2022年11月下旬


11月20日 日曜日 朝よりも寒かった日中 …


 今朝は8時半には家を出て蕎麦屋向かう。自分の影が通りに映ったから、振り返れば雲間から陽が出ているのでした。これが今日太陽を見た最初で最後なのです。空は厚い雲に覆われて、時折、雨までぱらついたから天気予報通り。今朝は少し早めに蕎麦屋に着いたから、蓮根の皮を剥いて酢水で茹で、冷凍の白餡を水と氷糖蜜で溶かしていく。弱火で溶かしている間に、蕎麦打ち室に入って蕎麦を打ち始めるのでした。加水率は43%強。なかなか好い仕上がり。

 上手く仕上がる時は、菊練りの段階でもう生地が滑らかになっている。これがざらざらとしている時には、伸してもやはり綺麗には仕上がらないのです。しっとりとした蕎麦玉をビニール袋に入れ、厨房に戻って白餡の煮詰まり具合を見る。女将が来て「レンジの火が点いているわよ」と大きな声で言うから、「弱火で白餡を煮詰めています」と亭主が蕎麦打ち室から応える。気を使ってくれるのは嬉しいが、認知症の一歩手前と思われるのも辛いものがある。

 白餡を仕上げるには、それほど時間がかかるものなのです。以前はそれを大手亡豆の皮を剥き、茹でて濾していたのだから気が遠くなる。今は業務用冷凍の白餡を買って煮詰めるだけ。業務用の方が殺菌されているから長く日持ちかがすると、何処かのサイトに書いてあった。餡が煮詰まる前に蕎麦玉を伸して畳んで包丁切りまで、十分に終えられたのです。今日はまた少し均等な厚味を意識できたかも知れない。四隅は少しだけ丸みが小さくなったのです。

 切りべら26本で135gは変わらない。8束の蕎麦を生舟に並べ、残った半分の束は昨日の半分と合わせて、今日の賄い蕎麦にしよう。昨日は5束残ったから、今日の蕎麦は合計は13束。この寒さだからお客がそれほど来るとは思えないので、ちょうど好い量かも知れなかった。野菜サラダの具材を刻む前に、大釜に火を入れて、やっと硬くなってきた白餡を、二つのタッパに移して一つは急速冷凍室に入れ、もう一つは冷蔵庫に入れておく。

 野菜サラダを今日も三皿盛り付けて、暖簾を出して営業開始。ちょうど11時半になった頃に、隣町からいつものご夫婦が車でやって来る。奥様が先に店に入って「主人は例によってカレーうどんみたいよ。私はキノコつけ蕎麦をお願いします」と、もう注文を考えてある。追加で串焼き四本。お二人に注文の品を出し終える頃に、次のお客がいらっして、こちらは鴨南蛮蕎麦と鴨せいろのご注文なのでした。鴨を一度に二人分焼けるから世話がないのでした。

 皆さんお帰りになって洗い物を済ませたから、亭主は端切れの蕎麦を茹でて、小さな椀で賄い蕎麦を食べておく。食べ終わった頃にまたご夫婦がいらっして天せいろ二つを頼まれる。日中の方が朝よりも寒い日なのによくお客が来てくれると有り難いのでした。もう終わりだろうと亭主は奥の座敷で一休みしていたら、「お客さんですよ」と女将が呼ぶ。女将の友だちの女性が、いつもの野菜サラダとせいろ蕎麦を頼まれて、今日はサラダがすべて売り切れた。

 昨日と同じ人数が今日もご来店なのでした。寒い日だからやはり温かい汁の蕎麦が多く出たけれど、椀物は洗うのが楽で好い。何と言っても皆さん汁まで綺麗に飲み干して帰られるのが嬉しい。明日の天気はまだ見ていないけれど、今夜は雨になりそうで、それほど温かい日にはならないのでしょう。蕎麦も明日は500gだけ打てば足りそうで、小鉢もキノコ汁も十分にあるから今夜はゆっくりと出来そう。風呂に入って身体を温め、オンザロックで焼酎を飲もうか。




