4月1日 火曜日 菜種梅雨とは言っても寒すぎる…
午前6時過ぎに目を覚ましたけれど、寒くてなかなか布団から出られなかった。居間のエアコンの暖房とストーブを点けたら、なんと10℃以下の室温なのでした。外はかなりの雨が降っている様子。蕎麦屋に出掛けるのも躊躇われて、女将の剥いてくれた甘夏をひと房口に入れて、コーヒーを沸かして一服するのでした。寒い寒いと女将も起き出して来て、鯖の塩焼きをおかずに朝食を食べる。二階の裏窓から今朝も幼稚園の桜を見るけれど、あまりパッとしない。

9時前になったらお袋様に電話をして今日の買い物に出掛ける。「寒いねぇ」と言いながら車に乗り込んだ彼女は、どうも右肩が痛いのだという。重いものを持って歩くからじゃないのと、大根などを買った今日は、階段を昇って家の前まで亭主が荷物を運んでやった。昨日の皮膚科の先生が骨折したという話もしたら、歳を取るとみんな何処かしら悪いところがあるものだと言うのでした。隣町のスーパーは朔日が二割引だと言うので、もの凄く混んでいた。

お袋様を家まで送って蕎麦屋に戻れば、店の中も13℃しかなかったので暖房を入れるのです。買って来た野菜を冷蔵庫に収納し終えたら、早速、出汁を取って一番出汁と二番出汁を作る。昨日漬けておいた白菜はもう水が上がっていたので、今日は大根のなた漬けを少しだけ漬けておく。それからカレーのストックがなくなったので野菜を沢山入れた自家製のカレーを作って、昼の時間になったので鍋をそのままにして家に帰って、寒いから肉蕎麦を食べるのです。

2時過ぎに女将のスポーツクラブの予約を終えたら、コンビニでゴミ収集の業者に先月分の代金を振り込み、帰りにガソリンスタンドに寄り、灯油を買ってそのまま蕎麦屋に出掛けて午前中の仕込みの続きをするのでした。カレーはジブロックに入れて冷凍し、白菜のお新香は昆布や唐辛子を入れて漬け直す。なた漬けももう水が上がっていたので、甘酒の素と砂糖と柚子と唐辛子を入れて漬け直すのでした。洗濯機の中の洗濯物を干して午後の仕事は終わりです。
夜はおでんの残りを小さな鍋で温めて酒を飲み始める。ハラミの串焼きとおでんを食べたらもうおなかが一杯になった。まだ6時前だったから、どうせ夜にまた何か食べるのだろうと、亭主もご馳走様なのでした。テレビも何も面白い物がないので、BSでグレートネイチャーをやっていたので最後まで観て、早めにこのブログを書き始めたのです。今日から4月だけれど、一日中冷たい雨に降られて、明日も雨だと言うから気分が滅入るのです。
4月2日 水曜日 開店12年目の春なのだけれど…

夕べは10時に床に就いたので、朝の5時までゆっくりと眠ることが出来ました。外は冷たい雨だったから、今朝も朝飯前のひと仕事は取りやめて、コーヒーを沸かして飲みながら、朝食の時間までのんびりとテレビで映画を観ていたのです。血圧を測って、足首の周りや胸の辺りの痒いところに、自分でクリーム状の薬を塗る。女将が起き出して来たので、手の届かない背中にも塗ってもらうのでした。彼女が言うには血流が悪いところに湿疹が出来るのだそうな。

朝食を終えて二階のトイレに行きながら、裏窓から幼稚園の桜の写真を撮る。昨日よりは花が開いているけれど、この天気では桜も可哀想なのです。やはり青空に映える桜の花が一番素敵です。車を出して蕎麦屋に出掛ければ、店内は12℃と昨日よりも寒かった。暖房を入れて厨房に入ったら、まずは蕎麦豆腐を仕込んでおく。そして、空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充しておくのです。ここでほうじ茶を沸かして一服する。次は何をするのかを考えるのでした。

