2月13日 木曜日 夕刻まで嵐のような北風が吹いた一日…

今朝は4時半に目が覚め、朦朧とした意識の中を起き上がって、コーヒーを沸かすのでした。昨日の通院が心配事を解決してくれたので、今は自分のするべきことをしていれば好いと思えたから、蕎麦屋に出掛けて蕎麦を打つのでした。玄関を出たら14日の月が西の空に輝いていました。いつもの朝よりはずっと暖かかった。車から降りて蕎麦打ち室に入れば、室温は12℃もあったのです。47%の加水で蕎麦粉を捏ね始めたから、少し柔らかい生地の仕上がり。

それでも伸し広げれば久々に綺麗な四角形になったので、柔らかい生地の方が成形が簡単なのかと、蕎麦打ちの原点に戻ったような気がするのでした。切りべら24本で135gの蕎麦を8、5人分打ち上げて、家に戻るのでした。今朝のおかずは塩鮭と茄子焼きで、自分で大蒜をおろして食べ始めたら、昨日女将が余分に作った茶碗蒸しが出て来たから嬉しかった。食後のお茶をもらって、今日は書斎に入って30分ほど眠ることが出来た。頭がすっきりとして目覚める。

外は北風が強くなったので車で蕎麦屋に出掛けた。気温は10度もあるのに体感温度は2℃しかなかった。風速は12mもあったので、幟は出せなかった。乾燥した畑の土が風に煽られて舞い上がっている。これではお客が来ないだろうと思いながら、開店前の仕込みをするのでした。11時過ぎには野菜サラダも金柑大福も完成して、テーブルを拭いて回るのです。風は収まる気配もなく、ビュービューと吹いて、厨房の扉の隙間から冷たい風が吹き込んでくる。

開店前に女将が来てくれたけれど、「寒い寒い」と言って着替えに奥に入った。暖簾を出してお客を待つけれど、この風と寒さでは来たいが出来ないのでした。やっと歩いていらっした常連さんが、鴨南蛮蕎麦と金柑大福を頼まれて、本日、唯一のお客となるのでした。有り難い事なのです。1時を過ぎてもお客は来そうになかったので、亭主は天麩羅を揚げて賄い蕎麦を茹でる。洗い物は増えるけれど、蕎麦だけではすぐに腹が減ってしまうのです。

蕎麦は5日前に打ったものだけれど、熟成して美味しかった。今日打った蕎麦は7食分残っているから、明日は5食打ち足せば十分なのです。2時過ぎには片付け物を終えて、女将と同じ時間に蕎麦屋を出るのでした。夕刻になっても強い風は収まらない。南風なら春一番なのだけれど、北風では寒いばかり。ストーブを点けて椅子に座っていたら、少し眠ったようで、午後の昼寝はしなかった。明日は風も収まって暖かい一日になりそうなのです。
2月14日 金曜日 昨日よりは暖かくなったけれど北風が…

今朝は6時に家を出て蕎麦屋に向かう。空には雲が出ていたけれど今日も晴れそうなのでした。風が昨日よりも弱くなっていたけれど、やはり北風なので寒さは変わらない。蕎麦打ち室に入って500gだけ蕎麦を打ち足す。加水率は47%のままで、しっとりとした生地が仕上がって、伸して畳んで切りべら20本で140gの蕎麦を、5束半取る事が出来ました。家に帰って女将の用意してくれた朝食を食べて、書斎に入ってひと眠りするのです。

肋骨が折れていると分かってからは、出来るだけ身体に振動を与えないようにと、歩いて蕎麦屋に行くことは止めました。平日ならば、そんなに沢山のお客が来ないので、駐車場も満配にはならないのです。風は収まると昨日の予報では言っていたのに、今朝も幟がぱたぱたとはためいている。土埃が舞い上がらないだけまだ好いのですが、体感温度はかなり低くなるのです。昼近くからやっと気温が上がったらしく、室内も20℃を越えてきました。

大根をすり下ろして野菜サラダの具材を準備すれば、一本100円もするアスパラを買ってしまったのが後悔された。値段をよく見ずに束で買ってしまうからいけないのですが、300円で出す野菜サラダは12種類の野菜を使っているから、到底、割に合わないのです。風が冷たいから今日もお客が来ないかと思ったら、「陽射しが暖かいのに、冷たい風が吹いていますね」と言って、男性客が一人カウンターに座る。今日は一人のお客ばかりが続いたのです。