11月21日 月曜日 雨の降る寒い日だったけれど …


 朝飯前のひと仕事に蕎麦屋へ出掛け、一年振りに金柑の甘露煮を作った。雨が降っていたので6時前の辺りはまだ真っ暗な状態。種を取るために半分に切った金柑からは、柑橘系特有の香りが漂って身体の中から目覚めて来るようなのです。竹串で一つ一つの実から種をほじくり出して、鍋に入れて酢水で茹でる。少し柔らかくなったところで笊に取り、今度は水と氷糖蜜で煮込んでいくのです。宮崎産だけれど、これからの時期は、何と言っても金柑が美味しい。

 昨日の洗濯物を干して、その前に干してあった洗濯物を畳んで、家に戻る亭主。今日は女将がいないから、全部自分でこなさなくてはならないのです。玄関を上がってそのまま食堂に行けば、どうやら今朝は鮭粥のようで、女将がグリルで焼いた鮭の身をほぐしていた。亭主は皮まで食べるから、自分でよそってスルスルッと喉に搔き込む。茶碗に二、三杯食べたらもう暖かくなって、空腹だったお腹も落ち着いたのです。今朝はぐっすり寝たのでひと眠りはなし。

 朝ドラの終わる時間に、今朝は車で蕎麦屋に出掛けて、まずは小鉢を盛り付けておきました。この寒さと雨だから、今日はお客が来ることはないだろうと諦めてはいたけれど、準備だけはしておかなければならないのが辛いところです。蕎麦打ち室に入って、今日は500gだけ蕎麦を打つことにした。昨日の蕎麦がまだ少し残っていたから、5人分を打ち足しておけば十分に足りる計算なのです。500gという量は、最低の量だからあっという間に打ち終えるのでした。

 それでも均等な厚味を心がけ、十分に伸して畳んで包丁切り。切りべらは26本で、135gの蕎麦の束を五つ切ったらもうお終いです。端切れは昨日の端切れと合わせて、今日の賄い蕎麦にするつもり。厨房に戻って野菜サラダの具材を刻み始める。レタスも、ブロッコリーもアスパラも、使い切ってしまわなければいけないので、多少多めに盛り付けて、今日は大サービス。天麩羅の具材の成りない分を切り分けて、大根をおろし、薬味の小葱を刻んで準備完了。

 11時過ぎにはテーブルをアルコールで拭いて、少し早かったけれど暖簾を出しておくのでした。開店の時刻を少し過ぎた頃に、近所の常連の小母さんが友だちを連れてご来店。いつもと同じ天せいろに野菜サラダを単品で頼まれて、ゆっくりと話をしながら昼食を取るのでした。小一時間経った頃に、次のお客がいらっして、せいろ蕎麦の大盛りと天せいろのご注文。奥様が「鍋焼きうどんはなくなったのね」とおっしゃるから「寒くなったら考えます」と亭主。

 それでもせいろ蕎麦の大盛りを美味しいと言って食べられて、蕎麦湯も綺麗に飲み干して帰られた。「前は二人でやっていたのに」と言われて、コロナ禍で人を雇えなくなったのだとを説明をする。雨は上がってきたけれど、寒い日なのによくお客が来てくれると有り難かった。1時を過ぎた頃にまた年配のご夫婦がいらっして、天せいろを頼まれる。「お蕎麦も美味しかったし、蕎麦湯もとろりとして美味しかったです」とご主人がわざわざ言いに来てくれた。

 お客とお客との時間は空いているものの、盆や皿を下げてテーブルを拭いたら、またお客が来るという感じで、亭主は洗い物をするわけにもいかず、カウンターに下げてそのままにしてあった。店が空いているせいか、皆さんゆっくりとなさるのでした。最後のお客が帰ったのは1時半近くなのでした。ラストオーダーの時間になって、暖簾を下げたら、天麩羅を揚げて大盛りで賄い蕎麦を食べる。やっと食後のひと休み。外は青空が広がって陽もさしてきた。




