10月12日 木曜日 爽やかな秋の一日でした …

今朝は6時前には蕎麦屋に出掛けて、夕べ漬けた糠漬けを取り出し、小鉢に盛り付けるのでした。店の玄関を入る時に懐かしい香がすると思ったら、駐車場にある金木犀の木が黄色い花を咲かせていました。切り詰めた枝の脇から沢山の花が開こうとしている。まだ花が開いていないのに、こんなに香が届くものなのか。朝飯前のひと仕事を終えて家に帰れば、女将が台所で朝食の支度をしてくれていた。今日から新米なのだそうだけれど、違いが分からなかった。

今朝もひと眠りをせずに、朝ドラの始まる前に蕎麦屋に戻った。定休日明けの営業日には、やることが沢山あるのです。ハナミズキがすっかり紅葉したみずき通りを渡って、バス通りに出れば蕎麦屋はすぐそこ。朝は足の調子も好く、なんとか右足を引きずらなくても歩ける。これが一日の仕事を終えて帰る頃になると、ちょっと足を引きずるから、やはりずっと立って仕事をするから、足の筋肉も疲労してくるのだろうか。痛みは全くないけれどバランスが悪い。

蕎麦屋に着いて看板と幟を出したら、チェーンポールを降ろして蕎麦打ち室に入る。今朝は850g9人分を打っておくことにした。蕎麦粉が多いと、それだけ捏ねるのに時間がかかるのです。加水率は41%だから、気温も下がって湿度も50%以下ではかなり力が要る。それでも生地がこなれてくるまで何度も捏ねて蕎麦玉を作ります。早く家を出たのが正解。9時過ぎには厨房に戻って、生姜や大根をおろして薬味の葱を刻むのでした。9時半にはまた蕎麦打ち室へ。

硬く仕上がった生地は伸しに入っても力が要る。奥行き90cm弱、幅80cm強まで伸し広げたら、打ち粉を振って畳んで行く。これだけ生地がしっかりとしていれば、包丁打ちも均等な幅で綺麗に仕上がるのです。137g~140gの間で9束の蕎麦を生舟に並べて、9時50分になった。野菜サラダの具材を刻むには少し早いから、調理台に具材と皿を並べて、ここで一休みするのです。天麩羅の油を鍋に入れて、お湯のポットを用意しておく。10時になったら作業を開始。

10時50分にはすべての準備が整って、テーブルをアルコール除菌液で拭いたら、一休みして暖簾を出す。すぐに常連の母と娘が、珍しく歩いて来たとかで、ヘルシーランチセットをご注文。女将が手伝いに来る前に、もうひと組若い女性が二人でいらっしゃる。こちらは天せいろのご注文で、天麩羅を揚げているうちに女将がやって来た。すると玄関の扉が開いて常連さんが「白海老の掻き揚げ」と言ってカウンターに座る。まだ12時になったばかりなのでした。

「せいろは大盛りですね」と亭主が確認する。かき揚げを揚げて蕎麦を茹で、蕎麦湯まで全部出したところで、亭主は奥の部屋に入って一休みなのです。皆さんがお帰りになったのは12時半過ぎで、それからはお客が来なかった。今日の陽気ならばもう少し入っても好さそうなのでしたが、平日の5人はまあまあの客数なのです。亭主は早めに賄い蕎麦を食べて、ラストオーダーの時間になる前に、女将は残った野菜サラダを包んで持ち帰る準備。亭主も早めに暖簾を下ろすのでした。外は涼しくカラッと晴れた秋らしい日和。
10月13日 金曜日 朝から寒い秋らしい一日で …

陽射しがあるのに今朝は寒い朝なのでした。途中まで剪定を始めた金木犀に、もう花が咲いている。人の目の高さまで短く切ろうと思うのですが、雨が降ったり、朝が起きられなかったりで、なかなか次が始められない。以前は暇な定休日に、時間をかけて枝を落としたものだけれど、最近はすぐに息が切れてしまう。まあ、何時までに終わらせなければという期限がないのが、好いような悪いような。この間刈り取ったばかり南側の庭の雑草も、次の草が生える。