2月15日 土曜日 朝と昼の温度差が17℃もあった…

夕べは風呂から上がってストーブに当たっていたら、もう眠くなってそのまま床に入って眠ったのです。8時半だったからちょっと早すぎるとは思ったのですが、眠気には勝てなかった。果たして深夜に目が覚めて、テレビで洋画を一本観てからまた眠ったので、今度は7時前まで寝てしまった。急いで朝食を食べ、8時半には家を出て蕎麦屋に出掛ける。歩いて行きたくなかったけれど、土曜日だから駐車場を使うのが憚られたので、頑張って歩いたのです。

蕎麦を打たずに昨日の残りで間に合わせようかとも考えたが、それならわざわざ歩いて来ることもなかったと、結局、500gを打ち足したのです。時間はいつもより早かったから、十分に蕎麦を打つ暇はあったのです。手際よく30分ほどで打ち終えて、厨房に戻ればいつもの時間なのでした。女将が来てくれて、店の掃除や小鉢の盛り付けをしてくれた。早お昼を食べに女将が帰った後で、大根をおろして野菜サラダの具材を刻むのでした。

朝はあれほど寒かったのに、昼近くになったら店の暖房を消すほどに暖かくなった。暖簾を出す前にもうお客様がいらっして、昼までにテーブルもカウンターもお客で埋まったのです。暖かい汁の蕎麦が多かったけれど、いつもは日曜日にいらっしゃるご主人がカレーうどんのご夫婦は、カウンターの隅に座って奥様がとろろ蕎麦を頼まれた。一度に席が埋まると、三組目あたりから、出すまでに時間がかかる。カレーうどんや串焼きも出たから尚更遅くなる。

やっと8人分の蕎麦を出し終えて、亭主は奥の座敷でひと休みする。厨房に戻って洗い物を始めて、もう一人分の盆や皿を洗えば終わるという時になって、次のお客がいらっしゃる。時計を見ればもう1時過ぎなのでした。天麩羅を揚げて蕎麦を茹でたら女将がテーブルに運んでいく。これでもう終わりだろうと思って、亭主はかき揚げを揚げて賄い蕎麦を茹で始めたのです。と、駐車場に見慣れた車がビューンと入って来たから、奥の座敷で昼を急いで食べた。

久し振りにいらっした娘と同じと頃の女先生が、カウンターの真ん中に座って、今日はぶっかけの暖かい蕎麦を頼まれる。お互いの近況を話して、蕎麦屋を7月一杯で畳もうと思っているという話をすれば、始めて聞いたと驚いていた。今年になってからは来店していなかったのです。亭主よりも10歳も年上の彼女の親父様は、メールの返信を出さなくても凄く怒るから、必ず返事を送るのだとか。
昭和の前半の父親らしく、娘も心根の優しい女性なのでした。
2月16日 日曜日 今日も穏やかに晴れて暖かかった…

今朝は5時前には目覚めてスマホのアラームをOFFにした。昨日の晩は、肋骨を庇いすぎて動かなかったからか、今度は右膝が痛くなって歩くことも出来なかったのです。何十年もヨーガをしている女将に、「血流が悪くなっているのよ」と言われて膝の痛みに効く揉み方を教えてもらったのですが、風呂上がりに実践してみると今朝はもう痛くなかったので有り難い。5時半には家を出て念のために車で蕎麦屋に向かう。蕎麦粉を捏ねて蕎麦玉を作ったらひと休み。

生舟にはほとんど蕎麦が残っていなかったので、切りべら22本で8把半の蕎麦を打って、カウンターに干したままの昨日の盆や蕎麦皿を片付けて家に戻るのでした。朝食を食べて1時間ほど眠ったらまた蕎麦屋に出掛けて、開店前の仕込みをするのです。天つゆがまったくなくなっていたので、鍋に一杯二番出汁を入れてかえしを加えてひと沸かし。空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充して、小鉢のお新香や切り干し大根の煮物を盛り付けておく。

