2023年1月初め


1月1日 日曜日 この冬一番の好い天気でお正月気分 …



 大晦日の夕べは若い人ばかりの紅白歌合戦を見ずに、近年映画化されたハリソン・フォード主演の『野生の叫び声』をテレビで観ていた。犬や動物たちの行動をどうやって撮すのだろうと不思議に思いながら、やっと終わってブログを書き始めたから、寝るのは深夜になってしまいました。目覚めればもう7時半。遅く起きた女将が台所で雑煮を作っていた。朝はかなり寒かったけれど、陽が昇るに従って寒さが緩んで来た様なので、歩いて蕎麦に出掛ける。

 正月だからと少しは普段と違う服を着ようと、二階の洋服ダンスから持って来たセーターには、洗濯屋のタグが付いていた。「去年は着ていないということよ」と女将に言われて、暖かかったこともあるけれど、それだけ蕎麦屋通いに徹していたと言うことかと思った。しばらく履いていなかった革靴を下駄箱から出して、履いて歩けば、足の指の違和感が少し薄らいだのです。蕎麦屋の中は6℃といつもの冷たさだったけれど、片付けと洗濯物を干して終わり。

 昨日、持ち帰りきれなかった食べ物をタッパに入れたまま袋に連れて、お袋様のマンションに向かう亭主。太陽は低く輝いて、風もなく、雲一つない空は真っ青なのでした。元日だと言うのに珍しくバス通りを何人もの人が通る。店屋もほとんど開いていないだろうに、何処へ行って来たのやら家族連れらしい。きれい好きなお袋様は、元日でも午前中から部屋の掃除をしていました。日当たりの好い場所を亭主に勧めながら、お茶を入れてくれるのでした。

 玄関には自分で活けたと言う花を飾り、ユリの蕾が開いているの「あら、咲いたわ」と喜んでいる。下駄箱この上には、とうの昔に亡くなった親父様の故郷の彫り物が飾られている。今朝は二人の妹と電話で話をしたのだと言う。陽の当たる広い居間の部屋で、亭主は久し振りに実家に帰ったようにゆっくりとするのでした。すぐ近くだから、よく食べ物を届けに来たりはするけれど、親父様の仏壇に線香を上げることもない。近くの墓所の方がよく行くのです。

 帰り道、またぞろぞろと歩く家族連れに出会う。暖かいから皆さん気持ちが好いらしいのです。家に戻れば郵便受けに年賀状が届いていた。60枚ほどは年の内に出したのだけれど、午後はまた年賀状を作成しなければ。昔の教え子たちの中には、もう還暦を迎えるという者もいると、傍で読んでいた女将が驚いていた。自分たちの歳のことはすっかり忘れているのでした。昼はキノコ蕎麦を茹でる前に、酢蛸と蕎麦豆腐でお屠蘇代わりの焼酎の炭酸割りを飲む。

 午後は二週間後の女将のヨーガ教室を予約してやったら、今日届いた年賀状の返信を刷る。女将が散歩がてらに郵便局まで行って出して来てやると言うので、好意に甘んじる。蕎麦屋に行って白菜のお新香を漬け直してこようかと思ったけれど、書斎に差し込む午後の陽射しに誘われてひと眠り。眠りから覚めたらもう夕刻だったから、残っている野菜サラダをお好み焼きにして、夕食にするのでした。今日一日が終わるのは本当に早い。明日までが休日です。



1月2日 月曜日 今朝は寒さで目が覚めたけれど …



 やけに寒いと思って居間の部屋に入れば、なんと5℃。エアコンとストーブを点けて暖まるのでした。夕べは早めに床に就いたのに7時間は眠ったから身体は快調。6時のニュースを見て、データ放送で佐倉の天気予報を確認すれば、今日も昨日と同じく穏やかな晴天だという。二階に上がって西の空を眺めると、遙か彼方に白く雪を被った富士山が朝日を浴びているのでした。家々の屋根には白く霜が降りて、寒く空気が澄んでいるのがわかる。

 7時を過ぎても雨戸を開ける音も聞こえず、女将が起きてこないから、どうしたのかと思ったら、元日はあまり歩かなかったのでよく眠れなかったと言う。彼女が雑煮の餅を焼いている間に、亭主は暮れに買って来た蒲鉾類と自分で作った鱠を盛り付けて、朝食の支度を手伝うのでした。去年に続いて質素な正月の朝食なのです。食べるのも片付けるのもさっと終わってしまうから、食後の時間をもてあまし、亭主は白菜のお新香の漬け直しに蕎麦に出掛ける。