お隣のコスモス畑も回りの草が伸びたら機械で刈って、息の長い手入れをしている。ご主人は亭主と同年代だけれど、広い畑を止めてお花畑にするのにも、大変な苦労があるのだと思う。蕎麦屋に入って幟や看板を出したら、チェーンポールを降ろして蕎麦打ち室に入る。今朝は昨日の蕎麦が3束だけ残っているから、750g8食分を打って11食の用意をしようと考えた。先週の金曜日は9人もお客が来た上に、早い時間に何人か入れなかった反省もあるのでした。

室温20℃、湿度は50%で41%の加水では、さすがに生地が硬くて捏ねるのにひと苦労。それでも何とか蕎麦玉を作って、寝かせている間に厨房に戻って今日の大根をおろす。蕎麦打ち室に戻って伸しの作業を始めるけれど、やはり生地が硬いとなかなか正円を作るのが難しい。やっと伸し終えて畳んで包丁打ちを始めたら、生地の硬い分だけ綺麗に仕上がる。切りべら26本で137~140gの束を八束作って、生舟の中に並べるのでした。細くてコシのある蕎麦です。

朝がゆっくりだったから、蕎麦打ちに時間が取られて、野菜サラダの具材を刻み始めたのがもう11時前なのでした。室温が18℃の店内は、動いていないとくしゃみが出るほどの涼しさです。無事に開店の時間に間に合って仕込みが終わり、暖簾を出すけれど今日はひんやりと涼しすぎてお客は来なかった。街中ならば昼の時間に蕎麦屋に入るということもあるだろうけれど、団地の外れの畑に面したロケーションでは、到底、お客が来るはずもなかったのです。

スタッフも手伝いに来てくれたけれど手持ちぶさたで、蕎麦打ち室の掃除をしてくれていた。亭主は解凍してあった豚のハラミを切り分けて、串に刺す作業に専念する。隣町のスーパーで見つけた新しい食材だったけれど、焼いても柔らかくて、塩味で食べると美味しいのです。味を知った常連さんは酒がなくても必ず頼むひと品。白エビのかき揚げと同じで味わいを知らないと頼みにくいのかも。結局、最後までお客が来なかったので、今週は二日もゼロの日。
10月14日 土曜日 どの通りを歩いても金木犀の香りが漂う …

昨日の夜のプールで疲れたのか、今朝はなかなか起きられなかった。週に二三日軽い運動をすることは、身体に良いのでしょうか。女将に起こされて食堂に行けば、ぷーんと塩鯖を焼いた香が漂う。自家製の味噌で作った豚汁はなかなかの味で、ひじきの煮物も絶品なのです。食後のお茶をもらって居間の部屋でゆっくりとする。昨日の蕎麦が沢山余っていたから、今日は蕎麦を打たなくても好いくらいなのですが、土曜日なので500gだけ打っておこうと決める。

蕎麦屋まで歩いていけば、向かいの畑の雑草が綺麗に刈り取られていました。昨日の午後からお兄さんが仕事をしたらしいのです。隣のコスモス畑といい、何も作物を作らない広い農地を管理するのは、大変な仕事だと思うのです。それに比べて、蕎麦屋の狭い駐車場は、剪定しようと途中まで切り落とした金木犀がもう花を付けているのです。蕎麦屋に近づくだけで好い匂いが漂ってくるから、きっと風情の分かるお客は秋を感じてくれるかも知れない。

いつものように看板と暖簾を出してチェーンポールを降ろしたら蕎麦打ち室に入るのです。室温は18℃、湿度は48%。あまり生地が硬すぎるのもどうかと思って、今朝は41%よりも何グラムか多い水で蕎麦粉を捏ね始めました。それでも気温が低いからかまだ硬い。切りべら26本で140gの蕎麦を包丁打ちして生舟に並べる。綺麗な仕上がりで打っていても気持ちが好いのです。外は薄曇りで気温は昨日と同じぐらい。どれだけお客が来るものなのか。

