12月4日 水曜日 久し振りに朝から歩いてやっと回復…
定休日の最後の朝は、いつも通りに5時前に目覚めて、コーヒーを沸かして飲む。今日の仕込みは、天麩羅の具材の切り分けと、明日の蕎麦を半分だけ打っておくだけだから、急がなくても大丈夫。それでも、やはり心配だったから、6時過ぎに歩いて家を出て蕎麦屋に向かうのでした。今日は12月最初の防犯パトロールのある日だったので、回復してきたぎっくり腰は大丈夫なのかと試して見たのです。無事に蕎麦屋に着いて厨房に入って小鉢を盛り付ける。
すぐに終わってしまうから、帰り道は夜のパトロールの道を通って、近くの公園まで足を伸ばすのでした。銀杏の木が黄葉してとても綺麗なのでした。ご近所の老人達が道に出て、散った銀杏の葉を掃いていました。紅葉したモミジも盛りは過ぎていたけれど、近場で秋を感じることが出来なかった今年の見納めと、しみじみと眺めて家路につくのです。多少、足は引きずっているものの、2000歩以上を歩いても、以上はなかったのでまずはひと安心なのでした。
朝食を終えてゆっくりとしたら、昼前に再び蕎麦屋に出掛けて、天麩羅の具材を切り分ける。すぐに終わってしまうから、家に戻って昼食の支度をするのでした。客の来なかった日曜日に残った蕎麦の最後の三束を茹でて、今日もまたとろろ蕎麦。昨日買って帰った豚肉の厚切りロースを焼いて、女将と二人で食べる。三日間、蕎麦を食べ続けたことになるのです。暖かかったから、女将も文句を言わずに付き合ってくれたけれど、有り難い事なのでした。
午後はゆっくりと昼寝をして、女将がスポーツクラブから帰ったら蕎麦屋に出掛け、明日の用意する蕎麦の半分を打っておくのでした。一度に沢山打つのは時間もかかるし、体力も要るから、最近は無理をしないようにしているのです。家に戻って早めの夕飯を食べたら、パトロールの集合場所に早めに出掛ける亭主。金星が沈む眉の月に寄り添って明るく輝いていました。集まった80歳前後の老人達は皆さんお元気で、一番後からついてコースを回るのでした。
12月5日 木曜日 今日は風の冷たい曇り空で…
今日から四日間の営業日には、朝の5時にアラームが鳴るようにスマホを設定してあるのです。それでもアラームが鳴る少し前に目が覚めて、しばらく床の上に座ったままで、ぼうっとした頭を少しだけ整えたら立ち上がるのです。トイレに行って台所でコーヒーを沸かしたら、居間の椅子に座ってやっとコーヒーカップに口を付ける。煙草を一服するのはその後なのです。目覚めてから30分、5時半を過ぎて蕎麦屋に出掛け、今朝の蕎麦を打ち始める。7時前には家に戻って朝食を食べるのです。食後のひと眠りは約1時間。
再び蕎麦屋に出掛けたのは9時半近くで、店に着いて、看板と幟を出したら、厨房に入って、まずは大根と生姜をおろす。薬味の小葱を刻んだら、もう10時近かった。野菜サラダの具材を刻んで、いつものように三皿に盛り付ければ、まだ11時前なのです。テーブルを拭いて回って、外に出てみれば青空が見えたけれど、すぐに曇ってくるのでした。陽射しは弱く、寒く感じるのです。外を歩いている人は誰もいない。向かいのサツマイモ農園では、今日は広いビニールハウスの中を耕しているらしかった。
天麩羅鍋に油を入れて、調理台に天麩羅の具材を並べたら、もう11時を過ぎていました。女将が来てくれるまでにはまだ時間があるのです。そこでデザートの蕎麦饅頭を作っていなかったことに気が付いて、急いで蕎麦粉と小麦粉を取りに蕎麦打ち室に行く。蕎麦粉と小麦粉を70gずつ計量してふくらし粉を混ぜ、お湯を100cc加えて捏ねていくのです。まな板にラップを敷いて蕎麦粉の団子を6個作り、漉し餡も6個丸めたら、打ち粉を撒いた上で蕎麦の団子を潰して、餡を包んでいく。沸騰した蒸かし釜に載せて15分で仕上がる。
寒いこともあるけれど、やはり建物全体が工事中の覆いに包まれているから、なかなかお客は来ないのです。昼過ぎにいらっしたリピーターさんは、駅の南側から自転車でご来店なのでした。ぶっかけ蕎麦の大盛りと蕎麦豆腐をご注文で、年末はいつまでやっているのかと尋ねられたので、30日がちょうど定休日の始まりなので、29日の日曜日まで営業すると応えた。奥様が大晦日の年越し蕎麦を頼めるのかと言われたとか。今年は30日を過ぎたらもう蕎麦を打つことはしないつもりなので、年明けの1月8日まで長い休みになる。
