7月10日 水曜日 今日も暑さは和らがず…
暑さに身体が自然と反応しているのか、今朝もなかなか起きられなかった。一度は目を覚ますのだけれど、定休日なのだから眠たければまた眠れば好いと思うと、結局、再び床に入ってまた眠り出すのです。9時前にコーヒーを沸かして飲んだら、やっと蕎麦屋に出掛ける準備が整う。外は朝から相当な暑さで、母親を連れて幼稚園に通う子どもも元気がなかったのです。蕎麦屋に着けばまずはエアコンを点けて、温度計を見ればもう30℃はあるのです。
昨日忘れた出汁取りの準備をして、蕎麦豆腐を仕込んだら、水羊羹を作る準備。カボチャを切り分けてレンジでチーンをしたら、レンコンの皮を剥いて輪切りにしていく。残っていた最後の新レンコンは色が白く綺麗なので、早く次の仕入れをしなければならない。洗濯物を干したら、家に帰って昼飯の準備を始めるのです。今日はオーソドックスな冷やし中華を食べたいと、亭主が錦糸卵を焼いて薄切りのバラ肉を茹で、女将がキュウリを千切りにする。
食べ終わってエアコンの効いた書斎に入り、1時間ほど眠ったら居間の部屋でゆっくりと寛ぐのでした。女将は暑い中をスポーツクラブに出掛けて、亭主はやっと女将が帰る頃になって蕎麦屋に出掛ける。午前中に浸けておいた蕎麦の出汁を取り、隣の火口で切り干し大根の煮物を作る。一番出汁を取り終えたら、昨日作った返しを加えて蕎麦汁を仕込んでおきます。一度に作るのは2㍑ちょっとで空の蕎麦徳利に20本ほど。残りは容器に入れて予備としている。
出汁を取って約1時間。その後で生椎茸やピーマン、ナスなどの天麩羅の具材を切り分け、容器に入れたら、玉葱や三ツ葉を刻んでかき揚げの用意。最後に糠床を冷蔵庫から取り出して、カブとキュウリとナスを漬けておきます。洗い物を終えてちょうど5時半。家に帰って夕食を食べる時間なのです。無理をすればプールにも行けたのですが、この暑さだからエアコンの効いた居間で一休みです。梅雨だというのにまだ雨は降りそうにないから、困ったものです。
7月11日 木曜日 梅雨を思い出させる曇り空…
4時半起床。5時には蕎麦屋に向かう。向かいの森の影から朝日が昇るのを見たけれど、今日はそれっきり太陽は拝めなかった。夕べ漬けたお新香を取り出し、切り分けて小鉢に盛り付ける。10鉢盛ったところで、残りは家に持ち帰って朝食のおかずにした。お新香と切り干し大根の煮物が今日の小鉢。なた漬けもあったけれど、初日からそんなに出しても仕方がない。蕎麦打ち室に入って今朝は二回の蕎麦を打つ。最近、木曜日は混むけれど、今日の天気では…。
朝飯前に2時間の仕事をこなして家に帰れば、今朝は銀ダラの煮物がおかずで、甘い煮付けの香りが食堂に漂っていた。美味しくいただいて、お茶をもらったら書斎に入って横になる。20分ほど眠ったのだろうか、洗面と着替えを済ませてコーヒーを沸かして飲む。女将は洗濯物を屋根のあるウッドデッキに干して、家の中よりは乾くのではないかと言っていた。庭のモミジアオイの隣にピンクのアオイが咲き始めた。これも随分と昔から植えてある花の一つ。
雨の降らないうちに蕎麦屋に着いたけれど、午前中から道路が濡れるほどの雨が降りだした。降っては止み、止んでは降るといった具合で、気温も27℃ほどだったから、店のエアコンは除湿代わりに設定温度を高めにして点けておいたのです。薬味の葱を刻み、大根と生姜をおろして、野菜サラダの具材を刻む頃には、雨はかなり降っていた。開店の時刻に女将が来てくれたけど、今日はお客がいない。暖簾を出して1時間待ってもお客は来ないのでした。