女将がやって来て、店の掃除や割り箸におしぼりなど細々とした準備を終えて、10時過ぎに一度家に戻るのです。亭主は厨房に入って野菜サラダの具材を刻み、今日も三皿盛り付けておく。沸いた大釜の湯を四つのポットに入れて、天麩羅油を鍋に注ぎ、調理台に天麩羅の具材を並べた頃に、再び女将がやって来るのです。暖簾を出して昼前にはお客がいらっしゃる。久し振りに尋ねてくれた常連さんで、天せいろと、白エビのかき揚げにハラミの串焼きをご注文。

その後も一人の男性客で、せいろの大盛りを頼まれる。今日は珍しく男性客ばかりで、1時をだいぶ過ぎた頃にお二人でいらっしたお客は、亭主も顔を知っているお袋様の住むマンションの住人。昔はよくいらっしてくれたけれど、最近はあまり見かけない。大きな声で長々と話をして、2時前にやっと帰られた。今日は天せいろが随分出たので、亭主も油が冷めないうちにとかき揚げを揚げて、奥の部屋に入って賄い蕎麦を食べておくのです。

お客が少なかったので、洗い物もすぐに終わって、2時半には蕎麦屋を出る。今夜は夜の防犯パトロールがあるので、柿を剥いてもらって食べたら、すぐに書斎に入ってひと眠りです。2時間近くも眠ってしまって、目覚めたらもう早い夕食の時間なのでした。6時半には家を出て集合場所に向かう。70代の男性ばかりが集まって、暗い中を懐中電灯と警告灯を持ってパトロールに出掛けるのです。拍子木を打って夜道を歩けば、至るところで金木犀の香りが漂う。
10月15日 日曜日 秋雨の中、どんでん返しの日曜日 …

朝から雨の日曜日でした。昼は雨も強くなると言うから、車で蕎麦屋に出掛けた亭主。生舟には蕎麦が沢山残っていたから、今朝は蕎麦を打たないつもりでした。この寒さと雨ではお客は期待できなかったのです。それでも夕べ漬けたお新香を取り出して、大根のなた漬けと合わせて10鉢は用意しておく。お客が来なくても、最低限の準備はしておかなければならないから、食べ物屋は辛いのです。野菜サラダもいつもと同じく三皿は盛り付けておきました。

暖簾を出して外の様子を窺えば、この雨で通る人も車もなく静かな日曜日なのです。今日はこの地区の六年に一度のお祭りだというのに、雨で中止と言うことはないのだとか。秋の祭りは、元来、作物の収穫を祝うものだろうから、来年以降の豊作の願も込められているに違いない。それにしても蕎麦屋の中も寒くなったので、エアコンの暖房を入れて暖めるのです。昼をだいぶ過ぎてやっとお客が来店した。母親と息子さんらしくキノコ付け蕎麦を頼まれる。

そう言えば、このお婆さんはいつもキノコ付け蕎麦を頼むから、温かい汁とキノコが気に入っているのかしら。今日は中年の息子さんも大盛りで注文して、母親の食べられない分まで蕎麦を食べていた。隣のお花畑のひまわりも種取が半分だけ終わったらしく、綺麗に茎が刈られていた。昨日の遅い午後から草刈りをしたらしい。広いから大変な作業です。向かいの畑の草刈りといい、地区の人が通る今日の祭りの前に綺麗にしておこうという事なのでしょうか。

1時になってもお客は来そうになかったので、亭主は蕎麦を茹でて大根おろしと葱と山葵だけで蕎麦を食べておく。綺麗に仕上げた昨日の蕎麦は、太さが揃っているので気持ちが好い。雨はまだまだ降り止みそうにないのでした。電話が鳴って女将が出れば、ラストオーダーは何時かという問い合わせだったらしい。日曜日だったからお客の出足が遅いのだろうか。それにしても閉店時刻の30分前に四人連れのご家族がいらっして、全員が天せいろのご注文。

