2023年9月中旬



9月10日 日曜日 やっと普通の週末に戻ったか …

 朝は少し涼しかったけれど、最近の朝の涼しさに慣れてしまったからか、日中も30℃ほどしかないのに、やけに暑く感じるのです。今朝は雲が多かったけれど、青空が覗いて間違いなく今日は晴れ。室温27℃、湿度は50%の蕎麦打ち室に入って、41%の加水率で蕎麦を捏ね始めたら、やはり少し柔らかく感じるのです。季節の変わり目というのは、どうも蕎麦を打つのが難しい。それでも何とか打ち粉を多めに振って、今日の蕎麦を仕上げるのでした。

 厨房に戻って冷蔵庫に入っていた糠床からお新香を取り出し、小鉢に盛り付ける。切り干し大根の煮物も三鉢だけ盛り付けておきました。天麩羅の出る時にはさっぱりとお新香を付けて、それ以外の注文の時には、切り干し大根を付けてお客に提供するのです。ところが今日のお客は一人を除いて、すべて天せいろや野菜の天麩羅の載ったぶっかけ蕎麦を頼まれたから、やはり気候の関係なのだろうと思った。今週はお客が少なかったけれど、今日はいつもの週末。

 暖簾を出すとすぐにお客が入って、天せいろとヘルシーランチセットのご注文なのでした。続けていらっした女性のお客も、カウンターに座って天せいろを頼まれる。そのうちに次々とお客が来るので、亭主は天麩羅を揚げて蕎麦を茹でることに専念する。今週はお客が少ないことに慣れてしまって、かなり忙しいと感じたのです。15人お客が来てもこなして来たのに、今日は9人だったと女将が言う。天麩羅の具材を途中で切り足さなければならなかったのです。

 途中で手を休めずに洗い物をしていたので、最後の三人連れのお客が帰ったら、残った洗い物はもうわけなく済ませられる。亭主は賄い蕎麦を食べて、暖簾を下ろしたら女将と手分けして片付けに入るのでした。空には夏の雲が湧いていたけれど、35℃の続いた8月程の暑さではなかった。女将と一緒に家に戻り冷たい梨を食べる。夕飯を食べながら、今日から始まった大相撲をテレビで見て、風呂から上がったら、ラグビーのワールドカップを見る宵でした。




9月11日 月曜日 久し振りに混んだ月曜日 …

 午前6時過ぎの東の空は雲が多く、その合間から太陽が光を投げかけていました。このところ朝は、蕎麦屋の中も涼しく、エアコンを入れなくても十分なのでした。カウンターに干した盆や蕎麦皿を片付け、今日の営業で使う蕎麦汁や小鉢の数を確認しておきます。蕎麦汁は10人分、小鉢も同じくらい出来ると分かってひと安心。もう出汁もないので、鍋にある天つゆの分がなくなればお終い。ひやひやするけれど、そんなにはお客が来ないのが月曜日だから。

 家に戻って朝食を終えたら、今朝はひと眠り30分。昨日の蕎麦が残っていたから、今日は500g5人分だけ打てば好いからゆっくり。それでも8時半には家を出てみずき通りを渡れば、空には雲が沢山出ていました。今日の予報では曇り時々晴れだと言うから、気温が上がればお客が来るかも知れない。蕎麦屋に着いて看板を出し、幟を立てて駐車場のチェーンポールを降ろしたら、早速、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。室温は26℃、湿度は401%でした。

 エアコンを入れておいたから、空気が乾いていると思って、今日は加水率41%で蕎麦粉を捏ね始めました。それがぴったり正解で、しっとりとした生地が仕上がり、蕎麦切りも綺麗に切りむらがなく出来たのです。140g前後で5束と少しを打ち上げて、昨日の残りの蕎麦と合わせて10食の蕎麦を用意したのです。厨房に戻って大根をおろし、天麩羅の具材を切り分けながら、野菜サラダの具材を刻めば、時計は11時を回っていました。定刻に準備が完了する。

 天麩羅油の鍋を温め、天つゆを火にかけたところで、開店10分前だというのに、もう駐車場には車が入ってくる。少し早いけれど、大釜の湯も沸いているから、暖簾を出して店に入ってもらえば、天せいろとハラミの串焼き、デザートの水羊羹をご注文なのでした。天麩羅を揚げて蕎麦を茹でている間に、次のお客が三人連れでご来店。まだ11時半を回ったばかり。早くお客を入れると、次のお客も開いていると思って、やって来るものなのです。