11月22日 火曜日 今日は好い夫婦の日なのだとか …


 今朝はゆっくりと目覚めて、お袋様と仕入に出かけました。空は昨日とはうって変わって青く、車の中は陽が差して十分に暖かい。農産物直売所で朝採りの新鮮な野菜を買って、隣町のスーパーに足を伸ばして、足りない食材を仕入れて来るのでした。店に戻って野菜を冷蔵庫に収納したら、今日は女将を車に乗せて佐倉の城址公園に出掛ける。年賀状に使う写真を撮りに、背景が少しは違った場所が好いかと、昨日から二人で話していたのです。

 愛犬のpekoが亡くなってからというもの、すっかり足が遠のいてしまっていましたが、毎年、季節の替わる毎に訪ねていたもの。肝心の歴史博物館にはすっかりご無沙汰しているけれど、最近は、知的な興味よりもやはり自然の移ろいに二人とも関心があるのです。駐車場に車を止めて、広い園内の景色を眺めながら二人で歩く。行き交う人の姿を眺めれば、皆年配の人ばかりで、若い人は仕事に出掛けている時間だから、年寄りにしか会わないのも道理なのです。

 それでも若い女性が一人で歩いていたり、小さな子供を連れたママさん達が賑やかに話をしていたりと、市民の憩いの場所と言うだけあって、広い敷地に伸びやかな雰囲気が広がるのでした。モミジの紅葉の前で写真を撮ったら、奥の銀杏並木までゆっくりと歩いて行く。木漏れ日に映えるモミジは、枝の先端だけ見事に紅葉して、場所によって寒さが違うのだと分かる。葉の落ちた木々が綠の下草と相俟って、今日の青空に映えているのもまた美しい。

 足の具合を気にしながらゆっくりと歩く亭主をおいて、女将はスタスタと歩いて先を行く。やっと銀杏並木に辿り着けば、予想したとおりに、黄葉は大分散っているのでした。黄色い絨毯が敷き詰められた中を、銀杏を拾う家族がひと組いるだけだったので、場所を選んで三脚を立ててカメラを据える。もう一週間早ければ見事だっただろうと悔やまれるけれど、こればかりは来てみないと分からない。女将と二人で駐車場への近道をたどり、階段を降りるのです。

 長い下りの階段を下りるのにも、亭主は足を庇ってゆっくりと歩く。冬場は見るものもない池には、鴨たちが群れて休んでいるのでした。陽の当たる場所には亀が甲羅干しをして気持ちよさそうなのです。近道だから下ったからには今度は昇りがあるのは先刻承知。下りよりも昇りの方が足の具合にはちょっと疲れる。女将が先に立って亭主を待っているのです。やっと昇り終えれば駐車場はすぐそこ。来たときには空いていたのに、もう満車状態なのでした。

 以前なら、近くの蕎麦屋で昼を食べていこうかと女将を誘ったものですが、最近は外で食べると言うことがまったくないのでした。そもそも出歩かないのが夫婦のコロナ禍の常識なのですが、蕎麦を食べるなら、自分で打った新蕎麦の残りを食べるのが一番と、妙な自信があるから倹約になるのかも。今日は昨日残ったキノコ汁が沢山あるから、昼はキノコつけ蕎麦にしようと二人で決めていたのです。20分ほどで家に着いたら、早速、湯を沸かして蕎麦を茹でる。

 キノコつけ蕎麦を店で出すようになってから、初めて食べるから興味津々。キノコ汁が確かに美味しく、蕎麦もコシがあって好いのだけれど、食べているうちに汁が薄まって味が薄くなるのが難点。もう少し濃い味つけにしないと、お客も嫌がるだろうなと考えた。午後は食後にひと眠りをして、蕎麦屋に出掛けて出汁を取る作業。先週は温かい汁が随分と出たので、5㍑の鍋を満タンにして二番出汁を取っておくのでした。大相撲を見ながら、朝採りの蕪の葉のお浸しと衣かつぎで一献。銀ダラの塩焼きがまた美味しかった。