女将が電話の方かと尋ねれば違うという返答だった。四人分の天麩羅を二回に分けて揚げて、蕎麦を茹でて席に運んでいるときに、玄関が開いて先刻の電話の主が現れたのです。見ればこちらも常連さんで、娘さんは何時もヘルシーランチセットのせいろ蕎麦。お母さんは天せいろに今日は赤いかの天麩羅をプラスして、サラダと蕎麦豆腐まで単品で頼まれる。閉店の時刻を過ぎても食べ終わらずに2時20分に店を出て行かれた。雨も止んで外は明るくなっていた。

10月16日 月曜日 清々しい秋の日だったけれど …

今朝は6時前に蕎麦屋に出掛けました。混んだ日の翌日は、蕎麦汁もなくなっているし、小鉢もほとんどなかった。二日は使えるかと思ったお新香でしたが、一時に客が来たので、女将も大根のなた漬けを盛り付ける暇がなかったから次々とお新香を出したのです。蕎麦豆腐もすべて出てしまったから、新しく仕込まなければなりませんでした。蕎麦汁は予備の一番出汁を使って、何とか今日の分は足りる。天麩羅の具材を切り分ける作業だけが残ってしまった。

家に戻って朝食を食べたら、早くから起きていたのでやはりひと眠りをするのです。9時前には蕎麦屋に戻って、幟を立てたら蕎麦打ち室に入る。加水率41%強で750gの蕎麦を捏ね始めれば、今日も硬い生地が仕上がった。蕎麦玉を寝かせている間に一休みして、蕎麦玉を伸して畳んでなんとか8人分の蕎麦を生舟に並べることが出来ました。厨房に戻ってタブレットのYouTubeでサザンの曲を聴きながら、天麩羅の具材を切り分け、野菜サラダの具材を刻む。

外は清々しい秋晴れで、金木犀の香りがそこいらじゅうに漂っている。開店の準備が整って暖簾を出せば、今日はお客よりも先にスタッフがやって来た。やっと昼前に習志野からわざわざいらっしゃる常連さんが見えて、天せいろを二つご注文。毎週のように来ていたのに、このところ見えないなと思ったら、子供のインフルエンザを家族でもらい、二週間は外に出られなかったと言う。近所の質屋に強盗が入ったと言って、気をつけなければとおっしゃっていた。

店の窓は半分開け放っているから、駐車場から金木犀の香りが漂ってくる。隣のコスモス畑も陽を浴びて今日の青空に映え、本当に秋らしい陽気なのでした。駐車場に車が入って女性の一人客がいらっして、天せいろのご注文。今日は女性ばかりのご来店なのです。定刻に店をしまってスタッフを帰し、亭主は天麩羅を揚げてゆっくりと賄い蕎麦を食べる。残った食材も天麩羅にして、夜は天麩羅で女将も楽なようでした。夜のプールで泳いだら例によって一献。

10月17日 火曜日 今日も秋らしいうららかな晴天で …

今朝は5時には目が覚めていたけれど、まだ暗いから寝床の中で今日の段取りを考えていました。取りあえず台所に行ってお湯を沸かし、コーヒーを入れたら居間の椅子に座って一服。それで蕎麦屋に出掛ければ好かったのだけれど、定休日だからという甘えがあったのか、時間のかかる金木犀の枝打ちは出来なかった。その代わりに出汁取りの準備をして、カウンターに干してあった昨日の洗い物を片付ける。段取りが儚く消えて、後ろにずれ込んだだけ。

晴れた空の下を今朝は中央通りを通って、お袋様のマンションまで迎えに行く。農村物直売所には新鮮な生椎茸がいつもよりも数が出ていたので嬉しかった。知り合いの農家で持って来た大根や小松菜、オクラなどを買って、隣町のスーパーに出掛けるのです。いつもと同じ野菜類をカートに入れ、このところ値の上がっていたブロッコリーが何時もの場所にないのに気が付いた。仕方がないのでカリフラワーを買って帰る。野菜の値段は随分と上がっている。

