2025年4月中旬



4月10日 木曜日 曇りだったけれど暖かい南風で…

 今朝はアラームの鳴る5時よりも前に目覚めて、コーヒーを沸かして飲むのでした。外は曇り空なのですが、朝から随分と暖かく感じる。30分ほどゆっくりとしたら、車で蕎麦屋に向かうのです。まずは蕎麦打ち室に入り、蕎麦粉を計量して、室温が16℃もあったから、加水は46%弱にして捏ね始めました。ちょうど好い柔らかさに仕上がって蕎麦玉にして寝かせておくのです。昨日のブログを読み返して、6時にはまた蕎麦打ち室に戻って8束の蕎麦を打つ。

 6時40分には家に戻って、今朝は昨日二階から下ろした布団と電気炬燵を、階段を下りて門の外まで運ぶのでした。女将がいつもより少し早く台所に入って、居間で一服していた亭主に「布団を出してくれてありがとう」と言って、朝食の支度を始めてくれた。力のない女将には、かさばる布団を二階から下ろすのも大変なのです。亭主は二回に分けて持って降りたけれど、回収に来た業者を見ていたら、なんと一度に三枚の布団をいとも軽々と車に乗せていた。

 食後のお茶をもらったら、今日もまたひと眠りして、8時半には目覚めて着替えと洗面を済ませる。朝のコーヒーの残りを飲み干して一服したら、歩いて蕎麦屋まで出掛けるのです。看板を出して、幟を立てチェーンポールを降ろしたら、暖かいのでエアコンも点けずに厨房に入りました。まな板を出して細葱を刻んで、生姜の皮を剥いておろし金ですり下ろすのです。葱の香りと生姜の色が新鮮な証拠。三日もするとこれが黄色くなるので替え時なのです。

 今日は女将が開店の時間にしか来ないと、自分に言い聞かせて、野菜サラダの具材を刻み、10時半には三皿に盛り付け少し休憩。電話が鳴って受話器を取れば、「予約できますか」と言うので「狭い店だから予約はやっていません」と応える。「11時半に来れば大丈夫ですよ」とお伝えしておく。蕎麦を食うのに予約をするというのも、時代との変化なのだろうか。三人連れの年配の女性がいらっして、看板を見ているから外に出れば「お休みはいつなの?」と言う。

 11時前になって金柑大福を三皿仕上げ、油も天つゆも温めて開店の準備は終わった。女将は開店の5分前にやって来て準備を始めたのです。電話の主らしき人が、昼前に娘さんと一緒に自転車でいらっして、ヘルシーランチセットとせいろ蕎麦とエビ天を頼まれる。帽子を被ったままの娘さんが蕎麦を食べる光景は、亭主には奇異に感じられた。最近は帽子を被ったまま食事をする人が多いけれど、これも時代の移り変わりの結果なのだろうか。

 次にいらっした若い女性二人は、帽子を脱いでテーブルに座られた。二人とも天せいろを頼まれて、ゆっくりと食べて話をして帰ったのだけれど、これが普通の光景に思えるのでした。暖かいけれど曇っていたからか、今日はそれ以後はお客がなかった。平日だけれど、20℃を越える暖かさなのにお客が少ないのはやはりおかしい。2時過ぎには家に戻って、女将と二人で清美オレンジを半分ずつ食べる。亭主は書斎に入って今日のデータをパソコンに入力したら、1時間ほど昼寝をした。夜は久し振りに女将がポテトサラダを作ってくれたので、酒を買いに出掛ける。


4月11日 金曜日 昨夜からの雨は朝まで降り続き…


 今日は5時にセットしてあるアラームの音で目が覚めた。6時間近くは眠っているはずなのに、頭がすっきりとしないので、コーヒーを沸かして飲んで一服する。昨日の蕎麦が半分残っているから、今朝は500gだけ打ち足せば好いので、5時40分になったら車を出して蕎麦屋に向かうのでした。外は昨日の夜から降り出した雨が、小雨にはなっていたけれど、本当に好く降るものだと感心する。店に着いて蕎麦打ち室に入り、6時半までに蕎麦打ちを終えたのです。

