5月1日 木曜日 暖かくなったけれどお客は少ない…

定休日の間、ずっと5時に起きていたので、今朝もアラームに起こされて5時に目覚める。規則正しい生活というのは大切なものなのです。コーヒーを淹れてひと休みしたら、車を出して蕎麦屋に出掛ける。昨日600gだけ蕎麦を打っておいたので、今朝はあと600gだけ打てば十分なのでした。蕎麦打ち室は朝から20℃もあったので、加水率は43%で蕎麦粉を捏ね始める。外ではキーンキーンと雉が鳴いていたから、静かに近づいてみたら畑の端に雄の雉がいました。

蕎麦玉を伸して畳んで、切りべら20本で135gの蕎麦を6束半打ち、生舟に昨日の蕎麦と一緒に入れておきました。合わせて13束だから、今日だけではなくなるはずはない。そうすれば明日もまた少しだけ打てば済むと、都合の好いことを考えるのでした。7時を回ったので家に帰り、女将の用意してくれた朝食を食べる。火曜日に亭主の買って来た鮭は、厚切りだったので食べ応えがあった。タケノコも恐らくこれが最後の若竹煮らしかった。

食後は書斎に入ってひと眠りをする。9時前に起き出して、蕎麦屋に出掛ける支度をするのでした。晴れてはいたけれども雲が多くて、昨日のような抜けるような青空とはいかなかった。隣のお花畑には赤や黄色の花々が咲き乱れて、空の青さと白い雲とでとても綺麗でした。看板と幟を出してチェーンポールを降ろす。厨房に入る前に昨日の洗濯物を干して、乾いた洗濯物は畳んでおく。今日は女将が来るのが開店前なので、亭主の仕事が多いのです。

野菜サラダを盛り付けて、苺大福を包んでいたら、若い女性が二人玄関の前で開店を待っている様子。まだ開店の10分前だったけれど、手を止めて中に入って待っていただくのでした。女将がやって来て、慌ててお茶を出す。天せいろとヘルシーランチセットのご注文で、すぐに天麩羅を揚げて蕎麦を茹でる亭主。女将が料理を運べば、何やら話している。厨房に戻って卒業生だと言うので、聞けば「○○さんと同じ学年です」と水泳部の女子主将の名をあげる。

随分と昔の卒業生で、中学では弟のクラスだったとか。ゆっくりと話をしながら昼食を取って帰って行ったのです。その間に、若い男性が車でいらっして、とろろ蕎麦の大盛りと白エビの掻き揚げをご注文。閉店間際にも、車でいらっした都内のタクシーの運転手さんが、天せいろを頼まれる。今日はそれだけのお客で、連休の谷間は去年もこんなものなのでした。亭主は女将のスポーツクラブの予約を済ませたら、今日降ろしたばかりの油で、かき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べるのでした。7食の蕎麦を残して明日に臨むのです。
5月2日 金曜日 朝からの雨でも常連客に助けられて…

夕べは1時近くまで映画を観てしまったから、今朝は起きるのが辛かった。午後遅くの昼寝がリズムを狂わせているようなのです。それでも5時のアラームで目覚めて、コーヒーを淹れて1時間ほど目覚ましをしたら、雨の中を蕎麦屋に向かうのでした。気温はそれほど低くなくて、蕎麦打ち室も18℃あったから、加水率43%で蕎麦粉を捏ねる。蕎麦玉を寝かせてい間に、昨日取り外したエアコンの内部を元に戻して、今日の蕎麦を打つのでした。

家に帰れば最後の筍ご飯が出て、銀ダラの煮付けをおかずに美味しく朝食を食べる。居間でお茶をもらったら、書斎に入って横になれば、9時近くまで眠ってしまったのでした。やはり昨夜の夜更かしが影響しているのかも知れません。それでも、今日は野菜サラダを作る事だけしか仕込みがないから、随分と楽なのです。雨がかなり降っていたから、車で蕎麦屋に出掛けて駐車場に入る。幟を立てるのも心配されたけれど、風はあまりなかったから好かった。

大根をおろしたら、アスパラとブロッコリーを茹でたら、野菜サラダの具材を一つ一つ刻んでいく。パフリカを切って人参を千切りにする前にひと休みします。勢いで続けてしまうと、人参が細く切れないことがあるのです。包丁の切れ味が悪くなったのもあるけれど、目も悪くなったらしく、薄く切るのが大変になってきた。やはり、昔よりも腕が落ちたのかと思うと情けない。それでも今日は三皿の野菜サラダがすべてなくなったので嬉しかったのです。