野菜類を冷蔵庫に収納したら、出汁を取りながら小豆を煮はじめる。これが時間のかかる作業で、柔らかくなるまでに1時間。その間に出汁も取り終えて鍋類も洗っておくのでした。それでも小豆はまだ少し硬めだったから、蓋をして鍋のまま置いて家に戻るのでした。昼は昨日残った蕎麦を茹でて、揚げて帰った天麩羅を焼いて、天せいろを食べる。蕎麦は家の鍋では上手く茹でられないからと、今日は一人分ずつ蕎麦を茹でた。これだとコシのある蕎麦になる。

食後は書斎に入ってひと眠りする。2時には女将のスポーツクラブの予約があるから、20分前には居間に行って目を覚ますのです。女将は仕事部屋から休憩に出て、柿を剥いてくれる。無事に予約が取れて、亭主は早めに蕎麦屋に戻って午後の仕込みに取りかかる。午前中に煮ておいた小豆はちょうど好い柔らかさになっていた。氷砂糖を水から沸かして溶かしたら、粉寒天と抹茶を入れて再沸騰させる。少し固まるまで沸かしておいた大鍋で小松菜を茹でる。

寒天が少し固まるまでにはかなり時間がかかるので、その間に南側の庭に出て、すっかり伸びてしまった月桂樹の枝の様子を見る。脚立を出して上の方だけを切ればいいと思ったけれど、内側に伸びた枝が風通しを悪くして、大量のカイガラムシがこびり付いているのでした。厨房に戻って小豆を固まってきた抹茶の器に載せたら、ラップを掛けて冷蔵庫に入れる。剪定ばさみと剪定用のノコギリを持って行って綺麗に剪定する。落とした枝は枯れるまでそのまま。

なんでも放っておいてはいけないと、肝に銘じたのでした。ついでに前の家との間にあるフェンスに絡まった蔦を取り除いた。タラの木のある奥の方はまだ手つかずだから、こちらも近々剪定に取りかからなければ。駐車場の金木犀は花が終わる頃までに上に伸びた枝を刈らなければならない。4時を過ぎたので、取りあえず今日はこれまで。寒くなる前にいろいろとやっておかないといけないと、明日の段取りをまた考えるのでした。
10月18日 水曜日 今朝は夜明け前からひと仕事 …

昨日の失敗を繰り返さないために、今朝は5時半には家を出た。まだ薄暗かったけれど、昇る朝日に染まった東の空を見ながら、厨房に入ってコーヒーを入れる。辺りが明るくなったら、脚立を出して金木犀の剪定に取りかかるのでした。約1時間、駐車場に面した側の枝を払って、ビニール袋に入れていく。切り落とした枝が二袋目の半分ほどになったところで7時前になる。今朝はここまでと諦めて、家に帰るのでした。これは相当に時間がかかると判った。

朝食を食べ終えたらひと眠りして、今日は床屋に行くつもりでいたので、支度をして車を走らせる。開店の時刻を少し過ぎていたけれど、親父様は暇そうにしていたので、一番乗りで髪を刈ってもらうのでした。いつもは月末の火曜日と決めているのですが、来月は中旬にクラス会と古い友達に会う約束があったので、上旬にもう一度刈ってもらおうと考えたのです。スポーツ刈りは髪を刈って一週間が一番好いと、親父様に言われたのでした。

床屋を出てそのまま蕎麦屋に直行して、午前中に出来る仕込みを済ませておくのでした。明日の小鉢に二番出汁で南瓜を煮込んでいる間に、昨日仕込んだ蕎麦汁を蕎麦徳利に詰める。それも終わって昼の支度にはまだ時間があったので、洗濯機の中に入れたままの洗濯物を干す。11時には家に戻って、昼食のカレー炒飯を作るのでした。食べ終えて亭主が書斎でひと眠りする間に、女将は早々とスポーツクラブに出掛けていく。のんびりとうららかな午後なのです。

