2022年10月初め

10月1日 土曜日 嬉しい誕生日プレゼント …

 偶然なのか昨日は、写真家の野口里佳さんから展覧会の招待状が届いた。10月7日(金)~1月22日(日)に恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館で「Small Miracles(不思議な力)」という写真展を開催すると言う。日本での開催の時はいつも招待状が届くので、女将と伊豆まで出かけたこともあるのに、彼女を誘ったら全く乗り気ではない。新型コロナも収まる頃だと思うのだけれど、どうしたものか。まだ日にちはあるから、誰か誘って出かけて見たいけれど … 。

 今日は午前4時半に目覚め、珈琲を入れて一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛けて出汁取りとお新香を糠床から出す作業をする。出汁取りは蕎麦汁まで作ってやはり小一時間はかかるから、終わった頃にはもう辺りはすっかり明るくなっていました。隣のお花畑のコスモスを見に出たら、自然に種がこぼれて生えたものだと言うから、背丈もまちまちで、見てくれはあまり綺麗ではないのです。それでも今朝の青空に映えて、季節を感じさせてくれるのでした。 

 蕎麦屋で盛り付けたお新香の残りを持って家に帰れば、朝食のおかずは豚汁とベーコンエッグでした。冷蔵庫の中はすっかり空っぽだったから、今週はなかなか好い成績。蕎麦屋の残り物ばかり食べていると女将も気が晴れないだろうから、新しいレシピでいつもと違う料理を作る方が好い。と言っても、子供たちが家にまだ居た時のような洋風の食べ物はなかなか難しい。今はやはり煮物が中心で今朝もひじきの煮物が出ていたのです。

 朝が早かったから、食後は書斎でひと眠りかと思ったら、洗面と着替えを済ませたら、もう蕎麦屋に出掛ける体勢なのです。5分間だけ横になったら、意識が遠のいて眠ってしまいそうになった。朝ドラの終わる時間だから、これから寝てしまうと大変なことになると、居間でお茶をもらう。今日は蕎麦を500g五人分しか打たないつもりだから、あまり早く出掛けると向こうで暇をもてあますことになるのです。洗濯物を干す女将に「行って来ま~す」と門を出る。

 駐車場の金木犀はますます色濃くなって、開け放った窓から店の中にまで香りを漂わせている。今日も室温23℃と、エアコンの壊れているのを忘れさせてくれるから嬉しい。蕎麦打ち室に入って蕎麦を打とうとしたら、ポ~ンとFacebookのメツセージが届く。こんな朝早くから誰かと思ったら、50代も後半になるはずの昔の教え子が誕生日のお祝いをくれた。「お元気でいてください」と亭主を年寄り扱いする。折しもアントニオ猪木が亡くなったと言うから … 。

 もう、そんな歳になったのかと、まだ時間に余裕があったので、「ありがとう」とコメントを返した。今朝も加水率は昨日と同じく42%で蕎麦粉を捏ね始めたけれど、どうも少し柔らかめなのです。昨日の反省から、今日は丸出し、四つ出しで力を抜いて、50cm幅になるように生地を伸して畳んでいく。どうしても少し幅か広がるので、切りべらを28本にして135gにしたら、少し細い仕上がりになった。昨日の残りの蕎麦と合わせて、今日は14食用意しました。

 いつもサラダが残るから、野菜サラダは三皿だけにしようと具材を刻んでいたら、またポ~ンポ~ンポ~ンと続けざまにメツセージが届く。みんな同年代の教え子たちなのでした。包丁を持っているから今は返答も出来ずにイイネで勘弁してもらった。世間は週末の休日なのです。蕎麦屋はお客の来るのを期待する週末です。暖簾を出せば、すぐに駐車場に車がつづけて入ってきたから嬉しい。一番手はカレーうどんの小父さんご夫婦。これが手間がかかるのです。

 最初の二組をこなしたかと思ったら、休む間もなく次のお客がいらっしてカウンターに座る。1時間ちょっとで10人を越えたから、厨房は嬉し楽しの大忙しで、女将もてんてこ舞いなのでした。メールが入ったのもチャリーンという音だけは聞こえたけれど、とても見ている暇はない。たぶん毎年お祝いのメールをくれる友人だろうとは思うけれど、時間のある時にゆっくりと味わいたい。1時を過ぎても客足は止まらなかった。1時過ぎには「お蕎麦売りきれ」

