8月28日 月曜日 朝夕は涼しくなったのに、残暑は厳しい …

昼の暑さのせいか、夕べは疲れ果てて、寝酒も少量。10時前に床に就いてしまった。お蔭で3時半には目が覚め、定休日前の月曜日の準備を万端にしようと、まだ暗い4時には家を出て蕎麦屋に向かう。コーヒーを入れ、昼間飲むためのお茶を入れて、冷蔵庫で冷やしたら、昨日、カウンターに干した盆や蕎麦皿を片付け、小鉢を盛り付け、空になった蕎麦徳利に蕎麦汁を詰める。十分に身体が動くようになったところで、蕎麦打ち室に入って今日の蕎麦を打つ。

昨日の蕎麦が生舟に残っていたので、今朝は500g5人分だけ打つことにして、昨日と同じ加水率で捏ね始めたら、しっとりとした生地に仕上がった。勿論、包丁打ちも綺麗に終えて、週の終わりの蕎麦打ちとしては満足のいくものでした。昨日の洗濯物を干して、家に戻ったのが5時半だったから、朝食の時間までまた床に入って眠るのです。7時過ぎに食堂に入れば、ぷ~んと酢飯の匂いが漂っている。今朝もネギトロの手巻き寿司を美味しく食べるのでした。

もう今日の蕎麦を打ってしまったので、朝はそんなに忙しくないのに、習慣だから仕方なく9時前には家を出て蕎麦屋に向かう。女将は、朝の涼しいうちに10分間だけ草取りをすると言って庭に出ていた。多少、陽は差しているものの、空はどう考えても曇り空。それで朝の気温が少し違うのかも知れない。日中の暑さに比べると、25℃でも風があると涼しく感じるのです。下の葉が暑さで枯れているのに、蕎麦屋の隣のひまわり畑は元気に花を咲かせている。

厨房の椅子に座って今日の段取りを考えるけれど、早朝にだいたい終えているから、いつもより1時間は余分に時間がある計算。気になっていた壁に掛けた扇風機を分解して、綺麗に洗っておく。久し振りなので、どうやって取り外したら好いのかを思い出すまでに時間がかかるのです。一つ一つ時間を見つけてやらなければならないことは沢山ある。建物の南側にあるミニ菜園も、手つかずのままなので雑草が生い茂っているのは、先刻、承知なのです。

今日は暖簾を出しても全くお客が来る気配がなかったから、昼から来てくれるスタッフと話をしていた。近所の家で道路に面した大きな庭木を沢山切ったら、300万円もかかったという話を聞いてびっくりする亭主。古くから住んでいる人たちの大変さがつくづくと分かるのです。蕎麦屋の南庭の雑草取りなど論外に思われる。今日は誰もお客が来ないかと思っていたら、閉店間際に続けてお客があった。2時を過ぎたらスタッフを帰して、亭主が後を片付ける。

最後のお客が帰ったのが2時20分過ぎだったから、それから亭主はかき揚げを揚げて賄い蕎麦を食べる。ひと休みしてから洗い物にかかるから、当然、時間は遅くなるのでした。お客が全くなければ洗い物を出さないように、亭主も昼を我慢して家で食べるのだけれど、腹は減るから痛し痒し。家々の日影が長く伸びた4時前に、家の前の通りに出れば、向こうから女将が心配そうにやって来た。冷たい梨を食べて、夕食まで冷えた書斎でひと眠りなのでした。
8月29日 火曜日 早いもので8月も残り僅か …

今朝は陽の昇る前から蕎麦屋に出掛け、東側と南側の庭の草取りを始めました。一日一つずつというのが目標で、日中の猛烈な暑さの中では到底出来ない作業なのです。お隣に接している東のミニ菜園は、夏になっても何回か草取りをして、小石を敷いた歩くスペースには除草剤を撒いているので、何も作物を植えていない部分に草や蔦が生えているのです。何時もの年ならポットにもナスやピーマンなどを植えているのですが、ここ二年ほどサボっている。

