2024年10月中旬



10月13日 日曜日 好く晴れた暖かい一日でした…

 今朝も5時起き。コーヒーを一杯飲んで5時半には蕎麦屋に出掛けました。蕎麦打ち前に厨房でいろいろ準備をしていると、朝日の光が玄関の磨りガラスを通り抜けて眩しく輝いているのです。蕎麦打ち室に入って今日も750gの蕎麦を打ちます。加水率は昨日と同じ39.5%で、生地は左手首を庇いながら捏ねたので、蕎麦玉を作るまでに時間がかかった。それでも、上手い具合に仕上がって、伸して畳んで包丁切りをすれば、細めの蕎麦が出来上がりました。

 家に帰って朝飯を食べ、ひと眠りしてまた蕎麦屋に向かえば、今日は向かいの農園では、芋掘りのイベントが参加する人たちが沢山集まって賑やかなのです。空気も乾いて青空が広がり、絶好の芋掘り日和なのでした。その風景を厨房から見ながら、亭主も仕込みを開始するのです。大根をおろしていると女将が現れて、「今日は湿度が低いんじゃない?風も爽やかな秋の風だわよ」と気持ちよさそうに言うのでした。連休の中日の日曜日だからお客も来るだろう。

 そう思いながら野菜サラダの具材を刻む。夕べはよく眠ったからか今朝は包丁の切れも好い。キャベツもニンジンも細く均一に切れたので気持ちが好いのです。ラップをして冷蔵庫に入れ、蓮根が5枚しかなかったから、皮を剥いて輪切りにして茹でておくのです。調理台に天麩羅の具材と天ぷら粉を並べて、天麩羅鍋に油を注ぎ、天つゆを新しく作っておきます。早お昼を済ませた女将がやって来て、向かいの駐車場に停まっている車の数に驚いていた。

 暖簾を出せばすぐに常連さんが人を連れてやって来て、いきなりビール二本のご注文なのでした。開店前に電話が入って、30分ほどで4人で行きますと言ったお客が到着して、こちらもビール二本に串焼き、赤いかの天麩羅など沢山のメニューを頼まれる。カウンターにもお客が座って、昼前から蕎麦屋も賑やか。今日は大盛りとキノコつけ蕎麦が沢山出て、6本用意した大盛り用の蕎麦徳利がなくなったのです。厨房は盆や皿を洗う暇もないほどの忙しさでした。

 午後もお客が入ったけれども、前の四人家族がまだゆっくりとしている。ご主人は日本酒まで頼まれた。秋祭りをしている佐倉の市内からわざわざいらっしたのは、息子さんに美味しい蕎麦屋があると聞いたからなのだとか。蕎麦好きの家庭らしく、蕎麦が不味いと残してしまうと言う小さな子供まで、大盛りのせいろ蕎麦を頼んで完食。確かに蕎麦湯も綺麗に飲み干して帰られたのです。気が付けば時計は1時半を回っていました。こんな日もあるのです。

 帰り道、向かいのサツマイモ畑の前を通れば、「収穫は今日の仕事」と言っていたとおりに、きのう掘り起こしていたサツマイモは箱に詰められていました。森のあたりの前からなにやら好い匂いが漂ってくる。芋掘りを終えた人たちがバーベキューを楽しんでいるようなのです。家に帰ってひと休みしたら、今日は車の車検前の点検で、近くのディーラーまで車を持って行かなければならない。暗くなってから家に帰れば、女将はもう夕食を済ませていました。


10月14日 月曜日 昨日に引き続き混んだ連休の最終日…

 週末の疲れか今朝は6時過ぎまで目が覚めなかった。家のコーヒーがなくなっていたので、少し割高の日本茶を入れて飲む。手間はどちらも代わらないけれど、飲み慣れた日本茶の方が美味しいと感じるのです。7時前に女将が台所に来て朝食の支度を始めると、今朝は煮魚の残りと出汁焼き卵と分かっていたので、冷凍室のご飯をチーンして食卓に座って待つ。いつもより15分ほど早く朝食を終えることが出来た。着替えて一服したら8時には蕎麦屋に出掛ける。