 少し早めにスタッフが来てくれたので助かった。テーブル席が埋まって、亭主は調理に専念できる。三人連れのお客は、鴨せいろを初めとして皆さん違ったご注文だったから、全部出し終えるまでに時間がかかった。それでもまだ昼を過ぎたばかりで、次のお客はテーブル席に座ってのご注文なのでした。生舟に残った蕎麦の数を気にしながら、天麩羅を揚げてお出しすれば、店の名前の読み方を尋ねられ、いろいろと蕎麦の話をするから相手をするのです。

 聞けば隣町に住んでいるのに、こじんまりとした蕎麦屋をネットで捜して、霊犀亭を見つけたのだと言う。蕎麦湯まで綺麗に飲んで1時近くにお帰りになった。これで今日はお終いかなと思っていたら、大きなワゴン車が駐車場に入ってくるではありませんか。女性お二人のお客さんで、ヘルシーランチセットに赤いかの天麩羅、豚のハラミを頼まれて、デザートの水羊羹まで、随分と沢山召し上がったのです。手打ちにしては蕎麦が細くて美味しいと褒められた。



9月12日 火曜日 涼しくなっても残暑は厳しい …

 また定休日がやって来た。夕べは暑くなっては目が覚める夜だったから、心地よい目覚めではなかった。それでも朝食前にひと仕事と蕎麦屋に出掛けようとすれば、庭のモミジアオイが倒れかけた茎に幾つも花を咲かせているのでした。今年は秋口まで楽しませてくれる。金柑の実もだいぶ大きくなってきたから、早く摘果を終わらせなければいけない。蕎麦屋で昨日の洗い物の片付けを終えたら、家に戻って朝食を食べて、お袋様に電話をして仕入れに出掛ける。

 農産物直売所では、今日も新鮮な生椎茸が手に入った。パックから中身を出して、口を開けて袋に入れ替えて冷蔵庫に入れれば、かなり長持ちするので助かる。オクラもナスも何時もの農家のものを買って帰る。隣町のスーパーでは、冷凍の豚のハラミが美味しかったのでストック用にと二袋も買ったのです。お袋様を送って店に戻ったら、まずは野菜類を冷蔵庫に入れて、返しの仕込みをする。出汁を取るにも蕎麦汁を作るにも返しの仕込みは欠かせないのです。

 11時になる前に家に戻って昼の支度の準備をする。蕎麦屋で使うキャベツがどうしても毎週のように残るから、今日は人参やピーマンなどと一緒に、フライパンで肉やシーフードと一緒に蒸し炒めにして、焼きうどんを作った。これなら野菜たっぷりで、女将も美味しく食べられると喜んだのです。食後は書斎に入ってひと眠り。女将のスポーツクラブの予約の時間には、目覚めて無事に務めを果たす。冷たい桃を剥いてもらい、ひと休みしたら蕎麦屋に出掛ける。

 蕎麦屋に着いたら、まずは洗濯物を畳んで、洗濯機の中に昨日洗ったままの洗濯物が入っているから、これを干しておく。明日の朝の出汁取りの準備に、干し椎茸と昆布を鍋に入れて水に浸ける。大きな鍋にはお湯を沸かして小松菜を茹でる。水で洗って切り分けたら、タッパに入れて急速冷凍。鴨せいろに入れる綠なのです。蕎麦を茹でる大鍋に、朝から重曹を入れて、天麩羅鍋の汚れを取っていた。どれだけ落ちるか、仕上がりが楽しみ。




9月13日 水曜日 朝し涼しく昼は猛暑で …

 眠い目を擦りながら、今朝は5時半に家を出て蕎麦屋に向かう。やることが沢山あるのでしたが、一つ一つが時間のかかるものばかりなのでした。まずは出汁取りの鍋に火を入れて、一番出汁を取ったら、昨日作ったばかり返しを加えて蕎麦汁を仕込む。隣の火口では二番出汁を取って、天つゆを作って、残りは容器に入れて冷やすのです。3リットルの鍋を水から沸かして、削り節が沈むまで待たなくてはならない。これを二回繰り返すから時間がかかるのです。

 その間にコーヒーを入れて飲みながら、タブレットで昨日のブログを読み返したり、新しいニュースを読んだりと、目覚ましの工夫をするのです。家に戻ればもう7時を過ぎていた。食卓には銀むつの煮込みと茄子とピーマンの新焼が並んで、おかずが足りない場合のために納豆まで用意されていた。亭主は納豆まで食べる前に、もう朝食を終えているのです。食後のデザートには、先日お客様からいただいた大きな豊水を、二切れだけ出してくれた。