12月6日 金曜日 陽射しは弱く風も冷たい日で…
外壁を塗る作業がやっと終わったらしく、外の覆いも一部取り外されていました。外されていた「霊犀亭」の大きな日除けのれんも元に戻され、灰皿やベンチも前にあった場所に返っていた。空はどこまでも青かったけれど、今朝は風がとても冷たいのです。看板と幟を出して厨房に入れば、温度計は12℃を表示していました。エアコンを点けたら、大釜に水を入れて沸かし始めるのでした。蕎麦茶を沸かして三つのグラスに入れて、一つは暖を取るために飲む。
アスパラガスとブロッコリーを茹でて、レタスをちぎって洗ったら、キャベツの葉を刻みます。アーリーレッドをスライスして、パプリカを二種類刻んだら、人参の皮を剥いて千切りの準備。いつもここでひと休みするのです。ちょうど大釜の湯が沸いたので、四つのポットに入れて、大釜にまた水を足す。野菜サラダが仕上がったのは10時40分と随分と早かった。天麩羅の具材を調理台に並べ、天麩羅油を鍋に入れたら、冷蔵庫から天ぷら粉の入れ物を取り出す。
今日は時間があったので少し解凍してあったハラミを切り分け、竹串に刺していく。先週も全部残ってしまったから、四本もあれば足りるだろうと、残りはまた冷凍室に入れておきました。これで、週末の準備も整ったし、テーブルを拭いて回っていよいよ開店の準備は終了なのです。お客が来ても来なくても、この準備は毎日しなければならないけれど、今日の寒さではどれだけお客が来るのか、覆いの取れた足場越しに窓の外を覗けば、青空が広がっている。
1時まで待ってもやはりお客は来なかった。このところ木曜日よりも金曜日の方がお客が多かったのに、やはり、寒さと店の建物を覆っている工事中の垂れ幕のせいだろうか。お客が来ない時は、めげていても仕方がないので、賄い蕎麦を茹でて食べるのです。今日は食用菊の「もってのほか」の天麩羅を綺麗に揚げようと、定番のレシピどうりに額の側から油に浮かべた。しばらくしてひっくり返して少し揚げれば、綺麗な花の形が保たれたのでした。
12月7日 土曜日 陽射しはあっても寒い一日でした…
今朝は4時半にすっきりと目が覚めて、台所に行ってお湯を沸かし、コーヒーを入れました。寒いから居間のエアコンとストーブを点ければ、なんと室温は10℃。冷蔵庫の中の温度なのでした。テレビも点けずに熱いコーヒーを飲んで暖を取る。まだ動き出せる温度ではないのです。やっと暖まって一服。蕎麦屋に出掛けたのは5時半過ぎなのです。まだ夜明け前だから辺りは真っ暗で、やっと東の空が少し白んで来ました。蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。
蕎麦打ちが終わって車に乗り込もうと外に出れば、隣の畑は真っ白な霜が降りている。駐車場のモミジも紅葉が終わってもう枯れ始めているのです。7時には家に戻って朝食を食べ、いつものペースで書斎に入ってひと眠り。9時半前には今度は歩いて再び蕎麦屋に出掛ける。今日は土曜日の朝市の日だから、向かいのサツマイモ農園は八百屋も出てなかなか賑やかなのでした。近所のお年寄り達が歩いてやって来て、野菜や焼き芋を買っていた。
亭主に少し遅れて女将が来て「今日は八百屋が出ているわね。ちょっと言って来るわ」と道路を渡るのでした。サツマイモや野菜を買って帰って来てきたら、「植木鉢で大きな実のなった金柑が出ていたから買ってこようかしら」と珍しく亭主に尋ねるのでした。自宅にある金柑の木を移植するのには、それなりのお金がかかるけれど、小さな植木鉢なら安いという考えなのです。再び道路を渡って小さな植木鉢に接ぎ木で植えた金柑の木を買ってきたのです。
野菜サラダの具材を刻んで、今日も三皿だけ盛り付けておく。寒いから今日もお客は来ないかと思ったら、暖簾を出す時間に合わせて常連さんのお年寄りがやって来たのです。カウンターのいつもの席に腰を下ろして、せいろ蕎麦と白エビのかき揚げを頼まれる。1時過ぎになってワゴン車にのった年配の男性がやって来た。カウンターに座ってせいろ蕎麦の大盛りと野菜サラダをご注文で、食べ終えて「蕎麦が美味い」と新蕎麦の香りがあると褒めてくださる。
12月8日 日曜日 結局はお蕎麦が売り切れた寒い午後…
