2025年2月初め



2月1日 土曜日 蕎麦屋は珍しく混んで10人越え…

 昨日綺麗に洗って磨いた伸し棒で、今朝は蕎麦を打ちました。両手に引っかかるものがないので、するすると生地を伸ばせるから気持ちが好い。この感触をしばらく忘れていたのです。「初心忘るべからず」なのですね。明るくなった外に出てみれば、ちょうど朝日が昇る時間で、いつもと違った東の空なのです。今日は蕎麦粉が足りないから、500gだけ打っておこうと蕎麦屋に行ったのですが、ついいつもの癖で750gを計量してしまったから大変でした。

 間違いは強力粉30gのところを50g、小麦粉70gのところを100gとしたところから始まるのです。150gならもう蕎麦粉は600gで打つしかないから、焦ったのです。実は、蕎麦粉が足りなくて、明日の午前中に到着するように、蕎麦農家に発注をかけていたのですが、蕎麦粉の袋の中には、300gほどしか粉が残っていないのです。昨日の残りと合わせて14食の蕎麦を生舟に並べて、まさかこれが全部なくなるとは思っていなかったのですが、今日はとても混んだのです。

 家に帰って朝食を食べて、歩いて蕎麦屋まで行けば、朝は足の具合が調子好い。庭の水仙が朝日を浴びてとても愛らしい。塀の縁にはそこいら中に、この水仙が花を咲かせ始めているのでした。きっと女将が球根をあちこちに植えたに違いないのです。風がないので陽射しが暖かく感じる。蕎麦屋の前まで歩いて行けば、サツマイモ農園の若旦那が、ビニールハウスの中から出て来て挨拶をしてくれる。「サツマイモいかがですか?」「今、家内が来て伺いますよ」

 今日は11時にまずは最初のお客が来たので、「11時半からなのですよ」と仕込みの手を休めて帰ってもらう。次に11時15分に今度は違うお客がいらっしたので、玄関を開けて「女将が来たらお茶を出しますから」と中で待ってもらう。野菜サラダを盛り付けて、金柑大福を包んでいたのです。12時過ぎまでに7人が入って、店はかなりの混みようなのです。暖かい陽射しの時にはお客が入ると最近は分かってきた。天せいろが次々と出て、蓮根がなくなった。

 亭主のブログを見て来てくれるリピーターさんもいれば、「向かいの農園でサツマイモを買って、車を停めておいても好いかと聞いて来た」とおっしゃるご夫婦もいらっした。1時を過ぎてもまだお客は続いて、リピーターのご夫婦がやはり天せいろを頼まれた。蓮根の代わりに、値段は高いけれど、赤いかを揚げてお出しするしかなかった。大盛りも出たから、生舟の中の蕎麦はほとんどなくなっていたけれど、最後のお客でもう完全に蕎麦は終わったのです。


2月2日 日曜日 冷たい雨の降る中を昨日に続いてお客が…

 深夜から降り続いた雨は、夜明け前にもまだ降っていたのです。今朝もアラームの鳴る前に目覚めて、コーヒーを飲んで5時半には蕎麦屋に出掛けるのでした。今朝の問題は蕎麦粉があまり残っていなかったから、今日一日分ぐらいの蕎麦が打てるかどうか。頼んでおいた蕎麦粉は午前中に届くのだけれど、遅いときもあるので当てには出来なかったのです。なんとか7人分の蕎麦を用意できたけれど、雨は昼過ぎまで続くと言うから足りるだろうと思うのでした。

 家に戻って朝食を食べたら、書斎に入って少しだけ横になる。左側の肋骨辺りが痛くて左向きでは眠れないから、右向きになって眠るのです。小一時間ウトウトして、起き上がるのにも痛みを伴うのでひと苦労。当分この痛みと仲良くしなければ、楽しく暮らせないのです。冷たい雨は予報通り昼過ぎまで降りそうだったので、今日は車で出勤するのでした。看板と幟を出したら、チェーンポールを降ろすのでしたが、これも身体を曲げると胸に激痛が走るのです。

