2023年8月初め




8月1日 火曜日 朝は雨、昼は雷の不安定な天気でした …

 今朝も5時前から起きだして、裏庭の無花果の樹を剪定しようと思ったら、窓を開ければ雨が降ったと見えて、道路も濡れているではありませんか。仕方がないので5時のニュースをテレビで観て見て、また寝床に入ってひと眠りするのでした。7時過ぎに朝食の支度が出来たから、食堂に行けば、今朝は銀ダラの焼き物と茄子とピーマンの味噌炒めで、亭主の好物だったから食が進んだのです。子どもの頃、親父が好きでよく食べたのを覚えているのです。

 今朝は昨日作った暑中見舞いを出しに、切手を買うのにコンビニまで車を走らせて、その足でお袋様を迎えに行く。遠く離れている親戚や友人たちに、近況を知らせておくのも昔ながら流儀で、時代遅れの自分を変えるつもりもないけれど、去年は誰に出しただろうかと記憶にないのが年齢なのでしょう。仕入れ先の農産物直売所には、今日は好い生椎茸が揃っていた。隣町のスーパーは月初めの特売日とかで、広い駐車場も満杯なのでした。

 やっと蕎麦屋に戻り、昨日固めておいた油をゴミ箱に捨てて、昨日浸けておいた干し椎茸と昆布の鍋で出汁を取る。昨日の片付けをしていたら、もう11時になるのでした。エアコンを入れたまま、家に戻って昼食は蕎麦を茹でて、昨日揚げて帰った天麩羅を焼いて、女将と天せいろを食べるのです。すぐに蕎麦屋に戻ってと思ったら女将のスポーツクラブの予約があったのを思い出して、2時過ぎまでは家を出られない。定休日だからあまり焦ることもないのです。

 午後は、返しを作ったり、なた漬けの大根を塩で漬けたり、時間のかかる地味な仕込みを続けるのでした。外の天気は雨は上がったものの、曇り空で今にも雨が降りそうな天気。ゴロゴロと雷が夕刻まで鳴り続けて、夕刻にはとうとう雨が降り出す始末。乾ききっている大地には、この程度の雨では足りそうにないのです。しかし、夕刻まで空は雨雲が広がって、もう少し降ってくれれば好いのにと思うほどなのでした。1時間半ほどで仕込みに飽きて帰宅する。

 昼は蕎麦を茹でて食べたから、亭主は夕飯には蛸の唐揚げを所望して、女将は昨日残った鴨肉を焼いて食べていた。野菜サラダも一皿分を持って帰ったから、二人で半分ずつ食べて夕食は終わり。今日は曇っていたから、蒸してはいたけれどそれほど気温は上がらなかった。明日はまた暑くなると言うから、朝の無花果の剪定が出来るかどうか。身近な物から片付けていかないと、何事も先に進まないのです。そうだ、明日は防犯パトロールのある晩なのでした。




8月2日 水曜日 暑さが戻った日 …

 今朝も5時に目覚めて、居間の部屋でコーヒーを飲む。高層マンションに当たる朝日が反射して眩しいのです。今日こそは裏庭の無花果の樹を剪定しようと、長袖・長ズボンで手袋をして、剪定ばさみを持って玄関を出る。先日、手の届くところは切っておいたから、今日は長い剪定ばさみで幼稚園側に伸びた枝を切る。わずか20分ほどの作業でしたが、すぐ汗だくになって冷えた居間に戻るのです。内陸にある佐倉は8時にはもう30℃になるのです。

 人間も環境に適応する生き物なのか、一昔前なら、30℃とは真昼の一番暑い気温なのです。だから、高齢者の熱中症が後を絶たないのではないかと思う昨今。窓を開けて扇風機を回していれば好いと考えるのです。9時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、エアコンを入れて首にアイスノンを巻く亭主。店の中は既に30℃はあるのでした。まずは厨房に入って蕎麦豆腐を仕込み、昨日、塩漬けにしておいた大根を麹に漬けて、砂糖と柚子と唐辛子を加えて漬け直すのです。

 外は晴れ渡った青空が広がり、エアコンを入れている店の中は、28℃よりも室温が下がらない。火を使っている厨房は、30℃を越える暑さなのです。冷たいほうじ茶を飲んで一服しながら、次の作業を考える亭主。小鉢の二品目の切り干し大根の煮物を作るのが、一番の効率的な段取りだと考えて、具材を刻んでフライパンに胡麻油を引き、70gの切り干し大根を水で戻して炒めていく。出し汁で煮込んで出汁醤油と砂糖を加えて出来上がりです。