 洗い物もしていなかったから、後の片付けに時間がかかる。一段落して2時になったところで、暖簾と幟をしまってチェーンポールを揚げたら、亭主はぶっかけで賄い蕎麦を食べておく。久し振りの10人越えで、これも誕生日のプレゼントか。3時前には女将と二人で家に戻り、林檎を剥いてもらったら、蕎麦屋で足りなくなった食材と、夜のおかずを買いに隣町のスーパーに車を走らせるのです。疲れているだろうに、夜が寝れないと困るからと、女将は2kmの距離を歩いて買い物に出掛けるのでした。亭主は昼寝もなし。


10月2日 日曜日 二日続けては混まなかった週末 …


 蕎麦の売り切れた日の翌日は、小鉢も蕎麦汁もなくなっているから、今朝は5時半過ぎに家を出て、朝飯前のひと仕事。夕べは早く休んだけれど、4時半までまったく目が覚めずにぐっすりと眠れたのです。今日も朝から秋晴れの好い天気で、蕎麦屋で車を降りればもう金木犀の香り。まずは空になった蕎麦徳利に、作ってある蕎麦汁を詰めていきます。週に二回蕎麦汁を作ったから、今週は結構お客が来た方なのか。それは今日のお客の入り如何なのです。

 小鉢は夏野菜の揚げ浸しと冬瓜の煮物。これにお新香が加わるから、10数人分はいつも用意していることになります。お新香は昨日でなくなったけれど、夕べは疲れてもうぬか漬けを漬けに来る元気がなかったので、キュウリとナスとカブにニンジンを加えて、今朝は浅漬けを漬けておくのでした。天麩羅の出る時には、さっぱりと小鉢にお新香を付けることが多い。最近はぬか漬けを食べない人もいるから、特に若い人には食べられるかと聞くこともあるのです。

 家に戻って朝飯には亭主の希望でカレーライスにしてもらった。昨日はカレーうどんが出たので、例によって大盛り分を解凍するから、残ったカレーを持って帰って来ていたのです。これに豚汁がつくので朝から結構なボリュウム。混んだ日には昼を食べる暇がないから腹持ちが好いだろうと考えた。食べ終えたら満腹になって、書斎に入ってひと眠り30分です。今日は蕎麦も二回打たなければならないからと、緊張していたから8時には目が覚めて出掛ける準備。

 秋晴れの朝は風も涼しくて気持ちが好い。蕎麦屋の駐車場と前のバス停の向こうにはコスモスの咲く畑が続いている。バス停は101系統という路線で、ユーカリの駅の南口から、9時50分12時15分、16時5分と日に三本だけ出て、蕎麦屋のある小竹入り口までは、団地の中をぐるぐる回るから10時14分、12時39分、16時29分に着く。循環型だから小竹入り口から駅までは25分で着く。電信柱の3本向こうには1時間に1本の市のバス停があるのです。駅からは早い。

 朝の仕事を終えたら、今朝はひと休みする間もなく蕎麦打ち室に入って、二回の蕎麦を打ち上げる。どうも加水率42%では少し柔らかくなるので、次は41%に下げてみようか。柔らかい生地は、気を抜くとぐにゃっと太く切れてしまうから、要注意なのです。15食の蕎麦の束を生舟に並べて、今日のお客を待つのでした。開店の時刻までには、まだもうひと仕事。野菜サラダの具材を刻んで盛り付ける作業が残っている。休日でも三皿だけの用意で臨むつもり。

 ヘルシーランチセットの注文が多くて、「ご免なさい」と断る日もあるけれど、蕎麦豆腐も日に四つしか用意しないから、多くても四皿しか出せないのです。野菜サラダは作ったその日しかお客に出さないから、残ればすべて家で食べなければならない。食品ロスの分までは値段に含めていないので、これが難しいところなのです。昨日は最後のお客が四皿目の注文だったので、サラダのない分を値引きしてヘルシーランチセットを出したのでした。

 「混む日は続かない」と経験上知ってはいるものの、こんな秋晴れの蕎麦日和の日に、そのまさかが起きるとは思ってもみなかったのです。いつもの時間にいつものジョギングの人たちが通り、散歩の人たちが店の前を行き過ぎるけれど、お客は少なかった。女将と二人で暇をもてあまし、用意した食材も、明日出なければまた家に持ち帰るのです。それでも今週は来客数がやっと20人を越えたと、コロナ禍後の復調を見守るのでした。陽射しの強かった午後 … 。