昼を過ぎた頃にやっとお客がいらっして、リピーターさんだったから、前と同じパターンでご注文。天せいろとせいろ蕎麦、もう一組は年配の男性二人でこちらもリピーターさん。せいろ蕎麦に白エビのかき揚げを二つずつ頼まれて、ゆっくりと話をしていた。今日はこれで終わりかと思ったら、電話で隣町の駅にいるのだけれど、これから行きますと言う。女将が1時45分がラストオーダーだと念を押していたから、1時半過ぎにはやって来て天せいろのご注文。
女性二人が食べ終える前に、玄関が開いて「もう終わりですか」と女性客。時計はちょうど2時を回っていた。大釜の火は落としてしまったし、前の二人にも「45分までに来て下さい」と言ってあるから、申し訳なかったけれど、「もう終わったのですよ」と言って断ったのです。客の少ない日だったから、折角いらっしたお客を帰すのも忍びなかったけれど、何処かで切らないとずるずると伸びてしまう。2時半には洗い物も終わって家に帰るのでした。
7月12日 金曜日 終日の雨にもかかわらずお客が…
今朝は蕎麦を一回打つだけだったから、朝もゆっくりと6時前に蕎麦屋に出掛けました。今日は一日中雨が降ると言う予報だったから、お客もほとんど期待できないだろうと500gだけ打って、昨日の残りの蕎麦と合わせて11食だけ用意するのでした。40.5%の加水率で打った蕎麦は、寝かせずにそのまま伸しに入ったので、ちょうど好い硬さになっていた。蕎麦打ち室の温度は27℃、湿度は75%だったから、実際には40%の加水で十分なのでした。
朝食を終えて再び蕎麦屋に出掛ける頃には、道路が濡れるほど雨が降りだしていたので、車に乗って行って正解でした。帰りは相当な雨に降られて、スポーツクラブに出掛けた女将は、汗と雨とでずぶ濡れになって帰って来たのです。こんな雨の日だから、お客は期待していなかったけれど、昼を過ぎたらぽつりぽつりとお客が入ったのです。天麩羅が随分出たので、夜になって再び出掛けた時に、生椎茸もピーマンもナスも切り分けて容器に入れておくのでした。
厨房の亭主の座る椅子の後ろには、大釜が湯気を立てて沸いている。カウンターの温度計は27℃なのですが、実際には厨房は30℃以上あるのです。沸いたお湯は、四つのポットに詰めて、また水を入れて沸かしておきます。お客が全員帰って、暖簾を下ろし、幟をしまったら、チェーンポールを上げる。それからやっと賄い蕎麦を食べるために天麩羅を揚げるのです。明日からの三連休の爲に、油は固めてゴミ箱に入れる。蕎麦は美味しいし、雨の午後も乙なもの。
洗い物も少ないし、時間があるからゆっくりと作業を進める。それでも昨日と今日で蕎麦汁がなくなったので、今夜はまたプールをお休みにして蕎麦汁作りに来なければならない。お新香もなくなったから、ついでに漬けておこうと考える。女将に言わせると、昔は夜の10時とかに仕込みを終えて帰って来たと言うから、随分と健康的になったのかも知れない。腱鞘炎の左手首の痛みは少しも好くならない。蕎麦を打つのにもひと苦労。やはり年齢のせいかな。
7月13日 土曜日 梅雨の晴れ間にどっとお客が…
朝の5時半に蕎麦屋に出掛け、糠床からお新香を取り出して、切り分けたら小鉢に盛り付ける。蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打てば、朝のうちは気温が低かったからか、昨日と同じ40.5%の加水率でも今日はちょうど好い硬さなのでした。時間を惜しんで昨日と同じく蕎麦玉を寝かせずにすぐに伸しに入ったのです。140g前後で一束にして8束を打ち、昨日の蕎麦と合わせて13束の蕎麦を生舟に並べるのでした。今朝は7時過ぎには蕎麦屋を出て家に帰れた。
