1月20日 月曜日 蕎麦屋に引っ越す日を夢見て…

朝食を食べたら、いつもの時間に家を出て車で蕎麦屋に出掛けました。今朝は昨日の片付けをして洗濯物を干したら、新聞紙を袋に入れて車に積み込み、段ボール箱を潰して紐で括る。途中で疲れてしまうから、ほうじ茶を飲んで一服するのです。店のカウンターは残しておくつもり。コンセントのある奥の部分にパソコンを置いてプリンターと外付けのハードディスクはその脇に置けば好い。店の中はWi-Fiが通じるので、もうコードは必要がないのが嬉しい。

車に新聞紙と潰した段ボール箱を積んで、明日の子ども会の廃品回収に出すのです。家に帰って昼は、昨日打った蕎麦が残っているから、大きな鍋にお湯を沸かして、女将がとろろ芋を擦ってくれている脇で、亭主が蕎麦を茹でる。サツマイモの煮物とホウレン草を茹でたのが小鉢で出たから、一人前では物足りなかったけれど、なんとか食べ終えて居間でテレビを観ながら寛いでいたら、女将が昨日残った金柑大福とお茶を持って来てくれた。

12時過ぎに女将がスポーツクラブに出掛けたけれど、亭主は昨日もゆっくりと眠れたので昼寝はしなかった。午後は西の町のホームセンターに行って、店の備品を買ってくる予定だったのです。家から5㎞ほどなのですが、歳を取ると億劫になってなかなか出掛けて行きたくない。天削げの割り箸や業務用の消毒液はここでしか手に入らないから、2ヶ月に一辺は出掛けて行く。ついでに同じ敷地にあるスーパーによって家の魚や肉や果物を買って帰るのでした。

帰りは団地の中央部にある昔ながらの台地を抜けて、お袋様の住むマンションに出るのが一番の近道。青空の下、モノレールの線路が続いて、遠く駅前の高層マンション群が見える。昔、子ども達がまだ小さな頃には、ここの小川に螢を見に来たものだけれど、今はコンクリートの用水路に変わってその面影はない。蕎麦屋に寄って荷物を置いたら家に帰って冷蔵庫に生ものを入れるのでした。女将がすぐに帰って来て、「今日は暖かいわね」と言うのでした。

1月21日 火曜日 今日は朝から随分と暖かかった…

暖かい朝でした。朝食を食べ終えたら、昨日のうちに蕎麦屋から持ち帰った段ボールを、家のはす向かいの集積所に出しておくのです。新聞紙は家の門の前に置いておく。玄関から女将も出て来て、家の分の新聞紙や段ボールを出し始める。9時になるからお袋様に電話をして、買い物の迎えに行くのでした。かかりつけの内科が来月で閉院になるので、近所の新しい内科を紹介してもらうことにしたという話を聞く。医者も高齢化して店じまいする所が多い。

農産物直売所で白菜を一把買ってきたので、半分だけ塩で漬け手残りは家に持ち帰る。昨日のうちに昆布と干し椎茸を浸けておいた鍋を火にかけて、小一時間の出汁取りにかかるのでした。出汁を取り終えて家に帰れば、もう11時半になっていました。店から持ち帰った野菜サラダが、随分と沢山残っていたので、昼は湯麺にあんかけの野菜サラダを載せて済ますのです。暖かい日だったから、食べ終えたら汗ばむほどで、部屋の暖房も消してあった。

朝は食後のひと眠りをする暇がなかったので、昼食後はゆっくりと昼寝をするのでした。1時間半ほど眠ったところで女将に起こされて、スポーツクラブの予約を取らなければなりませんでした。コーヒーを一杯飲んで目を覚まし、蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みを始める。白菜の漬け物はまだ水が上がっていなかったので、昆布と唐辛子を加えてひっくり返してまた押し漬けを開始する。切り干し大根の煮物を作り、隣の火口では蓮根を茹でる。

ガスオーブンと一緒になっている電子レンジが壊れているので、南瓜を切り分けて家に持ち帰ってチーンする。このレンジはいつになったら直すのだろうか。何十万もお金がかかるので、そう簡単には修理できないし、新しいものを入れることも躊躇われるのです。5時前に家に帰れば、サーバーの利用料金の請求書が届いていた。カードの期限が切れて、引き落としが出来なかったらしい。早速、新しいカードを登録したけれど、届いた払込票の分は払わなければいけない。何年に一度だから、前回も同じ事をしたのか覚えていない。償却資産の申告書も今月末が提出期限なのでした。
1月22日 水曜日 もう定休日が終わってしまう…