この雨ではお客は来ないだろうと思っていたけれど、テーブルに座って珍しく新聞を読んでいたら、常連の宅配便のお兄さんがやって来てくれた。雨が降りしきる時には荷物が濡れるので、少し休んでいる打ちに小振りにならないかと言うのでした。野菜サラダと蕎麦豆腐を出して、少し寒いからと温かい汁のキノコ汁を注文する。食べ終える頃に苺大福ももらうと言ってカウンターに手を伸ばす。1時を過ぎた頃に駅前のマンションに住む常連のご夫婦がご来店。

やはり外は寒いからか、カレーうどんを二つ頼まれる。野菜サラダを先にお出しして、食べてもらっている間に、カレーを温めて汁を用意する。冷凍のうどんを茹でたら出来上がり。それきりお客は来なかったので、亭主は賄い蕎麦を茹でて遅い昼食を取るのです。家に帰って女将に話せば、「こんな雨の日にお客が来たの?」と驚いていた。夜は昨日の残った野菜サラダに海鮮ミックスを入れて、あんかけ煮しておかずを作る亭主。雨は激しく降って雷まで鳴る夜。

5月3日 土曜日 また土曜日がやって来て10人越えのお客で…

午前5時起床。夕べも1時近くに眠ったのに、やはり習慣で子の時間には目が覚める。コーヒーを一杯飲んで歩いて蕎麦屋に出掛けるのでした。外は昨日とはうって変わって、抜けるような青空が広がっていました。蕎麦屋に着いて今朝も500gだけ蕎麦を打ち、家に帰って朝食を食べたら、いつものひと眠りもせずに、また蕎麦屋に出掛け。みずき通りもハナミズキが散り終えて、もう次の季節になっているのです。蕎麦屋の手前のお宅のバラが綺麗に咲いていた。

今日は少し時間が早かったので、9時には野菜サラダの具材を刻み始めました。陽の光が明るいので眼もよく見えたせいか、人参を細かく刻むことが出来たのです。10時には苺大福も包み終わって、いつもより1時間近く早く開店の準備が終わったことになります。時間があったから、豚のハラミを解凍してあったので、5cm程に切って串に刺しておく。取りあえず4本だけ作ったら、冷蔵庫に入れて保存しておくのです。最近は決まった常連さんだけがご注文。

それでもまだ時間があったから、隣のお花畑に出て写真を撮っておきました。いろいろな種類の花が咲き乱れ、ずっと遠くまで広がっているので、通りかかった車が停まってカメラを持った男性が、時間をかけて写真を撮っていました。店に戻ればやっと11時になったところ。大きなワゴン車が駐車場に入ってきて、まだ暖簾も出していないのにいきなり店に入って来る。男性客が一人だったから、中に入ってもらって注文を聞けば、天せいろを頼まれた。

亭主がお茶を出して、盆と蕎麦皿を用意していたら、女将が遅れてやって来た。暖簾を出すのにはまだ早かったから、先にお客に注文の品をお出しして、本来の開店時間の5分前になったら暖簾を出してもらう。今日は昼前にもう一組お客が入って、午後になったら 続々と後に続くのでした。天せいろが多かったけれど、鴨せいろも随分と出て、さすがに大型連休の後半はお客の食べる物も豪華なのでした。お客が多くて洗い物が出来なかったので、二人で3時近くまで後片づけをして家に帰るのでした。亭主はさすがに疲れて、書斎に入ってバタンギューで、夕方まで目が覚めなかったのです。
5月4日 日曜日 予報よりも天気は悪く、お客も少なかった…

今朝も5時起き、5時半過ぎには車で家を出た。どんより曇って暗い空は、昨日の天気予報からは考えられないのでした。蕎麦屋に着いてまずは蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量する。室温20℃、湿度は50%だったから、いつもと同じく43%の加水をして捏ね始めたら、若干、柔らかい生地に仕上がりました。蕎麦玉を作って寝かせている間に、厨房にもどってカウンターに干した昨日の洗い物を片付ける。タブレットで夕べのブログを読み返し、蕎麦打ち室へ。

やはり生地が少し柔らかかったのか、伸し終えたら全体が薄くなってしまい、少し長めの蕎麦が仕上がった。室温が高かったので、もう少し加水を減らさなければいけなかったようなのです。昨日の残りの蕎麦と合わせて11食分の蕎麦を用意して、これで足りるだろうかと心配したのです。家に帰って食堂に行けば、今日はもう魚が出ない。週末になって卵が出て来ると、亭主の買って来た魚が終わったということなのです。それでも美味しく食べ終える。