 厨房に入ってまずは昨日なくなった蕎麦豆腐を仕込んで、最後のお新香を漬け物器から出して盛り付ける。大根と生姜を擦って薬味の小葱を刻んだら、いよいよ野菜サラダの具材を用意するのです。今年のキャベツは小さいから、4日間の営業でちょうどなくなるので使い勝手が好い。パプリカも4日でちょうどなくなるのです。少しずつ仕入れも少なくなっているはずだけれど、安くなったとは言え野菜がまだ高いから、仕入れの値段はあまり変わらない。

 暖簾を出して女将と二人でお客を待つけれど、この冷たい雨の中を来るはずもないだろうと言うのが正直なところ。外の温度は6℃体感では2℃になるのだそうな。1時間ほど待ったところで、老夫婦が車でいらっして、せいろ蕎麦の大盛りと天せいろに蕎麦豆腐を二つ頼まれた。宅配を終えた若者がカウンターに座って、鴨南蛮蕎麦に蕎麦豆腐。リピーターのサッカーのコーチらしき若い男性二人がテーブルに座って、ヘルシーランチセットと天麩羅蕎麦…。

 雨の日だというのに随分とお客が続いた。蕎麦の残りが一つになったので、亭主はかき揚げを揚げて、賄い蕎麦の準備をするのでした。蕎麦を茹でているときに、玄関の扉が開いて女将の友だちがご来店。看板に「お蕎麦売り切れ」と出してあったので「サラダとデザートだけでも頼めるかしら」と言うので、いつも頼んでいるせいろ蕎麦もお出しした。亭主はうどんを茹でてぶっかけうどんを奥の座敷で食べるのでした。サラダも大福も蕎麦豆腐も完売なのです。


2月3日 月曜日 立春とは行っても寒さの始まりらしい…

 夕べはいろいろ考え事をしていたから床に就くのが遅くなって、なかなか寝付かれなかったのです。しばらく床の中で横になっていたけれど、眠れないと諦めて起き出して居間の部屋に行き、台所で湯麺を茹でて食べる。夕食が串焼き二本と野菜だけだったから、腹もけっこう空いていたのです。悪い習慣だとは思ったけれど、腹が一杯になって身体が温まれば、自然と眠気は襲ってくるものなのです。5時間睡眠だったけれど7時前には目が覚めた。

 今日は午後から現在の家の査定に業者が人を連れてやって来る。先日、「権利書がありませんね」と言われて、もう一度しまってある書類を見直したら「登記済書」がちゃんとあるではないですか。念のためにネットで複数のサイトで調べたら、権利書とは登記済書の事だと確認が取れた。赤い印で「権利書」と押してあるものもあるらしいから、担当者はそれを捜していたのでしょう。40年以上も前のものだから、今とはだいぶ様式が違うのかも知れない。

 午後の約束の時間に係員が4人でやって来たけれど、家の中には上がらずに外からいろいろと調べていたようです。折角、掃除をした居間の部屋も使わず終いで、2時間ほどで帰って行った。やっと店に行って午後の仕込みが出来る。午前中は昨日使ってカウンターで乾かしておいた盆や皿を片付け、洗濯物を干して、明日のゴミ出しに間に合うように、厨房のゴミ袋を外の大きな袋に移す。朝のうちに干し椎茸と昆布を浸けておいたから、出汁を取っておく。

 5時前にゴミの回収業者の代金をコンビニで支払い、明日の仕入れの費用をATMで降ろしてくる。家に着く頃にはちょうど夕陽が沈む時間で、西の空が真っ赤に染まっていたから、急いで二階に上がって窓から写真を撮るのでした。沈み行く夕陽の右側には富士山がシルエットで薄く見えるではありませんか。食堂にはもう夕食の用意が出来ていた。今夜は寒くなるからとちゃんこ鍋なのでした。うどんと餅が入っていて、二人分には少し多いと感じる亭主。


2月4日 火曜日 立春が過ぎてから寒気が南下してきた…

 今朝も5時前に目覚め、アラームのスイッチを消して台所でコーヒーを沸かすのでした。朝はあまりする事がなかったけれど、6時前には蕎麦屋に出掛けて、蕎麦汁を空の徳利に補充しておく。今日は風が冷たく、向かいの畑は真っ白な霜に覆われていました。家に帰って朝食を終えたら、居間でゆっくりしてから書斎に入ってひと眠りしたのですが、これが失敗で目覚めたのがもう9時過ぎなのでした。慌ててお袋様に電話をして30分遅らせて迎えに行った。