 書斎に入ってひと眠りの時間なのですが、どうしても定休日だとゆっくりと眠ってしまう。1時間ほど眠ったら頭がすっきりとしてやっと起き上がるのでした。洗面と着替えを済ませて、9時過ぎには車で家を出て蕎麦屋に向かうのです。昼はスパゲッティで好いねと女将に確認をして、冷蔵庫に残っている先週の蕎麦屋の野菜類を処理しようと考えた。午前中の仕込みも時間のかかる事ばかりで、小豆を一時間掛けて煮て、デザートの抹茶小豆を作ったのです。

 家に戻ればもう11時で、ビーマンを刻み、掻き揚げ用に刻んだ玉葱と人参を肉と炒めて、隣の鍋ではパスタを茹でる。カルボナーラのソースは、出来合いのものを同じ鍋で袋のまま5分ほど温めて、かけるだけだから世話はないのです。今日も昨日と同じ大皿でワンプレートの昼食だから、スポーツクラブに出掛ける女将には、洗うのも楽だから嬉しいはずです。亭主は満腹になったら書斎に入って、午後の昼寝の時間。たっぷり1時間は眠ったでしょうか。

 外はかなり暑くなってきているから、居間の部屋でゆっくりと涼みながら映画を観る。午後の仕込みは長くても2時間で終わらせようと、段取りは考えているのです。蕎麦豆腐を仕込んで、夏野菜の揚げ浸しを作り、お新香を漬けたら、明日の天麩羅の具材を切り分ける。その間に、大鍋で少しは綺麗になった天麩羅鍋を洗って、レンジ周りを掃除して、家に戻ったのは5時半。大相撲の大関戦だけは見ることが出来ました。プールに行けなかったのが残念でした。

 


9月14日 木曜日 昼間は暑くなったけれどお客は少なかった …

 定休日明けの木曜日はいろいろとやることが多くて、今朝も5時半に家を出て蕎麦屋に出掛けるのでした。まずは冷蔵庫から糠床を取り出して、お新香を切り分け小鉢に盛り付ける。そして、ついでに昨日作った夏野菜の揚げ浸しを三皿だけ盛っておくのです。すぐに終わってしまうから、コーヒーを入れて一服しながら今日の段取りを考える。まだ6時半前だから、キノコ蕎麦の汁を作ろうと、足りなかった鶏肉とエノキを買いに24時間営業の店まで行く。

 朝から店は混んでいて、亭主の前にも年配の男性達が並んでいるのでした。エノキがなかったので代わりにエリンギを買って、蕎麦屋に戻ってキノコ汁を作る。塩味だけで汁を作って鍋とタッパに入れてちょうど7時過ぎ。家に戻って朝食の食卓に付くのでした。女将がこれから鰺を焼くところで、食べ終われば7時半なのでした。ひと眠りしたかったけれど、今日は忙しいので洗面と着替えを済ませ蕎麦屋に出掛ける。庭の金柑が随分と大きくなっていた。

 やはり、摘果をした側の実が大きくなっていたから、反対側も遣っておいた方が好さそうなのです。蕎麦屋に着いたらまだ8時半前だったので、最初に、解凍しておいた豚のハラミを切り分けて串に刺す。今週のうちに出なければ、家に持ち帰って酒の肴になる。キノコ蕎麦と合わせて、カウンターのホワイトボードに書いたから、気付いたお客が頼んでくれると好い。昨日、漂白して洗ったタオルや前掛けを畳んで、真っ白な前掛けを掛けて蕎麦打ち室に入る。

 エアコンを入れておいたので、室温は26℃、湿度は40%。加水率41%で蕎麦粉を捏ねたら、今朝は少し硬い仕上がりだったから、菊練りまでにも時間がかかった。伸して切り始める頃にはいつもの時間を過ぎてしまった。それでも、硬い生地だったので、しっかりとした蕎麦が仕上がったのです。大釜に火を入れて、大根と生姜をおろし、野菜サラダの具材を刻む。この時間を縮められたことで、やっといつもの時間に準備が終わるのでした。

 天気は好いけれど、暖簾を出してもなかなかお客は来なかった。女将がやって来て、「去年の今日は26℃と気温が低くて、やはりお客が少なかった」と言う。今日はもう30℃を越えていたのに、週末に三連休があるから出控えているのだろうか。やっと1時過ぎにご夫婦がいらっして、天せいろの大盛りと普通盛りをご注文。蕎麦湯を綺麗に飲み干して帰られたのが嬉しかった。それっきりお客はなくて、朝早くから張り切って用意をしたのに、がっかりなのです。




9月15日 金曜日 蕎麦屋の前の道路が通行止め!?

