1月28日 日曜日 曇り空で寒く感じた一日…

沈む月が雲間に隠れる朝6時過ぎの空。畑には霜が降りて真っ白なのです。最近は、氷点下の朝も珍しくないけれど、風があるととても寒く感じる。蕎麦屋の中は6℃と昨日と同じだけれど、陽が差していない分、寒く感じるのです。エアコンの暖房を入れ、厨房に入って小鉢を盛り付ける。これが今日の朝飯前のひと仕事。ついでに予備の一番出汁で蕎麦汁を1㍑ほど作っておく。冷蔵庫には12人分の蕎麦汁があるけれど、明日もあるから備えあれば憂い無し。

7時前に家に戻って亭主が厨房に入り、店で残った野菜サラダに肉を入れて炒め、あんかけ煮にしてご飯にかけて食べるのです。女将は中華風が嫌いらしく、そのままおかずにしてスプーンで食べている。寒い朝だからなにか温かい物を食べたくなるのです。ホウレン草と油揚げの味噌汁が美味しい。食事を終えてひと休みしたら、書斎に入ってひと眠り。夕べも7時間以上眠ったのに、身体が温まるとまた眠くなるのはどうしてなのだろうか。

家を出ようとしたらぐらりと地震があった。直ぐにテレビを点ければ、震源は東京湾で東京は震度4にもなっている。佐倉は震度2らしい。洗濯物を干していた女将が居間の部屋に来て、「震源地は何処なの?」と能登の震災があったばかりなので気になっているらしい。元日も同じようにぐらりと大きく揺れたのです。東京湾の地底80kmが震源と言われても、ぴんと来ないけれど、かなり広範囲に揺れたようなのです。庭の水仙を眺めながら蕎麦屋に出掛ける。

店の中は暖房を入れておいたから、十分に暖まっていたので、すぐに蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。今日も加水率48%で生地を捏ねれば、絶妙な仕上がりで、伸して畳んで包丁で切れば、綺麗に同じ幅で切れるから不思議。そう言えば確か昔、49%まで加水したことがあるのを思い出した。一年で一番寒い時期だから、やはりかなり乾燥しているので、このくらいは必要なのかも知れない。温湿度計の湿度は20%ほどしかないのでした。

厨房に戻って野菜サラダの具材を刻みながら、大根をおろして、天麩羅の具材を切り分けておきます。早お昼を終えた女将が家からやって来る頃には、もう開店の準備は整っているのです。昼を過ぎて1時前に若いご夫婦がいらっして、ヘルシーランチセットの天せいろとビールとキノコつけ蕎麦にハラミの串焼きを頼まれる。その間にご家族で別のテーブルに座ったお客様は、次々といろいろな注文をされるものだから、厨房はにわかに忙しくなるのでした。

せいろ蕎麦の大盛りと温かい汁のぶっかけ蕎麦に鴨せいろの大盛りだけでは足りないらしく、途中で白海老の掻き揚げに赤いかとワカサギの天麩羅を追加。息子さんがハラミの串焼きを追加注文したかと思うと金柑大福まで頼まれる。すべて食べ終わってご家族が帰る頃には、もう閉店時間なのでした。それから女将と二人で洗い物を片付けて、いえ戻ればもう3時なのでした。亭主は書斎でひと眠りして、目覚めた頃には大相撲千秋楽の最後の場面なのでした。
1月29日 月曜日 一月最後の営業日は亭主一人なのに…

蕎麦屋の朝飯前の仕込みが終わって、6時過ぎの東の空です。前の畑は真っ白な霜が降りて、今朝も勿論氷点下。空気が澄んでいるのがよく判るのです。帰りにコンビニに煙草を買いに行けば、いつも朝の早いお姉さんが元気に応対してくれた。車の車外温度計がゼロのままでした。家に帰ってあまりに寒いから、昨日残った野菜サラダと肉を使って中華丼にして食べた。女将が台所に来て「お腹空いたの?」とベーコンエッグとハッシュドポテトを作ってくれた。

店の室温は昨日とあまり変わらないけれど、外は風がないから陽射しの暖かさが届くのです。昼になるにつれて、エアコンの暖房がかなり効いてくるのが判った。今日も加水率48%で生地を捏ねて、綺麗な蕎麦を仕上げ、生舟には昨日の蕎麦と合わせて12束の蕎麦を用意しました。亭主一人の月曜日だから、一つ一つの作業を短い時間でこなして、余裕を持って開店にこぎ着けたいもの。大根をおろしたり、天麩羅の具材を切り分けたりと、素早く動くのです。

金柑大福を包んで、野菜サラダの具材を刻みながら、お湯をポットに入れて、油を天麩羅鍋に注いで、天つゆの鍋を火にかける。11時前にはすべての準備が整い、カウンターの隅の椅子に座って、しばしの休憩です。今日は開店時刻の5分前に暖簾を出して、お客を待つのでした。12時前に普段は平日には来ないカレーうどんの小父さんが奥様と共にご来店。カレーうどんとキノコつけ蕎麦とハラミの串焼きを頼まれて、亭主は早速準備に入るのです。

続けて中年のご夫婦が奥のテーブルに座って、ヘルシーランチセットの天せいろを二つ頼まれる。今日はこれで野菜サラダが売りきれで、また家に持ち帰るのかという心配も、すっきりとするのでした。作ったばかりの金柑大福も出たので嬉しい。店の電話が何度も鳴るけれど、天麩羅を揚げていたり、蕎麦を茹でていたりで出ることが出来なかった。すると1時を過ぎた頃にワゴン車に乗って6人の女性達がご来店なのでした。これが先ほどの電話の主だった。

