2024年8月末



8月27日 火曜日 定休日らしい一日だったかな…

 朝が涼しくなったから、今朝も7時までよく眠ったのです。朝食を終えて書斎に入り、横になったけれどさすがにもう眠れない。洗面と着替えを済ませて、お袋様に電話をしたら今日の仕入れに出掛けるのでした。農産物直売所では、もう終わりなのかと思ったキュウリやナスが出ていたからもらって帰る。隣町のスーパーに出掛けて、買い残した野菜類を仕入れ、家で女将に頼まれた食材を購入して店に戻る。昨日の洗い物の片付けをして家に食材を置きに帰る。

 女将は買い物に出掛けていたので、亭主は予定通りに床屋に出掛けて髪を刈ってもらうのでした。最近は天気のことしか話題もなくて、マスターも亭主もあまり口を開かずに、黙々と髪を刈るのでした。昼を少し過ぎて、いつもより早く家に帰り、昼食の用意。女将が素麺を茹でる湯を鍋に沸かしておいてくれた。亭主が買って帰ったトンカツと茹でた素麺に、店で残ったブロッコリーとアスパラを茹でて、最近は我が家で定番になった簡単な昼食にするのでした。

 食後のお茶をもらって亭主は書斎に入ってひと眠り。女将が起こしに来てスポーツクラブの予約をすませる。3時過ぎに蕎麦に出掛けようと玄関を出たら、女将が隣との境に生えた雑草を刈ったらしいので、脚立を出して通りの側からも切ってやった。「植えた覚えのない木が伸びているのよ」と、切り落とした枝をゴミ袋に入れながら女将が言う。だいぶ涼しくなった時間帯だから、あまり汗もかかなかった。酒屋に空のビールのケースを持って行き、新しいビールを買って店に戻る。これで今日の仕事は終わりにするのでした。


8月28日 水曜日 今朝も涼しい朝だったから…

 今朝も涼しい朝だったから、そろそろ西の小径にせり出している庭木の剪定をしたかったけれど、お隣の畑の雑草を見て、まだ大丈夫だろうと厨房に入った。夕べもぐっすりと7時間も眠ったから、何をするにもテキパキと効率よく仕事が出来るのです。空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰めて、まずは固まるまでに時間のかかる水羊羹を作って豊缶に流し込んでおきます。動かしても中身がこぼれないように冷まし、天麩羅の具材を切り分け、蓮根を酢水で茹でる。

 南瓜を切り分けたら、蓮根の皮を剥いて酢水で茹で、小松菜を大鍋で茹でたら水で冷やして切りそろえる。これを小さなパックに入れて急速冷凍したら、1週間分のストックが出来る。暑い日が続くのに、鴨せいろは結構出ているのです。最近は慣れたせいか、冷凍の鴨肉を解凍して、長葱と一緒焼いて出すまでに、それほど時間がかからなくなった。むしろ、肉が熱く軟らかいうちにテーブルに運んでもらおうと、頑張るのが楽しいと思えるのです。

 今日の小松菜は茨城県産でしたが、6把入って100円ほどだったから割安でした。これらの下準備をきちんとこなしておけば、調理をする時にも遺漏なく仕上げることが出来るから、細かなことだけれど大切なのです。今朝は気温がいつもより低いのか、エアコンを入れてシャツを着たままで作業が出来た。やはり、もう秋なのでしょう。夏の間にやり残した仕事は、何と言っても庭木の剪定。南側の庭は手を付けていないから、来週には何とかめどを付けたい。

 隣のひまわり畑はこの間の台風で倒れた枝も多いけれど、もうそろそろ花も終わりの季節なのかも知れない。雑草も伸び放題になっているから、几帳面な親父様にしては珍しい。例年、西の小径の向こう側が綺麗になる頃に、蕎麦屋側の伸び出した枝も切っている。今年は暑さが治まるのが遅かったから、延び延びになっているのかも知れない。今日の夕方には、もしかして少し手を付けられないかと思いながら、昼飯を食べに家に戻るのでした。

 昼は昨日女将が食べ残したトンカツと、新たに買って来た鶏肉とで親子丼を作ろうと言うことになった。味つけが分からないと言う女将に代わって亭主が台所に立ち、水と出汁醤油と砂糖に酒と味醂を加えて、作っているうちに汁が多くなった。野菜たっぷりの汁入り丼になってしまったけれど、とても好い味なのでした。食事の後は書斎に入ってひと眠りする亭主。女将はその間にスポーツクラブに出掛けて行く。女将の帰った早い夕刻に今度は亭主が蕎麦屋に。