大根や生姜をおろしたら、野菜サラダの具材を刻みながら、昨日からになった天麩羅の具材を入れる容器に、新しく生椎茸やピーマン、茄子などを切り分けて入れる。掻き揚げに使う玉葱もまったくなくなっていたから、人参と共に刻んでおくのでした。外は暖かくなって、散歩に出掛ける人影も見えた。でも、暖簾を出しても日曜日はお客の出足が遅いので、12時過ぎまでは一人もお客が来なかったのです。それからまとめて客が入るから忙しかった。

2月17日 月曜日 今日は大きな病院でCTの検査でした…

先日、地元の医者にかかった時に、肋骨が折れていると分かったのですが、左半身が一時的に麻痺したことも話したので、すぐに地域の大きな病院を紹介してもらった。今朝は、その病院での検査のために8時には家を出なければならなかったのですが、いつもの習慣で6時過ぎには蕎麦屋に出掛けて、カウンターに干したままの盆や蕎麦皿を片付け、鍋に昆布と干し椎茸を入れ、出汁を取る準備を済ませてから朝食を食べるのでした。
家から車で15分ほどの病院は、昨年末にお袋様が貧血で入院した病院だった。勝手が分かっていたから、そんなに早く行く必要はないと思ったけれど、駐車場に車を止めようとすれば、もう入り口近くの場所は満車状態なのでした。朝早くから病院を訪れる人が多いのには驚いた。受付では早くから沢山の係員が、テキパキと訪れる患者を相手に仕事をしているのでした。大きな文字で書かれたプリントに従って待合室に行けば、検査はわずか15分で済んだのです。

30年以上も前に、肺の手術で入院したときには、確か造影剤の注射をしてから検査したのを覚えているが、あれはMRIだったのか。組織を取って調べても分からないので、結局、当時の事だからあばら骨を切って問題の場所を摘出したのでしたが、「過誤腫」だったと言われ、癌ではなかったので助かったのでした。大きな機械のギュルンギュルンと何かが回るような音には聞き覚えがあったので、そう言えば、やはり左手足が痺れて検査をしたことがあるのです。
この時は職場の系列の大学病院で診てもらったのですが、担当の若い医者に「こちらも忙しいのですから、肩凝りぐらいで来院しないで下さい」と言われたのを覚えている。父親が50代の初めに脳溢血で亡くなったから、敏感になっていたのかも知れません。結果は一週間以内に紹介元の医療機関に届くからと言われた。帰り道を車で走りながら、昼はカツカレーにしようと女将と話していたので、いつものスーパーに寄って高い果物と何種類かと豚カツを買う。

家に帰れば、亭主があまりにも早く帰宅したので、女将は驚いていたのです。画像撮影だけだからと医療の連携を説明する亭主。昼食を食べ終えて、ひと仕事終えたという安心感から、書斎に入ってゆっくりと昼寝をするのでした。女将が雨に降られたと言ってスポーツクラブから帰って来たから、亭主は蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みをするのでした。準備をしておいた出汁を取ったり、洗濯物を畳んだり、固めた油をゴミに出したりして5時過ぎに帰宅する。

2月18日 火曜日 今日は寒くて冷たい風が吹いた…

今朝も5時起き。蕎麦屋に行くには早すぎるので、居間の押し入れの本を片付ける。第三週目の火曜日は子ども会の廃品回収があるので、少しでも役に立てればと段ボールや新聞などを出すのです。古本もその中の一つで、紐で結わいて家の前に置いておけば、トラックが来て持って行ってくれる。最近はこのゴミ出しをする手順が分かってきて、要らないと思う本からどんどんゴミに出すことにしている。最後に残ったものを蕎麦屋に持っていこうと思うのです。

6時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、店の新聞をビニールの袋に詰めて車に積む。これも廃品回収に出すのです。家に戻って朝食を食べたら、書斎に入ってひと眠り。1時間ほど眠ったら、顔を洗ってお袋様を迎えに行く。風も冷たく寒い朝だったけれど、農産物直売所には何台も客の車が停まっている。隣町のスーパーは寒さで出足が遅いと見えて、駐車場も空いていたのです。レジ袋三つ分の買い物で8000円だから、かなり野菜の値段も高い。店に戻って野菜類を冷蔵庫に入れたら、大根と白菜を塩漬けにして、南瓜を家でチーンするために切り分けてタッパに入れるのです。

