3月26日 水曜日 定休日最後の日も朝から慌ただしかった…

庭の連翹と雪柳が咲き始めました。これが春の花の景色だと女将は言う。狭い庭に伸びる枝をいつも剪定するのは亭主だから大変。今朝は朝飯前に蕎麦屋に出掛けて、レンコンの皮を剥いて酢水で茹で、カボチャの種を取って天麩羅に出せるように、角を落として切り分ける。タッパに入れ、家に持ち帰ってチーンするのです。7時前に家に戻れば、女将が台所で昨日亭主が買って帰った小型の鰯を開いて、片栗粉を付けて油を引いたフライパンで焼いていました。

朝から鰯の蒲焼きの登場とあって、亭主は喜んだのです。身体にも良いし、なにしろ12尾もあって160円だったから、安いことこの上ないのでした。二人で美味しく食べて大満足なのです。亭主はひと休みして着替えと洗面を済ませたら、少し早めに来るまで家を出て、隣町にある整形外科に向かうのでした。尿酸値を下げる薬もなくなったし、今日は採血をして検査をする日なのです。昨日行った床屋の向かいの医院は、30分前なのにもう駐車場は混んでいた。

この医院の好いところは、受付を済ませると、何分ぐらい待つかを教えてくれる。自分の順番の番号が印刷された紙を渡され、外に出る人は更にもう一枚もらうQRコードを読み込むと、現在の診察中の順番が分かることなのです。亭主の順番は14番目で9時からの診察開始で10時過ぎぐらいになることが分かった。1時間20分も時間があるから、車で蕎麦屋にとって返して午前中の仕込みが出来るのでした。少しでもやっておけば後が楽になるから急いで店に行く。

厨房に入ってまずは凍った白餡を鍋に入れ、水と氷砂糖を加えて温める。次いで蕎麦豆腐を仕込み、キノコ汁を作る。隣の火口の白餡が溶けてきたら火を消しておく。先ほどの医院にとって返し、待合室で順番を待てば、思ったよりも早く名前を呼ばれ、採血を済ませたら会計を終えて、処方箋を持って隣の薬局にいくのでした。10分後には店に戻って、出汁を取り終えて冷凍した干し椎茸を解凍して、人参と油揚げを刻んだら、切り干し大根の煮物を作ります。

白餡も固まってきたので、すべてタッパに入れて冷蔵庫に収納するのでした。家に戻れば、女将が「暑いから、昼は何にしようか」と言うので「冷たいせいろうどんはどうだ?」と応えれば、それで決まり。朝も食べた鰯の蒲焼きに三ツ葉を加えてフライパンで焼いて、蕎麦屋で残ったスナップエンドウを茹でてトマトと合わせておかずにするのでした。二人で食べ終えてお茶をもらったら、亭主は書斎に入ってひと眠り。女将はスポーツクラブに出掛けて行く。

1時間ほど眠ったらテレビの映画を観て、女将が帰った頃にまた蕎麦屋に出掛けていく亭主。夕方の1時間で、天麩羅の具材を刻んで、お新香と切り干し大根を小鉢に盛り付けておくのでした。早朝から合計4時間ほどの仕込みでしたが、今日は途中に整形外科にいったのが忙しかったのです。明日も暖かくなると言うから、お客が沢山来れば好いと思うのだけれど、蕎麦は一回しか打たないともう決めてある。先週の暖かい春分の日でさえも9人だったから。

3月27日 木曜日 初夏のような暖かさの一日で…
午前5時半に目が覚めて、しばらくボーッとしていた亭主でしたが、6時前には車で家を出て蕎麦屋に向かう。朝から暖かかったので、今朝は久し振りに900gの蕎麦粉を計量して10食の蕎麦を打つ。小鉢も昨日のうちに盛り付けてあったから、捏ねた蕎麦玉を寝かせている間にほうじ茶を沸かしてひと休みするのでした。煙草を家に忘れてしまったので、早めに伸しを始めて包丁で切れば、7時前には切りべら21本で140g10人分の蕎麦が仕上がる。

家に戻れば女将が台所で煮魚を作っていました。彼女の作る銀ダラの煮付けは、昨日の鰯の蒲焼きと同じくらい美味しいのです。食事をする前に、最近は血圧を測らなくてはならないから、ちょっと面倒なのですが、機械が自動的に数字を出してくれる。今朝は150程で、一日一回の薬を飲み始めたせいかこのところ安定しているのです。昨日の残りの茶碗蒸しをレンジでチーンしてくれて、温かい食事を食べられるのが何よりの楽しみ。今日も頑張れそうです。