 何故か夕べはぐっすりと眠れて、夜の10時半から朝の7時まで目が覚めなかったのです。朝食を終えたら、洗面と着替えを済ませ、女将の朝ドラが始まる頃にはもう家を出ていた。食後のひと眠りも必要なかった。蕎麦屋の上空には、絹雲と言うのか高い空に出来る秋の雲が見えたのです。最近は、毎日この雲が見られるから、やはり秋は確実に来ている。夏の花も咲き続けているし、日中の残暑が厳しいから、まだまだと思っていても、季節は巡るのです。

 時間が早かったので、コーヒーを入れたら、店に置いてあるタブレットで昨日のブログ(031tei.com)を読み返しながら、誤字や脱字がないかを調べる。間違いに気づいても、家に帰ってパソコンで修正するから、どこの場所だったかを忘れてしまうこともあるのです。その場で修正すれば好いのだけれど、パスワードを覚えていないから困ったものです。店のセキュリティー設備の関係で、Wi-Fiが使えるだけまだ好いのかと思っている。

 まだ9時前だったけれど、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打ち始める。昨日の残った蕎麦に打ち足して、今日は11食の用意です。蕎麦を打ち終えた頃には、前の道路を大型トラックが何台も通って行く。今月いっぱいは道路の改修工事とかで、片側交互通行になるというけれど、まだ蕎麦屋の前までは工事が始まっていない。古いバス通りも舗装が壊れて、雨の日などはしっぱねが上がって大変なのですが、やっと直してくれるのかと期待しているのです。

 ところが、開店の時刻に近づいた頃に、習志野から来る常連さんから電話があって「通行止めで通れないのだけれど店は営業しているの」「蕎麦屋に行くと言えば通してくれるから。お待ちしています」と応えれば、じきにお母様と娘さんがいらっしゃった。天せいろを作っている間に、近くの常連さんもいらっして、車を止められたという。窓の外には砂利を積んだトラックが並んで順番を待っている。初めてのお客は通行止めの表示を見て帰るに違いない。

 事前に市から各家に配布されたプリントには、蕎麦屋の前は片側通行になると書かれている。現場の作業員達が作業をし易いように車を停めているのかも知れない。午後からいらっしたお客さんも、車を停められたと言う。明日からの三連休はお客が来ると思っていたから、ちょっとショックなのでした。帰りがけに通りの入り口にいる作業員に言えば、「今日のミーティングで話しておきます」と言っていた。確かに看板には「車両通行止め」と書いてあった。

 家に戻っても、女将はまだ帰っていなかった。あちこちの部屋のエアコンを入れて、書斎でひと眠りして居る間に、もう大相撲を観る時間になっている。簡単に夕食を食べたら、夜は久し振りにプールにで掛けたのです。行けるときに行かなければ、本当に時間が取れない。30分で更衣室に戻って、下の階のスーパーでいろいろと買い物をする。出始めのリンゴや柿は女将のために、冷凍食品やラーメン、パン、バターなどはすべて夜食の材料ばかり。



9月16日 土曜日 道路工事はお休みだったのに …

 曇り空の朝でした。陽射しがないから涼しいはずなのに、外はじっとりと湿った陽気です。蕎麦屋に着いてエアコンを入れたら、いつもよりは室温が低いから設定温度を23℃にしておく。広い店の中はいつもなら20℃にしないと、窓を開けて換気をする都合上涼しいと感じないのです。少しずつは涼しくなっているのでしょうが、予報では、昼を過ぎると陽射しもないのに、33℃と何時もの暑さなのでした。蕎麦打ちの加水も難しい。41%の加水率で750gを打つ。

 湿気のある分、少し柔らかめの生地でしたが、寝かせているうちにしっとりとして、伸して畳んで綺麗に蕎麦切りが出来たのです。9時を過ぎても砂利を積んだトラックが通らないから、どうやら今日は道路の工事はお休みらしい。車両通行止めの立て看板も見当たらないし、作業員の姿も見えないのです。これでお客が来てくれるかと思ったけれど、三連休の初日だからか、暖簾を出しても一向にお客は来ない。1時前にやっと車が2台続けて駐車場に入る。