 その間に、蓮根の皮を剥いて輪切りにしたら、酢水で湯がいて、南瓜を切り分けてレンジでチーンしておく。11時前だけれど、女将がスポーツクラブに出掛ける日だから、早めに家に戻って素麺を茹でるのでした。蒸したキャベツを冷やしておいてくれたから、冷やしなますと合わせて暑い昼にはちょうど好いおかず。食後はエアコンを効かせた書斎でひと眠りなのです。今夜は防犯パトロールのある日なので、少しでも身体を休めておかなければ。

 1時間ほどぐっすりと眠って、早めに蕎麦屋に出掛け、午後の仕込みを始めるのでした。すっかり空になっている蕎麦徳利に、昨日仕込んだ蕎麦汁を詰めて冷蔵庫に収納する。次に天麩羅の具材を切り分けて、容器に入れてやはり冷蔵庫に入れておくのです。鴨せいろに使う小松菜を茹でて切り分け、これは冷凍室に入れておく。最後に糠床を取り出して、ナスとキュウリを漬け込んだら終わり。4時には家に戻り、早い夕飯を用意して食べておきます。

 しゃぶしゃぶ用のロースの薄切りを茹でて、昼の蒸したキャベツや人参にカニかまを添えて、ご飯をチーンして一人で食べる。パトロールの集合場所に出掛ける6時半まで時間があるから、書斎でひと眠りしておきます。まだ外は30℃もあるから、相当な暑さなのです。今日は夏休みとあって、地域の子ども会の有志と一緒に回るので、集まった人の数は何時もの倍近かった。70代、80代の老人と小学生と親たちが、夕暮れ時の通りを歩く姿もまた好いものです。



8月3日 木曜日 例年、8月の初めは暑すぎて …

 今朝も5時から起きてはいたけれど、お新香を糠床から取り出して、小鉢を盛り付けるだけだから、家でゆっくりしていた。そしたら椅子の上で少しウトウトしたらしく、何時の間にか6時になっていたのです。空は青く白い雲が流れて、今日はどれだけ暑くなるのか気になるところ。予報では35℃まで上がると言うから、並の暑さではないのです。決して慣れてしまってはいけない。蕎麦屋に着いて冷蔵庫から糠床を取り出して、今朝はキュウリとナスのお新香。

 家に帰って朝食を食べたら、また書斎に入ってひと眠り。よくもこんなに眠れるものだと、自分でも驚いてしまうのです。髭を剃って着替えたら、日影のなくなった通りをみずき通りまで歩けば、残る100mほどは、朝から陽が当たっていた更に暑い歩道。エアコンの効いている蕎麦屋の中に逃げ込むようにして、わずかな距離を歩くだけでもう汗をかいている自分が可笑しい。厨房に入って冷たいほうじ茶を一杯飲んだら、いよいよ今日の蕎麦打ちを始める。

 8月の初めの平日は、お客が来ないのがデータでも判っているから、今朝は750g8人分の蕎麦を打ってお終い。8時の時点で30℃を越えたから、昼になるにつれてぐんぐん気温は上がっていく。エアコンの入っている蕎麦屋の中の気温計も、25℃から28℃まで上昇した。平屋の建物だから、陽が当たると建物全体が暖まるのです。大釜は亭主の後ろで火を点けたままだし、前のコンロで調理を始めれば、更に厨房の温度は上がる。そうなるとアイスノンの出番です。

 この暑さではそんなにお客が来るはずはないとは判っていても、全部の準備をし終えなければならないのが店屋の宿命です。薬味の葱を刻んだり、生姜を擦ったり、大根をおろして容器に入れる。山葵も大きなチューブから小分けにして容器に入れておく。そして、解凍した海老をやはり容器に移し、真空フリーザーに入れておきます。天つゆの鍋を冷蔵庫から取り出してコンロに載せ、天麩羅鍋に新しい油を注いで、天ぷら粉と天麩羅の具材を調理台に並べる。