10月3日 月曜日 お客は少なかったけれど … 


 今朝は珍しく遅い時間に目が覚めて、居間のテレビで6時のニュースを見るのでした。お客少なかった昨日打った蕎麦が沢山残っていたから、今日は蕎麦打ちをしないつもりなのです。その分、朝はゆっくりと出来るから「ニコラ・テスラ」という発明家の半生を描いた映画をしみじみと観てしまうのでした。テスラモーターズがこの発明家の名にちなんで社名としたと言うのも頷ける。いつもの時間に女将が朝食を用意してくれたけれど、食べてまた映画を観る。

 9時前にやっと家を出て、蕎麦屋に向かえば、今日も涼しい秋の風が吹く。隣のコスモス畑がやけに元気そうだったので、店に入る前に写真を撮りに行く。朝の仕事を終えて、いつもなら蕎麦を打つのですが、今日は蕎麦打ちはないから、空いた時間で奥の座敷を掃除機で掃除した。洗濯物を畳んで、洗濯機の中の洗濯物を干して、段ボールを潰して片付けるのでした。それでもまだ9時半だから、蕎麦打ちというのは、随分と時間と労力がかかるものだと感じた。

 一応、心配だから昨日打った蕎麦の様子を見ておく。綺麗にひと束ずつキッチンペーパーで包んで、更に布巾を被せて冷蔵庫の生舟に入れてあるから大丈夫。10食分の蕎麦があったから、今日はこれで十分なのです。先月は連休が続いたせいか、月曜日にお客が来なかった日が二日もあったけれど、まさか10月になってもゼロが続くとは思えなかったのです。厨房に戻って、いつもの通り野菜サラダの具材を刻み、三皿だけ盛り付けてカウンターに並べる。

 大根をおろして、天麩羅の具材を調理台に並べ、天麩羅油と天つゆを火口に載せて、天ぷら粉を用意したら、もう大釜の湯は沸いている。11時前にひと休みして、店の掃除を始める。開店時刻の10分前には暖簾を出して、営業中の看板をぶら下げる。この時間帯が一番緊張するのです。何を頼まれたらこうしようと頭の中でシュミレーションを繰り返し、材料のある場所を確認しておくのです。最初のお客が来るまでは、ハラハラドキドキの時間なのです。

 昼を過ぎた頃に若い作業員風の男性が二人車で乗り付け、天せいろの大盛りを二つ頼まれる。お茶を出したら「お水もください」と500cc入るグラスに氷を入れて出せば、4杯もお替わりするから、「随分汗をかいたのですね」と言えば、「現場が近いんで、美味しい蕎麦を食べようと思って来たんです」と応える。若くて元気が好いから二人の声も大きい。手際よく天麩羅を揚げて蕎麦を茹でて出せば、さすがに大盛りはすぐには食べ終わらないのでした。

 二人の食べた盆や蕎麦皿を下げて、テーブルをアルコールで吹いたら、洗い物の開始です。次のお客が来る前に洗い終えられれば、一番好いのだけれどと思いながら、次々と皿や小鉢を洗っていく。週末とは違うから、そうお客は続かないのです。戸棚に片付けられる食器はしまって、蕎麦皿や盆などの漆器はカウンターに干しておきます。1時近くになっても次のお客は来ないから、かき揚げと余分にある天麩羅の具材を揚げて、賄い蕎麦をぶっかけで食べる。

 1時をだいぶ過ぎた頃に、駐車場に車が入って、女性が一人でご来店。亭主は「テーブル席でも好いですよ」と言ったけれど、カウンターに座って、ヘルシーランチセットの天せいろをご注文なのでした。野菜サラダと蕎麦豆腐を席に運んだら、亭主は厨房で盆や蕎麦皿、小鉢に蕎麦汁や薬味をセットしてから、天麩羅を揚げるのですが、カウンターの向こうからいろいろ話しかけてくるから大変。か細い声なので、耳を澄まさなければいけないから、調理が滞る。