なた漬けを小鉢に盛り付け、漬け直した白菜のお新香を取り出して、6鉢分だけ切り分けて盛り付けておきます。白菜もそろそろ終わりなのか、今回は随分と小さかったので後一回分しか取れそうにない。なた漬けを漬けてあった小さな漬け物器に移して、それぞれれいぞうこに入れておくのです。10時前だったので、古い友人に誕生日のお祝いメッセージを送る。近況報告もあまりいい話はなかったけれど、蕎麦屋への引っ越しが唯一の明るい未来なのでした。

家に戻ればもう昼の準備をする時間でした。台所に立って女将が冷蔵庫から出してくれたキャベツやニンジンを刻み、肉と一緒に炒め始める。隣の火口では冷凍のうどんを茹でて、久し振りに焼きうどんを食べるのでした。それだけでは足りなかろうと、冷凍の餃子をチーンして二人で食べる。温めるだけで好いから、最近の冷凍食品はとても優れているのです。居間でお茶をもらったら、書斎に入って今日初めてのひと眠り。女将はスポーツクラブに出掛けた。

1時間ほど眠ったのだろうか、頭がすっきりとして食堂に行き、清美オレンジを半分食べて残りは女将のために残しておいた。女将が帰ってきたので、亭主は再び蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みをするのでした。これが8月からなくなると思うと、自分はこれから何をするのだろうと最近はいつも考える。取りあえずは、身体のリフレッシュで柔軟運動から少しずつ始めて、プールで泳げれば一番好い。引きずって歩く足の手術もあるので、なかなか忙しくなる。

5時過ぎに家に戻って、夜は常夜鍋と茶碗蒸しだというので、蕎麦屋の帰りに一番近いスーパーに寄って鶏肉だけ買って来た。酒を買うお金が勿体ないので、最近はあまり出ない蕎麦屋の純米吟醸の生酒を持って帰ったのです。テレビは何も面白い番組がないから、早くから風呂を沸かして明日の営業のために髭を剃る。血圧を測れば、上が140台まで下がっていたから嬉しかった。明日も今日より気温が低いと言うから、お客がどれだけ来るのやら。
4月3日 木曜日 冷たい雨の降り続く寒い一日でした…

定休日の間に朝のペースが狂ったのか、目覚めればもう6時を過ぎていました。仕方がないからコーヒーを沸かして飲みながら、朝食の支度を待つ亭主なのでした。蕎麦を打つには1時間はかかるから、今から蕎麦屋に出掛けても間に合わないのです。やはり定休日でも朝の時間は変えてはいけないのでしょう。女将の朝ドラが終わったら、かゆみ止めの薬を背中に塗ってもらい、車で蕎麦屋に出掛けるのでした。今日も冷たい雨が降っているのです。

46%弱の加水で蕎麦粉を捏ねて、伸して畳んで、切りべら21本で135gの蕎麦を8束打つ。厨房に入ってまずは昨日出来なかったキノコ汁を作り、野菜サラダの具材を準備するのです。鶏肉を買いに行くのが遅かったから、家の茶碗蒸しには間に合ったけれど、蕎麦屋の仕込みが終わってからだったので、昨日のうちに仕込めなかったのです。出汁と塩で味つけして、冷凍してあった茸を入れて煮込むだけなのですが、お客に出す時は蕎麦汁を加えて温める。

スナップエンドウとブロッコリーを塩で茹でて、レタスとキャベツを刻んだら、紫玉葱をスライスして赤と黄色のパプリカを切る。人参の千切りを上に載せ、キュウリをスライス。トマトをカットしてパイナップルを添えたら、最後に茹でて冷ましたブロッコリーとスナップエンドウを加えて出来上がりです。単品で出す時は300円だけれど、セットメニューの時にはもっと安く出している。野菜の高騰のこの時期には、手間のかかる割には採算が取れないのです。