今朝もスマホのアラームの鳴る5時前には目が覚めて、居間でコーヒーを飲みながら今日の段取りを考えていました。昨日の蕎麦は随分と余っているはずなのですが、今週は寒さのためかお客が少ないので、今日もそんなに来るはずもないだろうと思えたのです。先週は最後の日に蕎麦を打って、残った蕎麦を三日間の定休日に食べ続けなければならなかったのが苦い思い出。足りなくなれば、ご免なさいでお客様に謝るだけだと、決心して6時過ぎに家を出る。
晴れると言う予報だったのに空は雲に覆われて、寒い朝なのでした。カウンターの上に干してあった盆や蕎麦皿を片付け、冷蔵庫の中の蕎麦や小鉢の数を確認したら、昨日のブログを読み返しながらお茶を一杯飲んで休憩です。今朝は昨日残った野菜サラダをどうしても処理しなければならなかったので、亭主が早めに家に帰って、残った野菜サラダであんかけの野菜炒めを作るのでした。寒い日だから暖かい食べ物が好いと言う女将のリクエストなのです。
夕べは珍しく10時には床に入ったので、7時間の睡眠で今朝は食後のひと眠りはしなかった。8時半には家を出て歩いて蕎麦屋に出掛ける。日曜日は明日で終わりの業者の仕事もお休みだから、足場に昇らせてもらって、高く伸びてしまった月桂樹の木を剪定してしまおうと、ノコギリと剪定ばさみを持って足場の階段を昇る。歳を取って高いところが怖くなったので、手すりにつかまりながら南東の角まで進み、苦労せずに綺麗に枝を落としたのです。
いつもの通り野菜サラダは三皿盛り付けて、天麩羅の具材も少しだけ切り足しておいたけれど、今日はほとんど天麩羅は出なかったのです。開店の1時間も前に、蕎麦屋の下の通りに住む小母さんがやって来て、「蕎麦と蕎麦汁を二人分ください」と言う。晩に息子さんと二人で食べたいのだとか。暖簾を出してすぐに年配の男性が車でいらっして、ノンアルビールとせいろ蕎麦の大盛りをご注文。そのお友だちが後からいらっしてぶっかけ蕎麦とハラミの串焼きを二人で食べると四本、そして蕎麦饅頭を二つ頼まれたのです。
お二人でしばらく話をしていたから、順番にお造りして、帰られたのが1時前なのでした。亭主は賄い蕎麦を茹でて食べてしまうのでしたが、その後でまた車が入って鴨せいろの大盛りをご注文なのでした。今日は早くからお客が入ったと思ったら、閉店間際にも三人連れで「いいですか?」とお客が来たのだけれど、もう生舟には蕎麦はなくなっていたのでお断りしたのです。鴨せいろを美味しいと食べて帰られたお客は、店のパンフレットをお持ち帰りでした。
12月9日 月曜日 やはり冬、今季一番寒い朝なのでした…
今朝は6時に起き出して居間の部屋に行けば、なんと7℃しかありませんでした。急いで暖房を入れて、コーヒーを沸かすのでしたが、すぐに鼻水が出て来て、やはりもう冬なのだと実感しました。今日の最初の仕事は、市役所の出張所に出掛けて、印鑑登録書を発行してもらいに行くことでした。蕎麦屋の外壁塗装の作業が終わって足場の解体作業をする日だったから、蕎麦屋を回って行ったけれど、まだ業者は来ていませんでした。すぐに終わるからなのか。
出張所には係の人以外は誰も客がいなかったので、窓口に行って「印鑑証明書が欲しいのですけれど」と言えば、「今は機械がなくなったのですよ」と、申込書を書いたら向こうで処理をしてくれたから驚いた。確かに亭主のような年寄りは、どうせ使い方を聞かなくてはならないから、高額な機器を導入しても人手は必要なのかも知れない。役所の前の廊下は広く、椅子や綠が置かれていて、陽の当たる場所には、お年寄りが椅子に座ってのんびりしていた。
昼食を終えてひと眠りしたら、女将はスポーツクラブに出掛けていた。そろそろ足場の解体作業が始まっているかと、車を出して蕎麦屋に行けば、駐車場には亭主の車が入る隙間もない程、大きなトラックが横付けされていて、ちょうど足場を外しているところなのでした。空は朝からずっと晴れて雲一つないのです。北風が吹いてとても寒いのでした。中で仕事が出来なかったので、作業の職人さんと少し話をして、そのまま家に戻ってきた。
今日は蕎麦屋で仕事が出来なかったので、家でテレビを観ることが多かった。途中途中で椅子から立ち上がりながら、懐かしい映画を3本も観たから、好い加減飽きてしまったのです。夜のブログを少しずつ仕上げて、5時になったら台所に立って夕食の支度をするのでした。蕎麦屋で残った野菜サラタやチーンしてほぐした蒸し焼き蕎麦、キクラゲや海老や肉など、材料はすべて女将が用意してくれるので、亭主はフライパンを二つ並べて仕上げるだけ。