 雨の降る間に駐車場の木々の新芽が随分と伸びて、金木犀も背丈ほどになっているのです。家に帰れば今朝は大好きな脂の乗った鮭の塩焼きが出て、美味しく朝食を頂くのでした。食事の前に計った血圧は上が150。このところ140~150の間で安定しているからまずまずなのです。薬は一錠だけ飲めば好い。夜食も食べなくなったので、体重も80kg以下に押さえられている。毎日の努力が少しずつ目に見えてくるのが楽しみだけれど、いつまで続けられるのか不安。

 食後のひと眠りは1時間。小雨が降っていたので、9時にはまた車で蕎麦屋に出掛け、看板と幟を出してチェーンポールを下げる。厨房に入って大釜に湯を入れながら大根をおろす。昨日作った金柑大福が二皿残っていたから、柔らかめに包んだので今日は出せる。後は野菜サラダの具材を刻むだけなのでした。雨は上がったようなのですが、暗い曇り空が広がって、これでお客が来るのだろうかと不安になった。不安は的中して2時間経ってもお客は来なかった。

 腹も減ったので途中でかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べるのでした。1時半を過ぎたので片付けを始めて、大釜の湯だけは沸かしておいたのです。閉店の5分前になって、車が駐車場に入ってきたから驚いた。早仕舞いをしなくて好かった。年配のご夫婦がいらっして天せいろを頼まれる。2時をかなり過ぎてからお帰りになったけれど、ゼロと2では精神的にも随分と違うのです。もう一度、片付け物をして、大鍋を洗ったらもう3時近くになった。



4月12日 土曜日 午後から青空が広がったけれど北風が…

 今朝は4時前に一度目が覚めたけれど、まだ早すぎるともう一度眠ったら、5時のアラームで起こされて居間の部屋に行く。コーヒーを沸かして一杯飲みながら、今朝の朝飯前のひと仕事の段取りを考えるのでした。昨日の残りの蕎麦があったから、今朝も500gだけ蕎麦を打てば好い。今日は金柑大福を作らなければいけないから、朝食後は少し時間に余裕をもって出掛けなければと思うのでした。昨日の大雨と雷鳴が嘘のように道路は乾いていたのです。

 蕎麦を打ち終えて玄関を出れば、馬酔木の花が朝日を浴びて可愛らしかった。家に戻れば女将が朝食の支度に台所に立っていた。タケノコの若竹煮と卵綴じ、大根の焼き鱠が今朝のおかずなのです。タンパク質は卵とちくわと焼き鱠に入っている油揚げとツナ、そして味噌汁の豆腐と、彼女なりにしっかりと考えられている。亭主は炊きたてのご飯を自分でよそって、7時半には食べ終えて居間で一服するのでした。お茶をもらってひと休みしたら書斎でひと眠り。

 今日は随分と頭がすっきりと目覚めたと思ったら、1時間半も眠ったのでした。慌てて着替えと洗面を済ませて、歩いて蕎麦屋に出掛けるのです。陽射しがあったけれど今日は北風なので、少し冷たい。看板と幟を出してチェーンポールを降ろしたら、厨房に入ってほうじ茶を沸かす。10時半には野菜サラダの盛り付けを済まして、金柑大福を包むのでした。開店の時刻に暖簾を出せば、すぐに常連さんが歩いていらっした。ビールとカレー蕎麦と言いながら着席。

 今日のお客も皆さんリピーターの方ばかりで、ビールを2本も頼まれたすぐご近所の親父様が、白海老のかき揚げや鴨葱の塩焼きやハラミの串焼きを注文して、最後にせいろ蕎麦なのでした。最後のご婦人もいつもカレーうどんを注文するのに、今日はヘルシーランチセットを頼まれて、カウンターの隅で静かに食べていらっした。2時過ぎには洗い物も終わって、女将と二人で家に帰るのでした。夜はタケノコと牛肉の新メニュー。ポテトサラダも美味しかった。