蕎麦を打ったのとキノコ汁の分だけ時間は押していたから、今朝は金柑大福は三つだけ作ることにした。出来上がった頃に女将がやって来て、亭主は急いでテーブルを拭いて回るのでした。雨の日だからお客は来ないと思うのだけれど、開店の時間は定刻でなければいけない。今日も暖簾を出しても一向にお客は来なかったのです。1時を過ぎてやっとお客が来たかと思えば、最近、好くいらっしゃる料理教室の先生が可愛らしい車でやって来た。

いつもせいろ蕎麦を頼むのに、今日は寒いからと暖かいぶっかけ蕎麦を頼まれた。天麩羅は別皿で出して欲しいというご希望なのでした。亭の天麩羅が美味しいと誰かに聞いたらしい。天麩羅油は降ろしたばかりで、美味しく食べて頂けただろうか。今日も食器の入った戸棚を開けて、必要な皿を持っていってもらった。お蔭で戸棚の中も少しすっきりしてきたのです。その後はもうお客は来なかった。女将と帰り支度をして、2時過ぎには家に着いたのです。

4月4日 金曜日 久し振りに晴れて青空が広がった…

今朝は5時にアラームで目が覚めて、もう一度ウトウトしたら今度は10分後にまたアラームが鳴った。そんな設定をしておいたのだろうか、お蔭ですっきりと目が覚めたのです。コーヒーを沸かして5時半には車で蕎麦屋に向かう。霧が凄くて一寸先が見えないという状態なのでした。雨で湿った地面が暖かくなって一挙に蒸発したのがよく判る。太陽もぼうっとした霧の向こうに見えるのでした。蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。

500gだけ打ち足して、打ち終えれば6時40分。濃い朝霧の中を家に帰って、朝食の支度を待つのでした。青空の下の桜を見ようと二階の裏窓に行けば、大分花が開いてはきたものの、まだ5分咲きとまではいかないのでした。洗面と着替えを済ませて今朝は歩いて蕎麦屋に行く途中、蕎麦屋の下の調整池の桜はどうだろうかと遠回りして歩いてみれば、こちらは幼稚園よりもまだ寒いらしく、もっと花が開いていないのでした。今年は随分と桜の開花が遅いのです。

東京ではもう満開だというのに、佐倉はまだ少し先のようです。夕食の時に女将に話したら、彼女も晴天に誘われて近所の桜を見て歩いたのだそうですが、やはりどこもまだ満開ではなかったとか。神社の森にかこまれたような、陽だまりの暖かなところが一番綺麗に咲いていたというのです。昔のブログを読み返してみたら、三年前はもうこの時期に桜は満開なのでした。今年は学校の入学式辺りが一番見事に咲いているのではないでしょうか。

西の小径の階段を昇って蕎麦屋まで行って、チェーンポールを降ろしたら、その音に気づいた向かいのサツマイモ農園の若旦那が、挨拶をしてくれて「やっとサツマイモの芽が出てきましたよ」と言うのです。昨日の雨で濡れた幟を玄関前に立てかけてあったので、所定の位置に立てれば青空に映えて、黄色い菜の花や金木犀の新芽とともに春らしい風景だったのです。厨房に入って大根をおろし、野菜サラダの具材を刻んで、今日もまた開店前の仕込みです。

今日は昨日に比べたら格段に暖かい。何組ものご夫婦が散歩で店の前を通るのでした。開店直後には老夫婦が歩いていらっして、奥のテーブルに座って天せいろを頼まれる。例年だと、この暖かさなら店は混んでいるのですが、今年は何故かお客が少ない。やはり物価高が影響しているのだろうか。閉店の時間まで誰もお客は来なかったのです。南瓜を切って蓮根の皮を剥き、酢水で茹でて明日の準備までしておく。賄い蕎麦を食べて2時過ぎには家に帰る。