朝食を食べて、今朝は髭を剃ったら、洗面と着替えを済ませてまた蕎麦屋に出掛ける。陽が差して暑くなりそうな朝なのです。向かいのサツマイモ農園も土曜日の今日は営業で、若旦那が道路を渡って来て「今日からマルシェを始めます」と言う。9月からは農産物直売所からも移動販売の車が来るような事を言っていた。若い人たちの活動も少しずつ前に進んでいるようなのです。新レンコンを持って来たので、これはお金を払って買ったらサツマイモをくれた。
油が汚れてきたので、昨日は固めて冷やしておいたから、ゴミに出して新しい一斗缶を開けて鍋に綺麗な油を注ぐ。天麩羅が出る日が続くと、二、三日でもう油が汚れてくるのです。一斗缶で一万五千円ほどする胡麻油と綿実油を合わせた油は、多いときには月に一度は買わなければならない。倍以上は値段のする蕎麦粉の次に出費の大きな食材なのです。果たして天麩羅で利益が出て要るのか、相次ぐ値上げでそれも定かではなくなったから、困ったものです。
時折、曇ったりしていた空模様でしたが、開店から順調にお客が入って、今日は10人を超えたからまずまずの入り。最初に入った常連さんの老夫婦は、いつも奥様が日本酒と天せいろを召し上がり、ご主人は辛味大根とせいろ蕎麦を食べるのです。最後いらっしたのは蕎麦屋の裏のご近所さんで、こちらも常連さんなのでした。閉店時間も過ぎたので、亭主は天麩羅を揚げ賄い蕎麦を茹で、エアコンの効いた奥の座敷で静かに一人食べるのです。
洗い物はその都度するように頑張ったけれど、最後の二組は店を閉めてからになる。天麩羅の具材もなくなったし、蕎麦汁も出汁取りから始めなければならない状態。早い時間に昆布と干し椎茸を鍋に浸けておいたから、夕飯を食べてからまた蕎麦屋に出掛けていくのでした。今日は夜のパトロールがあったのだけれど、たっぷり1時間半はかかったから疲れた。昨日よりも左手首の状態が好くないので困った。気をつけてはいても、使わないわけにはいかない。
7月14日 日曜日 昨日とはうって変わってお客は来ない…
今日は気温も低く、終日の雨という予報だったから、5時半まで床の中にいた。蕎麦は1回打てば好いだろうと考えていたのです。車で店に出掛けたときには雨はまだ小降りなのでした。隣のひまわり畑は葉が生い茂っているけれど、まだ花は咲かないらしい。昨日の鍋やボールを片付けて、蕎麦打ち室に入れば、室温は27℃、湿度は65%なのでした。暑さが籠もっているから、エアコンを入れたらすぐに温度と湿度は下がるのでした。今日は800gの蕎麦粉を打つ。
9人分の蕎麦を取ろうと思ったのだけれど、850gを打たなければいけなかったのに、久し振りだから計量をし間違えて、結果として8食半しか取れなかったのです。それでも40.5%の加水で、蕎麦玉を寝かせずにそのまま伸しに入ったら、ちょうど好い硬さで仕上がるのでした。左手首の痛さが禍して、十分に生地が捏ねられないためか、伸した生地の縁が少しひび割れてしまう。少し柔らかいくらいの方が、手首には負担がかからないのかも知れない。
朝食を終えて再び蕎麦屋に出掛けようと思ったら、庭の葵が幾つも花を付けていたから、写真に納めておきました。蕾が下から上まで咲いたら花の時期が終わる。隣にあるモミジアオイは背が高い分だいぶ上まで咲いてきたのです。女将は真紅の紅葉葵の方が好きらしいけれど、ピンクの花の中央が赤く色づくこの葵も捨てたものではないのです。庭の手入れもままならないけれど、自然の営みには心を癒やされる。蕎麦屋に着いていつもの仕事が始まる。