 隣の畑にもびっしりと白い霜が降りて、朝日の当たった部分だけが少しずつ溶け始めている。午前8時を過ぎた時刻にまだこんな状態だから、今朝は相当に冷え込んだのです。樽に漬けた白菜は、重しがすっかり沈んで、白菜一把が全部沈むほどに水が上がっているのでした。やはり最初のつけ込みには二日を要する。大きな笊に上げて水を切っている間に、唐辛子や昆布を切って冷凍してあった柚子皮を取り出して、少なめの塩でもう一度樽の中に漬けておく。

 今日は温かくなったら、蕎麦屋の床の掃除をしようと考えている亭主。まずは厨房の床だろう。履物を履き替えて厨房に入るのに、どうしてこんなに汚れるのだろうかと思うほどだから、去年、買った二台の電動の床磨き機が威力を発揮してくれるだろうと楽しみ。少し早めの昼食には、野菜サラダが残っていたから、インスタント焼きそばで簡単に済ませる。肉と野菜がたっぷり入って、油も使わずに割と美味しい。冷凍してある餃子も焼いて食べるのでした。

 すぐに食べ終わってしまうから、眠くならないうちに蕎麦屋に出掛けて、予定通り厨房の床磨きを始める。油汚れの酷いレンジ前は重曹を振りかけてお湯をかけ、しばらくしてから床磨き機で擦るのです。今までは膝をついてゴシゴシとタワシで擦っていたのだけれど、屈まないから随分と楽なのです。モップで拭き取って、更に雑巾で仕上げをしたら、見違えるように綺麗になる。長年溜まった油汚れは、さすがになかなか落とせないけれど、完璧は望むまい。

 ここまで1時間掛けて一服したら、今度はレジの前の廊下を磨くのですが、厨房ほどしつこい汚れではないので、中性洗剤を撒いて床磨き機を掛けたら、後はモップで拭くだけ。店側と一番汚れている蕎麦打ち室の床は、明日以降、時間があれば取りかかることにして、家に戻るのでした。朝のうちに漬け直した白菜のお新香が、また水がたっぷりと上がってきたので、味見にと家に持ち帰る。夕食には何を食べるのだろう。確か鴨肉と酢蛸が冷蔵庫に残っていた。

 結局、今日は朝も昼もひと眠りをせずに、夕食の食卓に着くのでした。午後からはあまり好い天気も続かずに、夕刻からは急に冷えてきたので、夜は残り物で鍋とおじやということになりました。明日は今年最初の仕入れの日。四日まで蕎麦屋が休みなのが救いで、最初の週の小鉢は何にしようかと考える暇があるのです。まずは白菜のお新香で一品。大根のなた漬けを作ってもいい。先週の出汁や蕎麦汁がまだ残っているから、あまり慌てなくてもいいのです。



1月3日 火曜日 年の初めの仕入れは …



 正月三日の朝飯前のひと仕事は、厨房がまだ6℃しかないから、まず、二つの大釜に水を張って火を点ける。5㍑の鍋に水を入れ、沸騰したら小松菜を茹でておくのです。その間にIHでポットに湯を沸かし、珈琲を入れて飲む。6時半の東の空は、薄明るく光っていたけれど、まだ太陽の姿は見えない夜明け前なのです。今朝はどうも霜が降りていないようでした。それでも相当な寒さなのです。大根の皮を剥いて切り分けて、漬けもの器に塩をして漬けておく。

 7時前に家に戻れば、女将はもう台所に立っていた。ベーコンエッグに豚汁で今朝も簡単に朝食を済ませる。亭主が蕎麦屋から味見に持ち帰った白菜の漬け物は塩辛いからと、水で塩抜きをしてくれたのですが、まだ味が馴染んでいないのです。やはり昆布の旨味が出てくるのには四五日かかるらしい。早めに洗面と着替えを済ませて、お袋様と今年初めての仕入れに行く準備をする。農産物直売所は、まだ営業していないから、今日は隣町のスーパーにだけ行く。

 さすがに三が日はお客が少ないと見えて、駐車場もガラガラでした。いつもよりずっと少ない量の仕込みなのに、何故か支払った額はあまり変わらない。女将に言ったら、「正月は野菜も高いのよ」値段を見てから買う主婦の買い物ではないから、必要なものは籠に入れるから仕方がないのです。しかし糸三つ葉が一把200円を超えるのは正月とは言え痛い。レッドアーリも最近は一つ200円を超えているのです。農産物直売所では120円で買えるのに。