8時半に家を出て、昨日来た請求書を持ってコンビニに支払いに行った朝でした。空は晴れて今日も少し暖かいのです。そのまま蕎麦屋に出掛けて店に着けば、暖房で店の中が暖まる間、持って行ったメジャーで寸法を測る。このテーブルのある場所に、家で使っている木製の応接セットが置けないかと考えたのです。2m50cmは必要だけれど、果たして、カウンターの椅子が邪魔になって上手く収まらない。2mを越える長椅子は車にも載せられないのでした。

長年使って愛着のある肩肘の幅が広い回転椅子も、クッションを載せて座る一枚板だから座り心地は悪いけれど、フットレストに足を載せれば寛ぐことが出来るゆったりとした座り心地なのです。地味な和風の縞模様の生地で覆われて飽きが来ない。当時、何十万円も出して一生ものだと思ったのですが、これでお別れなのか。断捨離の境地からはほど遠いのでした。カウンターを外すとなるとまた費用がかさむので、持っては来れないと決断するのです。

気を取り直して厨房に入り、漬けておいた白菜のお新香を切り分けて、小鉢に盛り付ける。残りは小さな漬け物器に移しておくのでした。昨日作った切り干し大根の煮物も盛り付けて、明日の小鉢はこれで準備完了。次に白餡作りに取りかかるのでしたが、これが時間のかかる仕事で、水を少し多く入れすぎたから、氷砂糖と冷凍してある白餡が溶け出して、硬くなるまで煮詰めなければならない。蕎麦汁を詰め終えてもまだ硬くならないので火を止めて家に帰る。

帰りがけに、ショッピングモールにある「さぼてん」で、揚げたてのロースカツを二枚買って家に帰る。女将はまだ仕事部屋で書道をしているらしかった。昼食は亭主の仕事だから、大鍋に湯を沸かして、スパゲッティーを茹で、ミートソースを温める。女将が台所に来てまだ熱いカツを切ってくれた。湯気でカメラのレンズが曇ってしまったけれど、味は相当に美味しかったのです。満足して書斎に入り、女将が出掛けるのも気づかずに小一時間眠った。

女将の帰るまでコーヒーを飲みながらテレビの映画を観て、遅い午後に蕎麦屋に出掛けて午前中の仕込みの続きをするのでした。まずはキノコ汁を作ってIH用の鍋に移し、柔らかめの白餡は、タッパに入れて冷蔵庫で保存する。それから天麩羅の具材を切り分けるのですが、最近は天麩羅を頼む人が少ないので、油も綺麗なままで具材も残ってしまうのです。それでも、8人分は用意して明日の営業に臨む。明日も蕎麦は8人分打てば十分だろう。
1月23日 木曜日 暖かな一日でしたがお客は少なかった…

また木曜日がやって来て、セットしたアラームで目を覚ますのでした。夕べは早めに床に入ったので、目覚めは好かったのですが、コーヒーを飲んでもまだ動きたくないから困ったものです。5時半になったら重い腰を上げて蕎麦屋に向かうのでした。真っ先に蕎麦打ち室に入って750gの蕎麦粉を捏ね上げる。加水を47%強にしたら少し柔らかくなったけれど、これでも十分に蕎麦が打てる。蕎麦玉を寝かせている間に、玄関を出て曇った夜明け前の空を見る。

蕎麦を打ち終えて、コンビニに寄って煙草を買い、7時過ぎに家に帰る。女将が食卓に朝食を並べているところでした。好物の茄子焼きが出ていたので、亭主は椅子に座って大蒜をすり下ろす。お新香と筑前煮があったので、茄子焼きと食べていたら、茶碗の中のご飯がなくなった。ちょっとおかずが多すぎると女将に言って、ホッケの塩焼きだけ後から食べるのでした。栄養の面からは、動物性タンパク質が必要なのでしょうが、キノコ汁にも鶏肉が入っている。