4月13日 日曜日 開店前から雨が降り始めて夕方まで…

 今朝は5時にアラームで目が覚めたけれど、頭がぼーっとしていてなかなか起きられなかった。昨夜は酒を飲み過ぎたのかと少し反省する。なかなか眠くならないので、最後にミニラーメンを食べたのが好くなかったのか。コーヒーを沸かして飲んでも、なかなかすっきりとせずに、家を出て車で蕎麦屋に出掛けたのは、もう6時になるところなのでした。蕎麦打ち室に入るとシャキッとするから不思議なものです。今朝も500gだけ打ち足せば好かった。

 室温は17℃、湿度は57%だったので、46%弱の加水率で蕎麦粉を捏ね始めたら、これが大正解で最近では一番ぴったりの柔らかさ。伸して畳んで包丁切りをすれば、切りべら20本で140gの蕎麦が仕上がる。500gだとどうしても一人分が少し多めになってしまうのですが、昨日残った蕎麦も同じだからお客に出すのには問題はない。打ち台の上を片付けて6時50分なのでした。蕎麦玉を寝かせている間に、洗い物の片付けも済ませたし、家に帰るだけなのでした。

 帰り道にみずき通りを走ったら、道の両側に植えられたハナミズキの木に白い花が咲いていた。どんよりと曇った空だったけれど、晴れて青空が広がっていれば、素敵な風景なのだろうと残念がる。家に戻れば女将が台所で銀ダラを煮付けていた。甘い香りが食欲をそそるのです。冷凍した筍ご飯をチーンして、今朝は菜花のお浸しと昆布と大豆の煮物が付いて、シラスおろしが添えられていた。食後はお茶をもらって「薬を飲みましたか?」と女将に言われる。

 身体の調子が好くなるとついつい薬を飲み忘れてしまうのです。書斎に入ってひと眠りすれば、9時10分前に目が覚めて、洗面と着替えを済まして再び車で蕎麦屋に出掛ける。昼前から雨が降るという予報だったので、帰りは最終日だから店の残りものを沢山持って帰らなければいけない。今日は金柑大福も残っていたから、野菜サラダを作ればもう終わりなのでした。果たして11時過ぎには開店の準備が終わって、開店前に駐車場に入ってきたお客様を迎える。

 遠い千葉市からわざわざ食べにいらっしゃるリピーターさんでしたが、亭主は女将に言われるまで思い出せなかった。ご主人は、せいろ蕎麦の大盛りと白エビの掻き揚げ、キスの天麩羅を頼まれて、奥様はキノコ蕎麦を注文された。これも前来た時と同じだと後で女将が言う。歳を取っても記憶力が落ちないのは大したものだと感心する。その後、お客はなかなか来なかったけれど、1時を過ぎてから二組ほどいらっして、昨日よりもお客は増えたのでした。


4月14日 月曜日 空は晴れ渡り、暖かな一日でした…

 今朝は定休日でアラームも鳴らないのに、いつもの習慣で5時過ぎには目が覚めてしまう。毎朝、届く朝の新聞を読む習慣がないので、コーヒーを沸かして一服するだけ。天気予報だけはテレビのデータ放送で見て、今日は10時近くから青空が広がって晴れるというのが分かった。玄関を出れば木槿の新芽が青く清々しい。6時過ぎに車を出して蕎麦屋に出掛け、昨日の後片づけや、洗濯物を干したりして、干し椎茸と昆布を鍋に入れて出汁取りの準備をしておく。