今日のお客は常連さんばかりで、昨日に続いて宅配便の青年が来て、今日は鴨せいろの大盛りと野菜サラダに蕎麦豆腐を注文した。昼を過ぎても外は曇り空で、暖かいのに風がけっこう強かった。女将が「去年の同じ土日は、2日間とも10人を越えていたのにね」と言う。今年はやはり物価高の影響もあるのかも知れない。洗い物も少なかったので、残った天麩羅の具材を揚げて家に持ち帰る。あまり忙しくもなかったのに、亭主は書斎で爆睡なのでした。

5月5日 月曜日 暖かい日なのに空模様は曇り時々晴れ…

こどもの日も朝5時に起きて、6時前には蕎麦屋に出掛ける。庭の芍薬があともう少しで花を開きそうなのです。堅いつぼみが開くまでに随分と時間がかかる。本当に初夏の花なのです。この庭では最後の花になる。花が終わったら植え替えの時期だから、それまでに蕎麦屋の庭を整備しておかなくては。上手く根付けば好いのですが、三株あるから何とかなるだろう。今朝も歩いてみずき通りを渡る。昨日の洗い物の片付けと出汁取りの準備をして洗濯物を干す。

朝食を終えてひと眠りしようと書斎で横になったけれど、どうも眠れそうにないので起き出して、再び蕎麦屋に向かうのでした。夕べは6時間ほどしか眠っていないのに、やはり習慣づいてしまったのか。身体が疲れていないということもあるのかも知れない。みずき通りを渡らずに、バス通りを右に折れた角のお宅に咲くテッセンが綺麗だったので、写真を撮らせてもらったのです。空は曇っていたけれど、気持ちは晴れ晴れとして足の具合も好いのでした。

蕎麦屋に着いたら、早速、出汁取りをして、一番出汁、二番出汁を取っておくのです。他の仕込みをしようにも食材がないので出来ない。お袋様に電話をして、買い物に行かないかと聞いたけれど、布団カバーの洗濯を始めてしまったから今日はいいと言うので、家に戻って昼食の支度をするのでした。帰り道はバス通りをみずき通りに折れるところにある畑の隅に咲くカキツバタの花を見て帰りました。似ているけれどアヤメではなさそうなのです。

天気が好くなったので、女将は散歩に出掛けていなかった。昼は蕎麦を茹でて天麩羅をフライパンで焼くだけだったから、亭主が早めに準備をしておく。今日は休日だったから、女将のスポーツクラブはお休みなのです。二人で蕎麦を食べたら、ひと眠りしようとまた書斎に入ったけれど、やはり眠れないので起き出して、女将と一緒に隣町のスーパーに出かける。女将は家の買い物を、亭主は蕎麦屋の食材を買って、女将を送ったらそのまま蕎麦屋に出掛ける。

午後の仕込みはカレーを作っておくことと、キノコ汁を作ることなのでした。鶏肉を買って帰ったので、半分ずつ使えるので好都合なのです。シメジは2パック入りだし、エノキは量が多いので半分はカレーに入れて使った。タマネギ、ニンジン、ナス、カボチャに鶏肉も入っているから、メニューに書いてあるとおり、本当に具だくさんなのです。前に作ったカレーは冷凍室で凍らせてあるので、これを持ち帰って明日の昼はカレーライスにする予定。
5月6日 火曜日 三日間の定休日が長く感じる今日この頃…

昼から雨の予報だったけれど、やはり朝からの雨なのでした。今朝は7時間もぐっすりと眠って、6時前には目が覚めたのです。居間の部屋でコーヒーを飲みながら、雨の中をわざわざ蕎麦屋に出掛けていくほどの仕事はないと、女将が朝食の支度を終えるのを待っていたのです。8時過ぎにやっと蕎麦屋に車で行って、昨日の洗い物の片付けをしたり、今日飲むほうじ茶を沸かしたり、洗濯物を畳んだりして、お袋様に電話をして迎えに行きました。

農産物直売所に着く頃には土砂降りの雨になって、入り口近くでお袋様を降ろして車を停めに行く。顔見知りの農家の奥さんも、合羽を着て野菜を運び入れていた。「雨の中を大変ですね」と言えば、「朝は降っていなかったのよ」と応えるから、亭主よりもまだ早起きだったのです。新鮮な春キャベツと採ったばかりのスナップエンドウをもらって、隣町のスーパーに行く。こちらは雨なのに昨日よりも混んでいた。連休中の食料が最終日でなくなったのだろうか。