 野菜を冷蔵庫に収納したら、まだ時間に余裕があったから、甕に入れてある返しがなくなっていたので、返しの仕込みをする。ワインビネガー75ml、味醂540ml、氷糖蜜390ml、再仕込み醤油810mlに醤油2700mlと塩30g。長年やっているとすっかり頭に入っている。醤油は全て50%減塩なので、名人のレシピよりもかなり割高になっているのです。沸騰する前に火を止めて冷まします。昼の支度があったから、鍋はそのまま冷まして家に戻るのでした。

 朝のうちに女将と話をして、野菜サラダの残りとかき揚げの玉葱ニンジンの残りを使って、昼はカレー炒飯と言うことになっていたのです。中華鍋を高熱炒めにセットして、油を引いて具材を炒めたらご飯を入れて鍋を振る。温度が高くなっていれば中華鍋には焦げ付くこともなく、今日は綺麗に仕上がったので好かった。いつもは使わないから、ついつい忘れて失敗することが多いのです。これでほとんど年末の蕎麦屋の残り物は処分できたので好かった。

 2時過ぎに女将の二週間後のスポーツクラブの予約を取ったら、蕎麦屋に出掛けて午後は蕎麦打ち室の床磨きです。掃除機で飛び散った蕎麦粉をすべて取り除いてから、中性洗剤を撒いて床磨き機で一通り洗うのです。到底、これだけでは綺麗にならないから、今度は回転ブラシで床を磨く。最後に雑巾を取り付けたモップで拭く。以前の綺麗さは戻らないけれど、屈んで掃除をしないので腰が痛くならないのが一番。一汗掻いて厨房に戻るのでした。

 4時を過ぎていたので、残った時間で出来るのはなた漬けの仕上げ。塩漬けにして水の上がっていた大根を絞ってビニール袋に入れたら、柚子皮の千切りと唐辛子の輪切りを入れ、甘酒の素を加えて砂糖をたっぷり。よく揉みほぐしたらそのままタッパに入れて冷蔵庫で保存するのです。昨日までの生ゴミと今日の瓶類を外のゴミ箱に出して、午後の仕事は終わりなのです。勝手口から夕陽がだいぶ傾いているのが見えた。終日青空の好い天気なのでした。



1月4日 水曜日 今までになく寒い朝だったけれど …


 午前5時半。まだ夜は明けない。いつもの習慣だから、そろそろ正月気分を払拭して平常に戻らなければと、蕎麦屋に出掛けるのでした。漬け直した樽の白菜もすっかり水が上がっていたので、今度は小さな漬けもの器に移してまた漬けておく。丸ごと一把の白菜がこんなに小さくなってしまうのかと思うほど、量が少なくなった。小鉢に盛り付けたら、次は更に小さな漬けもの器に移す必要がありそうです。隣の小火口に掛けた出汁取り用の鍋が沸くのを待つ。

 鍋肌に泡が出て来たら鰹の削り節を入れて、沸く直前に火を消すまでに灰汁を取る。苦味や雑味が出てしまうと宜しくないのです。2㍑の鍋に一番出汁を濾して入れ、600ccの返しを加えて火にかけるのですが、これも沸かしてはいけない。沸騰する直前で火を止めて冷たい水で冷やしておく。残った一番出汁はボールで冷やして、1㍑のペットボトルに入れて冷蔵庫に入れる。二番出汁は今日は4㍑だけ作っておく。天つゆは昨日のうちに先週の二番出汁で作った。

 時計が7時を回ったので、朝食の時間に遅れないように家に戻らなければ。森の影からはまだ太陽が見えない。向かいの畑には一面の白い霜が降りているのでした。寒いはずです。今朝は車外温度がこの冬初めて氷点下になった。蕎麦屋の中も3℃と初めての気温。暖房を入れ、大釜の湯を沸かしても7℃までしか上がらなかった。蕎麦打ち室は3℃と変わらない。蕎麦を打つ明日からは、暖房を点けたままにして朝食を食べに帰ろう。

 女将の用意してくれた朝食は、鰺の開きと茄子とピーマンの味噌炒め。三ツ葉と椎茸のお吸い物には、先週、蕎麦屋から持って帰った一番出汁を使っていた。味見用に持ち帰った白菜も含めて、今朝はどれも美味しいのです。最近の鰺の開きは骨も取ってあるし、塩も控えめでとても食べやすくなっている。これも時代なのだろうと女将と話をする。テレビは面白い番組がないからと、点けずに二人は食事を終えたのでした。その分、少しはお互いに会話をする。

