2024年10月末



10月27日 日曜日 午前中は晴れたけれど午後は曇り空で…

 裏窓から見た夜明け前の空。雲はほとんど見当たらない。6時前に家を出て蕎麦屋に着けば、今日は快晴かと思われるのでした。厨房に入ってコーヒーを沸かしたら、糠床を冷蔵庫から取り出して、お新香の漬かり具合を確かめるのです。12時間だからちょうど好いかも知れない。8鉢出来れば好いと思ったら9鉢取れたから助かった。これになた漬けを加えて今日と明日の分だから、多くもなく少なくもない数が好いのです。外はだいぶ明るくなってきました。

 いつもより少し遅れて、6時半には蕎麦打ち室に入ったのだけれど、加水率は昨日と同じで40%強。少し柔らかめで打ちたいと思っていたら、ちょうど好い具合の生地に仕上がりました。伸して畳んで包丁切りをすれば、切りべら22本で135g。昨日の残った蕎麦と合わせて13人分の蕎麦が用意できました。時計を見ればもう7時をだいぶ過ぎていたから、急いでコンビニに寄って煙草を買い、家に戻れば7時半なのでした。女将が亭主の帰りを待っていた。

 今朝は昨日までに残った野菜サラダを、亭主があんかけ煮にすることになっていたのです。フライパンもサラダも出してあり、後は亭主が作るだけ。5分ほどで仕上げて無事に朝食にありついた。食後のお茶をもらって、書斎で10分ほど横になったけれど眠れるはずもなく、着替えと洗面を済ませて蕎麦屋に出掛けていくのです。今日は空になった徳利に蕎麦汁を詰める仕事が残っていた。空は澄んで秋晴れなので、天気予報とは少し違うなと喜んだ。

 しかし、みずき通りを渡る頃には南の空に雲が出ていたから、いつまでこの晴れが続くのだろうかと、少し不安になるのでした。それでも午前中いっぱいは陽が差して、蕎麦屋の中は室温21℃、湿度が65%と昨日と同じくらいなのです。着ていた半袖を脱いで下着のままで仕事を始める。女将がやって来て、店の掃除を済ませたら、「厚手のジーンズでは暑いから薄いズボンに着替えてくるわ」と言って早めのお昼を食べに帰って行った。朝が遅かったので御免。

 午前中の天気がよかったせいか、今日はお客が沢山いらっした。珍しく10人を越えたお客入りだったけれど、大盛りが多かった。せいろ蕎麦が半分だったので、とても楽なのでした。ヘルシーランチセットの天せいろも二つ出て、天せいろ多かった。12時半を過ぎた頃に「お蕎麦売り切れ」の看板を出したのですが、その後で二人連れがやって来て駐車場に車を止めたので、最後の蕎麦を使ってせいろの大盛りをお出ししたのです。3時前には蕎麦屋を出た。



10月28日 月曜日 最後の月曜日の営業は寒くて客はなし…

 6時前に蕎麦屋に着いて、昨日の洗い物を片付けたら、コーヒーを入れて今朝の段取りを考える。空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充しなければならないけれど、それは蕎麦粉を捏ねて寝かせている間にすることにして、やはり最初に蕎麦粉を捏ねる作業をする。室温は20℃と昨日よりも低く、湿度だけが70%以上あるのでした。加水率は39%台に戻して、少し柔らかくなるのではと心配したけれども、しっとりとちょうど好い生地に仕上がったのです。

 蕎麦玉を寝かせている間に蕎麦汁を徳利に詰めて、また蕎麦打ち室に入って蕎麦を打つ。均一な太さで8束打ち終えたら、生舟に入れて今日の用意です。この寒さと雨ではお客は来ないかも知れないけれど、その時はその時。昨日よりも15分ほど早く家に帰った。台所で女将がカツ煮を作っていました。夕べトンカツを余分に買って帰ったのが好かった。朝からご馳走で食欲をそそるのでした。食べ終えて居間でお茶をもらったら、書斎に入ってひと眠りです。

 雨は止みそうになかったので車で蕎麦屋に出掛け、今日はいろいろと準備するものがありました。やはりお客が沢山来ると作った物も早くなくなるから、薬味の葱を刻んだり、生姜や大根をおろしたり、蕎麦豆腐を仕込んだりとすることはいっぱいあったのです。それでもやっと野菜サラダを盛り付け終えたのは11時前。雨は少し上がってきたようなのでした。暖簾を出してひたすらお客を待つ。昨日の洗濯物を干しに奥の洗濯場に入ってひと仕事。