 最初の女性客は、カウンターの亭主の前に座って「何がお薦めですか」と尋ねるから「天せいろを頼まれるお客が多いですね」と応える。聞けば、80歳を超えた親に車の免許を返納させたと言う。親の家の近くに住もうと蕎麦屋が見えるマンションに越してきたのだとか。蕎麦好きらしく「お蕎麦が美味しい」「天麩羅もカリッと揚がって美味しい」としきりに褒める。テーブル席に座った年配のご夫婦も天せいろのご注文で、笑いながら彼女の話を聞いている。

 しかし、今日のお客はそれっきりで、1時半を過ぎたら亭主もかき揚げを揚げて、賄い蕎麦を食べて仕舞うのでした。カリッと揚がった天麩羅はさすがに美味しくて、まんざらお世辞だけでもなかったと納得する。お客が多く、続けて天麩羅を揚げるときが要注意なのです。銅の鍋で胡麻油を使っても、間を開けないと油が疲れて、カリッとはいかないことがたまにある。時間がかかっても、少しずつ揚げていくのが正解なのです。片付けも早めに終えて家に戻る。

 美容院に行くからと女将を早く帰したのに、店が混んでいたらしく、明日にしたと冷たい梨を剥いてくれた。今日のデータをパソコンに入力したら、夕刻まで涼しい書斎でひと眠り。5時近くになっても夕飯の支度が始まらないから、「今日は夜のパトロールの日なんだけれど」と女将に言って、テレビで相撲を観ながら夕食を終える。曇っていたのにどうしてこんなに蒸すのだろうか。汗だくになってパトロールから家に戻ればもう風呂の時間なのでした。



9月17日 日曜日 ぼちぼちの三連休中日 …

 朝の6時過ぎから目覚めてはいたけれど、頭がぼうっとしてなかなか起き上がれなかった。昨夜は久し振りの夜のパトロールで、やはり疲れたのだろうか。特に歩くことについては、足の具合が悪くなってから1年半というもの、毎日は蕎麦屋までの往復しか歩いていないから、あまり改善されていない。ただ、最近は痛めた右足に力が入るようになったので、運動靴の紐をきつく縛って歩けば、それなりに歩ける。ただ、長時間だとやはり疲れるのです。

 家の門を出て通りから、庭のモミジアオイとアオイの花が咲いているのを見たら、もう季節も終わったのに最後まで咲くから凄いと思うのでした。寝起きは足の調子も好くて、今日は途中で立ち止まらずに蕎麦屋まで行けた。幟を立てて朝の準備を終えたら、厨房で天つゆの仕込みを始める。二番出汁ももうこれで最後。なんとか今日と明日の分が足りれば好い。蕎麦打ち室に入って、今日は8人分750gの蕎麦を打つ。加水率は41%で柔らかめの仕上がりでした。

 昨日のの残りの蕎麦と合わせて14人分の蕎麦を用意したけれど、昨日のお客の少なさを考えたら、そんなに出るとは思えなかった。果たして、暖簾を出せばすぐにご夫婦でお客がいらっして、メニューを見ながら注文を考えている間に、カレーうどんの小父さんが今日はお一人で見えて、ハラミの串焼きとデザートの抹茶小豆を頼まれる。テーブル席のご夫婦は天せいろとやはりハラミの串焼き。奥の座敷に涼みに行っている間に、カウンターには常連さんが座る。

 ビールを飲みながらいろいろと話をして、ハラミの串焼きを頼まれたから、今日はハラミが随分と出て嬉しい。切り分けて串に刺す手間を惜しまずに、新しい豚ハラミに変えて好かった。1時をだいぶ過ぎた頃に、駐車場に車が入って若い父親と小さな女の子がご来店なのでした。閉店の時間までゆっくりと食事をしていたので、亭主は天麩羅を揚げて蕎麦を茹で、奥の座敷で賄い蕎麦を食べる。昨日、美容院の予約が取れなかった女将を早く帰して後片づけです。



9月18日 月曜日 三連休、敬老の日はお蕎麦売り切れ …

 夕べは早めに休んだので、午前5時に目覚めて、テレビで対イングランド戦の終盤を観る。あれよあれよという間に点を取られて、残念な結果に終わったけれど、迫力のある試合振りに元気を貰って蕎麦屋に出掛ける亭主なのでした。朝日が向かいの森から昇って、今日も暑い一日になると予感する。厨房に入って、カウンターの上の洗い物を片付け、朝のコーヒーを入れながら、昼間飲むほうじ茶を作って冷蔵庫に入れておきます。

