11月20日 水曜日 昨日よりも寒い朝のガレージで…
今朝は昨日よりも寒い朝でした。起きたてでコーヒーを一杯飲んだら、蕎麦屋に出掛けようと玄関を出て、ガレージのシャッターを開けようとした時でした。いつも片手で少し持ち上げてから、よいしょッと上まで上げるのですが、今日はその途中で腰がグキッと音を立てて、激痛が走ったのです。身体が十分に暖まっていなかったから、腰に負担がかかって明らかにぎっくり腰なのでした。這うようにして車に乗り込み、蕎麦屋まで運転した。
午前中は曇りの予報だったのに、冷たい雨が降ったり止んだり。早速、タブレットで「ぎっくり腰」を検索していろいろ調べる。腰の痛さは立って同じ姿勢ならば軽減されると言うので、明日の天麩羅の具材を切り分けて、容器に詰めておきました。次いでホウレン草も茹でて、タッパに入れておく。屈んで冷蔵庫の野菜籠を開けるのにもひと苦労なのです。トマトを買ってくるのを忘れて、隣町まで買い物に出掛ける。腰を労りながら歩くのも大変なのでした。
女将と昼はまたパスタにしようと話していたので、ついでに揚げたてのトンカツやタバスコを買って家に帰る。車で移動しているときには何でもないのに、車から降りるのには壁やドアにつかまりながらでないと、腰が痛くて「あ痛たたッ」と声を出しながら玄関までの階段を昇るのでした。亭主が鍋に湯を沸かして、パスタを茹でる。先週は青の洞窟のソースだけでパスタを食べたけれど、やはりトンカツが載っているとお腹に溜まって美味しいのでした。
食後は書斎に入ってひと眠り。やはり横になっている時は腰の調子が好いので、1時間以上も眠ってしまった。女将はその間にスポーツクラブに出掛けて行った。雨が降っているのに、彼女の健康さは、とにかく毎日歩くことから始まっているらしい。それに比べて亭主の不健康さは、腰を労りながら、右足を引きずって、腱鞘炎の手首の痛みを気にする現状だから、どうにも仕方がない。それでも午後も蕎麦屋に出掛けて、蕎麦を打っておいたのです。
腰をかがめることは痛くて出来なかったから、膝を曲げて高さを調節しながら、時間をかけて500gだけ蕎麦を打つ。この調子では、とても明日の朝一番で、沢山の蕎麦を打てそうになかったのです。今日は防犯パトロールのある日なのだけれど、とてもじゃないけれど歩いては出掛けられない。幸いにも夕刻は雨が降っていたから、恐らく中止になったのではないか。寒い夜はおでんの鍋を突いて久し振りに日本酒を飲んだ。二合しか飲めなかったのが悲しい。
11月21日 金曜日 日中も13℃までしか上がらぬ雨の一日…
6時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、今日も500gだけ打ち足しておく。蕎麦粉が底をついて、それ以上は打てないのでした。冷たい雨が降りしきる朝だったから、10食も用意すれば十分だろうと考えたのです。蕎麦玉を作って厨房に戻り、夕べ漬けておいたお新香を取り出して小鉢に盛り付ける。やはりぎっくり腰のお蔭で一つ一つの動作がゆっくりになるから、蕎麦を打ち終えたのはもう7時半近かったのです。それでも慌てずに後片づけをする亭主。
朝食を食べ終えてもまだ雨は止まなかったから、今朝は車で蕎麦屋に行くのでした。厨房に入って、蕎麦豆腐を仕込み、生姜と大根を擦りおろしたら、薬味の葱を刻む。外は風がないけれど雨は止みそうにない。野菜サラダの具材を刻んで、いつものように三皿に盛り付ける。今日はその後で蕎麦饅頭を作って蒸かさなければいけないのでした。寒い日だから、饅頭が売れるだろうと思うのは空想の世界で、寒い日だとお客さんそのものが来ないのです。
沸騰したお湯に蒸かしがまを載せて、15分間蒸せば、ふっくらと暖かい饅頭が出来上がる。蒸し立てを食べる人がいないのは残念でならないのです。昔は、蒸し立ての饅頭を先を争って注文するお客がいたものです。開店の時刻前に女将が来てくれて、洗濯物を畳んだりしてくれたけれど、暖簾を出しても一向にお客の来る気配はなかったのです。外の気温は13℃。1時間経っても2時間待っても、お客は来ない。冷たい雨はしとしとと降り続けるのでした。