 看板と幟を出して蕎麦打ち室に入れば、昨日の名残が暖かく、室温は21℃もあった。湿度は60%。外はまだ18℃ほどなのです。いつものように加水率39.5%で蕎麦粉を捏ね始めれば、今日は少し硬く感じる。それでも時間をかけてやっと蕎麦玉を作るのです。蕎麦玉を寝かせている間に、空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充しておきます。今日は連休の最終日で昨日は混んだからと、10束だけ用意して蕎麦切りを終えるのでした。ところがこれが大失敗なのです。

 開店前からお客が来たので中に入ってもらえば、続けて4人連れのお客がいらっしゃる。まだ11時35分なのでした。いつもならこれで一区切りするのですが、今日はその後がどんどんと続くから忙しい。常連さんのカレーうどんの親父様ご夫婦もいらっしたけれど、今日は混んでいたのでハラミの串焼きを頼まれなかった。最後にカウンターに座ったご夫婦で10食の蕎麦はすべて完売。天せいろの大盛りと鴨せいろをお出しして、やっと1時になるのでした。

 2時半前には女将と蕎麦屋を出て家に帰る。小さな柿を剥いて半分ずつ食べ、亭主はひと眠りするつもりで書斎に入って横になるのだけれど、どうも寝付かれない。昨日の習慣がまだ残っているのだろうか。暇だから玄関を出て、女将も気になると言っていた南天の木と、その脇に生えた名も知れない木が伸びたのを切っていく。買い物に出掛けていた女将が帰つて、「切ってくれたのね。ありがとう」と礼を言う。袋詰めは女将の仕事で夕刻までに終えていた。それから夕食前に蕎麦屋に出掛けて、カウンターに干した沢山の蕎麦皿や盆を片付け、洗濯機の中の洗濯物を干してくる。家に戻ってあんかけ焼きそばを作るのは亭主の仕事なのでした。


10月15日 火曜日 朝と昼との温度差に驚くばかり…


 今朝も6時過ぎに目覚めて、コーヒーを飲むために蕎麦屋に出掛けました。どうも前の日の生活時間が、次の日にも影響してしまうらしいのです。定休日だから好いものを、これが続いては仕事に差しつかえる。ゆっくり休めばまた元に戻るだろうと、子ども会の廃品回収に出す新聞を袋に詰めて家に持ち帰る。向かいの畑の秋桜が朝日を浴びて綺麗に咲いている。今日も朝は涼しい。夕べもよく眠れたので、朝食の後もひと眠りはしなかったのです。

 お袋様に電話をして迎えに行き、橋を渡って農産物直売所までの道を進めば、西の空には雲一つなかった。新鮮な生椎茸が入っていたのでもらって帰る。ナスもキュウリも地元の物はもうそろそろ終わりの時期なのです。隣町のスーパーに行けば、野菜類は総じて値が上がっている。それでも使う物は買わなくてはならないから、辛いところです。店に戻って野菜類を冷蔵庫に収納したら、出汁取りの準備をして早めに家に帰る。女将はまだ買い物から帰らない。

 昼は久し振りにスパケッティボロネーズに、買って帰ったトンカツを載せて食べるのでした。満腹になったらやはり眠くなって、書斎に入って横になる。気温は高くないのですが、陽射しは強くなっているから、外にいるととても暑く感じるのです。初めて観る宇宙物の映画を最後まで見終えて、3時過ぎに家を出て蕎麦屋に向かうのでした。向かいのサツマイモの農園では、今日も収穫した芋を洗っている。大変な仕事だと思いながら厨房で出汁取りにかかる。

 5時過ぎに家に戻って夕食の支度が調うのを待っていたら、弟から電話が入っているのに気が付いた。どうも呼び出し音がOFFになっていたらしい。こちらからかければ、九十九里に友だちと来ていると言う。明日の帰りに皆で蕎麦屋に行くからと言うので、定休日だけれど蕎麦を打つことにする。女将も「お母さんの入院では随分と世話になったから」と言うし、土曜日はクラス会で臨時休業だから、その分、営業をすると言った具合なのです。早朝に蕎麦打ち。