時折、雨が激しく降って、降ったり止んだりの梅雨の空。歩いている人は一人もいなかった。エアコンを入れずに窓を開けて、十分に涼しい陽気なのでした。だから、日曜日だというのにお客も来ない。1時を過ぎて、賄い蕎麦を食べようかとかき揚げを揚げていたら、車が入ってリピーターのご夫婦がご来店。せいろ蕎麦と白海老のかき揚げを頼まれたから、余った分を賄い蕎麦に入れて食べる。今日は2時過ぎには家に戻って、二人で西瓜を食べた。
亭主が書斎でひと眠りしている間に、女将は買い物に出掛けた。夕方は、二人でゆっくりと食堂のテレビで大相撲を見る。力士が皆手首に包帯をしているのを見て、女将が「お父さんと同じだわ」と言う。ぶつかり合うときに、やはり手首に負担がかかるからなのだろうか。痛いなどとは言っていられないのだろうけれど、70歳を越えた亭主とはダメージも違うのでしょう。明日は三連休の最終日、蕎麦屋はどんな展開になるのか楽しみではあるのです。
7月15日 月曜日 海の日の贈りものかな…
一週間の疲れが溜まってきたのか、一度は目が覚めて居間の部屋に行こうと思っていたら、何時の間にかまた眠ってしまいました。再び目が覚めたらもう6時前なのです。昨日の蕎麦が沢山残っていたから、500gだけ打ち足せば好かったのですが、急いで蕎麦屋に出掛けて、蕎麦打ち室に入る。今朝も蕎麦玉を作って寝かせずにすぐ伸し始めたけれど、昨日の反省から今日は十分に捏ねたから、縁のひび割れも起こさなかった。綺麗な仕上がりの蕎麦が5束半。
向かいのさつまいも農園には、朝から苗の植え付けた体験なのか早くから人が来ていたけれど、この雨では到底無理なのです。しばらくビニールハウスの中で話をしていた様子。女将も激しく降りしきる雨の中をやって来て、「急に強くなったから大変だった」と話をする。亭主はマイペースで大釜に火を入れて、野菜サラダの具材を刻み始める。こんな雨の中をお客が来るはずもなかったけれど、用意だけはしておくのが商売というものなのです。
昼を過ぎたら雨も小降りになって、中年のご夫婦がいらっして、奥様がビール、運転手のご主人がノンアルコールのビールを頼まれて、二人でぶっかけの蕎麦をご注文なのでした。作っている間に、傘を差して近所の常連さんがご来店で、いつものようにビールを頼んだら、今日はカレー蕎麦の大盛り。少し涼しい陽気なです。それから後が不思議なことに、どんどんお客がやって来る。連休の最終日だからなのか。最後に4人家族がいらっしてお蕎麦は売り切れ。
時計は1時15分なのでした。暖かい天麩羅蕎麦や暖かいキノコ汁の付け蕎麦も出たから、外はだいぶ涼しいらしい。1時半近くに車が入ってきたけれど、女将が出て行ってお蕎麦は売り切れたとお断りする。その後もいつも一人でいらっしゃる青年が、今日は友だちを連れてやって来たけれど、やはりお蕎麦は売り切れなのです。三連休で今日が一番お客が入ったのでした。天候は昨日よりも悪く、涼しい日だったのに、昨年末でダイビンクを引退した亭主に、海の日の贈りものなのかも知れないと思うのでした。
7月16日 火曜日 降ったり止んだりの梅雨空ももう少しか…
定休日だから、今朝もゆっくりと目覚めて居間の部屋でコーヒーを飲む。昨日の夕方に、女将に言われて持ち帰るの忘れた串焼きや鴨肉を取りに行ったときに、カウンターに干しておいた蕎麦皿や盆はすべて片付けてきたから、今朝はあまり仕事がなかったのです。それでも朝食を終えていつもよりも早い時間に出掛けて、蕎麦屋で洗濯物だけ干しておくのでした。お袋様に電話をして今日の買い出しに出掛ける。雨は降ったり止んだりで梅雨空も最後のあがきか。