11月22日 金曜日 晴れて暖かくなったと思ったら…
今朝は早くから晴れて、空には雲一つないのでした。朝飯前に蕎麦屋に出掛けて小鉢を用意したり、今日の蕎麦を確認しておく。朝食後に書斎に入ってひと眠りしたら、今度は歩いて蕎麦屋まで出掛ける。金曜日は女将の来ない日だけれど、この天気ではお客が来るから、車では行けないのです。痛い腰を労りながらゆっくりと歩いて、蕎麦屋に着いたら看板と幟を出す。そしてチェーンポールを降ろすのですが、腰が痛いので屈めないからストーンと下に落とす。
昨日用意したものがそのまま使えるから、今朝は大根をおろして野菜サラダを作る事から始める。この野菜サラダは今日はすべて出て、蕎麦豆腐も蕎麦饅頭もなくなったのです。12時半には満席で、ヘルシーランチセットを含めて、皆さん天せいろをご注文だったから今日は忙しかった。開店前に最初にいらっしたのは、自転車で来たリピーターの老人で、店のブログを見て懐かしくなったとおっしゃっていた。後のお客は皆さんご新規のお客様で若かった。
亭主が一人で足を引きずっているのを見てか、運ぶ盆を途中から受け取って下さる方もいた。「いやあ、一昨日、朝の寒い時間にガレージのシャッターを開けようとしたら、ぎっくり腰になっちゃって」と、亭主は笑いながらお礼を言う。天麩羅の具材が足りなくなって、新しく用意するのも手間取ったけれど、6つ作った蕎麦饅頭を蒸かすのにも時間がかかった。最後のお客は赤ん坊を連れたご夫婦だつたけれど、もうカウンターしか空いていなかった。
他のお客が少しずつ帰られて、残った二人にやっと蕎麦を運ぶ。天麩羅に菊の花を添えたから、「この菊は『もってのほか』って言うんですよ。天皇家のご紋を食べるとはもってのほかと言うのだとか」と、昨日も一昨日も繰り返して話した説明をすれば、「品種名なのですか」と尋ねたのはカウンターに座ったご主人だったか。若い奥様に抱かれた赤児は静かに眠っている。何でも二人とも鹿児島の出身で、亭主の家のすぐ近くに住んでいると言う。亭主が毎日飲んでいる伊佐錦の話をすれば、「あれは美味しいお酒ですよ」と話が弾むのでした。1時過ぎには皆さんお帰りになるのでした。
11月23日 土曜日 晴れた土曜日だったから、お蕎麦完売…
寒い朝でした。5時に起き出して、まずはコーヒーを入れる。もう少し眠っていたかったけれど、蕎麦打ちをしなければならないので、5時半には家を出て蕎麦屋に向かうのです。東の空が少しだけ明るくなって、もう冬の空だから星々が綺麗に光っているのが見える。750gの蕎麦粉を計量して蕎麦玉を作ったら、寝かせている間に厨房に戻って、空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充しておきます。日中は少し暖かくなると言うから、晴れればお客は来ると予想。
蕎麦打ち室に戻って蕎麦玉を伸せば、新蕎麦特有の綠色の生地が季節を感じさせる。加水率は43%でちょうど好い硬さなのです。ぎっくり腰になってから4日目で、まだつかまり立ちしていないと蕎麦も打てないけれど、両足と蕎麦打ち台を腹で身体を支えて、何とか包丁切りまでこぎ着ける。数が多いと疲れるので、やはり少しずつ打った方が無難なのです。ネットの情報では4日ほどでよくなると書いてあったが、何もしないで寝ているわけではないので無理。
7時過ぎに家に戻れば、塩気のないおかずを並べて、「ご飯が出来ました」と女将が居間の亭主を呼ぶのです。美味しそうなお新香にも出汁醤油を掛けなければ味がしないから、若い頃なら怒ったものだけれど、亭主の身体のことを考えてくれているからと諦め、こっそりと減塩の梅干しを出してご飯を食べる。食堂も寒くなって石油ストーブを焚くようになったので、蜜柑に黴か生えてしまったと女将が言う。一袋では足りなかろうと二袋買ったのが失敗でした。