4月5日 土曜日 晴れて暖かいのにまさかの展開…

今朝は5時半前に目が覚めて、コーヒーを沸かして飲むのでしたが、夕べの天気予報では暖かくなると言っていたのに、朝はまた寒いのでした。蕎麦屋に出掛けて今日も500gだけ蕎麦を打つ。気温は12℃、湿度が50%近かったので今朝も46%の加水で捏ね始める。7時前には家に戻って朝食の支度を待つのです。今朝は魚ではなく卵ととろろ芋だったので早く食べられた。食後は例によって書斎に入り、ひと眠りしようと思ったけれど、30分ほど横になって終わり。

南風なのに少し涼しく感じる朝の陽気でした。みずき通りを渡って、蕎麦屋の前のバス通りを歩けば日影は寒いくらいなのでした。看板と幟を出して厨房に入れば、大根をおろして野菜サラダの具材を刻み、いつものように三皿盛り付ける。まだ10時半前だったので今日は時間に余裕があった。金柑大福を三つだけ包んで、油を鍋に入れて開店の準備が終わったのはまだ11時前なのでした。晴れていた空も何時の間にか曇りに変わって、暖かさだけが残った。

今日は1時までお客が来なかったから、土曜日なのにゼロなのかと思ったら、それからお客が続いて最後のお客は2時近くまで食べていらっした。女将と二人でほっとしていた。洗い物を片付けて2時半には蕎麦屋を出て家に向かう。隣のお花畑には菜の花だけが咲いていた。沢山の椋鳥が草の間を突いている。新芽を食べているのだろうか。今日はお客を待ちくたびれたのか、昼寝をしたら2時間も眠ってしまったのです。夜は久し振りステーキでご飯を食べた。

4月6日 日曜日 晴れのち曇りのち雨のち曇り…

暖かな朝でした。車を蕎麦屋の駐車場に入れたら、そのままバス通りを歩いて今来た道を100mほど戻った。「ユーカリが丘一丁目」のバス停が見えるところまでやって来て、幼稚園の桜を眺めたのです。道の両側に桜の木が垂れ下がるように花を咲かせて、なんとも風情のある風景なのでした。このバス停は駅から市営のみにバスが5分ほどで到着する。一時間に一本だけれど、年寄りには有り難い足なのです。蕎麦屋まで戻って昨日の洗い物を片付ける。

今朝は蕎麦打ちをしないと決めていたので、昨日なくなった天麩羅の具材を切り分けたり、空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めたりして、7時前に家に戻るのでした。7時からは映画専門チャンネルで『ターザンREBORN』をやっていたので、途中で朝食を食べて、今日は食後のひと眠りもせずに最後まで観てしまった。映像が迫力があるので思わず引き込まれたのです。椅子に座って身体は休めていたから、眠らなくてもリフレッシュ出来たのかも知れない。

蕎麦屋まで歩いて出掛けるまでは空は青く晴れて気持ちが好かったのですが、店に着いて幟や看板を出しているうちに、もう曇ってきたのでした。大根をおろして野菜サラダを刻んで盛り付け、金柑大福を包んで開店の準備を終えた頃には、もう雨が降っていた。早お昼を家に食べに帰った女将が戻る頃には、道路が濡れていたのです。気温は18℃と暖かかったのですが、この天気の変わりようで、お客の出足は遅かった。1時近くからやっとお客が入り始める。

皆さんリピーターらしく、蕎麦を食べようと雨の中を車で来て下さったのは本当に有り難い。日曜日によくいらっしゃるご主人がいつもカレーうどんを頼まれるご夫婦や、女将の友だちもこのところ随分と姿を見せない。2時半に家に帰って亭主はひと眠りしたのですが、目を覚ましたらスポーツクラブから帰った女将が書斎にやって来て、「帰りに買い物をしたら買ったお肉を忘れて来たのよ」と言う。亭主も慌てて起き出してショッピングモールまで送る。