農産物直売所に行けば、顔馴染みの農家のご夫婦が野菜を運んで来ていました。店の若い女性が、冷蔵庫に入れてあったらしい生椎茸のパックを、全部持って来て籠に入れてくれた。いつも買いに来ているのを知られているのです。新鮮な茄子や胡瓜やトマトをもらって、隣町のスーパーに行くのでした。大方の食材を仕入れて、お袋様を家まで送って店に戻る。野菜類を冷蔵庫に収納して、家に帰って昼食の用意を始めました。昼は五目焼きそばを亭主が作る。
女将のスポーツクラブに出掛けている間にひと眠りして、蕎麦屋に出掛けて午後の仕込み。塩漬けにした大根を甘酒の素で漬け直そうとしたら、冷蔵庫にストックがなかったから、駅前のショッピングモールまで車を走らせました。平日なのに駐車場は満杯で、ついでに晩のおかずにと鰹のたたきと焼酎を買って帰る。店に戻って、大根のなた漬けを漬け終えたら、もう4時半を過ぎていたので、家に帰ってテレビの大相撲を観る。今日はあまり仕事をしなかった。
7月17日 水曜日 今日は夜まで忙しかった…
今朝は7時間も眠ったのになかなか起きられずに、9時前に家を出て蕎麦屋に出掛ける。すべての仕事を始め前に、まずはレンジ周りの掃除を開始しました。いつも気になってはいるけれど、なかなか調理台までは手が回らないのです。後ろ側のレンジ周りもあるから、結構な時間を費やして、すっきりとした気分で仕込みを開始するのでした。水羊羹を型から取りだして切りわけたらタッパに入れる。蕎麦豆腐を造り型に流し込んで冷蔵庫に入れておきます。
昼の時間には少し早かったので、玄関脇の咲き終えた紫陽花の枝を切ってゴミ袋に入れていく。ヒイラギナンテンの伸びた枝もついでに切っておきます。お隣のひまわり畑では、亭主と一つ違いの親父様が草刈り機に乗って、雑草を刈り取っている。その広さに比べたら、蕎麦屋の駐車場や庭などは大したものではないのですが、自分の体力を考えて適当なところで止めておくのです。向かいの農家の親父様が、今年は沢山出来たと南瓜を三つも持ってやって来た。
家に戻れば、女将は何処に出掛けたのか、玄関に鍵がかかっていた。冷たい西瓜を食べながら、昼の時間を待てば、書道の書籍代を振り込みに郵便局まで行って来たと、女将が戻って来る。昼食は亭主がカレー炒飯を作って二人で食べる。亭主は左手首が痛いので、女将に中華鍋を出してもらわなければならなかった。朝食を食べ終えてお茶をもらったら、亭主は書斎に入って1時間ほどひと眠り。その間に、女将はスポーツクラブに出掛けたらしい。
1時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、まずはキノコ汁を作る。鍋が沸く間に一服して、次の段取りを考えるのです。南瓜を切り分けてレンジでチーンしたら、蓮根の皮を剥いたら輪切りして酢水で茹でる。生椎茸やピーマン、ナスを切り分けたら容器に入れて、ラップを掛けて蓋をしたら冷蔵庫に入れる。ぬか漬けの野菜を用意して、塩をまぶして漬け込んでいく。ナスには色止めのミョウバンを振りかけておくのを忘れない。最後に久し振りに包丁を研いでおきました。