 それでも何とか天せいろをお出ししたけれど、彼女の話はまだまだ続くのです。四十代なのかと思ったら、大きなお子さんが何人もいて、親御さんの介護で大変なのだとか。二人の親を最期まで家で面倒を見た、家の女将の苦労と重なって、相手をしているうちに、閉店の時間を過ぎてしまった。それでも最後のデザートを食べて「お腹いっぱいです」と言って帰られたから好かった。残った天麩羅の具材を揚げて、家に戻ったのは3時過ぎなのでした。


10月4日 火曜日 ゆっくりと眠った朝 …


 今朝は7時過ぎに女将に起こされるまで目が覚めなかったから、よほどぐっすりと眠っていたのです。朝食を食べて蕎麦屋に出掛けると、9時前の太陽がもうギラギラと輝いているのでした。雲は多かったけれど青空が広がって、昨日よりは少し暑いという体感温度なのです。1年365日、まったく休み無しで蕎麦屋に通っているから、定休日くらいはゆっくりと朝寝でも好いと、自分にご褒美。蕎麦屋に寄って足りないものはないかと再度チェックしておく。

 お袋様に電話をすれば、相変わらず元気な声で「お早うございます」と言うものだから「蕎麦屋に来てるけれど、もう行ける?」と迎えに行くのでした。農産物直売所には橋を渡って何百メートルかで着いたら、今朝は随分と車が沢山並んでいた。田植えも終わって晴れた日が続いたからか、今日は野菜が随分と沢山あって、新鮮な形の好いキャベツやキュウリやナスのほかにミョウガ、インゲン、冬瓜を買ったら、知り合いの農家の親父様がオクラを持って来た。

 隣町のスーパーに足を伸ばして、足りない野菜や家の魚や肉を買い込み、蕎麦屋に戻って品物を確認するのです。大根が随分と安くなっていた。いつもなら、これらの野菜を冷蔵庫に収納したところでもう家に戻ってひと休みなのですが、ゆっくりと眠れた今日は、冬瓜の皮を剥いて下茹でをしたら、天つゆを仕込んで冷やすところまで仕事がはかどる。鶏の胸肉の粗挽きも忘れずに買って来たし、午後は冬瓜の煮物から始めようと考えるのでした。

 11時過ぎに家に戻れば、女将が昼の支度をしてくれて、蕎麦を茹でる湯も沸かしておいてくれたのです。昨日揚げて帰った天麩羅の具材をグリルで焼いて、亭主が持ち帰った小鉢とお新香を添えて、立派な天せいろの出来上がり。昨日、蕎麦打ちの調節をしたので、明日は蕎麦以外の昼を食べられそうなのでした。嫌いではないのだけれど、営業のある日も昼に蕎麦を食べている亭主だから、たまには違うものも食べてみたいというのが本音です。

 蕎麦湯まで美味しく飲み干して満腹になったら、いつもの習慣で書斎に入ってひと眠り。今日は女将のスポーツクラブの席取り予約があるから、どうせ2時過ぎまでは午後の仕込みに出掛けられないのです。彼女のスマホを片手に無事に一番好い席を予約したら、先日、亭主が買って帰った「秋月」という新しい品種の梨を剥いてくれたのですが、これが幸水と豊水を掛け合わせたような甘くて瑞々しい美味しさなのでした。2時半過ぎにやっと蕎麦屋に行く。

 駐車場に車を止めたら、今日は昼間なのに雀が集まっていて、電線に止まった二羽は、車の窓を開けても逃げないでおしゃべりをしている。スマホのカメラでは望遠が上手く効かないけれど、シルエットだけで記録しておきました。明日はもう雨になると言うから、秋晴れの最後の日なのです。雨が降ったその後は、また一段と涼しくなるのでしょうね。金木犀の黄色い花も散り始めてきたから、季節は目まぐるしく変わっていくのです。

 厨房に入っての冬瓜の煮物作りは、まずは出し汁を沸かして鶏の胸肉の粗挽きを入れ、今日唐辛子を輪切りして加えたら、午前中に下茹でした冬瓜を入れて、砂糖と塩と出汁醤油少々で味つけをするのです。これを冷ましている間に切り干し大根の煮物を作り、小鉢の二品が完成。奥の座敷に干してあった洗濯物を畳んで、洗濯機の中の洗濯物を干しておく。家に帰れば、夕食には今日買って帰った活きの好いサンマが焼かれていました。脂が乗って美味しかった。



