2025年5月中旬



5月10日 土曜日 午前中は雨でお客は来なかった…

 朝の5時半に蕎麦屋に着いて、駐車場のモミジの葉が生い茂ってきたのに驚いたのです。剪定は秋と思っていたけれど、それまで放っておいて大丈夫だろうか。ヤマボウシも若い葉が伸びて鬱蒼としてきた。それらの色合いがとても美しかったので写真に撮っておきました。蕎麦屋に入って、蕎麦打ち室で今朝の蕎麦を打ち始める。昨日の蕎麦が残っていたから、今日は500gだけ打つことにした。加水率43%で捏ね始めたらちょうど好い硬さの生地に仕上がった。

 厨房に入って空の蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めていたら、蕎麦汁が足りなくなったので、予備の一番出汁にかえしを加え、新しい蕎麦汁を作っておく。カウンターに干してある昨日の洗い物を片付けて、再び蕎麦打ち室に入り、生地を伸して畳んで包丁切りをすれば、切りべら20本で135gの蕎麦が5束取る事が出来ました。まだ7時までには間があったけれど、今朝は亭主がおかずを作らなければならなかったので、早めに帰って中華鍋を振るのでした。

 食後は例によって書斎に入り、スマホのアラームをセットして1時間ほど眠るのです。9時に目覚めて、動き出すまでに10分。これが若い頃とは違ってすぐに動けないのです。外は雨だったから、週末だけれどお客も少ないと思って、また車で出掛けて行くのです。蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら酢水で茹で、大根をおろしているところで女将がやって来る。洗濯物を畳んで店の掃除をしてくれるから助かるのです。野菜サラダの具材を刻んで三皿盛り付ける。

 今日は雨のせいもあってか、午前中は土曜日なのにお客は来なかった。母の日だから蕎麦を食べに行こうという人も、寿司でも食べに行くのではないかと、女将と二人で話をしていた。向かいのサツマイモ農園では、サツマイモの苗切りの季節らしく、手伝いの若者たちが、苗床のあるハウスの中に入っていく姿が見られた。収穫の秋についで一番忙しい時期なのだとか。1時前になって雨も上がって、やっと常連さんがやって来てくれた。カレー蕎麦とビール。



5月11日 日曜日 晴れて気温が上がったらお客が増えて…

 今朝も5時起き。コーヒーを淹れて5時半には家を出て蕎麦屋に向かう。気温が高いのか暖かく、素足に雪駄をつっかけて車に乗り込んだのです。300mの距離だから歩いてもわけないのですが、このところ腰が痛くて歩くのにも不自由している。ぎっくり腰と同じだから、時間が解決すると思ってあまり深刻に考えてはいない。厨房に立って調理をしている分には、支障がないので、これも加齢による悩みだろうと諦めているのです。今朝は蕎麦を打たなかった。

 天つゆがなくなっていたので、二番出汁を1㍑鍋に入れ、180ccの返しを加えて火にかける。その間に蕎麦打ち室に行って、念のために生舟の中の蕎麦を確認しておくのです。昨日の蕎麦の残りが11食と120g残っていた。これで今朝蕎麦を打ったら16食になるから、さすがに多すぎる。蕎麦粉が残り少ないので、いつ注文しようかと思っていたのですが、無駄に打っても勿体ない。最近は以前と違って週末も10人を越えることが珍しいからなのです。

 家に帰って、今朝も前日の残りの野菜サラダをあんかけにして、亭主は中華丼にして朝食を食べる。朝食前からやっていた『カーリー・スー』という映画を最後まで観て、安らかな気持ちで書斎に入り、9時前までひと眠り。夕べも蕎麦屋のセキュリティー機器が作動して、警備会社から連絡を受けて夜中に蕎麦まで歩いていったから、寝不足なのでした。センサーの過剰反応で小さな虫の動きにも反応してしまうらしい。今朝は髭を剃ってから蕎麦屋に出掛けた。

 昼は好く晴れて隣のお花畑の花も綺麗に開いていました。気温が上がったらお客は増えるもので、昨日とは違って随分と混んだのです。子供を連れた6人連れのリピーターさんまでいらっして、店の中は賑やかなのでした。1時前にお蕎麦売り切れの看板を出して、後からいらっしたお客様には申し訳なかったけれど、お断りするしかなかったのです。盆や蕎麦皿を洗う暇もなかったので、黙々と洗い物をする亭主とその脇で皿を拭いて片付ける女将…。



5月12日 月曜日 昼寝に3時間を費やす日々…


 先週は2回も夜中に警備会社からの電話で起こされて、蕎麦屋まで出掛けたので、どうも睡眠のリズムが狂ってしまったらしい。酒を飲んで眠りに就いた夜だから、近いとは言え車で行くわけにも行かずに歩いて行った。すると目が冴えて帰って来てもすぐには眠れないのです。食堂に飾ったカサブランカの香りが居間の部屋まで漂って、気持ちは癒やされるのですが、すぐには眠れずに困ったものなのです。結局、明け方に3時間ほど眠るだけなのでした。