暖かい風の中を蕎麦屋まで歩き、看板や幟を出して厨房に入る。まずは大根と生姜をおろして、野菜サラダの具材を調理台の上に並べるのです。約30分で三皿の野菜サラダを盛り付け、換気扇の下でほうじ茶を飲みながら一服します。それから天麩羅の具材の入った容器を調理台にセットして、金柑大福を作る準備をするのです。大福を四つ作るのに75gの白玉粉と砂糖と水を鍋に入れて、白玉粉の溶けるのを待つ。その間に白餡で金柑を包んでおきます。

11時を過ぎて金柑大福を四皿分カウンターに並べ、天麩羅鍋に油を入れて火を点ける。隣の火口では天つゆの鍋を温める。その間にアルコール消毒液でテーブルを拭いて回るのです。すべて終わって開店の準備が出来た頃に、木曜日は女将がやって来る段取り。今日は暖簾を出して昼頃に大きなトラックに乗った男性3人がやって来ました。「車はここに停めて大丈夫かい?」と言うから、「他の客が来て何か言ったら動かせば好いよ」と亭主もかなり大雑把。

せいろ蕎麦の大盛りとおろし蕎麦の大盛りとぶっかけ蕎麦を頼まれて、野菜サラダを三つ頼んだのは好いけれど、それでお腹が一杯になったらしく、金柑大福は持って帰りたいと四つお持ち帰りになった。最初のお客でもう大福と野菜サラダが全部なくなったから、気持ちが好かったのです。その後、閉店間際にまたお客が続くまで退屈な時間を過ごさなければいけなかった。でも、後のお客も皆さん大盛りの注文ばかりで、今日は沢山打っておいて好かった。

3月28日 金曜日 朝は雨、昼から曇りで、夕刻には陽が出た…

今朝は天気予報通りに雨でした。5時にアラームで目覚め、5時半には家を出て蕎麦屋に向かう。蕎麦打ち室に入り、750gの蕎麦粉を計量して47%の加水で捏ね始める。いつもと同じ加水率なのに、今日は随分と柔らかい仕上がりなのでした。打ち粉を振ってなんとか蕎麦玉にしたら、ビニールの袋に入れて寝かせておく。その間に厨房に戻って、カウンターの上に干してある昨日の洗い物を片付けて、洗濯機の中の洗い物を室内干しの物干しに干しておく。

7時前に蕎麦屋を出て、コンビニに煙草を買いに行く。家に帰ればやっと7時になったところで、女将が朝食の支度をしていた。居間の部屋で一服したら、「ご飯が出来ましたよ」と呼ぶ声がして食卓に付くのでした。煮魚は女将と二人で分けて食べ、納豆とお新香とお浸しで、今朝は簡単な朝食なのでした。「今日までが暖かくて明日からは寒くなるそうよ」と言われて、「暖かい今日のうちに少しお客が来ると好いね」と一人で営業する今日の心配をする亭主。

食後は書斎に入ってひと眠りするのでしたが、今朝はどういうわけか1時間以上もゆっくりと眠ってしまうのです。それでも、まだ9時だから慌てずに洗面と着替えを済ませる亭主。雨が降っているので今日は車で蕎麦屋に行くと決めていたのです。どうしても右足の具合が悪いと足を引きずってしまうので、蕎麦屋を止めたら早く手術をしてもらおうと思う。べつに足が痛いわけではないのだけれど、自分の思うように動けないのがもどかしいのです。

蕎麦屋に着いて小雨の降る中、幟と看板を出したら、厨房に入ってまずは大根をおろす。そして、野菜サラダの具材を調理台に並べて、最初にスナップエンドウとブロッコリーを塩で茹でるのです。レタスをちぎってお湯で洗ったら、キャベツの葉を剥くのだけれど今年のキャベツはどうも出来が悪い。上手い具合に巻いていないから、包丁でも刻みにくい。それでも10時半にはサラダを三皿仕上げて、金柑大福を作り始めるのでした。

暖簾を出しても、雨が上がったのにお客は来なかった。やっと昼を過ぎた頃、近くに住んでいると言うご夫婦が歩いていらっした。天せいろと金柑大福を頼まれたので、天麩羅を揚げている間にもう次のお客が車でご来店。カレーうどんと大盛りのぶっかけ蕎麦を温かい汁でとご所望なのでした。お茶を出して盆や器を用意していたら、その間にまたお客がいらっしゃる。続けて来るからこれが厄介なのです。順番にしか作れないとは分かっているのだけれど…。