今日は夕方の6時から、地域の防犯パトロールの巡回があったので、逆算すると4時過ぎには夕飯を食べておかなくてはならない。2時過ぎには家を出て蕎麦屋に出掛け、午後の仕込みに入るのでした。鶏肉と茸を切り分けて、キノコ汁を煮込んで塩味をつけ、IH用の鍋に半分入れたら、残りはタッパに入れて冷凍しておくレンジの火口では、二つ目の小鉢の切り干し大根の煮物を作る。明日の天麩羅の具材を切り分けて、鍋類を洗って4時前に終わるのでした。

家に戻って今日の写真をパソコンに取り込んだら、女将の作ったすき焼き風の煮込みをおかずに早い夕飯を食べる。5時半には集合場所の集会所まで歩かねばならないから、ひと眠りすることも出来ない。70代の親父様達が集まる夕暮れに、点呼を受けて二班に分かれ、懐中電灯と赤く点滅する棒を持って地域を巡回するのです。歩きながら、今日はパソコンやスマホの不具合や迷惑なメールの情報交換をするのでした。まったく年寄りには生きづらい時代です。
10月19日 木曜日 爽やかな秋晴れの一日でしたが …

パトロールのあった翌日は、やはり疲れて身体がだるいのです。夕べは足の調子も好かったから、他の人に遅れないで歩くことが出来たのですが、帰り道にはやはり足を引きずってしまう。最近は皆さん年を取ったせいか、4kmも歩かないのですが、風呂に入ってゆっくりとしても朝はなかなか起きられない。一週間に一度の割合だから、いいリハビリにはなっている。後ひと月で横浜まで出掛けて大丈夫だろうか。ちょっと不安もあるけれど歩く距離は少ない。

定刻に家を出て、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。菊練りを終えて、蕎麦玉をビニール袋に入れて寝かせている間に、木鉢を厨房まで運んでお湯で洗う。家で飲まなかったコーヒーを入れて飲む。9時半になったら再び蕎麦打ち室に行って、生地を捏ねて、伸して畳んで包丁切りです。室温は20℃、湿度は60%だったけれど、加水率はいつもと同じ41%のまま。最近は均等な幅で蕎麦が切れるので、後は生地の厚さが均一になっているかが問題なのです。

平日だから、今日は750g八人分の蕎麦を用意して、前掛けに付いた蕎麦粉を払いに玄関を出る。風もなく、空は青く高いところの雲がすじを作っていた。金木犀の剪定は今朝の寝坊で進んでいないけれど、気長にやるしかないと思っているのです。駐車場に入るお客の車の邪魔にならないように、枝を払っておいたから、お客の出入りには支障はないはず。厨房に戻って薬味の葱を刻んで、大根と生姜のおろしたら、野菜サラダの具材を刻んで皿に盛り付ける。

暖簾を出したらすぐに散歩のご夫婦がいらっして、天せいろを二つに、ご主人がビールをご注文なのでした。天気が好くて暖かいから、店の前を歩いて通る人の数は多かったのです。しかし、午前中はこのお二人だけで、午後から駐車場に昼間が入って、若い女性の一人客がご来店。空いているからテーブル席にお一人で座って、キノコつけ蕎麦を頼まれる。女将がIHでキノコ汁を暖めて、亭主が味つけをして蕎麦を茹でれば、もう出来上がりです。

こんなに好い陽気なのに、蕎麦を食べに来るお客は少ない。いつもの木曜日とはちょっと違った。亭主は昼飯も食べずに2時には家に帰ってふて寝するのでした。女将は予約してあった美容院に出掛けて、亭主が業者が来るからと夕刻に再び蕎麦屋に出掛けても、まだ帰ってこなかった。後で聞けば、いつになく美容院は混んでいたのだとか。綺麗になった髪で亭主の持ち帰った冷凍のカキフライを上げてくれた女将。今日残った野菜サラダと合わせて食べる。