 今日は定休日だったけれど、やはり、7時過ぎに女将に起こされて、「3時間も昼寝をするから、リズムが狂ってしまうのよ」と手厳しく意見される。今朝は食後のひと眠りをせずに、蕎麦屋に出掛けて昨日の後片づけをする。お袋様が病院に行く日だから、定刻に電話をして迎えに行くのです。電気を当てるだだから30分ほどで終わって、まずは農産物直売所に出掛けて、新鮮な朝採りの春キャベツやスナップエンドウを買い、隣町のスーパーに行くのでした。

 時間が遅かったから、蕎麦屋に戻って野菜類を冷蔵庫に収納したら、昼食の用意に家に帰るのでした。今日の昼食は久し振りに、スパゲッティーベロネーズ。上に買って帰ったトンカツを載せて、腹一杯になるのです。ひと休みして女将がスポーツクラブに出掛けた後は、書斎に入って昼寝をする。今日もまた3時間近く眠って、目が覚めればもう女将が帰ってきていました。亭主は蕎麦屋に出掛けて、洗濯物を干し、大根のなた漬けと明日の朝の出汁取りの準備。

 少し遅れて咲き始めた隣の家との境にある芍薬が見事でした。折角、花が開いたのに、昨夜の雨で花が重くなって垂れ下がっているのが残念。これも花が終わったら蕎麦屋に移植しなければ。今日は夕飯前からテレビで大相撲を観ることが出来ました。昨日は午後の昼寝でぐっすり眠ってしまって、6時過ぎに目が覚めたのです。夕食はスナップエンドウを茹でて、亭主は鴨肉と葱の塩焼きで一杯飲む。女将は昨日食べたから蕎麦豆腐と納豆で夕食でした。



5月13日 火曜日 今日は仕入れがなかったので…

 昨日のうちに仕入れを済ませてしまったから、今朝は5時半に起きて蕎麦屋に行き、夕べ準備しておいた出汁を取る。文字通り朝飯前のひと仕事で約1時間、一番出汁を取ったら、二番出汁を取り、一番出汁に返しを加えて蕎麦汁を作っておきました。残りは1㍑弱だから瓶に詰めて予備として冷蔵庫に入れておきます。今日は晴れるという予報だったけれど、外はまだ曇り空で、向かいの畑ではハクビシンよけなのか橙色のフェンスを作っていました。

 家に戻れば、昨日のトンカツの残りで女将がカツ煮を作ってくれて、美味しく朝食を頂くのでした。カサブランカの三輪目の花が咲き始めている。暖かいとすぐに開いてしまうから、食堂は少し涼しい方が好い。夕べは6時間ほど続けて眠れたので、今朝は食後のひと眠りはしなかった。着替えを済ませて、9時過ぎに再び蕎麦屋に出掛けるのでした。駐車場に面した東側の庭の躑躅や紅葉を剪定して、草取りをするのが午前中の仕事の目標なのでした。

 軍手をはめて90㍑のビニール袋を出し、玄関脇の花壇の周りを綺麗にしようと思ったのです。ところが、駐車場から飛んできた種から芽を出したモミジが、大きくなって葉を広げていたのでこれを切り、駐車場側に向かって伸びていたツツジも枝か伸びすぎていたので、これを切って地面の草を取っただけで、もう袋は一杯なのでした。所要時間は約40分。もう一袋は無理なので、今日はこれで終わりにしました。僅か一坪ほどの掃除で疲れてしまいました。

 青空が広がって気持ちの好い陽気になったので、隣のお花畑に出てみれば、暖かいから様々な花がよく開いて綺麗なのでした。家に帰って昼食の用意をしなくてはならないから、午前中はなた漬けの大根を切って、塩で漬けておくだけしか仕込みは出来なかった。剪定と草取りがいつもと違う動きだったせいか、身体のあちこちが痛かった。昼は冷凍うどんを茹でて、キャベツやニンジン、ピーマンを炒め、塩味で焼きうどんを作って食べるのでした。

 ひと眠りして午後は、庭の片隅に追いやられたクチナシの木を掘り起こして、南天の背の低い脇芽と共に蕎麦屋に持っていく。午前中に草取りをした狭い花壇に植えて水を遣っておくのでした。根が付くといいけれど、これが我が家の庭の移植の第一号なのです.厨房に入って、蓮根や南瓜の天麩羅の具材を準備して、4時過ぎには家に帰るのでした。今日の午前中の草取りも、次に移植をするという作業があるのが楽しみで、あまり苦ではなかった気がする。