 それでもお客は来ないので、隣のコスモス畑が最後の輝きを見せていたから、出て行って写真を撮るのでした。今年は暖かかったので、随分と遅い満開なのです。11月から月曜日も定休日にすることにしたので、少しは違う仕事も進むだろうか。蕎麦屋の方は庭の草取りと排水溝の掃除。自宅では断捨離の仕事が山のようにあるのです。沢山の本を整理したところで、要らなくなった洋服や押し入れの中の荷物を捨てなければ。いつになったら引っ越せるか。



10月29日 火曜日 朝から曇り空で夜は雨…

 日の出の時刻なのに空は雲に覆われていました。蕎麦屋に行って午後の出汁取りの支度をしておきます。家に戻れば朝食の用意が調って、ナス焼きとホッケの塩焼きがぷーんと好い匂いなのでした。寒くなってから右足首を捻ったらしく、何故か腫れて痛みがある。それがいつ何処で起こした事故なのかは、この歳になると本当に身に覚えがないから不思議なのです。明日の晩は地域の防犯パトロールがあるのだけれど、この調子では長い距離はとても歩けない。

 ひと眠りして厚手のシャツにベストを着込んでお袋様を迎えに行く。今日は火曜日の仕入れの日だから、9時にはお袋様のマンションの下で彼女を車に乗せて、寒くなったねと話をしながら、農産物直売所に出掛けました。野菜はあまり出ていなかったけれど、女将に米を買ってくるように言われたので、精米してもらう間に生椎茸や赤玉葱などをもらって帰る。レジの女性が「霊犀亭さんですよね。何回が食べに行きました」と言うから驚いた。

 来週からは月曜日も定休日にするので、あまり仕入れなくてもいいかと思ったけれど、全体の値段はあまり変わらない。店に帰って大根のなた漬けの準備をして、昨日残った蕎麦を食べなければならないから、天麩羅を揚げて家に持って帰ったのです。そしたら、蕎麦汁を忘れたのでまた蕎麦屋に取りに行く。家の分の買い物も沢山あったから、大丈夫だろうと確認したのだけれど、やはり忘れていた。向かいのサツマイモ農園では幼稚園の芋掘りをやっていた。

 揚げたての天麩羅をおかずにして、昨日打った蕎麦を夫婦で食べる。女将が「蓮根の天麩羅が美味しい」と言うから、嬉しかった。明日もまた同じメニューで蕎麦を食べなければいけない。外は相変わらずの天気で今日は気温が上がらないので、家の中は暖房を入れている。夏が終わってすぐに冬になりそうな気候なのでした。女将のスポーツクラブの予約を取ったら、一月振りに床屋に出掛ける。冷たい雨が降りだして、床屋も親父様一人がぽつんと待っていた。

 「昨日は寒くて蕎麦屋はお客がなかった」と話をすれば「うちも同じだよ。寒いとお客が来ないんだ」と言う。ドジャースの三連勝の話になって、大谷選手が左肩の亜脱臼をしたばかりなのに、試合に出ていたのをたいしたものだと褒めていた。親父様は大谷選手の大のファンなのです。無事に頭を刈ってもらってさっぱりしたところで、そのまま蕎麦屋に行って午後の仕込みに入る。出汁取りの準備をしていた鍋に火を入れて、約1時間掛けて二番出汁まで取る。



10月30日 水曜日 雨のち晴れだが気温も低かった一日…

 今朝も雨の降る中を6時前に蕎麦屋に出掛けて、昨日作った蕎麦汁を徳利に詰めていく。そして、キノコ汁を作って鍋に分けて入れようとしたら、まだ昨日持って帰った鍋を家から持って来ていなかったのです。最近は忘れることは日常茶飯事だから、あまり気にせずに作ったキノコ汁は鍋のまま冷蔵庫に入れて家に帰るのでした。朝食を食べてひと眠りすれば、目覚めてみればもう9時半を過ぎていた。WBCの試合が始まっていたので昼までずっと見てしまう。