 野菜サラダの具材を刻んで皿に盛り付けたら、沸いた大釜の湯をポットに入れ、後は店の掃除をしてテーブルを拭いて回る。開店の時刻にギリギリ間に合って暖簾を出すのでした。かといってすぐにお客が来るはずもなく、12時前にやっと車が駐車場に入ってきた。仕事の途中らしい若い女性が、カウンターに座って天せいろのご注文でした。天麩羅がとても美味しいと褒められて、会話が始まる。彼女はゆっくりと昼ご飯を食べてまた仕事に戻るのでした。

 女将が来てくれて最後の会計をしてくれた。それから1時間近くはお客がなく、次にいらっした車も、女性一人のお客なのでした。ヘルシーランチセットのご注文で、女将が野菜サラダと蕎麦豆腐を出している間に、亭主が盆と蕎麦皿をセットして蕎麦を茹でる。最近の暑さは異常だという話になり、高齢者の熱中症が話題になる。2時半前には家に戻って、亭主は涼しい書斎でひと眠り。今日は業者に食材を頼まなかったので、夜のプールで泳ぐことが出来た。



8月4日 金曜日 今日の佐倉は日中37℃にまで … ?


 今日は朝から暑い陽気で、例によって蕎麦屋の前の通りは、わずか50mちょっとなのに、灼熱の暑さなのでした。蕎麦屋の中も30℃を越え、朝日の差し込む蕎麦打ち室は33℃。エアコンの設定を20℃にして、室内が冷えるまでコーヒーを入れ、YouTubeでロジャー・リドリーの『ドッグ・オブ・ザ・ベイ』を聴きながら、今朝の段取りを考える。サンタモニカの通りは亭主もかつて何度か尋ねた場所で、あちこちでストリートミュージシャン達が歌っていたっけ。

 悲しく切ない曲だけれど、彼の歌声に元気づけられて、31℃まで室温の下がった蕎麦打ち室に入って、今朝の蕎麦を打つ。もちろん首にはアイスノンを巻き付けて血液から冷やしている。今日の加水率は41.6%。この間よりは少し多いけれど、室温が30℃を越えていたので、適正なのかどうかは、打ち終えてみるまで判らなかった。500g5人分だけ打って、昨日の残りと合わせて10束の蕎麦を、生舟に並べたら今朝の蕎麦打ちは終わり。

 蕎麦を打ち終えたら、床にこぼれた蕎麦粉が気になって少し掃除をする。お客は土足で店に入るから、多少は砂埃もあるのかも知れない。厨房に戻って、大根をおろし、野菜サラダの具材を刻む。エアコンが効いて来て室温は26℃まで下がってきた。首の保冷剤を冷凍庫に戻して、開店の準備を進める亭主。去年の同じ曜日も二人しかお客がなかったので、あまり期待はしていないが、外は相当な暑さなのです。最初のお客はリピーターの母と娘。

 天せいろをご注文で、スタッフがまだ来ていないから、自分で盆や蕎麦皿を並べ、小鉢と薬味と蕎麦汁とを並べたら、天麩羅の揚げ方に入るのです。天麩羅を揚げ終わる頃にやっとスタッフが来てくれて、テーブルに蕎麦を運んでくれた。これで亭主は、冷えた奥の座敷でひと休み出来るのです。煙草を吸うのに窓を開ければ、むーっと熱気が入って来る。外は相当に暑くなっているらしい。午後の一番で横浜ナンバーの車に乗った若い男性が天せいろのご注文。

 珍しく遅い時間にいらっした常連さんの母と娘と孫娘も、やはり天せいろで今日は天麩羅がよく出たのです。閉店間際までいろいろな話をして「知っている梨園があるので、今度は梨を送りますね」と言って帰られた。暑い中を家まで歩いてもう汗だくになる。パソコンにデータを入力したら、亭主は涼しい書斎で長めの昼寝。目が覚めたらもう夕食の時間。「何にしましょうかね」と女将が言うので、亭主がさぼてんでヒレカツを揚げてもらって帰るのでした。

 ついでにいつもの焼酎と炭酸を買って帰る。付け合わせは日昼に残った野菜サラダ。女将も身体がだるそうだったけれど、揚げたてのカツを食べたら少し元気が出たのだろうか。長女から暑中見舞いの返信が届いていた。ヨーガや土いじりを始めて、女将の影響だと書いていたけれど、孫の写真を見ながら「誰に似ているのかしら」と二人で話をする。夜になってメールが届いているのに気付いて見れば、友人から暑中見舞いの返信。元気で暮らしている様子。