5月14日 水曜日 薄陽は差しても一日中曇り空でした…

 今朝は4時に目が覚めたけれど、早すぎるからともうひと眠り。次に目覚めたらもう6時を過ぎていました。このまま朝食を待とうかと思ったのですが、蕎麦屋に出掛けてひと仕事。空の蕎麦徳利に蕎麦汁を入れて、ほうじ茶を沸かして冷蔵庫に入れて家に帰った。炊きたてのご飯にナス焼きが出たので、ついお替わりをしてしまうのでした。下宿暮らしの学生の頃は、これだけをおかずにして飯を食べていたことがあるのでした。今日も食後のひと眠りはなし。

 庭の芍薬が雨で萎れていたのに、今朝は元気に立ち直っていたから嬉しい。蕎麦屋に出掛けて天麩羅の具材を切り分けたら、朝のうちに漬け込んでおいたキャベツの浅漬けを漬け直しておきます。人参と胡瓜と昆布を加えて美味しく仕上がるようにと塩を振る。11時前に家に戻って、ドジャース戦をテレビで観る。昼食の用意をしながら食堂のテレビで観ていたけれど、ずっと見ているわけにもいかないので、食事を終えたらひと眠りしに書斎に入る。

 女将がスポーツクラブに出掛けた間にずっと眠って、1時半には目が覚めたから、居間の部屋でひと休みなのです。午後の仕込みは蕎麦打ちだけだから、あまり早く出掛けてもしようがない。テレビも面白い番組がなかったけれど、時間つぶしに見たことのある映画をまた観てしまう。女将が帰ってきたのを機に蕎麦屋に出掛けて、小鉢の盛り付けをして、蕎麦打ち室に入り8人分だけ蕎麦を打っておくのでした。明日の朝に残りの5人分を打てば十分なのです。

 午前中に蕎麦粉の発注はしておいたから、金曜日には届く予定です。日曜日には、食品衛生協会の会費を支払わなければならないから、先週の売り上げはそれでなくなる。蕎麦粉の費用の支払いは、明日と明後日の売り上げで賄えるかどうか。土日の売り上げは来週の仕入れの代金になるのです。このところ、いつもギリギリのところで営業しているけれど、これが浪費癖の亭主には好い教訓なのです。酒と煙草を買う金が出るだけまだいいのかも知れない。

 だから、翌日の天気予報は必ず見るのです。蕎麦を多く打ち過ぎても値段の高い蕎麦粉が勿体ない。足らなければ足らないでお客に申し訳ないから、ここが難しいところなのです。明日も明後日も曇り空らしいけれど、気温は高くなるのでお客が見込めるだろうと考えている。出来れば女将のいる木曜日に沢山お客が来て欲しい。金曜日は亭主一人なので、大勢来られても大変なのです。そんな取り留めのないことを考えながら、今夜も酒を飲んでいるのです。


5月15日 木曜日 今日も陽は差したけれど曇り空の一日…

 三日間のお休みで少しずつリズムを取り戻して、今朝は5時のアラームが鳴る前に目が覚めました。それでも歳を取ると起き上がるまでに時間がかかるから、台所でコーヒーを沸かして飲み終えたらもう5時半なのでした。蕎麦打ちは500gだけだから、時間があるので歩いて蕎麦屋まで行く。みずき通りも青葉の季節になって、青空の広がる下でハナミズキノ木々が葉を広げているのでした。蕎麦屋に着いても駐車場の木々が枝を広げているのです。

 蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量し、捏ねて蕎麦玉にしたら、厨房に戻ってほうじ茶を沸かし、洗濯物を畳んで、昨日のブログを読み返す。再び蕎麦打ち室に入り、少し柔らかめの生地を伸して、畳んで、包丁切りをすれば、予定通り5食半の蕎麦の束が取れた。昨日の夕方に打った分と合わせて、13食分の蕎麦を用意して今日の営業を始めるつもりなのです。蕎麦粉の残りはあと少しだから、蕎麦粉の届くまで、明朝5食だけ打てれば一番いいのです。

 家に戻れば、女将が朝食の用意をしてくれていた。今朝は鰺の開きがおかずらしい。食堂の隅に飾られたカサブランカがまた一つ蕾が開いて、香りがそこいら中に漂っていたから、朝から賑やかな雰囲気なのでした。若い頃に癌だと言われて肺の大手術をして、入院していたときに、見舞いに来た教え子が持って来てくれたのがこの花なのです。朝目が覚めてこの香りを嗅ぐと「ああ今日も生きている」と思ったもので、以来、命の香りに思えるから不思議です。

 夕べはよく眠れたから、今朝も食後のひと眠りはせずに、着替えを済ませて再び歩いて蕎麦屋に出掛けました。幟と看板を出して、チェーンポールを降ろしたら、厨房に入って、大根と生姜を擦っておきます。次にブロッコリーとスナップエンドウを茹でて笊に上げたら、野菜サラダの具材を刻んで、三皿に盛り付けていく。そして苺大福を包み始めるのです。今日はこの野菜サラダと苺大福が、全部売り切れたので嬉しかった。常連さんばかりで有り難かった。