今朝も食後のひと眠りはせずに、洗面と着替えを済ませたら玄関を出て蕎麦屋に向かうのでした。ゆっくり歩けば足の具合も気にならないけれど、疲れた午後に帰る時には、どうしても右足を引きずる形になってしまうのです。あまり気にしないようにしているけれど、遠くまでは歩いていけないのが辛い。空には雲が随分と沢山出て、これでは晴れとは言えないような気がしたが、陽射しがあるだけ少しは暖かい陽気なのでした。蕎麦屋に着いて看板と幟を出す。

厨房に入ってまずは大根をおろし、薬味の小葱を刻んだら、生姜を擦っておく。そして、野菜サラダの具材を刻んで盛り付ける。最近は11時前にはすべて終えているから、今朝もそれからテーブルを拭いて回って、金柑大福を包み始める。今日のお客は男性の一人客ばかりで、皆さんカウンターに座ってカレーうどんや暖かい蕎麦を頼まれた。自転車で来たらしい老人は「身体の芯まで暖まるね」と言って金柑大福を二つお持ち帰りになるのでした。

1月24日 金曜日 暖かすぎて店の暖房を消した日…

今朝も5時起き。5時40分には蕎麦屋に着いた。カウンターの上に干してあった昨日の洗い物を片付けて、蕎麦打ち室に入る。外はまだ真っ暗なのに、何故か室温は高いのです。昨日の残りの蕎麦があったから、今朝は500gだけ打ち足せば好い。蕎麦玉を寝かせている間に玄関を出て、夜明け前の景色を写真に撮っておきました。いつもと同じ47%の加水で捏ねた生地は、湿度もあってかなり柔らかく仕上がったのです。切りべら25本で140gとかなり細い仕上がり。

蕎麦打ちを終えて家に帰る頃には辺りも明るくなって、驚いたことに向かいの畑は真っ白に霜が降りていました。天気予報の朝方は氷点下というのは当たっていたのです。それでもそんなに寒く感じないのは、やはり湿度が高いせいなのでしょうか。家に帰って朝食を食べて、書斎に入ってひと眠りすれば、今日は亭主一人の営業だからと緊張するのです。陽が昇れば陽射しは暖かく、何処へ置いたのか見つからない手袋も必要ないのでした。

蕎麦屋に着いて看板と幟を出してチェーンポールを降ろしたら、厨房に入る前に洗濯物を干しておきます。昨日はお客が少なかったから、洗濯物も少なかった。大根をおろして野菜サラダの具材を刻んでいる間に、この間作った白餡が柔らかすぎるので、鍋に戻して弱火で煮詰めるのでした。硬く団子に出来なければ、金柑を包んで求肥でくるめないのです。今日は野菜サラダも金柑大福も随分と出たので嬉しかった。やはり最近は金曜日の方がお客が多いのです。

3人連れの年配のご家族がいらっして、ヘルシーランチセットを二つも頼むから、食べられるのかと心配したけれど、80歳は優に越えた老婆が一番元気で好く喋っていました。一時間ほど元気に話をして、満足そうにお帰りになったので好かった。洗い物を済ませてそろそろ暖簾をしまおうかという時になって、車が駐車場に入ってきたのです。テーブル席に一人座った女性は、天せいろのご注文なので、片付けはじめた天麩羅の具材を取り出してお出しする。

1月25日 土曜日 朝から冷たい雨が降っていたのに…

今朝は珍しくアラームがなる前に目が覚めたのです。5時には台所で薬罐を火にかけてコーヒーを入れる。5時半には玄関を出れば雨が降っていました。夕べの天気予報では、一言もそんなことは言っていなかったような気がするけれど、寒い上に雨が降るのでは今日は大変だと思えたのです。車に乗って蕎麦屋に迎えば、真っ暗な道路にかなりの量の雨が降っているではありませんか。6時前にははもう蕎麦玉を仕上げて、厨房で大釜の湯を沸かしていました。

昨日の蕎麦の残りに500gだけ打ち足して合わせて12食の蕎麦を用意したのですが、この雨ではお客が来そうにないのです。ずっと雨がなかったからちょうど好いお湿りではあったけれど、お客が来るはずの土曜日に降るとはなんとも残念でならなかった。7時前に蕎麦を打ち終えて家に帰れば、女将が台所に立って味噌汁を作っていたから、食卓に座ってご飯の出来るのを待つのです。繊維質の漬け物や筑前煮に、高野豆腐、そして出汁焼き卵が出れば完成。