 朝食を食べて今朝はひと眠りをせずに、まだ蕎麦屋に出掛けていく亭主。庭の金柑の木の根元に、十二単や釣鐘水仙の花が咲き出して、紫の彩りが春らしかった。蕎麦屋に着けば駐車場から西のお花畑が見えて、そろそろ終わりの黄色い菜の花が青空に映えていました。ヤマボウシもモミジも金木犀も新芽が伸びてまるで初夏の装いなのです。今朝は気温もかなり高いので、亭主は薄い長袖シャツ一枚で車から降りて、厨房に入るのでした。

 仕込みをしたくても食材がないので何もする事がない。まずは今日使う物だけは仕入れてこなくてはと、隣町のスーパーまで車を走らせる。野菜が随分と安くなっているではありませんか。先週まで半分で450円もしていた白菜が、今日は290円だったから、もう白菜のお新香を止めようと思っていたけれど、つい買ってしまう。200円だった大根も150円まで値が下がっていたので2本買う。家の食材を買って店に戻ったら、白菜と大根を塩漬けにして家に戻る。

 昼は蕎麦を茹でてとろろ蕎麦。亭主は蕎麦を二束茹でて食べる。食後は1時間ほど昼寝をして、女将がスポーツクラブに出掛けて行った間にまた蕎麦屋に出掛ける。朝のうちに準備しておいた出汁を取るのがメインの仕込み。午後はグリストラップの掃除もしようと思ったけれど、暖かい南風が強くなったので、天麩羅油の空き缶を外のゴミ箱に捨てるだけにしておいた。黄金色の一番出汁を取り、二番出汁まで取って容器に入れて冷蔵庫に収納するのでした。

 白餡も氷砂糖と水で溶かして煮立てたけれど、時間がかかるのでまた明日に続きをすることにして家に帰る。4時半になっていた。女将は台所に立って今日亭主が買ってきた鰯を蒲焼きにしていた。甘い匂いが食欲をそそる。筍ご飯も炊きあがり、亭主は珍しくお替わりをした。お蔭で夜はお腹が空かなかったので、風呂上がりの酒もほどほどで眠ることが出来る。明日も晴れるらしい。



4月15日 火曜日 不安定だった天気も午後には晴れ渡り…

 今朝も5時半には目が覚めて、6時過ぎには蕎麦屋に行って、ゴミ回収の業者に出すゴミを外のゴミ箱に入れ、子ども会の廃品回収に出す新聞紙は家に持って帰るのでした。空は晴れて予報とは違うと思っていたら、家に着くなり土砂降りの雨が降り始めたのです。朝食を食べてひと眠りしたら、着替えと洗面を済ませてお袋様に電話をする。マンションまで車で迎えに行く頃には、もう雨は上がって青空が覗いていたが、今度は強い南風が吹き始めた。

 右の腕を上げると痛いと言っていた彼女は、亭主の通う整形外科に行って診てもらったら、骨に付いている腱が伸びているとかで、来週から週に一度、電気を当てに通うことになったのだそうな。やはり重い荷物を持つのが好くなかったのだろう。今日の買い物は少し軽そうだったけれど、車で行けば楽だからと、一度に沢山の食材を買うのは考えものなのです。来週の月曜日に予約が取れたというので、亭主も一緒に薬をもらいに行こうと考えるのでした。

 店に戻って厨房に入り、水の上がったなた漬けや白菜の漬け物を漬け直すのです。なた漬けは甘酒の素と砂糖に刻み柚子と唐辛子を入れ、白菜はもう一度塩を振って小さな漬け物器に二度漬けするのでした。家に戻れば女将は雨が止んだからと買い物に出掛けたらしい。昨日に続けて家に買って帰った食材を冷蔵庫に入れ、WBCのドジャース戦をBSでやっていたので、居間の椅子に座って観るのでした。昼にボロネーズを作って食べながらも今度は食堂で観る。