お袋様を送って蕎麦屋に戻れば、雨は一向に収まる気配はない。大根のなた漬けを作って、昼の支度に間に合うように家に帰るのでした。今日はシジミを買って帰ったから、すぐに砂抜きをして、昨日持って帰った冷凍したカレーを取り出して鍋に入れて温める。女将は亭主野買って帰ったトンカツを切って、カレーの出来上がるのを待つのでした。カツがいつもより大きかったので、亭主も少し残してカレーライスの上に載せる。カレーは大盛りなのでした。

さすがに大盛りのカレーライスは腹に溜まって、シジミの味噌汁も久し振りなのでとても美味しかった。食べ終えてお茶をもらったら、すぐに眠くなって書斎で横になるのでした。女将のスポーツクラブの予約を無事に終えたら、蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みをする。塩漬けした大根は水が上がっていたので、刻み柚子と甘酒の素に京唐辛子を輪切りにして入れ、蓮根の皮を剥いて輪切りしたら酢水で茹でるのでした。ここで仕込みは終わりにして、残った時間でシンク周りの掃除を始める。いつも見苦しいと思っていたのです。
5月7日 水曜日 蕎麦屋は真夜中の珍入者のお蔭で…

夕べはMLBのニュースで、大谷選手のホームランを観てから眠ったのが11時過ぎでした。ところが、12時過ぎにスマホの電話が鳴ったのでどこからだろうと思ったら、蕎麦屋のセキュリティをお願いしている会社からなのでした。店の機器が反応しているから、今から駆けつけるというので、亭主も慌てて出掛けて行ったのです。酒を飲んで眠ったから、歩いて蕎麦屋まで行けば、担当の警備員が店の外周を見てくれた後で、中に入って異常がないかを確認する。

結果は、報知器が反応したのは蜘蛛の巣が原因だろうと言うことで、センサーの周りの天井を箒で払ってお終いなのでした。家に帰ったものの今度は眠れなくなってしまい、再び床に入ったのは明け方なので、今朝は女将に起こされて朝食を食べる始末なのでした。食事を終えて書斎に入って横になれば、またぐっすりと眠ってしまい、目を覚ませばもう昼に近い時間なのでした。蕎麦を茹でてとろろ蕎麦で軽い昼飯を食べて、居間でひと休みするのです。

女将がスポーツクラブに出掛けた後は、テレビの映画を最後まで観て、煙草を買いにコンビニまで車を出して、そのまま蕎麦屋に行って午後の仕込みをするのでした。明日の小鉢の浅漬けを漬けて、天麩羅の具材を切り分け、三ツ葉を切ったらもう終わりなので、時間があったからレンジ周りの掃除をして、久し振りに包丁を研ぐ。砥石がもう限界まですり減って直しようがなかったけれど、なんとか研ぎ終えて、午後の仕込みを終えるのでした。

5月8日 木曜日 今日は朝から意外な事が度重なって…

昨日の名残で夕べは9時半にはもう瞼が重くなった。今朝は6時間ほど眠って、3時半には目が覚めたけれど、布団の中で4時まで横になって、再び眠ることは出来なかったので、台所でお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。居間の部屋で椅子に座るのだが、身体が目覚めていないので、煙草やコーヒーには手を伸ばすことが出来ないのでした。窓の外が明るくなってきて、初めて立ち上がって荷物を用意し、5時前にはガレージに降りて車に乗り込むのです。

予報とは違って雲の多い朝なのでした。腰の痛みを我慢して乗り込んだガレージの車の中から、駅前の高層マンションに朝日の光が当たり始めるのを待って、蕎麦屋まで走る。前にぎっくり腰になった時と全く同じ部分が痛いのです。古くなって重たいシャッターを片手で上げる動作がどうも好くないらしく、それ以来、シャッターは上げたままで、車を前向きに停めているのです。2、3分で蕎麦屋に着いて、すぐに蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量する。

蕎麦玉を寝かせている間に、今日の小鉢にキャベツの浅漬けと大根のなた漬けを盛り付けておきます。タブレットで昨日のブログを読み返し、冷蔵庫で冷たく冷えたほうじ茶を飲む。蕎麦打ち室に戻って蕎麦玉を伸して、思ったよりも硬く仕上がった生地を畳んで包丁で切っていく。切りべら20本で137gほどの蕎麦が、8束と少し取れたので、生舟に並べて冷蔵庫に入れておきます。去年もこの時期の木曜日は8人だったから、今年はもっと少ないだろうと思った。