10月16日 水曜日 定休日二日目は臨時の営業で…

 今朝も5時に目が覚めた。表が何やら赤く染まっていたので、窓を開ければ綺麗な朝焼けなのでした。コーヒーを飲みたかったからまずは蕎麦屋に出掛け、換気扇を回して蕎麦打ちの前に一服する。それから空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めて、6時過ぎに蕎麦打ち室に入るのでした。今日の加水率もいつもと同じく39.5%で、ちょうど好い硬さで蕎麦粉を捏ねるのでした。お客の数が5人と分かっているから気が楽です。全員が大盛りの注文でも大丈夫。

 7時過ぎに家に戻って朝食を食べ、お茶をもらって書斎に入る。やはりここでひと眠りするのでした。9時前に家を出て、再び蕎麦屋に出掛けるのです。朝焼けの日には晴れると思い込んでいたけれど、昼間はずっと曇りで気温だけが上がっていった。蕎麦豆腐も野菜サラダも作らなくて好いから、いつもより楽ちんなのです。大釜の湯を早くから一度沸かして、天麩羅の具材を切り分けて開店の準備を進めます。四日分の仕入れしかしていなかったのに気が付く。

 女将は11時頃に一度帰って昼を食べればと言っていたけれど、区切りが付いたのが11時半で、家に帰る暇はなかった。遅くとも1時には着くと言われているから、ひと休みがてらに隣町のスーパーに行って、足りなくなりそうな食材と昼飯代わりにパンと牛乳を買って店に帰る。ついでにコーヒーも買ってきたのでひと安心。パンを食べながらキノコ汁を作り、明日の準備もしておくのです。小鉢を作るのを忘れていたから、急いで切り干し大根の煮物を作る。

 12時半を過ぎた頃に車一台で一行が到着しました。九十九里で一泊の旅行だったとか。四人用のテーブル席に5人で座って注文を考える。兄貴が亭主と同学年で、顔を知っている弟の友だちもいる。「定休日なのに無理なお願いをして済みません」と、中の一人が言う。大半が今年定年で退職したらしい。天せいろを五つ頼まれて、二回に分けて天麩羅を揚げ、順番にカウンターに置けば、弟が席に運んでくれた。食べ疲れ飲み疲れた旅行らしく、大盛りは弟だけ。

 3時前には家に戻って、それから一時間ほど書斎で横になるのでした。今日は6時から夜の防犯パトロールがあったので、早めに夕食にしてもらったのです。早朝から一日仕事だったので、多少疲れていたけれど、先週も参加出来なかったから少し早めに家を出て、集合場所に向かうのでした。いつもよりは少ない人数で、二手に分かれてコースを回る。今夜の話題は古くなった家の手入れや、老後の身の置き所。介護施設が一杯でなかなか入れないそうな。


10月17日 木曜日 夜も朝も暖かすぎて気味が悪かった…

 夕べはパトロールで疲れたせいか、夕べは早く休んだので今朝は4時前に目が覚めて、コーヒーを飲もうと思ったら店に置いたままだった。最近は明るくなってから出掛けるのに、今日は4時過ぎに家を出て蕎麦屋に向かうのでした。当然のことながら辺りはまだ真っ暗で、明かりの点いている家は年寄りか仕事の早いお宅。昨夜、パトロールを終えてから漬けに来たお新香を取り出して、小鉢に盛り付ける。ついでに切り干し大根の煮物も三鉢だけ盛り付ける。

 それから蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つのです。加水率はいつもと同じく39.5%で、今日は温かく湿度も高かったので、少し柔らかめの生地に仕上がりました。柔らかい生地は伸して畳んで包丁切りをすると、どうしても薄く仕上がっているから細い出来栄えになる。今日は切りべら25本で135gの蕎麦を8人分の用意でした。6時を少し回った時刻でしたが、家に帰ってもまだ女将は起きてきていない。仕方がないから書斎に入ってひと眠りするのです。