11月23日 水曜日 珍しく終日の冷たい雨 …


 寒い朝でした。朝方に寒さで目が覚めて、着込んでまた眠ったら今度はぐっすりと7時まで眠ってしまいました。台所で朝食の支度をする女将も、今朝は随分とゆっくりで、寝過ごした亭主と歩調が合っていたのです。寒い朝は豚汁が特に美味しく感じる。亭主の見立てで買って来たシャケも脂が乗って味も好い。シャケが苦手な女将は銀ダラを焼いて食べていた。蕎麦屋の前の畑の親父様から頂いたピーマンは肉厚で、ツナと煮込んだらこれがまた好い。

 朝ドラの終わる時間に家を出て、冷たい雨の降りしきる中を、蕎麦屋に着いたらまずは珈琲を入れて一服する亭主。今日の段取りをつらつらと考えるのです。鶏肉を切り分けて二番出汁で煮たら、キノコをどんどん入れて味つけをする。隣の火口では切り干し大根の煮物を煮詰めて、小鉢のひと品目が完成。塩漬けにしてあった大根を取り出して、柚子の皮を刻んだら甘酒の素を入れてなた漬けを漬け込む。午後には小鉢の二品目が出来上がる計算です。

 11時には家に戻って昼の支度をする亭主。今日は蕎麦屋のかき揚げの材料で残った玉葱と人参を使って、カレーチャハンを作るのでした。女将が傍らで肉や卵を冷蔵庫から出してくれるから、最後にカレー粉を振りかけて15分ほどで出来上がり。粉末のコーンポタージュのスープをお湯で溶いて、紅ショウガや青海苔をかけて昼食の出来あがりなのです。祝日だから、テレビは何も面白い番組をやっていない。ニュースだけ見て二人はご馳走様なのです。

 食後のひと眠りは30分で、女将の稽古場に行けばまだ家にいるからどうしたのかと思ったら、「今日は休日なのでスポーツクラブはお休みです」と言われる。今日は勤労感謝の日なのでした。分かっているはずのことが、つい頭から消えてしまうから、これが怖いのです。今朝も鶏肉と三ツ葉を家の冷蔵庫に忘れて、午前中の仕込みが出来ないからと、蕎麦屋から取りに戻った亭主。いつものことだけれど、老いの徴候は少しずつ始まっているのです。

 朝から降り続ける冷たい雨は午後も降り止まずに、空は朝も昼も同じ暗さなのでした。まずは明日の小鉢に、切り干し大根の煮物となた漬けを盛り付けて、ラップでくるんで冷蔵庫に入れる。明日も蕎麦は8食しか打たないつもりでいるから、8鉢もあれば足りるだろうという計算です。最近は、時期的になた漬けがあるので、ぬか漬けは木曜日の夕刻に漬けるようにしている。霜が降りる季節になれば、これに白菜のお新香を漬けるから、季節で変わる小鉢。

 レンコンの皮を剥いて輪切りにしたら酢水で茹で、南瓜を切り分けてレンジにかけ、天麩羅の具材を切ったら容器に詰めてラップをかけて冷蔵庫に入れておきます。これで午後の仕込みはお終いだから、時間的には余裕のある定休日二日目なのでした。洗い物を済ませて布巾類を洗濯機で洗い、蕎麦屋を後にして家に戻るのです。女将が稽古場で今日の作品を書き終え、「お腹が空きましたか?」と亭主に尋ねる。4時過ぎだったから夕食にはまだ早かった。

 夕食はキノコ鍋にする予定だったから、うどんを加えて温まる。二人で大相撲を見ながら、新聞をよく読んでいる女将の解説で、誰が何歳で大関に戻るには何勝しなければいけないと、亭主はひたすら聞き役なのでした。休日のテレビは夫婦にとっては何も面白い番組がないから、ワールドカップの始まる時間までは、亭主もブログの記入に専念しているのです。天気予報では明日は晴れると言うから、どんな展開になるのかと楽しみにしている晩なのです。