買ったはずの肉はサービスカウンターで保管されていたと言うけれど、何でも新しい機械の支払いでパニクって店の籠の中に入れたままで忘れてきたのだとか。家に帰れば電話が鳴って亭主がでて、女将に変われば、最近蕎麦屋に姿を見せない例の女将の友だちで、何でも風呂場で滑って、尻の骨を折ったのだと言うではありませんか。女将よりも少し年上の女性だから、ご主人は更に年上でご飯も作れず、子ども達が送ってくれたレトルト食品を食べていたとか。
かく言う亭主も尿酸値を抑える薬がなくなったので、明日はまた医者に行かなくてはいけないのかと思っていたら、薬の山の中から20日分の薬が出てきてホッとした。最近は血圧の薬も血圧の高さに応じて飲む何種類かをもらっているので、もう訳の分からない状態なのです。女将に言わせると「何でもメモしておかなければ駄目」なのだそうで、90歳を越えて一人暮らしのお袋様は、あちこちの医者にかかってよく忘れないものだと感心してしまうのです。
4月7日 月曜日 暖かいけれど束の間の陽射しでした…

今朝は6時半起床。粗大ゴミの回収を頼んでいたので、二階から下ろしてあった布団を亭主が門の前に出しておきました。簡単な朝食で腹を満たし、定休日だけれど、いつもの時間には蕎麦屋に出掛けるのでした。幼稚園の桜はほぼ満開になって、今日の始業式を祝ってくれるのでしょう。それにしても青空の日が続かないのが残念でなりません。今日は病院へ行く必要がなかったので、久し振りに蕎麦屋でゆっくりと洗濯物を干して、昨日の後片づけをしました。

この12年の間、ほとんど使っていない風呂場も埃だらけで、数ヶ月後にこちらに越してきたときに、果たして上手く使えるのか不安です。洗濯機は毎日使っているけれど、10年以上経つからもう中が汚れてきているので、女将は今の自宅の洗濯機の方が、定期的に消毒しているからまだ綺麗だと言っている。大雑把な亭主の管理する蕎麦屋の洗濯機は、思い出した頃に消毒をするのだけれど、やり方も解説書を見ないと分からないほどだから汚いのです。

昼はまた残った蕎麦だから、海老でも揚げて持って帰ろうと厨房で準備をしていたら、昔、亭で働いてもらっていた近所の女性が、またタケノコを持って来てくれた。お礼に揚げた海老を持って帰ってもらう。家に帰れば女将は、また近所の花見に出掛けていたらしい。「春爛漫の景色だったわ」と嬉しそうに帰って来た。亭主は二人分の蕎麦を茹でて食べたけれど、何故かすぐに腹が減ってしまうのです。最近は少し体重も減って健康な証拠だと喜んでいる。

午後は女将がスポーツクラブに出掛けている間に、1時間ほど昼寝をしてお袋様の家に今朝頂いたタケノコを持って出掛けて行く。蕎麦屋まで車で行って店から歩いてお袋様のマンションへ。辺りには桜が満開で新緑の木々があちらこちらに見えて、今日の曇天が本当に恨めしいのでした。マンションの敷地にも桜の木が何本もあって、隣の調整池にも大きく育った桜の木が見事に花を咲かせているのでした。お茶をもらって久し振りにゆっくりお袋様と話をする。

女将の友だちが風呂場で転んで骨を折ったという話をすれば、お袋様もご近所のご主人が家の中で転んで頭を打ったら、ひと月ほどでなくなったと言い、みんな知っている人が死んでしまうと嘆く。「母さんが一番年上で長く生きているから仕方がないんだよ」と慰めて、お互いに気をつけなければいけないねと話をするのでした。眼科や内科、整形外科などいろいろと病院通いの多い彼女ですが、沢山の薬を毎日忘れずに飲んでいると言うから感心したのです。

薬を飲みつけていない亭主も、一日一回なのに、女将に言われないとつい忘れてしまうから怖いのです。帰り道は小竹の入口のバス停を通って蕎麦屋まではもう100mほど。「ユーカリが丘一丁目」のバス停は蕎麦屋の更に100mほど先なのです。この辺りの地区は、どこでも手を上げればバスは停まってくれることになっているのだけれど、1時間に一本だから乗客は皆バス停で待っているようです。蕎麦屋に着いて明日の出汁取りの準備をしたらもう家に帰る。