早めに食べ終えたので書斎に入ってひと眠りしようと思ったら、どうも眠れないのです。夕べは10時半に床に就いてぐっすりと6時間以上は眠ったからなのでした。寒いから女将の朝ドラの終わるまで床の中で布団にくるまっていました。洗面と着替えを済ませて、さあ出掛けようと玄関の扉を開ければ、まだ雨が降っているではありませんか。仕方がないから再びくるまを出して蕎麦屋に行くのでした。お客はないから駐車場も一杯にはならないだろうと考えた。

厨房に入って大根や生姜をすり下ろしていると、女将が「寒いわね」と言ってやってくる。野菜サラダの具材を刻み、金柑大福を四皿包んで、昨日の残りと合わせて六皿になった。これは明日の分も作って、少し明日は楽をしようと考えてのこと。それでも三日目の大福はもう硬くなるから、残れば家に持ち帰らなければならない。野菜サラダも残れば全部持ち帰りなのです。それを見込んで、昨日、女将が買い物から帰ったら焼きそばが冷蔵庫に入っていた。

ところが、暖簾を出す頃には雨が少し止んできたので、幟を出せば開店間もなく車が駐車場に入ってきた。リピーターの男性二人はテーブル席に座って、ヘルシーランチセットの天せいろとキノコ蕎麦をご注文なのでした。驚いたことに、2kmも離れた駅の向こうから、自転車に乗って常連さんもやって来て、いつもの辛味大根とせいろ蕎麦の大盛り。さらに続けてリピーターの老夫婦が車でいらっして、鴨南蛮蕎麦と天せいろを頼まれた。有り難い事なのでした。
1月26日 日曜日 晴れてはいても冷たい風の吹く一日で…

今朝はアラームが鳴らなかったのか、少し寝坊して家でコーヒーを飲む暇がなかった。それでもすぐに車で蕎麦屋まで出掛けて、まずはカウンターに干した盆や蕎麦皿を片付ける。蕎麦徳利は冷蔵庫に残っている数を調べて、大盛り用の大きな徳利三つに蕎麦汁を補充しておく。コーヒーを飲みながら窓の外を見れば、やっと森の上の空が白み始めるのでした。時計は6時を回っていたけれど、今日も500gだけ打ち足せば好いと、落ち着いて準備をするのでした。

47%の加水で捏ねた生地は上手く仕上がって、伸して畳んで切りべら23本で140gを越えるぐらいの束にして、7時過ぎには蕎麦を打ち終えたのです。隣のお花畑にも真っ白な霜が降りて、今朝も氷点下の朝なのでした。空は雲一つない青空だけれど、風があるから体感温度は相当に寒く、蕎麦打ちを終えたばかりなのにもう手が冷たくなっている。家に帰れば女将が台所に立って、焼いた魚をテーブルに運んでいた。味噌汁代わりに茶碗蒸しが出たので嬉しい。

今朝も書斎でひと眠りしようと思ったら、全然眠れなくて30分ほど横になって暖まったら、洗面と着替えを済ませて「行ってきま~す」と玄関を出るのでした。女将は「洗濯物が沢山あるからちょっと遅くなりますよ」と言って、亭主の寝ていたシーツや枕カバーを洗濯機に入れる。昨日まで亭主が来ていた服も、全部取り替えたので今朝は随分と沢山洗うものがあったのです。昨日の夜のうちに洗濯をしてジーンズやシャツはもう洗濯竿に干してあった。

よく晴れて陽射しはあるものの、北風が強いからとても寒く感じるのです。早めに蕎麦屋に着いたけれど、今日は週の最後の営業日なので、あまりすることがない。天麩羅の具材も切り足しておきたかったけれど、最近あまり出ないので足りなくなったら準備することにして、キノコ汁だけ二人分取れるように、汁と椎茸を切って加えておいた。これが全部売り切れて、注文したお客は「美味しかった」と汁まで綺麗に飲んで帰られたのです。

駐車場に車が何度も出入りして、今日は寒いのに随分とお客が来たのです。閉店前にいらっしたお客は、鴨せいろの大盛りを頼まれて、亭主の食べる分の蕎麦を残して、ぴったり生舟に残っていた蕎麦がなくなったのです。給料日の後と言うこともあるのだろうか。蕎麦屋の中は昼は室温24℃まで上がっていたけれど、外は冷たい風がピューピューと吹いているのでした。女将と二人で洗い物を片付け、早めに帰って大相撲の千秋楽を早くからテレビで観るのです。