 午後の昼寝から目覚めたら、また蕎麦屋に出掛けて仕込みを続けるのでした。一度に2時間ほどしか根気が続かないから、少しずつ時間をかけて木曜日からの営業の準備を整えるのです。引っ越しの準備があるからと、月曜日も定休日にしたのだけれど、結局は買い出しと仕込みに時間を割いている。蕎麦屋をやっている間は、荷物も運べないからちょうど好いのかも知れない。今日も風が強かったからグリストラップの掃除は出来なかったのです。



4月16日 水曜日 朝から陽射しはあったけれど肌寒い日…

 青空が広がり陽射しのある朝でしたが、何故か薄ら寒く鼻水が止まらない。今朝も5時半に目覚め、6時過ぎには蕎麦屋に出掛けるのでした。厨房に入ってなた漬けと白菜の二種類のお新香を小鉢に盛り付ける。冷蔵庫に収納したら、今度は空の蕎麦徳利に蕎麦汁を入れていく。蕎麦汁を作ってすぐに入れないのは、徳利の内側に蕎麦汁が付いて洗うときに手間がかかるから。出来るだけ直前に入れるようにしているのです。これで朝飯前のひと仕事は終わり。

 家に帰って朝食を食べたら、いつものように書斎でひと眠りなのですが、今朝は少しゆっくりと眠ってしまいました。1時間半ほど眠って目覚めたらもう10時なのでした。今日しなければならない仕込みは、蕎麦豆腐を造ることと天麩羅の具材を切り分けることだけだったので、慌てることはないと気が緩んでいたのかも知れない。1時間もあれば終わることの出来る仕事だと、蕎麦屋に出掛けて厨房に入り、まずは蕎麦豆腐を造り、天麩羅の具材を切り分ける。

 帰り道に家から1キロほど離れた一番近いスーパーに寄って、昼の湯麺に入れる野菜を買って帰る。モヤシとニラとを別々に買うよりも、セットで袋に入っているものの方が安かったので、一回分だからと買って帰るのでした。青く晴れた空に白いハナミズキが生えて、みずき通りも賑やかだった。家に戻って台所に入り、早速、肉を切って野菜と一緒に炒め、片栗でとろみを付ける。沸かしておいた大鍋で湯麺の麺を茹で、餃子を焼き始めるのでした。

 熱い湯麺が美味しいと思えるのは、家の中がかなり涼しいからなのです。花粉症でもないのに朝から鼻水は止まらない。WBCのドジャース戦が始まっていたから、食堂のテレビで観始めて、昼食を終えたら今度は居間のテレビを点けて続きを観るのでした。ずっと見続けるのは疲れるので、途中で書斎に入って昼寝をする。女将はその間にスポーツクラブに出掛けたらしい。1時間ほど眠って、野球の続きを観れば、今日は無事にドジャースの勝利なのでした。

 時間に余裕があったから、今日こそはグリストラップの掃除をしようと蕎麦屋に出掛けたけれど、暖かくなるという明日のことを考えて、少しでも蕎麦を打っておこうと蕎麦打ち室に入った。750gの蕎麦粉を計量して、打ち終えたらもう4時を過ぎていた。それからガスレンジの周りを掃除し始めたら、もう4時半になる。斯くして今日もグリストラップには手つかずのまま。汚い溝を洗うのは手間がかかるので、どうしても後回しになってしまうのでした。



4月17日 木曜日 朝は寒く、昼は初夏の暖かさで…

 今朝も5時半起きで、台所でお湯を沸かしてコーヒーを入れる。夕べ蕎麦を8人分打っておいたから、今朝は5人分打ち足せば好かったので、6時に家を出れば十分なのです。テレビのデータ放送でで今日の天気予報だけを見て、佐倉市は朝の気温が5℃だったから驚いた。日中は20℃を越える暖かさなのに、今日までは朝の気温が低いのだそうな。居間で一休みしたら、車を出して蕎麦屋に向かえば、朝から陽射しがあって暖かくなりそうなのでした。