まだ時間が早かったから、ここで明日のことを考えたら、蕎麦を打っておけば好いのではないかと思いつく。朝の忙しい時間に二回打つよりも、今日のうちに一回打っておけば時間も取れるし、余裕を持って仕事が出来るというもの。今日はゆっくりと捏ねて、蕎麦玉を寝かせる時間もあったので、綺麗な蕎麦を打つことが出来たのです。家に帰って早めに夕食を食べたら、書斎に入ってひと眠り。今日は夜の防犯パトロールがあったのです。出掛けて行って家に帰るまで約1時間半。皆の後について汗ビショになりながら歩く。
7月18日 木曜日 梅雨が明けても急に暑くなりすぎて…
朝は6時前に家を出て、蕎麦屋に着いたらすぐに糠床を冷蔵庫から取り出す。昨日は随分と早くお新香を漬けたから、ちょっと気になっていたのです。それでも塩を少なめにして漬けたから、太いキュウリはちょうど好い味なのでした。店の中は早朝から28℃もあるから、エアコンを入れて涼しくするのです。蕎麦打ち室に入って、今朝の蕎麦を打つ。蕎麦粉の残りが僅かで、明日の朝の分まであるだろうかと心配でした。蕎麦粉が届くのは午前中なのです。
打ち粉も少なくなっていたから、今日は極力、打ち粉を減らして打ったのは好いけれど、ちょっと包丁にくっついてしまった。無事に蕎麦を打ち終えて、昨日の夕方に打った分と合わせて13食分の用意です。蕎麦打ちを終えて7時5分。家に帰ってちょうど朝食の用意が出来上がる頃なのでした。食卓の上には昨日向かいの農家の親父様からもらった南瓜が置いてある。小さい品種とは言え、これだけの量を食べるのには日にちがかかるに違いないのです。
食後のお茶をもらって飲んだら、亭主は書斎に入ってひと眠り。ウトウトとしただけだったけれど、エアコンを効かせた部屋で30分も休めば、身体は元気になるのでした。居間の部屋でコーヒーを入れて飲んだら、洗面と着替えを済ませてまた蕎麦屋に出掛けていくのです。今朝は髭を剃ったから、少し家を出るのが遅くなった。陽射しが強かったので帽子を被って行ったけれど、暑いので蕎麦屋が遠く感じられた。さつまいも畑が随分と立派になっている。
朝のうちにエアコンを入れておいたから、涼しい店の中に逃げ込むように入って、まずは半袖のシャツを脱いで下着一枚になる。幟や看板を出して、冷たく冷やしたほうじ茶を飲むのです。今日の予報をタブレットで見れば、12時でもう33℃になるのだと言う。湿度があるから、外は朝からもう熱風が吹いているという感じなのでした。大釜に水を入れて、薬味の葱を刻み、生姜と大根をおろして、やっと野菜サラダの具材を刻み始めるのです。
サラダの盛り付けが終わって、綺麗になった調理台に天麩羅の具材を並べ、油を天麩羅鍋に入れ、天つゆを作って、テーブルを拭いて回ったら、やっとひと休み。11時半までカウンターの隅の椅子に座っていたら、女将がやって来た。「梅雨明け宣言が出ましたよ」と言って着替えに奥の部屋に入る。暖簾を出して営業中の看板を下げたけれど、この暑さではお客は来ないだろうと思えた。外を歩いている人は一人もいないのです。やっとお客が来たのは昼過ぎ。
ご夫婦が車を停めている間に、歩いて来た常連さんが、いつもの席に座って、ビールとぶっかけ蕎麦の大盛りをご注文なのでした。テーブル席に座ったご夫婦はヘルシーランチセットと天せいろの大盛りを頼まれる。野菜サラダやデザートの水羊羹が出て嬉しい。洗い物が終わった頃に、今度は男性客が車で乗り付けて、カウンターに座る。天せいろを頼まれたので天麩羅を揚げていたら、駅前のマンションから、この暑いのに自転車で常連さんがいらっしゃる。