書斎に入ってひと眠りしたら、洗面と着替えを済ませて歩いて蕎麦屋に出掛ける。吹く風は冷たく、亭主はセーターとジャンバーを着て、腰の具合を確かめながらゆっくりと歩くのです。向かいのサツマイモ農園は朝市の日だけれど、今日は八百屋もカレー屋さんも着ていなかった。寒い風の吹く中を、農園の若旦那だけが、焼き芋の看板を出して、芋を焼いている様子なのです。道のこちらから挨拶をして、幟を立て看板を出し、チェーンポールを降ろして歩く。
朝飯前に蕎麦だけは打っておいたけれど、混んだ翌日にはすることが沢山あるのでした。大根をおろして生姜を擦り、薬味の葱を刻んで、蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら、酢水で茹でるのです。レンジが壊れているから、家で切り分けた南瓜はチーンしてきた。昨日作ったばかりのデザートの蕎麦饅頭も、全部売り切れたからまた作らなければならない。その前に野菜サラダを刻んで盛り付けておくのです。こんな日に限って開店の20分程前に駐車場に車が入る。
寒い風の吹く日だからと、女将が中に入ってお待ち下さいと言えば、四人連れの家族は席に着くなり注文をするのです。まだ蕎麦饅頭が出来ていない。やっと蒸かし釜に入れて蒸し始めたら、暖かい蕎麦ばかりのご注文なのでした。今日は他のお客も半分以上が温かい汁の蕎麦をご注文で、天せいろも天麩羅蕎麦に替えて頼まれる方が多かった。テーブル席が二回り目に入って、天麩羅の具材がなくなるので作り足す。1時前には生舟の蕎麦がすべて売り切れた。
11月24日 日曜日 寒さの中、三日続けてお蕎麦売り切れ…
昨日よりも寒い朝なのでした。吐く息は白く、隣の畑にはうっすらと霜が降りていた。今朝も朝飯前に蕎麦屋に出掛けて、夕べ漬けておいたお新香を取り出して切り分け、小鉢に盛り付けるのです。蕎麦打ち室に入って今朝も600gの蕎麦を打つ。夕べ打った600gと合わせて12食の蕎麦を用意しました。そんなに売り切れの日が続くはずもないと、多少、気の緩みもあったのかも知れない。今朝の加水率は43.5%と少し多めにしてみましたが、それが好かった。
蕎麦を打ち終えて家に戻る頃には、東の空から陽が昇ってくる。家に戻って朝食を食べたら、今朝は少し長い時間眠ってしまった。混んだ昨日の疲れが残っているのだろうか。珍しく少し遅めに家を出れば、昨日よりも空は晴れて雲一つないのでした。気温は低かったけれど、風がない分、陽射しの暖かさが感じられた。蕎麦屋に着いていつもの仕事をこなしたら、厨房に入ってお茶を沸かし、今日もまた蓮根の皮を剥いて輪切りし、酢水で茹でるのです。
天麩羅の具材が足りなくなるといけないので、今朝も切り分けた南瓜を家でレンチンして持って来た。今日もお客のほとんどが天ぷらを頼まれたから、正解なのでした。日曜日だから出足は遅かったけれど、常連さんのご夫婦が昼前にいらっしたのが始まりでした。5人の男女のお年寄り達が奥のテーブルに陣取って、全員、天せいろのご注文。会計を済ませてからも、随分長い時間話をしていらっしたけれど、盆を片付け始めたら帰り支度を始めたのです。
その途中で若いカップルがいらっして、こちらも天せいろのご注文なのでした。天麩羅を揚げて蕎麦を茹でるという同じ作業を繰り返すだけだから、楽と言えば楽なのです。天麩羅を載せる皿が足りなくなって、少し大きめの皿に盛り付けてお出しする。今日は寒い日なのに、全員が冷たい蕎麦なのでした。蕎麦屋の中はお客の熱気で暖房を消していたけれど、若い人は着ていたコートを脱いで蕎麦を食べる。3日も続けて混むことは滅多にないので嬉しかった。
11月25日 月曜日 朝は0℃と霜も真っ白に降りたのです…
朝食の時に「お休みの日なのに今朝も随分と早かったわね」と女将に言われて「習慣が付いてしまっているのだよ」と応える亭主。目覚ましのアラームを掛けていなくても、暗い時刻に目が覚めてしまうのです。そう言えば、夕べもいつもの時間になったら眠くなった。悪い事ではないけれど、今朝は蕎麦屋に行く仕事がなかった。それでも洗濯物だけでも干してこようかと、蕎麦屋に出掛けるのでした。ついでにカウンターに干してある盆や蕎麦座を片付ける。