皆さんお帰りになったのが1時過ぎで、亭主がかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べ始めたのが1時半。もうこの時間からはさすがにお客は来ないのです。最近は混むのも一回で、コロナ前のように繰り返し混むことはなくなった。こちらも歳を取ってきたのでちょうど好いのかも知れない。洗い物をする暇がなかったので、食休みをしたらカウンターに載せた盆の上に乗った食器を洗い始める。今日も大盛りの注文が多かった。2時半には大釜を洗い、天麩羅鍋の油を漉し器に入れ、残った野菜サラダを包んで帰り支度をするのです。
3月29日 土曜日 とても寒くて一日中雨だったのに…

午前5時にスマホのアラームで目覚めれば、まだ外は暗かったのです。夕べの天気予報では雨と言うことでしたが、これは相当に酷いのか。コーヒーを沸かしてテレビも点けずに、居間の部屋で眠気を覚ます。最近は6時間ほどしか眠っていないから、やはり少し寝不足が続いているのです。食後のひと眠りや午後の昼寝は、あまり関係がないらしい。5時40分に車を出して蕎麦屋に向かい、蕎麦打ち室に入り、750gの蕎麦粉を計量して捏ね始める。

今日も雨だから部屋の湿度は60%を越えていました。昨日の失敗から、加水率を46%に落として捏ね始めたのですが、それでもまだ少し柔らかい仕上がりなのでした。厨房に戻って昨日の洗い物を片付け、ほうじ茶を沸かして飲みながら夕べのブログを読み返す。6時30分になったら再び蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つのでした。切りべら20本で140g。8束の蕎麦を打ち上げて、昨日の残りの蕎麦と合わせて14食分の蕎麦を用意して帰宅したのです。

今朝のひと眠りは40分。頭はすっきりとしていたけれど、外はかなりの雨が降り続けていたから、車を出して蕎麦屋まで出掛けるのでした。これでは到底お客は来そうにないと思いながら、看板と幟を出して厨房に入り、大根をおろしていたら女将がやって来た。傘をさしてこなかったらしく「雨が降っていなかったから」と言っていたのです。店の掃除を済ませて早お昼を食べに帰ったのですが、帰りも雨に降られなかったのかと亭主は心配するのでした。

野菜サラダを三皿盛り付けて10時半。最近は手際が良くなったのか、ここまでの時間が随分と短くなったような気がする。その間に大釜の湯を沸かして、ポットにお湯を詰めたり、天麩羅鍋に油を入れて、天つゆの鍋に火を入れ、一人で営業する日と同じパターンで準備をするのです。11時には開店の準備が整って、亭主はカウンターの隅の椅子に座ってひと休みする。女将が今度は傘を差してやって来て、「今日は一日中こんな天気らしいわね」と言うのでした。

今日はまったく来ないかと思っていたお客が、昼過ぎからぽつりぽつりといらっして、冷たい雨の降る土曜日にしてはまずまずの来客なのでした。カレーうどんも鴨南蛮蕎麦もヘルシーランチセットも出て、作った野菜サラダは全部売れたのです。1時半を過ぎたから、亭主はかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べる。閉店の時刻に、最近よくいらっしゃる若いお坊さんが来たのだけれど、大釜の火を落としてしまったので、申し訳ないけれどお断りしたのでした。

3月30日 日曜日 桜も咲き始め、やっと晴れ間が覗いて…
今日は4時半に目覚めて、5時にアラームの鳴るまでと、もう一度眠ったら6時まで寝過ごしてしまいました。急いで車に乗って蕎麦屋に出掛け、蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量する。蕎麦玉を作って寝かせている間に、お新香を盛り付けて昨日の洗い物を片付けるのでした。再び蕎麦打ち室に入って生地を伸して畳んで、今朝は切りべら20本で140gの蕎麦を5束仕上げました。時計を見れば7時15分で、家に帰れば女将が食事の支度を終えるところなのでした。

夕べのおでんの残りを温めて、亭主には同じく夕べ残った茶碗蒸しをレンジで温めてくれました。何でも「紀文のおでんセット」がなくなったから、おでんの具材をばらばらに買いそろえたら、倍の値段になったのだとか。道理で朝のおでんも具が沢山残っていたのです。「昆布を頂戴」と言って、蕎麦屋から持って帰ったのを、結んで入れたものだからまだ硬かった。市販の出汁はもう少し味が濃いめなのだけれど、女将にはまだ言っていない。

今朝は蕎麦屋ですることが沢山あったので、食後のひと眠りをせずに歩いて蕎麦屋に出掛ける亭主。庭の隅に植えた連翹と雪柳が満開でやっと春らしくなってきました。幼稚園の桜も三分咲きほどで今朝の青空に映えて美しかった。ソメイヨシノと言う桜は花の色も薄くて、一つ一つの花そのものは目立たないのたけれど、沢山咲いてくるとああ春なのだと思うから不思議なのです。蕎麦屋に着いて幟と看板を出し、厨房に入って今日の仕込みを開始するのでした。