 食後のひと眠りはせずに、蕎麦屋に出掛けて仕込みの続きをするのです。今日から夕刻に防犯パトロールが始まるから、早め早めに仕事を終えたほうが好いと考えたのです。午前中には仕込みが一段落したところで、半年振りでプールにも出掛けようと思っていたのです。次にやることがあると、自然と能率は上がるもので、切り干し大根の煮物を作りながら、隣の火口ではキノコ汁を仕込み始めるのでした。出汁に鶏肉を入れて煮上がったらキノコを入れていく。

 二つとも無事に仕上がったところで10時前だから、これからプールに出掛けて久々にひと泳ぎしてこようと、期待に胸を膨らませて車を走らせたのです。駐車場に車を入れて、陽の当たる外の階段からゆっくりとスポーツクラブのある四階まで昇っていけば、懐かしい入り口が見えて来ました。会員証を出して前の人に続いて中に入ろうとしたら、オートロックがかかっていてドアが開かない。掲示板を見ると11時までは無人の利用となるらしいのです。

 左手に会員証をかざして下さいと書いてあったので、前の人に続いてカードをかざせば、一向に反応しない。24時間営業になったから、何か仕様が変わったのだろうか。有人の営業となる11時までにはまだ時間がありすぎたので、一度、家に戻ることにしました。帰って女将に話をすると、彼女の行く時間帯のことしか分からないと言うので、会員証を預けて聞いてきてもらうことにする。後の時間が押しているから、結局、今日はもうプールへは行けず終い。



1月5日 木曜日 今年の仕事始めなのだけれど …


 昨日は朝も昼もひと眠りをしなかったからか、夜のパトロールで疲れたからか、夜の9時にはもう眠たくなって床に入ったのです。当然のことながら、今朝は3時半にはもう目が覚めてしまう。生活習慣というのは恐ろしいもので、6時間から7時間、眠ったら目が覚めるようになってしまっている。蕎麦屋に行くにも早すぎて、居間でテレビを見ながらお茶を飲んで、暖房で暖まったらまた眠くなって床に入る。次ぎに目覚めればもう6時なのでした。

 このまま朝ご飯の時間を待とうかとも思ったけれど、蕎麦屋は寒いから暖房を入れておかなければすぐに蕎麦が打てないと、車を出して本当に暖房を入れるためにだけ出掛けたのです。隣の畑には薄紫の空が広がって、今日も晴天だと分かる。帰りがけに東の空から陽が昇るかと思ったけれど、6時45分でも森の向こうが明るくなるだけなのでした。湿度が低いからか霜は降りていなくて、地面がそのまま凍っているようなのです。今朝も相当に寒い。

 家に戻れば、女将が台所に立って朝食の支度をしてくれていたけれど、冷蔵室にはもうあまり食材がないことを亭主は知っている。野菜籠にはまだ先週の店の残り物があったらしく、茄子焼きとキュウリのお新香が出て、ベーコンエッグとレンコンに牛蒡とニンジンの煮物が付いていた。蕎麦屋で何が残るかが分からないから、女将のメニュー作りも人知れぬ苦労があるのです。卵とベーコンが唯一のタンパク源で、冷凍室の魚類は明日以降のお楽しみらしい。

 食事を終えたら髭を剃り、着替えて出掛ける準備をする。テレビでは『レ・ミゼラブル』のミュージカル映画をやっていた。どうもこのミュージカルというのが亭主は昔から苦手なのですが、ヴィクトルユゴーの原作とはほど遠いけれど、なかなかの名作らしく、最後まで観てしまうのでした。「げにや安楽世界より、今この娑婆に示現して…」という曽根崎心中の人形浄瑠璃の方が身近に感じるけれど、日本と欧米で受け継がれた文化の歴史の違いなのだろうか。

 早朝の暖房が効いて、蕎麦打ち室は13℃になっていた。前掛けをして今年初めての蕎麦を打つ。暖房を入れたせいか湿度が27%になっていたから、加水率は45%強。それでも柔らかすぎずにしっとりとした生地に仕上がった。年の初めの蕎麦打ちとしては満足のいく結果なのでした。厨房に戻って金柑大福を包み、時間に追われながらも、野菜サラダの具材を刻んで、天麩羅油を鍋に入れ、天つゆの鍋を温め、テーブルを拭いて、ぎりぎり11時半に間に合うのです。

 時間通りに開店はしたものの、去年は初日と雪の積もった二日目は寒すぎてお客はなかったから、あまり期待は出来ない。それでも正月休みが終わったら、蕎麦でも食べようという人がいるかも知れないという淡い期待が元気の素。首を長くしてお客を待てば、12時半には隣町の常連さんがやって来た。いつものキノコつけ蕎麦と辛味大根を食べながら、年越し蕎麦を食べに来てから今日まで外には出なかったのだと言う。ちょうど女将も来てくれて二人で笑う。