夏前に草取りをしただけの東側は、足の踏み場もないほど雑草が生い茂っていたから、取りあえずは釜を持って、根から抜ける物は抜いていく。前のお宅との境にあるフェンスに絡みついた蔦が、大変な量なのでした。それでもミニ菜園として耕していた土だから、草は容易に抜けてその場に倒して枯れるのを待つのです。約30分の作業でした。エアコンの効いた店の中に戻って、昨日の片付けを終えたらやっとひと休みです。長袖・長ズボンが暑くてたまらない。

7時前には家に戻って朝食の準備を手伝いながら、定休日の朝の食事を済ませるのでした。居間の椅子に座って、今日の仕入れの買い物リストを眺めながら、もう8月も終わりなのだと実感する。例年になく暑い夏だったけれど、コロナ禍の時期よりはお客も増えたのか、週末の夜の営業を止めたにもかかわらず、売り上げは近年になく伸びていた。小さな店だから、週に多くても40人ほどのお客が限度だけれど、コツコツと仕事をするしかないのです。

お袋様に電話をして迎えに行き、今日の仕入れに向かう。涼しいのは朝のうちだけで、彼女は「暑いねぇ」と言って車に乗り込んでくる。ショッピングモールにあった自転車屋がなくなったらしく、自転車に空気を入れることも出来ないと言うので、午後から空気入れを車に積んで空気を入れてやる。買ってきた野菜を冷蔵庫に収納したら、出汁取りの準備をして家に戻るのでした。昼は山芋をすり下ろして茹でたオクラを散らし、蕎麦を茹でて食べる。

食後は例によって書斎に入ってひと眠り。女将は稽古場に入って書を書く時間。彼女のスポーツクラブの予約を無事に取ったら、テレビ映画の終わったところで蕎麦屋出掛ける。午前中に塩で押し漬けをしてあった大根を漬け直し、甘酒の素と刻み柚子、唐辛子、砂糖を加えてタッパに入れる。そして、いよいよ出汁取り、蕎麦汁の仕込みと、エアコンを入れても32℃もある厨房で、首にアイスノンを巻きながら約1時間の作業をするのでした。
8月30日 水曜日 この暑さは止まらない …

明け方が少し涼しかったせいか、今朝は6時までゆっくりと眠ることが出来ました。居間のエアコンを点けて涼んでいたら、今日は月に一度の整形外科への通院の日なのを思い出して、開院時刻を調べ始める亭主。毎日、飲まされている薬がなくなったから、医者へ行かなければと気が付いたのです。尿酸値を下げるための薬だと言うけれど、何十年も普段は何でもないのですが、去年、足を痛めてその結果が今だから、あまり馬鹿にも出来ない。8月は検査の日。

ひと月振りの通院の帰りに蕎麦屋に寄って、午前中の仕込みを済ませる。水羊羹を作って豊缶に流し込んで固まるのを待つ。その間に蕎麦豆腐を造ってこちらも型に流し込む。外はどんどん気温が上がっているから、クーラーの効いた蕎麦屋の中で出来ることを済ませておくのです。冷蔵庫に入れてあった蕎麦汁の鍋を取り出して、蕎麦徳利に詰めていくのも仕事の一つ。洗濯機の中に入れたままになっていた洗濯物を干すのもこの時間なのでした。

昼前に家に戻って、今日は女将のリクエストでソース焼きそばを作る。店で残ったキャベツやレタスが随分と残っていたので、これを何とか処理したいというのが彼女の理由なのです。亭主はあんかけの五目焼きそばの方が好きなのですが、残りものの処理と言われると二の句が出ない。昼食を食べ終えて、クーラーの効いた書斎でひと眠り。その間に女将はスポーツクラブに出掛けて行った。1時過ぎに目が覚めたけれど、暑い盛りで蕎麦屋には出掛けられない。