汗だくになって店に入って来たから、女将が思わず「冷たいお水を差し上げましょうか」と、グラスに氷を入れて席に持って行く。亭主は辛味大根をおろして、大盛りのせいろ蕎麦を茹でるのです。隣のひまわり畑は、昨日、親父様が草刈り機で綺麗にしていたからすっきりとしていた。空は真夏の様相なのです。お客も少なかったから、洗い物はすぐに終えて、亭主は賄い蕎麦を茹でて食べる。うだるような暑さの中を、女将の後に続いて家に帰るのでした。エアコンの効いた書斎に入って、業者の来る夕方までまたひと眠り。
7月19日 金曜日 日中の外は蒸し風呂のようで…
早朝の涼しいうちにと、今朝は家から長い剪定ばさみを持って、蕎麦屋に出掛けてヤマボウシの枝を払っていきました。ところが、長く伸ばした剪定ばさみを持つ左手が痛くて、長くは続けられなかったのです。取りあえず始めたと言うことでよしとするのでした。店の中に入ってエアコンを点けたら、早速、蕎麦打ち室に行って、残りの蕎麦粉がどれだけあるのかを確かめる。500gは使えるから、小麦粉を入れて600gちょっとの蕎麦を打てる計算でした。
打ち粉も残り少ないので、蕎麦粉の残りを有効に使って、何とか蕎麦を打ち上げる。6人分を打って昨日の残りの蕎麦と合わせて、今日は12食の用意が出来ました。家に帰れば7時過ぎで、食事を終えて小一時間眠ったのです。暑くなった道を歩いて、再び蕎麦屋に出掛けたら、ちょうど好い具合に蕎麦粉と打ち粉が届くのでした。今日と明日の売り上げで、何とか代金を捻出したいもの。減塩醤油も届いたけれど、こちらはカード払いなので少し安心です。
11時には開店の準備が整って、定刻に暖簾を出せば、ほどなく車が入ってくるのでした。駐車場に車を止めている間に、例によって歩いて常連さんがいらっしゃる。二日も連続なのも珍しいと思ったら、今日はビールとカレー蕎麦の大盛りをご注文。車のお客は3人連れで、ヘルシーランチセットと天せいろの大盛りを頼まれる。最初のお客にビールと付け出しを出したところで、更にもう一台車が入ってきたから忙しい。お茶を出したらしばらく待ってもらう。
月曜日と金曜日は亭主一人で蕎麦も8食限りと、看板には書いてあるのにお客はそんなことはお構いなしなのです。結局、今日はヘルシーランチセットの天せいろが三つも出たから、野菜サラダも蕎麦豆腐もなくなった。天麩羅が沢山でたから、沢山用意した天麩羅の具材も切れて、最後の二人でお蕎麦売り切れ。大盛りが出ると、蕎麦が瞬く間になくなっていくのです。1時過ぎにはお蕎麦売り切れの看板を出して、その後に来た常連さんもお断りした。
お客が帰ってから賄い蕎麦を茹でて食べる。何も入れるものはないのでした。まったく手つかずだった洗い物は延々と時間がかかった。と、店の窓の外に部活の姿の中学生が佇んでいるから「どうしたの?」と声を掛ければ、「暑いから日影で休んでいるのです」と言う。店の中に入れて冷たいほうじ茶を飲ませてやる。聞けば陸上部の短距離選手らしい。一番暑い時間に部活が始まるのだ。家に帰ったのは4時近くで、それからひと眠りして、亭主が夕飯を作る。
6時過ぎにやっと食べ終えて、今日もプールに行けなかったと、店の忙しいのを喜ぶしかない。6時半になったら今日三回目の蕎麦屋に出掛けて、カウンターの上に干した盆を片付け、まずは冷蔵庫から糠床を取り出して、明日の小鉢のお新香を漬ける。次に空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を補充して、蕎麦豆腐を造っておくのです。時計はもう7時を回っているから、最後に天麩羅の具材を切り分ける。蕎麦は打てなかったから明日の朝は二回の蕎麦打ちとなる。