昼は女将が先週店で残った茄子とピーマンを使って、味噌炒めを作り、亭主は蕎麦を茹でて二人で食べるのでした。食べ終えて亭主はまた書斎に入ってひと眠りする。満腹になると身体も温まってどうしても眠くなるのです。床屋にも行かなければならなかったけれど、眠気を我慢する特別な理由がないからまたひと眠りなのです。女将のスポーツクラブの予約の時間に起こされて、無事に予約を取ったら、今度は宅配便の運転手が電話を掛けてきた。

「店まで300mだからすぐ行きます」と言って待ってもらい、車を飛ばして急いで蕎麦屋に行くのでした。代引きだからお金を払わなければならなかったのです。店の玄関で支払いを済ませて、コーヒーを一杯入れて飲んだら、そのまま午後の仕込みに取りかかるのでした。午後は先週までに随分と出たカレーを作るのがひと仕事。鶏肉と玉葱を炒めたら、茄子やシメジや人参を切って最後に冷凍してある南瓜の端切れを入れて煮込む。カレーのルーを溶かして完成。

5時前には家に戻れば、女将が台所で午前中に亭主の買って帰った鰯を捌いていた。生きが好さそうだったので、亭主の分は刺身にして、寒いから冷たい物を食べたくないと言って、女将の分は開いて蒲焼きにして食べたのです。菜花を湯がいて鰹節を掛け、トマトを切って酒の肴にするのでした。今日、店に届いた日本酒は純米吟醸の「藤娘」。古くなった残りの瓶を持ち帰ったのですが、久し振りに日本酒が飲めると思ったら、300ml一本は飲めなかった。

2月19日 水曜日 昨日よりも更に寒い一日でした…

今朝は4時半に目覚めて居間の部屋に行ったのですが、あまりに寒いので、エアコンを点けてもストーブを炊いても、なかなか部屋が暖まらない。5時のニュースを見て、蕎麦屋に行ってもこんな早くからするほどの仕事はないと考えて、また布団に潜り込んだのです。次に目覚めたのは7時前で、女将が作ってくれた鰯の蒲焼き丼を食べて舌鼓を打つのでした。車に乗ろうとしたら、今朝も宅配便の業者から電話が入り、「1分で着く」と急いで店に行くのです。

寒い北風の吹く駐車場で、若者は待ってくれていた。代引きなのでお金を払わなくてはならないのです。苦蕎麦茶の荷物の中身を確認したら、厨房に入ってコーヒーを入れて飲む。そして、何から始めようかと考えるのです。昨日作ったカレーはかなり固まっていたので、水を加えて少し緩くしておく。そして、冷凍してあったキノコ汁を温めるのでした。ジブロックの袋にカレーを6つ詰めて冷凍室に入れる。キノコ汁も小さな鍋に移して冷蔵庫に入れておく。

蕎麦豆腐を仕込んだら、洗い物を済ませて洗濯物を畳み、昨日洗濯した洗い物を干すのです。これで午前中の仕事を終わりにする。家に帰れば、ちょうど女将が郵便局から帰ってくるところで、今月の書道の提出物を送ってきたのだそうな。昼は亭主がスパゲッティーを茹でて、レタスをちぎって枝豆を散らし、ミートソースを美味しく二人で食べるのでした。満腹になったら、いつもの習慣で書斎に入ってひと眠り。女将はその間にスポーツクラブに出掛けた。

女将が帰ってくるまでには亭主も目覚めて、いよかんの皮を剥いて女将と半分ずつ食べる。それから蕎麦屋に出掛けるのでした。午前中に酒屋に空瓶のケースを持って行き、代わりの新しいケースをもらって来たので、蕎麦打ち室まで苦労して運ぶ。重い荷物は肋骨が痛むので、おっかなびっくり腕の筋肉だけで持ち上げるのです。厨房に入ってまずはレンジ周りの掃除をして、蓮根の皮を剥いて酢水で茹でる。天麩羅の具材を切り分けて容器に入れておきます。

1時間ほどで仕事を終えて、5時前には家に帰るのでした。今夜は女将が早くから用意してくれたおでんと茶碗蒸しで吟醸酒を飲んだ。昨日の残りともう一本を用意したけれど、二本目は開けず終いで夕食を終えるのでした。病院には行かなくてはならなかったけれど、それ以外はゆっくりと定休日を過ごした気分。明日もまた氷点下の寒い朝なのだそうですが、昼も8℃までしか上がらずに風も強くなるらしいから、お客が来るとは思えない天気なのです。