暖かく風もなかったから、駐車場の木々の剪定やグリストラップの掃除をしようかと考えていたけれど、お袋様のところに随分といたらしく、冷蔵庫の中身を確認して、何もしないで家に帰るのでした。家に戻れば女将はとっくに帰っていて、亭主が調理をする夕食の食材を調理台に並べ、海鮮ミックスを水で解凍して待っているのでした。焼きそばはレンジでチーンしてくれて、一つの火口で焼いている間に、具材を炒めてあんかけ煮するのが亭主の仕事。

最近は女将のあんかけを焼き蕎麦に掛けたら、鍋に残した亭主が食べる分のあんかけには、豆板醤を加えて少し辛くするのです。野菜が多いから焼きそばは一つ半を二人で食べる。今日は頂いたタケノコを入れたので、キクラゲと共に新食感が美味しいのでした。明日はお袋様と一緒に仕入れに出掛ける日なので、高くなった野菜を無駄のないように買わなければならないと、風呂上がりの一杯を飲みながら、買い物リストを作る晩なのです。
4月8日 火曜日 昨日よりも暖かくなって桜はもう散り始め…

今朝は5時前から目が覚めて、居間の部屋でコーヒーを飲む。朝飯前のひと仕事は出汁取りの予定だったけれど、1時間もあれば十分だから、こんなに早く出掛けなくても好いのです。もう一度眠っても好かったのに、あえてそうしなかったのは、定休日の習慣を次の営業日まで持ち越したくないから。6時前に来るまで蕎麦屋に出掛けて、一番出汁と二番出汁を取るのでした。7時前には家に帰って、女将の用意してくれた朝食を食べる。

焼き鱠にいれたツナ缶とキノコ汁に入っている鶏肉だけでは、タンパク質が足りないと女将が納豆を出してくれたけれど、亭主にはおかずが多すぎて食べきれなかった。お茶をもらって書斎に入り、ひと眠りする方が好かったのです。9時前に目覚めて洗面と着替えを済ませてお袋様に電話をする。雲は出ていたけれど晴れた空の下を農産物直売所に向かって車を走らせる。夕べの買い物リストに従って、買い過ぎないように気をつけて隣町のスーパーへも行く。

満開になったと思ったらもう散り始めている桜があちこちで見られた。桜の綺麗な小学校の裏手の坂を登ると、桜の並木になって突き当たりには、古く大きな桜の木が立派に花を咲かせていました。蕎麦屋に着いたら四袋になった荷物を店の中に運ぶのです。節約して買ったから、今日は家の買い物も除けば7千円ほどで済んだ。野菜が大分値下がりしていたので助かったのです。大根だけは安売りしていなくて、一本200円は以前と変わらず。二本買って帰る。

早速、厨房で大根のなた漬けを仕込んで、一本はなくなるのでした。残りの一本は4日間の営業で大根おろしにするために使う。次に、冷凍室に入れてあった出汁を取り終えた干し椎茸を解凍して、人参と油揚げと切り干し大根と一緒に胡麻油で炒めて、二番出汁で煮ていく。出汁醤油と砂糖を加えて火を止めるのです。11時前に家に戻れば、女将はまだ買い物から帰って来ていなかったので、亭主が買って帰った肉や魚は冷蔵庫に入れておく。

昼は今週もスパゲッティーを茹でて、ミートソースを温めてカツを載せて食べる。女将は野菜がないと言うので、農産物直売所で買った知り合いの農家が持って来た朝採りの小松菜を茹でて食べる。果物は清美オレンジが安く出ていたから買って帰った。節約しようとすると、家の買い物まで安いものを買ってくるから不思議です。美味しく食べ終えたら、お茶をもらってすぐ昼寝のために書斎に入る。2時過ぎには女将のスポーツクラブの予約があったのです。