 1時を過ぎて早いのだけれど蕎麦屋に出掛ける。昨日買えなかった黄色いパプリカと、甘酒の素を買うためにショッピングセンターに出掛ければ、平日だというのに駐車場は満車で、広い店の中も随分と混んでいるのでした。ついでにライムを二つ買ったのですが、パプリカと同じ値段でどちらも一つ300円を超えているから、かなり割高な感じがする。でもライムはこの界隈ではここでしか手に入らないから仕方がない。焼酎ライム炭酸割りに使うためなのです。

 途中で止めたままのなた漬けを作って、キノコ汁を小さな鍋に移し、予備はタッパに入れておく。ひと仕事したら椅子に座ってひと休みだから、案外と時間がかかるのです。次は蓮根の皮を剥いて酢水で茹でたら、天麩羅の具材を切り分けて容器を冷蔵庫で保存するのでした。そして、薬味の葱を刻んで生姜をおろしておきました。三ツ葉を刻んでタッパに入れ、忘れないうちに包丁を研いでおく。最後はお新香を漬けて午後の仕込みを終わりにするのでした。

 外は晴れて青空が広がっていました。来週から月曜日が定休日に入るので、外装の改修工事の案内と共に蕎麦打ち室の窓に張り付けておきます。今日は防犯パトロールのある日でしたが、右足の腫れが引かないのでこれでは長い距離は歩けないと、今日も休ませてもらいました。夜は昨日買ってきた厚切りのローストポークを焼いて食べる。300gもあるから女将はあらかじめ切って200gほどで焼いた。塩とコショウを振ってフライパンで表裏3分ずつ余熱で6分。



10月31日 木曜日 久々に陽が差して今月も今日で終わり…

 今朝は4時起き。家でコーヒーを沸かして国際報道を観る。前の日の夜にやっているものだけれど、最後まで観ると遅くなるので、ちょっと躊躇われるのです。それからMLBの放送だから、昨日はドジャースが負けたので、早く眠ることが出来ました。歳を取ると集中力がなくなるから、朝でも1時間は長すぎる。途中からテレビを消して、今日の段取りを考えるのです。まずは夕べ漬けておいたお新香を糠床から取り出して、なた漬けと共に小鉢に盛り付ける。

 5時になったら蕎麦屋に出掛け、お新香を盛り漬け終わったら、蕎麦粉を計量して今日も750g8人分の粉を捏ね始めます。東の空が朝焼けに染まる。日の出もだいぶ東側に移ってきたようだ。蕎麦打ち室は17℃で70%の湿度だったから、今朝は41%の加水で蕎麦粉を捏ね始めたら、ちょうど好い柔らかさになる。伸して畳んで切りべら22本で135g。天気が好いから、お客が多かったら困るとおもったけれど、月曜日に打った蕎麦が綺麗な状態で3束残っていた。

 6時半に家に帰って、女将はまだ台所に来ていなかったので、もうひと眠りすることにしました。7時過ぎに女将の声で目が覚め、多短時間でもぐっすりと眠ったので、頭がすっきりとしたのです。女将は寒かったから二度寝してしまったと言う。どおりで魚はなく代わりに生卵が出て、お新香と茄子とピーマンの味噌炒め。それでも亭主は美味しく食べて、今朝はもう眠らずに着替えを済ませて、蕎麦屋に歩いて出掛けるのでした。足の調子はあまり好くない。

 夕べのうちに薬味の葱切りや生姜おろしなどを済ませておいたから、少しは時間の短縮になっていた。野菜サラダを作り終えて、木曜日だから蕎麦饅頭を作っておくのです。やっと綺麗に仕上がるようになって、やはり途中を好い加減にするべきではないと思った。あらかじめ餡と生地を6個ずつ丸め、ラップの上で打ち粉を振って掌で潰していく。さすがに伸し棒は使わなかったが、これで十分なのです。残れば、冷凍して次に出す時はまた蒸かし釜でふかす。

 暖簾を出して間もなく、3人のご家族がご来店で、天せいろと大盛りのせいろ蕎麦とキノコつけ蕎麦が出たのです。天気は好かったけれど、気温は上がらずに20℃行くか行かないかで、その後はお客がなかったのです。やはり寒いとお客は来ない。1時になったら、天麩羅を揚げて賄い蕎麦を食べて仕舞う。蓮根の天麩羅が甘くて美味しかった。今日の蕎麦も好く打てたから均一な太さで、食べやすかったのです。お客気持ちになって味わって食べるのでした。