 1時半近くにお客が帰って、亭主はかき揚げを揚げ、賄い蕎麦をぶっかけで食べるのです。大晦日におろした油の具合を見たかったのと、今日打った蕎麦の仕上がりを知りたかった。どちらも合格点だったのでとても嬉しかった。洗い物も少ないから、女将と二人で片付けを済ませたら、早く家に戻ったのです。疲れていないから、午後の昼寝はせずに、4時を過ぎたらスポーツクラブに出掛けて、7ヶ月振りでプールで泳いだのです。少しずつリハビリをしよう。




1月6日 金曜日 今朝はこの冬一番の寒さ …


 寒さには慣れてきたのに、今朝は一段と寒い朝でした。朝の5時から7時までマイナス4℃の寒さなのです。千葉県の天気予報などをテレビで見ると、最低気温の表示される地域はどこも海の近くだから、佐倉に比べたら5℃は高いのです。防寒をして今朝はレッグウォーマーまで履いて蕎麦屋に出掛けた亭主。乾燥しているから霜柱も立たないようで、蕎麦屋の店内は5℃なのでした。エアコンを入れて二つの大釜に水を張って火を点ける。

 寒すぎてすぐには蕎麦打ちが出来ないから、昨日出たキノコ汁を作り足しておきます。とにかく湯気の出る作業を何かしなければと厨房で動き回るのでした。空の蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めておく。やっと蕎麦打ち室が7℃になったから、蕎麦粉と小麦粉とを計量して篩に掛ける。冷蔵庫の中で蕎麦を打つようなものだから、指先の感覚がいつもとは違うのでした。プールの時間が加わって、夕べは寝るのが遅かったから、早朝に暖房を入れに来れなかったのです。

 蕎麦打ち室に亭主が入れば人間の熱で室温は少し上がり、菊練りを終えて蕎麦玉を作ってビニール袋に入れて寝かせておく間に、厨房に戻って大根をおろす。再び蕎麦打ち室に入ったときには、もう10℃になっていた。蕎麦を伸し始めれば、汗こそかかないけれど、身体は温まって、今日も切りべら26本で135gの蕎麦を打ち終える。蕎麦打ち室の湿度は32%だったから、加水率は45%強でちょうど好い感じなのです。やはり、この時期は空気が乾いているのです。

 金柑大福は昨日のものがそのまま残っていたので、今朝は野菜サラダの具材を刻むだけで済んだ。去年の今日は雪が積もって、雪かき用のシャベルを家から持って来て、駐車場の雪を掻いたのです。そんな日には勿論、お客は来なかったけれど、今日は薄い雲がかかっているものの、太陽が出ているからまだまし。ちらほらと道を歩いて散歩に出る人の姿も見えるのでした。いつもの時間に畑に行く人やジョギングで走る人も通りすぎていく。

 それでも1時過ぎまでお客がなかったから、元気を出そうとかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べておく。食べ終えたところで、駐車場に車が入ってきたから嬉しいのでした。奥のテーブル席に座った女性のリピーターさんは、寒いと見えて温かい天麩羅蕎麦のご注文。天麩羅を揚げている間に、玄関が開いて歩いていらっしたと見えるご夫婦が入り口のテーブル席に座る。こちらも奥様がリピーターの方で、キノコ汁を二日続けて食べたからよく覚えている。 

 小鉢にお新香を出したら、とても美味しいと言ってくださった。始め「奥さんが漬けるの?」と聞かれたから、「私が漬けています」と応える。大晦日に漬けて二日で水が上がって漬け直し。一日おいてまた水か上がって昆布や柚子を入れて更に漬け込む。「一週間はかかるのね」と奥様が言う。天麩羅蕎麦を食べ終えた女性は、頬が真っ赤になって身体が温まったと言う。ご夫婦はキノコつけ蕎麦と天せいろで、こちらも綺麗に汁まで食べて帰られた。

 洗い物を始める頃には、もう閉店の時間なのでした。今日は出だしが遅かったのです。家に戻ればもう3時過ぎだから、売上伝票をパソコンに入力したり、今日の写真をパソコンに取り込んだりしているうちにもう4時。昨日はこの時間にプールに行ってしまったから、夜が忙しくなって寝るのが遅くなった。今日はゆっくりと早い夕食を食べて、7時過ぎに出掛ける予定。ブログも書き終えてから出掛けるので、昨日のように夜更かしにはならないと思う。