 エアコンを入れたままだったから、少し涼しい今日は店の中は寒いくらいで、23℃まで室温が下がっていた。コーヒーを一杯飲んでから、生椎茸、ピーマン、ナスと天麩羅の具材を切り分けていく。それから冷蔵庫の中から糠床を取り出して、カブとキュウリとナスとを漬け込んでいくのです。タブレットで明日の天気予報を見れば曇ったり雨だったりで、あまり天気が好くないらしい。蕎麦は打たずに、明日の朝750gだけ打てば好いだろうと家に戻るのでした。


8月29日 木曜日 台風の進路が気になるけれど…

 今朝も5時起き、5時半には蕎麦屋に行くために車庫に降りた。道路にせり出していた雑草を剪定しただけあって、綺麗に整っている。確かこの箇所に植えたのは、雪柳と山吹だけだったのに、何時の間にか名も知らぬ木や蔦が生い茂ってしまったのでした。お隣の小母さんの希望で、隣の土地の空いて中が見えるからとスミダノハナビを植えてやったけれど、毎年、花は咲かせるけれど当の小母さんはもう忘れている。だから、その枝も一緒に刈り取ったのです。

 蕎麦屋に着けば今朝は意外と涼しく、エアコンも点けずに、厨房の調理台に置いた大根の塩漬けの水を切ってなた漬けを漬け直す。砂糖と甘酒の素を入れて、刻み柚子と京唐辛子を輪切りにして加える。昼まで漬けておけばお客に出せるだろうと思った。それから、冷蔵庫から糠床を出して夕べ漬けたお新香を切り分ける。八人分と思ったけれど、キュウリが大きかったので実際には12人分ほど取れた。10鉢だけ盛り付け、後は家に持ち帰って朝飯のおかずにする。

 6時を回ったので蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量する。蕎麦打ち室の温度は27℃、湿度が75%とかなり湿っている。いつもと同じ40%の加水率では多いかと思ったのですが、菊練りをしていくうちにちょうど好い硬さになってきた。寝かせる時間を短くして伸して畳めば、少し奥行きが多くはなったけれど、切りべら20本の綺麗な蕎麦に仕上がったのです。8束切りそろえて生舟に並べる。先週はそれ以上の数のお客が来なかったから、少なめにしたのです。

 7時過ぎに家に帰れば、女将が今日は寝坊をしたと言って、簡単な朝食で済ませる。持ち帰ったお新香が好く漬かっていて美味しかった。塩鮭も脂が乗って薄味でちょうど好い。食後は例によって書斎に入って横になるけれど、今朝は眠れなかった。女将の朝ドラが終わる時間にはもう家を出たのです。今日は荷物が届く日だから、9時前には店にいないといけないと思ったのですが、そんな日に限って荷物が届いたのは10時過ぎだった。

 早く蕎麦屋に来たのは好いけれど、BGMを流しながら生姜や大根をおろして薬味の葱を刻んだら、まだ9時過ぎなのでした。じっとしていても仕方がないので、野菜サラダの具材を刻んで盛り付けてしまう。いつもより1時間も早い時間なのです。女将がやってくれる割り箸やおしぼりの用意もして、新しい油を天麩羅鍋に注いで大釜の湯が沸いたのでポットに入れていく。今朝は涼しかったのでエアコンを入れたのは11時過ぎなのでした。

 開店の時間まで他にすることもなかったので、店の椅子に座ってのんびりとする。外は曇り空で、時折、薄陽が差している。暖簾を出してもまだ女将は来ない。お客も来ないからちょうど好いのですが、少し涼しいと客足が落ちるのだろうか。それでも車が2台、続けざまに入って来て、女性のお客と常連の宅配便の若者とがそれぞれカウンターに座って注文をする。今日のお客はその二人だけで、2時前には美容院に行くという女将を帰して、亭主も後を追う。