 無事に蕎麦打ちを終え、7時には家に戻って朝食を食べる。食後のひと眠りは、定休日だった昨日までの習慣が尾を引いて、目覚めたらもう9時なのでした。急いで支度をして蕎麦屋まで歩く。朝が寒かったからか今朝は右足の具合が宜しくない。痛いわけではないのだけれど、歩くときに少し足を引きずってしまうのです。やはり潰れた軟骨を手術で何とかしてもらわないといけないのだろう。未知の領域だから怖い気もするけれど、まだ生きる事を考えると…。

 蕎麦屋に着いて看板や幟を出して、厨房に入れば昨日掃除したレンジ周りがピカピカに光っているのが心地よい。大根と生姜をおろし、薬味の小葱を刻んで野菜サラダの具材を刻み始めれば、今日は女将が開店の時間にしか来ないことを思い出して、ペースを上げるのでした。金柑大福も三皿だけに造ることにして、新しい油の缶を持ち上げて鍋に入れるのにひと苦労。やはり力がなくなったのか、重たく感じた。天麩羅の具材を並べたらテーブルを拭いて回る。

 やっと女将が来てくれて、蕎麦豆腐の味噌ダレを作ってくれた。解凍した海老は亭主が容器に入れたけれど、ドレッシングの瓶の蓋を洗ったり、詰め足したりする細かな仕事は、女将のする仕事になっている。外気温は20℃を越える暖かさなのだけれど、暖簾を出してもなかなかお客は来なかった。朝が寒かったせいもあるけれど、やはり一番はこの物価高で、外食を控えようとする人が増えているのではないだろうか。ましてや蕎麦を食べる人は少ないのです。

 1時近くにやっと女性のお客がいらっして、続けて女性客がまた一人とカウンターに座る。二人とも初めてのお客なのでした。天せいろにヘルシーランチセットのご注文だったから、蕎麦は二人分を一緒に茹でてすぐにお出しする。そしたらまた玄関の扉が開いたから、「いらっしゃいませ」と言って顔を見れば、近所に住む昔のスタッフがまたタケノコを茹でて持ってきてくれたのでした。いつも申し訳ないとは思っているけれど、いつ来るか分からないので、なかなかお返しも出来ない。沢山あったので、すぐにお袋様に電話をすれば、暖かいからとタケノコを取りに来てくれた。
 今日はお客は二人だけなのでした。2時には女将と蕎麦屋を出て亭主は家に帰って、今日届いた蕎麦粉の代金を振り込みに行った。家に戻ってすぐに昼寝をすれば好かったのだけれど、ぐずぐすしていたら4時になってしまったので、今日は業者が頼んだ食材を持ってくる日だったから、また蕎麦屋に車で出掛けるのでした。5時には業者がやって来て、天ぷら粉や海老を持って来てくれた。客が少ないという話をすれば、どこの店も特に夜は客が減っているというのでした。やはり余計な出費を減らそうという考えなのでしょう。


4月18日 金曜日 朝から半袖、午後はハーフパンツの暑さ…

 今朝も5時半に目覚めて、ぐずぐずとしていたらもう6時になってしまう。急いで蕎麦屋に出掛けて今日の蕎麦を打つのでした。室温は18℃もあったので、加水率は45%にしたのだけれど、それでもまだ少し柔らかい感じなのでした。これから夏に向かうにつれて、気温が上がるので同じ湿度でも加水率を下げていかなければいけないのです。その見極めが難しい。一番少ない頃は40%を切ることもあったほどなのです。7時に蕎麦を打ち終えて家に戻るのでした。

 食事を終えて書斎に入ってひと眠りしたら、やはり定休日明けの最近の習慣で1時間以上も眠ってしまった。半袖にトレーナーのジャンパーを引っかけて玄関を出れば、釣鐘水仙の花が開いていた。102歳まで生きた亭主の祖母からもらったものだと、女将が毎年のように言う。黄色い姫水仙の次に可愛がられている。なんとか蕎麦屋にも移植したいと思うのですが、上手く根が付くだろうか。蕎麦屋に着いたら看板と幟を出して、厨房に入るのです。