 今週は抹茶小豆が随分と出て、今日の分がなかったので、3カップ分だけ作っておきました。寒天が固まるまでの時間が問題で、少し固まったら冷えた小豆を少し入れて、更に固まったら上に載せて出来上がりです。豊缶で作ると数の調整が出来ないので、今週は耐熱のカップで作ったのが正解でした。昨日残った蕎麦の数を確認して家に戻ります。女将が7時のニュースをかけて朝食の用意をしていた。とろろを擦ってオクラを載せ、ひじきとベーコンエッグ。

 9時前に家を出て、三連休の最後の一日と、頑張って蕎麦屋まで歩く。空はどこまでも青く、早朝の雲は何処かに消えていた。幟を立てて朝の準備を終え、蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。昨日残った蕎麦と合わせて12食の用意。少なかった今週のお客の数から考えると、それ以上は期待できなかったのです。ところが、今日は開店の15分前から車が駐車場に入って、ご夫婦でいきなりヘルシーランチセットの天せいろをご注文なのでした。

 昨日までとは違ってお客が後を絶たないから、12時半には生舟の蕎麦がもう半分以上なくなっていた。休みの日とあってか、ビールや日本酒を召し上がるお客もいる。ヘルシーランチセットが三つも出たから、野菜サラダとデザートは全部売り切れたので嬉しかったのです。1時半過ぎに最後のお客がいらっして、三人とも大盛りで鴨せいろにキノコ付け蕎麦、せいろ蕎麦のご注文。見事に生舟が空になって、後からいらっしたお客は「お蕎麦売り切れ」の看板を見て帰って行かれるのでした。こんな日もあるのだと喜んだのです。




9月19日 火曜日 寝ぼけていた朝 …

 目が覚めたら6時だった。また相撲も観ないで眠ってしまったのかと、居間の部屋に行けば、女将はもう夕食を済ませて稽古場に入っている。不思議と食堂が明るいから、おかしいと思ってテレビを点ける。いつもの番組がやってないので、文字放送で確認すれば、なんと朝の6時ではないか。女将はまだ起き出してもいないのだ。昨夜の記憶がないから、てっきりまだ夕方なのかと思ったのです。食堂が明るいのは朝日が昇っているからなのでした。

 今週もお袋様と一緒に仕入れに出掛け、農産物直売所に行けば、店の小母さんが「生椎茸は今日入っばかりだよ」と、いつもまとめて買うから覚えられたらしい。隣町のスーパーから帰れば、店の前の道路の工事がいよいよ始まったらしい。片側だけ古い舗装が綺麗に剥がされているのでした。野菜を冷蔵庫に収納して、昼前にカレーを作って家に戻るつもりが、また、鶏肉を買うのを忘れていた。仕方がないので、家に帰って買った肉や魚を冷蔵庫に入れておく。

 定休日の昼飯は亭主が作るから、今日はカレー炒飯と店で残ったキノコ汁をスープにして食べる。食後はエアコンの効いた書斎に入って、女将のスポーツクラブを予約する時間までひと眠りする。冷たい梨を剥いてもらったら、午後の仕込みに蕎麦屋へ出掛けるのでした。蕎麦屋の前の道路は、片側だけもうアスファルトを敷いていた。ちょうど蕎麦屋の手前までで、今日の作業は終わりらしく、ローラーで平らにして綺麗に下ごしらえが出来上がった。

 まだ手を付けていない反対側の車線よりも少し低くならしてあるから、全部終わったところで、その上にもう一度アスファルトを敷くに違いない。男性達にまじってヘルメットを被った若い女性の作業員が、竹箒をもって掃除をしているのでした。時代を感じさせる光景に亭主は目を丸くする。蕎麦屋の厨房は29℃で、火を使えばもっと暑くなるはず。冷たいほうじ茶を飲んだら、エアコンと扇風機を付けながら、カレーの仕込みを始めます。

 隣の火口には午前中に出汁取りの準備をしておいたから、出来上がったカレー鍋を降ろして冷ましている間に、出汁を取ってしまうのでした。一番出汁、二番出汁と小一時間掛けて取り終えたら、最後はカレーをジブロックの袋に詰めて冷凍する。具沢山の8人分の分量を6袋に詰めていくから、一袋当たりの分量は相当に多い。時計を見れば、もう5時過ぎ。たっぷりと二時間の作業なのでした。家に戻って串焼きを焼いてもらいながら、大相撲の終盤戦を観る。