 「ご飯の用意が出来ましたよ」と廊下の扉を開けて女将が呼ぶ声で、ハッと目覚めて食堂に行けば、好物の茄子焼きが出ていたのですぐに大蒜をおろして食べ始める。焼いた茄子と大蒜に出汁醤油が絶妙の甘さを出しているのです。樺太ししゃもは卵が入って随分大きいと思っていたけれど、焼くと縮んでしまうらしい。ものの5分で食べ終えて、居間の椅子に座っていると女将がお茶を運んでくれる。いつもより15分も早い時間なのでした。

 やはり早く起きたからか満腹になったらまだ眠たくなって、書斎に入ってまたひと眠りするのでした。8時半になったらすっきりと目覚めて、洗面と着替えを済ませる。今朝は朝から暖かかったから半袖を着て蕎麦屋に出掛ける。薄曇りで陽は差していたけれど、今日は一日中曇りの予報なのです。木曜日は女将が来てくれるのが開店の時間からだから、何故か気忙しい。今日のほうじ茶を沸かして昨日使った天麩羅の具材を補充する。そして、野菜サラダを作る。 

 11時には準備が整ったけれど、先日作った蕎麦饅頭の出来が悪かったので、ベーキングハウダーを仕入れたから、急いで蕎麦打ち室に入って饅頭を包む。伸してから型で切ってと思ったけれど、今日は生地が柔らかすぎて上手くいかない。結局は昔のように手で伸ばして一つずつ餡を入れて包んでいくのでした。これが一番確かな方法。開店の間際にちょうど蒸し上がって、白い饅頭が出来た。まだまだ改良の余地があるけれど、当分、作りながら考えるしかない。


10月18日 金曜日 雨が降ったり止んだりで暖かい一日…

 金曜日の朝はあまりすることがなかったけれど、返しがなくなったので作っておくことにしました。居間の部屋で朝のコーヒーをゆっくりと飲んで、5時半に家を出て蕎麦屋に向かう。今朝は蕎麦を500gだけ打てば好かったから、まず最初に返しの材料を揃えて、大きな鍋に氷砂糖を入れたら、ワインビネガーと味醂を煮立つまで火を入れるのです。次に塩分50%の本醸造醤油と再仕込み醤油を入れて、塩を30g溶かして沸騰する直前で火を止めるのです。

 蕎麦打ち室は室温23℃、湿度は78%もあって、昨日と同じ加水率で大丈夫だろうかと思ったけれど、少し柔らかい程度で生地は仕上がった。切りべら25本で135gの束を五つ作って、蕎麦打ちは終わりです。7時を少し過ぎたけれど、コンビニまで煙草を買いに行って家に帰る。昨日はよく眠れたという女将が台所に立って、朝食の支度をしてくれていた。もう雨は降り始めている。天気予報だと昼中雨の予報で、生暖かい一日になりそうなのでした。

 昼過ぎに常連さんが歩いてやって来て、カレー蕎麦とビールのご注文でした。先付けと野菜サラダをお出ししてビールを運ぶ。カレーを解凍しようとしたら、いきなり電子レンジが壊れたらしい。仕方がないから湯煎で少し解凍して、後は汁の中に入れて煮込む。無事に注文の品を仕上げたけれど、オーブンと一体型のレンジなので決して安くはないのです。明日、もう一度レンジだけが壊れたのかを確認して、それから考えることにしました。

 小雨が降ってきて、車を変な位置に止めるお客がいたので、車止めに合わせて止めてくださいと言いに外に出た。そこまでは好かったけれど、一旦、前に出たかと思うと、そのまま帰ってしまったから驚いたのです。昨日も向かいのサツマイモ農園の駐車場に車を停めて、蕎麦屋に来た女性客二人がいたので、あそこは他所のお店の駐車場ですと言えば、そのまま外に出て帰って行ったから驚いた。最近は、何か言われると帰ってしまうお客が多い。困ったものだ。