7時前に家に戻って、朝食を終えたら居間でゆっくりとして、やはり書斎に入ってもうひと眠りするのでした。目覚めればもう9時半過ぎで、蕎麦粉の代金を振り込みに郵便局に出掛ける。給料日だからか、いつもより郵便局も混んでいた。蕎麦屋に着けば、外壁の修繕工事のために職人達が足場を組んでいました。大きなトラックを駐車場に入れて、若い職人が忙しそうにたち動いている。活気のある光景に思わずこちらも元気をもらうのでした。
昼は女将があんかけ焼きそばにして、蕎麦屋で残った野菜サラダを食べてしまいたいと言うので、亭主は夜の食材にとうどんと揚げとホウレン草を持って家に帰るのでした。11時過ぎに焼きそばの麺を焼きながら、野菜サラダや海鮮ミックス、肉を入れてあんかけを作るのは亭主の仕事。分量のある五目焼きそばを食べるのは、やはり昼が好いと思う。夜はもう少し軽めの食事でないと酒が飲めなくなるのです。食後の昼寝の間に女将はスポーツクラブに出掛ける。
女将が帰ってくるまで、テレビの映画を観て、帰って来たところで、再び車に乗って今度は薬局に出掛ける。襟足の所に出来た吹き出物が、皮膚科で出してくれた薬では、どうも好くならなかったのです。昔、隣町の皮膚科でよく出してくれた薬は、効き目があったのですが、その名前を忘れていたのを昨日ふと思い出して、調べて見たら間違いがなかった。現在は薬局でも買える軟膏だったから捜しに出掛けたのです。無事に薬を手に入れて、家に帰って夕食。
11月26日 火曜日 今日も寒い朝で真っ白な霜が降りていた…
今朝は6時に目が覚めて、やっとお休みモードになった感じなのでした。それでも朝食にはまだ早すぎるので、蕎麦屋に出掛けて、油を固めたのを混み箱に入れ、生ゴミの袋を表に持って行くのでした。厨房脇のドアが足場の柱で開かないので、玄関から表を回って運ばなければならなかった。ゴミの回収業者が持っていってくれるだろうかかとちょっと心配になるのでした。コーヒーを沸かして一杯飲んだら、ちょうど7時になったので家に戻って朝食の時間。
隣の畑はびっしりと白い霜に覆われて、今朝の寒さを物語っていました。朝食はいつもと同じで、亭主の好物のナス焼きだけがまともなおかずなのでした。それでも美味しく頂いて、食休みに居間の椅子に座ってお茶をもらうのです。それから書斎に入って少しだけ眠るつもりが、1時間近く眠って、慌てて仕入れに出掛ける支度をするのでした。定休日でも火曜日はお袋様を迎えにいかなくてはならないから、時間に追われるのです。それがまたいいのかも。
農産物直売所と隣町のスーパーとを回って、食材を買いそろえたら、お袋様を家まで送って蕎麦屋に戻る。足場を組んだ蕎麦屋では屋根の洗浄やら外壁の洗浄で若い作業員が一人で働いていました。声を掛けて店の中に入れば、中は足場に垂らしたカーテンのせいか薄暗くて、室温も陽の出ている割には14℃と寒いくらいなのです。野菜を冷蔵庫に収納したら、大根を一本切り分けて皮を剥いていくのです。なた漬けの下ごしらえに塩を振って漬け物器に漬け込む。
11時近かったので、家に戻って家の買い物を袋二つ分と米とを玄関まで運べば、女将が出て来て助けてくれるのでした。重い荷物はぎっくり腰の腰には負担がかかるのです。昼は何を食べるか、女将と話をしていなかったので、太陽は出ていても寒かったから、買って帰ったラーメンと野菜サラダがまだ残っていたので、あんかけラーメンを亭主が作ることになった。湯を沸かしてラーメンを茹で、隣の火口でフライパンに油を引いて、ものの5分で出来上がり。
火曜日は2時過ぎに女将のスポーツクラブの予約があるので、月に一度の床屋に行きたかったのだけれど、我慢して2時半には家を出る。運悪く先客がいて、まだ髪を切っていたから、待つこと30分以上。やっと亭主の番になって、親父様は休まずに髪を刈ってくれたのです。80歳を過ぎたというのに、もの凄い集中力だと感心するのでした。やっと頭はさっぱりと綺麗になって、車に乗ればもう4時を回っているではありませんか。今日はここまでと家に帰る。