11月24日 木曜日 暖かくなった一日でした …


 5時のニュースで日本がドイツに勝ったと知って驚いたのです。夕べはワールドカップの放映を途中まで観ていたけれど、ドイツに点を取られてもう眠くなったので床に就いたのでした。勝負の行方よりも、暖かくなると言う今日の蕎麦屋の方が心配で、とにかく早く眠って今朝に備えたのです。ニュースを見終えてまた床に入り、7時まで眠ったら、朝食を食べて今朝は朝ドラの始まる前に蕎麦屋に出掛けました。雨上がりの青く晴れた空が眩しかった。

 厨房で珈琲を一杯飲んだら、まずは一年振りに金柑大福を包んでみようと、求肥を作って白餡にくるんだ金柑を包んでいく。久し振りだから分量を思い出せずに、ちょっと大きめの大福になってしまいました。一口サイズにするなら、白玉粉は大福四つ分で70gぐらいが適当だと後から分かった。それを80gにして氷糖蜜と水を同量加えたから、自然と分量が増える。その分使う白餡も増えるから、大きな金柑大福になってしまったのです。

 それでもやっているうちに段々と思い出して、一袋200gの白玉粉を三回に分けて使っていたのだったと記憶が蘇る。レシピは何かに記録しておかなければとは思うけれど、ついついそのままになってしまうのです。朝はエアコンの暖房を入れていたのに、蕎麦打ちを始めたら暑くなって、窓を少し開けて暖房を消すのでした。今日の加水率は43%強。しっとりとした生地に仕上がり、四つ出しも厚味を均等にすんなりとクリア。少し丸みが出るのは仕方がない。

 これを無理に直角に修正しようとすると、どうしても四隅の生地が薄くなってしまうのが下手な証拠です。それよりも均等に包丁打ちをして、最後は多少短くなっても好いと考えた方が得策。切りべら26本で135gの束を八つ取って、まだ80gの束が出来たから、8,5人分の蕎麦を生舟に並べたことになる。これが今日は綺麗になくなったから、最近は木曜日が売り切れになることが多いのです。暖かくなったのが好かったのか、亭主は昼も食べずに調理をする。

 今日はお一人でいらっしゃるお客が多く、開店時刻を過ぎて間もなくご来店の最初の無精髭の親父様は、カウンターに座ってヘルシーランチセットを頼まれる。次は年配の女性がテーブル席に座って天せいろ。やっと二人連れのお客が入って、せいろ蕎麦と温かい汁のぶっかけ蕎麦。お茶を出して調理を始めるとまた一人と、休む間もないのでした。最初の親父様が「金柑大福は金柑の香りがして美味しかった」とわざわざコメントを言って帰られる。

 そのうちに隣町の常連さんがいらっして、いつものように野菜サラダとキノコつけ蕎麦。カウンターに一人でせいろ蕎麦を食べ終えた若い女性は、盆や皿をカウンターの上に下げてくれた。そこに女将がやって来る。もう終わりだろうと思ったら、この間、キノコつけ蕎麦を食べて行かれたご夫婦が、今日は天せいろの大盛りとキノコつけ蕎麦。これで生舟の中の蕎麦はすべてなくなった。お蕎麦売り切れの看板を出して、やっと片付けに入るのです。

 洗い物をしていて気づくのは、蕎麦湯の入れ物が皆さん空で、綺麗に飲み干されていること。そして、キノコ蕎麦のお客は汁まで綺麗にのんんでいること。昼過ぎから気温が上がったらしく、エアコンを入れてないのに窓を開けた店内は22℃まで上がっていたのです。売り切れが続くと、土曜日には蕎麦を二回打たなくてはならなくなるけれど、明日の金曜日はどうなることか。当分は平日に8食を打って、様子を見た方が好いと考えるのです。




11月25日 金曜日 今日も日中は暖かな小春日和で …


 5時のニュースを見ながらお茶を一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛ける亭主。夕べ漬けた糠漬けの仕上がりが気になって、少し早めに行ってみたのです。寒さはそれほどでもなく、店の中は昨日の温もりが残っているから、15℃なのでした。外は日の出がまた遅くなったのか、晴れているらしいのに6時過ぎになっても、まだ太陽は昇って来ない。冷蔵庫から糠床を出して、漬けた野菜を取り出せば、ちょうど好い漬かり具合。漬けすぎると胡瓜も縮むのです。

