞれ入れて天麩羅の具材の用意です。

 外は晴れて暑くなってきました。半袖でも十分なくらいの暑さだったけれど、今朝の続きでまだ長袖を着ていた。女将のスポーツクラブがあるので、11時には家に戻って昼の支度をする。昨日、揚げて帰ったコゴミとタラの芽と筍、海老の天麩羅の残りを砂糖を加えた天つゆで煮て、昼は別皿で出して天丼に食べたのです。女将がタラの芽は苦味があると言うから、亭主がその分沢山食べる。満腹になって眠っている間に、女将はスポーツクラブに出掛けて行った。

 整形外科に出掛ければ、午後の診察前で一番に並んで薬の処方箋をもらう。それをすぐ近くの薬局に持って行って薬をもらうのですが、空いていたからこれもすぐに済む。家に戻ってコーヒーを入れてひと休み。夜のパトロールの前に夕食を食べ、蕎麦屋に戻って糠床に野菜を漬けなければならないのでした。やっと薄暗くなって、亭主は制服を着て集合場所に向かうのです。80歳を越えた老人の後について、5㎞近い距離を歩く。汗だくになってしまいました。