今日は夜の防犯パトロールがあるので、クーラーを効かせた居間の部屋で、ゆっくりとテレビを見ながら寛いでいました。女将の帰った3時半過ぎに、やっと蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みを開始する。店のエアコンは点けたままにしておいたから、涼しくて気持ちが好かった。南瓜を切り分けてレンジでチーンしたら、天麩羅やかき揚げの具材を刻んで容器に入れる。最後に糠床を出してキュウリとカブとナスを漬ければもうお終いなのでした。

猛烈な暑さの中を家に帰れば、女将が首にアイスノンを付けていた。「昨日も佐倉は36℃になったそうよ」と、食堂の温度計が熱中症注意のマークを表示しているのを亭主に見せる。午後になって、急激に暑さが激しくなったような気がするのです。早めに軽い夕食を食べて、ひと眠りしようと思ったけれど、エアコンの入っている書斎も暑くて眠れなかった。夜のパトロールは汗だくだくで、タオルで汗を拭きながらやっと家まで辿り着く有様なのでした。
8月31日 木曜日 8月最後の一日も暑すぎて …

6時前の東の空にはまだ森から太陽が昇っていなかった。夕べ漬けた糠漬けを取り出さなくてはと、蕎麦屋にやって来たけれど、他に仕事はないのです。コーヒーを入れながら、昼間に飲むほうじ茶を用意して、冷蔵庫から糠床を出す。煎り糠を足したばかりだからか、ちょうど好い具合に漬いていたから嬉しかった。ミョウバンを振りかけたナスも好い色に仕上がって、ぬか漬けは夏の代表選手なのです。キュウリもナスも短くて8人分しか取れなかった。

大根のなた漬けを四鉢だけ用意して、それぞれラップを掛けて冷蔵庫に入れる。お茶もコーヒーの二杯目も、冷蔵庫に入れて冷やしておく。水道の水は生ぬるくなっているから、暑い昼間の厨房では飲めたものではないのです。それでも朝の店内は、エアコンを入れて26℃までしか上がらないから、朝だけは少し涼しくなっているのかも知れない。7時前までのんびりとして、家に帰って朝食を食べる。今朝はサンマの開きととろろ芋で健康的な食事でした。

食後のひと眠りをしたら、洗面と着替えを済ませ、居間の部屋で少し涼んでから9時前に家を出る。8月半ばまでは木曜日も蕎麦を二回打っていたけれど、最近はあまりお客が来ないので、850gを一回だけ打つことにしているのです。このくらいの量までは、伸し棒一本で打てるので気が楽なのです。1kg11人分となると、どうしても巻き棒に巻いて伸さなければならないから手間がかかる。最近の暑さでは、そんなにはお客が来そうにないのです。

加水率はこのところ同じ暑さだから41%で、しっとりとした生地に仕上げて、包丁打ちも上手くいく。綺麗に打てたときは嬉しいけれど、お客に食べてもらってなんぼだから、どれだけお客が来るのかは天気次第ということなのだろう。野菜サラダの具材を刻みながら、大根や生姜をおろして、薬味の葱を刻んで開店の準備をするのです。天麩羅鍋に入れる油は、来週までは持たないだろうと昨日の夜になって注文を出しておいた。今日の売り上げがないと赤字。

天麩羅油もまた3割ほど値上がりして、一斗缶で1万3000円を超えるから、蕎麦粉の次に出費が嵩む。胡麻油と綿実油ではなくて、普通の安いサラダ油に替えたいところだけれど、それを始めると、蕎麦汁の返しを作る二種類の醤油も減塩を止めて、安い普通の醤油を使うことになる。そこまで赤字が続けば、考えなければならないでしょう。なんとかとんとんでやっているのが現状。午後の1時を過ぎて、本日最初のお客は隣町の常連さんなのでした。