 空は青く晴れて陽射しもあったけれど、風が冷たいのでした。女将に米を買ってくるように頼まれていたけれど、先週まではあんなに沢山並んでいた米の袋が、今日は一つもなかったのです。近所の農家で出す米は玄米5kgで1600円、頼めば精米してくれて目方は減るけれど、かなり安いのです。それを知ってか最近では随分とお客が来ているらしい。今日は生椎茸もなく、小さめの白菜とトマトなどをもらって、隣町のスーパーに出掛けるのでした。

 取れたての白菜は店に帰ってすぐに漬け物器に漬ければ、午後にはもう水が上がってくるのです。スーパーにもあまり米の種類がなくなっていて、仕方がないので魚沼産のコシヒカリを買って帰ったけれど、四千円を優に超えていた。果物の値段が馬鹿高く、あれこれみつくろって買ったら三千円を越えたのです。家に帰って昼はレトルトのカレーに買って帰ったトンカツを載せて、カツカレーにして美味しく食べたのです。午後はさすがに昼寝をしなかった。

 女将のスポーツクラブの予約を終えたら、映画を最後まで観てから蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みに入る。まずは蓮根の皮を剥いて酢水で茹で、南瓜を家でチーンできるように切り分けて、水の上がってきた白菜をひっくり返して昆布を間に入れていくのです。新鮮な野菜は本当に水の上がりが早い。切り干し大根の煮物も作ってしまおうかと思ったけれど、明日の仕事がなくなってしまうから、家に帰って女将が夕飯の支度をするのを待つのでした。



2月5日 水曜日 今日は肋骨がなぜか痛むのでした…


 今朝はとても寒かったけれど、連なる甍の向こうに、富士山がくっきりと見えたので気持ち好かったのです。7時間睡眠を取り戻したから、朝食を終えたらひと休みして、ひと眠りをせずにそのまま蕎麦屋に出掛けていきました。風はとても冷たくて、やはり寒気がやって来ていると感じられるのでした。店に着いたら、早速、大鍋に湯を入れて火にかけ、エアコンを点けるのです。昨日のブログを読み返して一服したら、キノコ汁を作り始めるのでした。

 漬け物器に入ったお新香の水がすっかり上がっていたから、唐辛子を入れて今しばらく漬けておく。次にフライパンを取り出して、切り干し大根を水で戻し、冷凍の干し椎茸をお湯で解凍する。後で気が付いたのですが、この時に油揚げを切らなくてはいけなかったのに、すっかり忘れてしまった。二番出汁に出汁醤油を加えて煮詰めた後で気が付いたけれど、もう後の祭り。午前中の仕込みを終えて11時前には家に帰ったけれど、女将は出掛けていていなかった。

 居間の部屋に入れば、「ショッピングモールの電気屋に行ってきます。昼は野菜炒めとご飯で好いです」と書き置きがしてあった。昨日、スマホの画面が消えてしまうと言っていたから、有料の相談コーナーで見てもらってこいと言ったのは自分だから、心配でネットで調べてやったのです。そしたらまず最初に再起動してみろという案内が出ていたから、買った店に行けと言われて、帰って来た女将のスマホを再起動すれば、なんとあっという間に直ったのです。

 たまに「再起動して下さい」という表示が出るのを放っておいたから、こんなことになったらしい。昼は、パスタを茹でて同じ残った材料で、亭主がミートソースのタレで特製のナポリタンを作る。野菜炒めとご飯よりも好かったと見えて女将も喜んで食べていた。女将がスポーツクラブに出掛けた後は、亭主はテレビで映画を観るのでした。今日は寒さのせいか左の肋骨の辺りが痛いのです。安静にしているのが好いので、女将の帰るまで昼寝もしなかった。

 女将が帰ってしばらくしたら、亭主は午後の仕込みに蕎麦屋に出掛けるのです。お新香と切り干し大根を小鉢に盛り付け、天麩羅の具材を切り分けて容器に入れておく。時間があったから、薬味の小葱を刻んで、掻き揚げ用の三ツ葉も切り分けて容器に入れるのでした。5時前には家に帰って居間の椅子に座る。今日は防犯パトロールのある日だけれど、まだ肋骨の痛みが取れないからお休みにするのでした。よほど強く打ったようで夜は湿布薬を張っておく。