10月5日 水曜日 暗い空、午後のような午前 …


 今朝もゆっくりと目覚めた。涼しいからよく眠れるのだろうか。今日は朝のうちにムクゲの枝を剪定してやろうと思っていたら、ゴミ出しから帰って来た女将が「雨が降っているわよ」と言う。夏の終わりに枝を随分払ったはずなのに、秋に入ってからもまだ伸びるらしく、道路側に大きくせり出しているのです。奥にある黄色い花を付けたカッシアは、枝が伸びすぎると道路に花びらが散って掃除が大変だからと、夏に短く切り詰めておいたのです。

 庭の団扇サボテンも、ついこの間短く切り詰めたはずなのに、また棘のある葉をどんどん伸ばしている。花の時期も終わったから、再び剪定をしなければならない。この種の植物の生命力は恐ろしい程なのです。蕎麦屋のカッシアや二本あったオリーブの木は、切り詰めすぎて枯れてしまったけれど、サボテンは不死身なのかも知れない。外にあっても寒い冬を十分に越して育つのです。この葉を天麩羅にすると美味しいという話を聞くけれど、本当なのだろうか。

 昨日買って帰った新サンマは四尾でひとパックだったから、今朝も当然サンマの塩焼き。大根がなかったから、ミョウガを刻んで添えてくれた。一人分だけ残っていた野菜サラダは、ウインナソーセージと炒めて出されていたけれど、塩と胡椒でなかなかの味なのでした。後は蕎麦屋の小鉢の最後の残り。それにしても美味しいサンマなので、頭と中骨だけを残して綺麗に食べてしまう。入れてもらったお茶を飲みながら、今日の仕込みの段取りを考えるのです。

 今日は遅い午後から整形外科へ行って、薬をもらって来なくてはならない。店のエアコンの修理も頼まなくてはならないし、夜は再開された防犯パトロールに出なくてはなどと、やることが多かったから、午前中に出来るとこまでやっておきたかった。蕎麦屋に着いてまずは洗いかごに伏せたままの昨日の洗い物を片付け、返しを作る準備。味醂が足りるかと心配したけれど、何とか間に合った。ワインビネガーはそろそろ注文しておかなくてはならない。

 外はどんよりと曇って、まるで夕方のような暗さなのでした。5リットルの鍋が沸騰する前に火を止め、そのまま隣のコンロに移して自然に冷めるのを待つ。空いた火口で蕎麦豆腐を仕込み、明日のデザートの水羊羹を作って豊缶に流し込む。こちらも自然に冷めるまで動かせない。その間に蓮根の皮を剥き、酢水に浸けたらそのまま火にかける。次ぎに南瓜の種を取り、端を揃えて切ったら、端切れは煮物用に冷凍する。四つに切り分けた南瓜はラップでくるむ。

 最後に天麩羅の具材を切り分けて、容器に入れていく。生椎茸は6つ、ピーマンも半分に切って6個、茄子だけは中が黒くなるのが早いから4つだけにしてラップをかけて冷蔵庫に入れる。火にかけておいたレンコンは笊に取り、水で洗ってペーパータオルを敷いたタッパに入れておく。最後に玉葱を刻んで水で洗ったら、こちらもペーパータオルを敷いた容器に入れ、ざく切りにした三ツ葉を詰めてラップをかける。これで今日の仕込みはお終いなのです。

 時計は11時前なのでした。朝がゆっくりと眠れたからか、とても順調に仕込みが終わった。業者に電話をして海老と胡麻油の注文をしておく。ぬか漬けは、明日の夕方に業者が荷物を持ってくる時に漬ければ好い。昼前に家に戻って昼食の支度をするのが、定休日の亭主の仕事。酒屋とコンビニに寄って酒と煙草を買い、先週の残り物を使ってカレー炒飯を炒める。女将がスポーツクラブに出かけている間にひと眠りして、蕎麦屋のエアコンの修理を依頼する。

 2時半を過ぎたところで、駅前のマンション群にある整形外科に出掛ける亭主。今日は薬をもらうだけだったけれど、さっき電話したエアコンの修理担当から電話が入った。7日の金曜日の14時から19時の間に伺いますと言うからOKしたけれど、その日は車の車検見積もりの予約もしてあった。何とかなるだろうと処方箋をもらって、近くの薬局に並ぶのでした。夜のパトロールの前に女将が夕食を用意してくれたのに、6時前には雨が降りだして今日は中止。