ぶっかけ蕎麦一つと天せいろ五つのご注文で、亭主は天麩羅の具材を再び切り分けながら、次々と盆や蕎麦皿をセットしては、天麩羅を揚げていく。平日のしかも亭主一人の時に、こんなに多くのお客が来たのは何年ぶりかなのでした。カウンターに分かれて座った女性が、ご夫婦でいつもいらっしていたので、皆さんを誘ってきたと後で判ったのです。ラストオーダーの時間には、皆さん会計を済ませてお帰りになる。後片づけは4時を過ぎて終わるのでした。
1月30日 火曜日 今日は陽射しも暖かく…

昨日は疲れ果てて夜のプールにも行けなかった。4時半から遅い昼寝をしたら、6時過ぎまで眠って夕飯にも間に合わなかったのです。更にいつもの時間に眠くならないから、1時近くまで映画を観て、生活のリズムが崩れてしまった。朝もゆっくりと目覚めて、定休日で好かったのです。お袋様と仕入に出かける前に蕎麦屋に寄って、昨日の洗い物を片付けておく。今週は白菜を漬けようと思っていたから、農産物直売所で買って帰るのでした。

出がけに「昼は何にする?」と女将に問えば、「白菜がまだ残っているのよ」と言うので、隣町のスーパーでシマダヤの湯麺と挽肉を買って帰る。昼は白菜四分の一を刻んで、挽肉と中華鍋で炒めてあんかけのスープにしたら、茹でた麺を入れてはいでき上がり。野菜の大量消費には中華が一番だと、中華の苦手な女将は思いつかないらしい。そのくせ「身体が温まって美味しい」と言うのです。重い中華鍋を振るのが大変なのかも知れない。

午後は昼寝もせずに女将のスポーツクラブの予約を終えたら、蕎麦屋に出掛けて午前中に漬けた白菜の様子を見る。新鮮なのでだいぶ水が上がってきているから、明日には漬け直して小さな樽に移そう。出汁取りの準備をしておいたので、一番出汁を取って蕎麦汁を仕込み、二番出汁を取って容器に入れて冷蔵庫に収納する。蕎麦汁は冷まして蕎麦徳利に詰めておく。やることはまだ沢山あったけれど、4時半になったので家に帰ってひと休みするのです。

書道が終わった女将が仕事部屋から出て来て、「夜は鮪のたたきの手巻き寿司と鴨の葱焼きでいいですか?」と言う。亭主は焼酎のライムと炭酸割りを作る準備に忙しい。テレビのニュースを二人で見ながらあーだこーだと話をして、今宵も楽しい夕食のひととき。昼寝をしなかった午後の時間で、庭の金柑の木をまた剪定したのです。とにかく実が沢山上の方まで付いているので、手の届かないところを脚立を立てて切り落としてしまう。ついでに洗濯を干すのに邪魔になると言うウチワサボテンも切り込んでおいた。

1月31日 水曜日 昼は3月下旬の暖かさで…

午前6時前、辺りが少し明るくなってきたので、蕎麦屋に出掛けて朝飯前のひと仕事。昨日漬けた白菜一把を昆布や柚子や唐辛子を加えて漬け直し、漬け物器に移し替えたのです。あんなに沢山あった白菜が、一晩で水が上がって、小さな漬け物器に入って締まったからびっくりです。野菜が新鮮な農産物直売所のお蔭なのでした。洗濯機の中の洗濯物を干して7時前になったから、家に戻って朝食の出来上がるのを待つ。畑には真っ白な霜が降りていました。

朝食を終えてお茶をもらったら、書斎に入ってひと眠りをする。「今日も休みなのだから」と自分に言い聞かせて、ゆっくりと起き出して、9時すぎにまた蕎麦屋に出掛けるのです。洗った鍋を片付けて、まずは蕎麦豆腐を仕込んでおきます。そして、時間のかかる小豆を鍋で煮始める。隣の火口では南瓜を煮て、いとこ煮の仕込みを始めます。出汁醤油と砂糖を加えて南瓜は出来上がり、鍋を移動して今度はキノコ汁を作るのです。鶏肉を切り分けて出汁で煮る。

シメジ、エノキ、エリンギ、舞茸、ナメコと次々に鍋に入れて、火が通ったら塩味を付けて冷ましておきます。約6杯分のキノコ汁は、三分の一を小さな鍋に移して明日から使えるようにして、残りはタッパに分けて急速冷凍しておきます。小豆が煮えてきたから、三回に分けて同量の砂糖を加え、これも冷ましておくのです。これで午前中の仕込みは終わり。11時過ぎに家に戻って昼食を食べる。食後は昼寝をしようと思ったけれど、なかなか眠れないのです。

女将がスポーツクラブに出掛けた後で、仕方がないから庭に出てウチワサボテンの剪定と、金柑の木の剪定の続きを終わらせるのでした。だいぶすっきりしたけれど、沢山実を付けた金柑の実はまだ枝に付いたままで、気が遠くなるように思えたところで止めておくのでした。こんなに沢山の実が付いたのは初めてだから、どうして好いか判らない状態なのでした。ウチワサボテンの切り落とした葉はゴミ袋に詰めて、実の付いた金柑の枝はボールに取っておく。

居間でひと休みしたら、蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みにかかるのでした。ピーラーで蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら酢水で茹でて、南瓜を切り分けてレンジでチーンする。後は明日の天麩羅の具材を切り分けて容器に詰めたら、ラップを掛けて冷蔵庫に収納するのです。白菜の漬け物は切り分けて小鉢に盛り付け、煮込んだ南瓜は小豆をかけてやはり小鉢に盛り付けておく。3時過ぎには家に戻ってひと休み。早い夕食を食べて夜の防犯パトロールに出掛ける。