 大根をおろして野菜サラダの具材を刻み、金柑大福を三皿分包みます。テーブルを拭いて回って、天麩羅油を鍋に入れ、天つゆを火にかけ、天麩羅の具材を調理台に並べたら開店前の準備は完了。駐車場の隅に車が入ったと思ったら、時計を見れば11時15分だったから、トイレに行って暖簾を出そうと玄関を開ければ、先ほどの車の姿はない。急いでいたのか、もう少しだけ待てなかったのでしょうか。餌だけ取られた釣り人のように残念な気持ちなのでした。

 その後、1時過ぎまでお客がなかったので、明日の天麩羅の具材を切り分けて、南瓜は家に持ち帰ってチーンしてくることにして、蓮根は皮を剥いて酢水で茹でておきました。やっとお客がいらっして、仕事途中の男女らしく、制服を着て会社の車でおろし蕎麦の大盛りとぶっかけ蕎麦を頼まれる。すぐに支度をしてお出しすれば、年上らしい男性は大盛りの蕎麦をすぐに食べ終わり、女性が食べるのに時間がかかる。今日もそれから閉店までお客はないのでした。

 外は23℃もある晴れて暖かい日なのに、最近はどうも平日のお客が少ない。油の温度が冷めないうちに、かき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べてしまう。洗い物と片付けはすぐに終わり、2時過ぎには店を出て家路につくのでした。毎年、この時期には八重桜が見事な場所があるので、写真に納めておきました。女将はまだスポーツクラブから帰っておらず、売れなかった野菜サラダを冷蔵庫に入れ、パソコンに今日のデータを入力して、ひと眠りするのでした。



4月19日 土曜日 昼は27℃、久々の10人越えで疲れ果て…

 午前6時の我が家の庭は、もう明るくて眩しいほど。金柑の木の下に生え広がる十二単が生き生きとしていました。これも蕎麦屋に引っ越すときには持っていかなければならない。庭の隅にある芍薬には、もう花芽が付いていました。この芍薬も移植しなければならない。業者にも話しはしているけれど、花が終わった頃には移した方が好いので、自分でやらなければならないかも知れない。女将に買ってやった花なので、彼女も執着があるらしいのです。

 蕎麦屋の駐車場には躑躅の花のつぼみが付いて、もう直ぐ咲きそうなのでした。今朝はいろいろな小さな花や花芽を見て、元気を貰ったから、今日は暑くなると言うので頑張らなければと思うのでした。蕎麦打ち室に入って今朝も500gだけ蕎麦を打ち足しておくのです。室温が20℃を越えていたから、45%の加水ではやはり生地が柔らかすぎた。切りべらは23本といつもよりかなり多くなったのは、生地が思ったよりも薄く伸されてしまったからなのでした。

 7時には蕎麦を打ち終えて家に帰る。朝食を食べてひと眠りしたら、歩いてまた蕎麦屋に出掛けるのです。厨房に入って大根をおろしていたら、女将がやって来て「今日は昨日よりも暑いわ」と言っていた。野菜サラダを盛り付け終えたら、天麩羅鍋に油を注いで、今日の開店の準備が整った。昼前に二組のお客が入って、皆さん天せいろやヘルシーランチセットの天麩羅付きだつたので、天麩羅を揚げてお出しする。昼を過ぎでも珍しくお客は続いたのです。

 用意した天麩羅の具材は使い果たしたので、また新しく切り分けて容器に入れておく。とろろ蕎麦の大盛りやキノコつけ蕎麦も出たけれど、後のお客は皆さん天せいろなのでした。1時過ぎに三人連れのリピーターのお客がいらっしたところで、蕎麦汁がなくなってきたので「お蕎麦売り切れ」の看板を出す。久々の10人越え。しばらくぶりだったので、亭主も女将もどっと疲れたのです。土曜日なのと暑いくらいの陽気なので、やはりお客は多くなったのです。