8月30日 金曜日 気温も低いし、朝から雨で今日は開店休業…

 夕べは激しい雨音が聞こえていたけれど、無事に眠りに就いた。今朝は5時に目が覚めて、コーヒーを入れてひと休みしていたら、もう5時半になる。朝飯前のひと仕事は蕎麦打ちだけだからと、6時前に家を出て車で蕎麦屋に向かうのでした。小振りだけれど雨は降り続けている。店の中はひんやりとしていて、ハーフパンツでは寒いくらいなのです。まずは蕎麦打ち室に入って蕎麦粉を計量するのですが、この天気だからと今日は500gだけ打つことにした。

 十分に捏ねた蕎麦玉を寝かせている間に、厨房に戻って陶器のグラス4杯分のほうじ茶を沸かす。洗濯物を畳んで、洗濯機の中の昨日の洗濯物を干したら、もう蕎麦打ち室に行かなければならない。雨はまた強くなってきた。こんな涼しい日に蕎麦を打っても、お客は来ないだろうとは思うけれど、休みにするわけにもいかず、いつもと同じに打つ蕎麦は、部屋の湿度が75%を越えているから、少し柔らかく仕上がった。それでも無事に140g前後の蕎麦の束を5束。

 絶対に出るはずはないと思いながら、今朝も野菜サラダの具材を刻む。「絶対と言うことはない」と言うのが、これまでの経験知。過去には雨の日でも意外なほどお客が来たこともあるのです。だから店を開ける以上は、準備を万全にしておかなくてはならない。店の電話が鳴って、出れば店を建ててくれた地元の大手の業者の担当者で、10年の建物補償満了にに伴う延長補償の案内なのでした。無料で現状の建物診断をすると言うのだけれど、どうしたものか。

 あと数年で店を閉めようと思う旨の話もして、メンテナンスよりも売却の話を聞きたいと伝えておいた。いろいろな情報を集めておくのは大切だから、建物診断を含めてお願いしたつもりなのです。昼を過ぎたら雨も止んで外が明るくなってきた。でも、お客は来そうにない。女将は雨に降られずに無事にスポーツクラブに行けただろうか。使っていない油を入れたままの天麩羅鍋や大釜の湯をそのままにして、サラダだけ包んで家に持ち帰るのでした。



8月31日 土曜日 雨や雷で目覚め、今月も今日で終わり…

 もの凄い雷の音で目が覚めました。夜明け前の午前4時でした。その後で激しい雨が降り始めたのです。まだちょっと早すぎるからと、もうひと眠りしたら7時前になっていた。今日は蕎麦を打つ予定がなかったから、朝飯前のひと仕事もない。それよりもこの雨では、今日もお客が来ないのではないかと思ったのです。迷走する台風のお蔭で、今週は散々な目に遭った。これも地球温暖化の影響なのだろうか。いつもの夏とはまったく違うのです。

 朝食を終えて雨の中を車で蕎麦屋に出掛けた。幟を出すのにも傘を差さずに濡れながら、店の中に逃げ込んだくらいなのです。今朝はオードリー・ヘップバーンの映画を最後まで観たので、ちょっと遅くなった。現在と違って古い時代の映画だけれど、なかなか面白い。しかし、やはり白黒の「ローマの休日」には及ばないのです。女将が雨の酷くなった時間にやってきて、ずぶ濡れになってしまったと靴や靴下を奥の部屋で乾かす。急に激しくなるのも最近の雨。

 生姜や大根をおろして、野菜サラダの具材を刻み、開店の準備を整えるけれど、この雨ではお客が来るはずもないのです。女将と二人で話をしながら、こんな週もあるのだと自分に言い聞かせる。1時近くになって雨も小降りなったら、やっとお客がいらっして、天せいろの大盛りと普通盛りをご注文。他にお客もいなかったから、雨宿りのつもりなのか随分とゆっくりとされてお帰りになる。亭主は明日の爲に用意しなければならない食材のチェックを済ませる。

 雨が止んでいる時間帯に女将は歩いて帰り、亭主はその後から車で先に家に着くのでした。ひと眠りして4時過ぎに目覚めれば、女将は買い物に出掛けているらしい。土曜日はテレビは映画も面白いものをやっていないから、大谷選手の活躍をネットで見たり、空っぽの冷蔵庫の中を覗いて、夕飯は何にするのだろうと考える。結局残っていた鶏肉と野菜サラダで五目丼にして夕飯を終え、亭主は蕎麦屋に出掛けて蕎麦汁を作り、蓮根を湯がいて明日の準備をする。