 洗濯物を畳んで忘れ物はないかと厨房を見回して、玄関の鍵を閉めるのです。家に戻ればもう7時。今朝はベーコンエッグに豚汁でしたが、蕎麦屋で漬けたお新香の端切れを持ち帰ったので、ご飯のおかずにしました。家で女将の漬けたお新香もあったけれど、味が薄いからと亭主は敬遠するのです。食後にお茶をもらったら、書斎に入ってひと眠り30分。今日は小鉢も盛り付けてあるからゆっくりとしてしまった。9時前に家を出れば風が少し冷たい。

 蕎麦屋に着いたら早速蕎麦打ち室に入って、今朝の蕎麦を打つ。今日は早くに蕎麦がなくなった昨日の反省から、800gの蕎麦を打ち9人分を用意した。それでも足りない時は売り切れてしまうのだけれど、一食分でも余分にあると少し余裕が出来るのです。昨日と同じく気温は上がらなくても天気の好い一日らしいから、もしかするとお客が来るかも知れない。二日続けて混むことはないとは、長年の経験から分かっているけれど、今日は世間では給料日だから … 。

 加水率43%強で蕎麦粉を捏ねて、しっとりとした生地を仕上げたら、伸して畳んで、切りべら26本で130gの束を9つ生舟に並べる。135gだとちょっと足りない時があるので用心したのです。厨房に戻って野菜サラダの具材を刻みながら、大根をおろしたり、薬味の葱を刻んだり、大釜の湯が沸けばポットに入れたりと忙しい。今日も女将はいないから、11時前には準備を終えて店の掃除をしなければいけない。室温は23℃と汗ばむほどなのでエアコンは消してある。

 開店時刻になったら、いきなり3人連れのお客様がいらっして、お茶をお出しすれば「何がお薦めですか」と聞かれたので、「天せいろが一番出ます。二番目は最近はキノコつけ蕎麦が人気です」と応える亭主。ご夫婦は天せいろの大盛りと普通盛り、お婆様はキノコつけ蕎麦を頼まれる。これでもう4束の蕎麦を使うから、心配になってきた。料理を出し終える前に次のお客がご来店で、12時前に5人のお客とは平日にしては珍しい。仕事着姿のお二人でした。

 鴨せいろとキノコつけ蕎麦のご注文で、鴨を焼いてからキノコ汁を温めて、同じ時間にテーブルに運ぶ。テーブル席が一杯になった時に、車がもう一台駐車場に入って、女性二人がいらっしゃる。まだ12時半前だというのに、蕎麦はもう残り少ないのです。取りあえずお蕎麦売り切れの看板を出して、ご注文のぶっかけ蕎麦を作ってお出ししたら、少し様子を見る亭主。駐車場は満車だから、これ以上お客は入れない。皆さんがお帰りになったら1時を過ぎた。

 亭主の食べる賄い蕎麦の分だけ蕎麦が残ったので、おろしと山葵で蕎麦を茹でて食べてしまう。二日とも売り切れというのは偶然なのだろうか。こういう日が平日に続くならば、コロナ前のように一日二回の蕎麦を打たなければいけない。その覚悟は出来ているつもりだけれど、寒くなる冬場はお客が減るのが蕎麦屋の宿命。鍋焼きうどんやけんちん蕎麦も考えてはいるものの、取りあえずはキノコつけ蕎麦で凌ぎたいところ。一人の営業だと手を広げられない。

 家に帰ってひと眠りしたら、隣町のスーパーに出掛けてキノコ汁の具材やレンコンを買い求めてくる。そのまま蕎麦屋に寄って、早速、キノコ汁を仕込んでおくのです。暖かい蕎麦の汁も鍋に一杯用意しておく。予備の一番出汁に返しを加えて、蕎麦汁も作っておくのでした。午後から雨だと言う明日がもし混めば、新しい出汁取りの準備をしなければいけない。野菜サラダが三皿全部残ったので、夜は牡蛎フライにしてもらって、女将と二人でサラダを食べる。