今朝は蓮根の皮を剥いて酢水で茹でたり、薬味の葱を刻んで大根をおろしたりと、いつもより仕事が多かったのです。それでも野菜サラダを盛り付け終えたのが11時前だったので、昨日なくなった金柑大福を三つだけ作っておこうと、金柑の甘露煮を白餡にくるみ、白玉粉を袋に残っていた45gだけ使って求肥を作ろうと思っていたら、もう駐車場に車が入って来るではありませんか。リピーターのお客だったので、外に出て「中でお待ち下さい」と声を掛けた。

金柑大福を包み終えた頃に、早お昼を食べに帰った女将がやって来て注文を取ってくれた。今日はそれからぽつりぽつりとお客がいらっして、結局、閉店の時間までお客がいたのでした。幟をしまってチェーンポールを上げていたら、お袋様が西側の階段を昇って来た。「12時の歯医者の予約の時間を2時と待ち変えてしまった」と近所を歩いて来たのだそうな。「散歩にはちょうど好かったじゃない」と女将が言って、蕎麦と金柑大福の残りを持たせるのでした。

3月31日 月曜日 朝から皮膚科を捜してウロウロ…
背中が痒くて仕方がないからと、風呂上がりに女将の部屋の三面鏡で背中を見たら、銭形の湿疹が出来ているではありませんか。以前、足のスネに出来た痒い腫れ物と同じで、早いうちに皮膚科を受診しようと思っていたのです。今朝も6時には目覚めて、コーヒーを飲んで一服したら、蕎麦屋にも出掛けずに朝食の時間を待つのでした。どうやら、身体中の血流が悪くなっているという気がして女将に言えば「最近は動かなくなっているからなのよ」と応える。

二階の裏窓から三分咲きの幼稚園の桜を眺めて、着替えを済ませたら、早めにいつも世話になっている女医さんの皮膚科に出掛けたのです。亭主が一番かと思えば、前を行く男性が開業前なのに、皮膚科の前で係の女性に説明を受けていた。「先生が骨折してひと月くらいは臨時休業になるのです」この階のクリニック群は先月までに、他に内科や整形外科など二軒も閉院になっているのです。ここへ来れば何科でも診てもらえると思っていた時代は終わったのか。

仕方がないから駐車場に戻って、車の中でスマホを見て近所の皮膚科を捜したのです。隣の駅の反対側にある皮膚科は9時前だというのに、30台は停められる駐車場は一杯で入れなかった。万事休すで今日は諦めようと、いつもの道を家に帰ろうと思ったら、血圧の薬を処方してもらった内科の看板に、「皮膚科」の文字が見えたので行って見たのです。予約はしていなかったが今日は不思議と空いていて、すぐに診て薬を処方してもらったから安心したのです。

家に帰れば「お昼は何にする?」と女将が言うので「トンカツを載せてスパゲッティーを食べようか」と応えれば、「お米もないから私も一緒に行くわ」と隣町のスーパーに二人で出掛ける。亭主はそのスーパーが土日で新しい食材に変わるのを知っていたから、ついでに店で使う食材を買って帰るのでした。女将を家で降ろして、蕎麦屋に行って食材を冷蔵庫に入れ、昨日の洗い物を片付けて家に戻るのでした。斯くして昼はスパゲッティーを食べる。

満腹になってやっと昼寝が出来ると書斎に入る亭主。女将はスポーツクラブに出掛けていく。ゆっくりと2時間ほど眠って目を覚ませば、女将がもう帰っていた。亭主はまた車に乗って蕎麦屋に出掛ける。歩いて行っても好かったけれど、荷物はあるし、とても寒い日だから車にしたのです。天麩羅鍋を大釜に入れて、重曹を振りかけて煮ておく。白菜の漬け物をして、出汁取りの準備を済ませたら、明日のゴミ収集前に外のゴミ箱にゴミを入れておく。

今週もまた病院に行く月曜日だったけれど、朝からドタバタとして3月が終わるのも忘れてしまいそうなのでした。早く健康な身体を取り戻して、プールで泳げるようになりたいと願うばかりなのです。蕎麦屋を畳む準備も少しずつだけれど進んでいる。家の女将は二階の沢山の布団類を粗大ゴミで出していた。新しい家具などは買わないことにして、今使っている物を引っ越しの業者を頼んで運ぶことにしようと考えている。蕎麦屋への引っ越しが現在の夢です。