1時半には目が覚めて、初めて見るテレビ映画を最後まで観る。その間に予約の時間が来て無事に予約は済ませるのでした。映画が終わったところで女将に声を掛けて蕎麦屋に出掛ける。午後の仕込みなのです。1時間もかからずに終わるのだけれど、明日に持ち越しては明日が大変になる。ゆっくりと楽しみながら作るのが好き。塩漬けにして水の上がった大根に、甘酒と砂糖と唐辛子を入れて漬け直すのでした。そしてキノコ汁を作っておきました。

4月9日 水曜日 空は青く桜の花びらが舞う…

今朝はあまりにも空が青かったので、蕎麦屋とは逆方向の公園まで歩いて出掛けた。愛犬のペコが死んでからというもの、毎日散歩で来ていたこの公園にもご無沙汰しているけれど、毎年、春になると木々の新芽が青々と美しいのです。公園を左に折れれば農家の土地に入り、その間をバス通りにでる細道が通っている。菜の花が咲く高台まで上がれば、バス通りはすぐそこなのです。歳を取って米作りは止めたという農家の農地は綺麗に耕されていた。

バス通りに出たら、家のすぐ裏手にある幼稚園の駐車場の脇を通って、幼稚園の正門の脇に出れば目の前に神社の桜があるのです。見事に満開でもう散り始めている。ここから蕎麦屋までは、わずか200mほどしかない。神社の向こうには農家の荷物の集積場だった建物があって、その隣に月山信仰の小高い塚があるのです。そこにも大きな桜の樹がある。樹齢何百年なのか分からないけれど、この地区の歴史を物語るように、道路が直線でない理由なのです。

集積所の建物の前からは、ユーカリが丘一丁目のバス停の向こうにもう蕎麦屋が見える。道路には桜の花びらが飛び散って、さすがに束の間の季節だからこそ、皆が桜を愛でるのかも知れない。遠くまで花見に出掛けなくても、近所の桜を見て歩けば十分だと言ったのはお袋様なのでした。家の女将も毎日近所に出掛けて花見を楽しんでいるらしい。蕎麦屋の前まで歩いて、厨房に入ったら午前中の仕込みを開始するのでした。少しずつ進んでいるから早く終わる。

まずは蕎麦打ち室に入り、蕎麦粉とタピオカ粉とを計量して、冷蔵庫から豆乳を取り出し、水を半カップほど小なべに入れる。泡たて器で玉が出来ないようにかき回しながら、火にかけて蕎麦豆腐を作る。型に流したら、次に小鉢に大根のなた漬けと切り干し大根を盛り漬けて、ラップを掛けて冷蔵庫に入れておきます。冷蔵庫から蕎麦徳利の盆を出して、昨日作った出汁は鍋ごと冷蔵庫に入っているので、取り出して徳利に一つずつ蕎麦汁を入れていくのです。

まだ10時過ぎなので、蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら、酢水で茹でること15分。その間に玉葱を刻んでかき揚げの材料を作り、生椎茸とピーマンとナスを切り分けて容器に入れる。洗い物を済ませて11時前には家に戻り、昼食の準備を始めるのです。女将と相談をして今日の昼は焼きうどんと決めていたので、亭主が台所に立ち、鍋に湯を沸かし、肉を切り野菜を切って隣の火口で炒めていく。冷凍うどんが溶け出したらフライパンに移す。味付けは塩味だけ。

定休日三日目の午後は仕込みもなく、家でゆっくりとするのでした。昼食後に昼寝をしようと横になるけれど、眠れないので起き出してブログを書き始める。二階から粗大ゴミに出す布団をまた三枚玄関に運んで、今日は古い電気炬燵まで降ろしておく。明日の朝はこれらを門の外まで運び、市の回収業者に持っていってもらうのです。夕方までテレビで映画を一本観て、夕食の食卓に付いたのは5時半過ぎでした。最後に茶碗蒸しが出て満足したら眠くなった。