家に帰って朝食を食べ、書斎でひと眠りしたら、やはり早く起きたからか、1時間以上眠ってしまった。髭が伸びていたので、今朝は歯磨きをしたら髭を剃る。腰が痛いので歩くのが辛くって、9時半にはまた車で蕎麦屋まで出掛けるのです。今日は女将が開店の時間にしか来ないので、大根と生姜をおろして薬味の葱を刻み、野菜サラダの具材を刻んでいく。と、アスパラを買い忘れているのに気づいて、車で農産物直売所にスナップエンドウを買いに行く。

この間、知り合いの農家が毎朝採って来るのを知っていたから、今朝もあるだろうと思って行ったのですが、ちょうど親父様がトラックで運んで来たところなのでした。少し長めで甘いのが特徴なのです。店に戻って急いで茹でて、やっと野菜サラダが完成したのが11時前。お湯をポットに入れたり、新しい油を天麩羅鍋に注いだりして、苺大福を包む準備をしていたら、もう駐車場に車が入ってくるではありませんか。おまけに「何時に入れますか?」と年配の女性が玄関を開けて聞くのでした。「11時半からなのですけれど、中に入ってお待ち下さい」と応えて、亭主は大福を作り始める。
やっと準備が終わったので、亭主はお茶を出して注文を聞く。開店の10分前に女将がやって来て、天せいろを頼まれた女性達に蕎麦を出してくれたのです。暖簾も出していないし、BGMの音楽も流していなかった。ところが、そのすぐ後に女性を含む四人の作業着姿の一行がテーブルに座り、全員大盛りのぶっかけ蕎麦をご注文なのでした。これで今朝打った蕎麦はすべてなくなった。まだ12時前なのです。仕方がないから、天麩羅を揚げて蕎麦を出し終えたら、亭主はまた蕎麦打ち室に入って蕎麦を打つ。もう次のお客が来ているのです。30分ほど待ってもらってやっと蕎麦を出し終える。
5月9日 金曜日 やはり二日続けては混まない…

今朝もアラームの鳴る前に目が覚めて、時計を見れば4時半なのでした。少し布団の中で身体を休めてから、5時10分前になってやっと起き出す。コーヒーを一杯飲んで5時半には車で蕎麦屋に向かうのでした。昨日の洗い物を片付けて、空の蕎麦徳利に蕎麦汁を補充したら、キャベツとキュウリの浅漬けを漬ける。ニンジンと昆布も入れて、開店前まで漬ければ食べられるのです。6時になったら蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。加水は43%強でした。

家に帰って朝食を食べ、書斎に入ってひと眠りすれば、今朝は1時間ほどで目が覚めて、着替えと洗面を済ます。庭の芍薬が咲き始めたので、道路側から写真に撮っておくのでした。堅いつぼみが開くまでに時間がかかるけれど、本当に艶やかな花なのです。女将が蕎麦屋の庭に移植したいと言うのも無理がない。今日もまだ腰が痛いので車で蕎麦屋に出掛ける。痛い腰を庇いながらやっと車に乗り込んで、店に着いたら看板と幟を出すのでした。

厨房に入って、野菜サラダを盛り付けたら、苺大福を包んでカウンターに並べておくのです。少し冷めたらラップを掛ける。天麩羅の具材を調理台に並べて、油を天麩羅鍋に空けたらもう11時になっていた。大釜の湯はポットに入れたし、天つゆも火にかけたし、客席の椅子に座ってひと休みしたら、海老の数は足りるかと冷蔵庫を確認して、暖簾を出す時間になるのでした。ところが、大根をおろしていないことに気が付いて、慌てて冷蔵庫から取り出す始末。

今日は昨日と違って、なかなかお客が来なかったのです。やっといらっしたご夫婦は天せいろとぶっかけ蕎麦を頼まれて、亭主も身体を動かし始める。外は気温が上がってきたので、窓は半開きにしておいた。駐車場にもう一台車が入って来たのを確認して、頼まれた品を作り終えたら、カウンターに座った女性客に「今お茶をお出ししますね」と言って注文を聞く。せいろ蕎麦と赤いかの天麩羅とおっしゃるので、急いで赤いかを解凍するのでした。

結局、それきりお客は来なくて、窓の外を眺めながらこんな日もあると自分に言い聞かせるのです。シジュウカラらしき小鳥が珍しくヤマボウシの枝に止まって、頻りに動いている。よく見ると嘴に何か虫を銜えているようだ。窓の蕎麦に近寄って写真を撮ろうとしたら、もう気づかれて飛んで行ってしまった。洗い物を済ませて、賄い蕎麦を食べ、暖簾をしまえば、もう営業は終わり。2時半には店を出て家に帰る。まだ女将は帰っていなかった。