7月12日 水曜日 佐倉の梅雨は明けていないのか …
庭にピンクの葵の花が咲いた。モミジアオイよりも背丈が低いから目立たないけれど、隣同士並んで咲くのが、我が家の庭の夏の風物詩なのです。今朝も早くから暑くて、朝ドラの時間が過ぎてもなかなか家を出られなかった。純白の木槿が青空に映えて、「今日も元気で行ってらっしゃい」と言っているようなのでした。カレージに入れてある車の車外温度も30℃を越えていた。蕎麦屋の店内も朝なのに30℃もあるから、今日も前の日よりも暑くなりそう。

エアコンを20℃に設定してクーラーを入れ、壁に掛けてある扇風機を動かして空気を攪拌させる。それでも室温が27℃までしか下がらないのは、外が相当に暑くなってきた証拠。なくなっていた返しを作るのに、調味料類の瓶を並べて、名人のレシピ通りに鍋に入れていく。最後に塩30gを溶いて加えれば、30分ほどで出来上がり。最近は5㍑の大鍋で作った返しが、一週間でなくなるほどお客が増えているのでした。毎週のように仕込んでいるから大変です。


冷えたほうじ茶を飲みながら、水羊羹を仕込み、蕎麦豆腐を造っておきます。大型電気店の開店の10時になる前に、車に乗り込んで一週間ぶりでiPadを受け取りに出掛ける。帰りがけに安い扇風機を買って家に持って帰るのでした。食堂に居間の部屋の冷気を送るために、扇風機を使うのはとても基本的な考え方。昼は先週残った野菜を刻んで、カレー味で肉野菜炒めを作っておかずにする。塩と砂糖と水溶き片栗粉を入れるのが亭主の工夫です。

午後は暑い中をまた蕎麦屋に出掛け、蕎麦汁を徳利に詰める作業から始める。新レンコンの皮を剥いて輪切りにして茹でたら、南瓜を切ってレンジでチーンする。天麩羅の具材を切り分けて、容器に詰め、切り干し大根の煮物を作るのでした。この間に、買って来たiPadがWi-Fiに繋がらないので、業者に電話をして確認をすれば、暗証番号が違っている事が判明する。ルーターの裏に張り付けてあった番号の一部が削られて、文字が消えていたのでした。

これで先週からの一連の課題が解決して、やっとiPadも使えるようになるのでしたが、今度は新しくなった機器の使い方を覚えなければならない。歳を取ると、この新しい事に対応する能力が低下するのか、何事も億劫になってくる。酒を買って家に戻れば、大相撲も最後の頃で、横綱の休場で盛り上がりに欠ける。エアコンの入っていなかった居間の部屋は31℃にもなって、外は相当に暑い午後なのでした。梅雨は明けているに違いないけれど、まだ発表がない。
7月13日 木曜日 やはりまだ梅雨はあけていないらしい …

ぽつりぽつりと雨粒が落ちる中を、傘も差さずに蕎麦屋に出掛けていく亭主。湿気はあるものの気温はあまり高くないらしい。蕎麦屋に着いて朝の仕事を終えたら、夕べ浸けておいた糠漬けを取り出して、切り分けたら小鉢に盛り付ける。切り干し大根の煮込みは、昨日のうちに四鉢だけ盛っておいた。家を出るのが遅かったので、時間に追われそう。蕎麦打ち室に入って蕎麦を打ち終えたら、もう10時を過ぎているのでした。今朝は900g10人分の蕎麦を用意する。

40%の加水で水回しを始めたけれど、蕎麦粉の量が多いとどうしても時間がかかるのです。それでも、これからお客が増えてくることを考えると、一度に1kg までは打つことに慣れないといけない。蕎麦屋を始めた頃は、それで腕の腱鞘炎になったけれど、今はそれほどがむしゃらに打とうという気はない。決めた数だけ用意したらもうそれで終わりにするのです。平日に10人のお客が来ることは滅多にないから、1kg 12人分ほど打てば十分だと考えている。

それでも今日は曇り空で気温も低いから、そんなにお客を見込めないだろうと、暖簾を出しても厨房に座って、女将の来るのを待っていた。エアコンを入れた厨房の温度計は、25℃を表示している。昼過ぎに女将が来てくれたときには、まだ店にはお客がいなかったのです。最近では珍しい光景でした。いつも何組か客が入って、そろそろ亭主があっぷあっぷとする時刻に、女将が助けに入るから。今日もそれほど気温が低いわけではないけれど、曇り空なのです。

エアコンを入れた店内の室温は25℃といつもよりは低い。やっといらっしゃった老夫婦は、昨日も一昨日も来たけれど店が閉まっていた言う。奥様がカレーうどんを食べたかったとおっしゃる。ご主人の頼まれた天せいろも、値段が安すぎると言って釣り銭を取らなかった。続けて家の近所のご主人が、娘さんとそのお友だちを連れていらっして、ゆっくりと話をして行く。最後に隣町の常連さんが辛味大根とホワイトボードを見て、アカイカの天麩羅を頼まれる。

閉店時間も迫っていたので、それから洗い物をするとどうしても遅くなる。女将がいたから、洗った食器をすぐに片付けてくれる。これが亭主一人だと、休み休みだから延々と時間がかかるのです。それでも3時前には二人で家に戻って、冷えた桃を食べる。亭主は書斎に入ってひと眠り。女将はお使いに出掛けて、夜の食材にモヤシを買って帰る。亭主は4時半には起き出して蕎麦屋に出掛け、片付けをしながら、業者の若者が荷物を運んで来るのを待つのです。

7月14日 金曜日 今日から以前のスタッフが助っ人に …

午前5時半、少し涼しいと感じる朝だったので、蕎麦屋の駐車場の木々の剪定に出掛けました。ヤマボウシの伸びた枝を、脚立に昇って切り落としたら、今度は長い剪定ばさみで上の方の枝を払う。モミジの枝も下の方は手を伸ばして、短い剪定ばさみで切ったのですが、上に伸びた枝は一本一本長い鋏で切っていかなくてはならない。以前なら、脚立の上に乗って枝により掛かるようにして切っていたけれど、最近は落ちたら怖いから前の方だけ切って終わり。

とうに陽は昇っているけれど、太陽は雲に隠れて、時折、雨がぱらつくのです。7時前に家に戻って、女将が朝食の支度を終えるのを待つ。お新香と焼き魚と味噌汁で簡単な朝食を終えて、亭主は居間の部屋でお茶をもらったら、書斎に入ってひと眠りするのです。今日は天候も悪く、気温も低いようなので、お客はそれほど見込めない。新蕎麦を打つのを楽しみにはしているけれど、500gか600gを打てば10人分になるだろうと考えながら眠りに就くのでした。

再び蕎麦屋に出掛けて、朝の仕事を終えたら、蕎麦打ち室に入って600gの蕎麦を打つ。蕎麦打ち室の室温は27℃、湿度は56%だったから、久し振りに41%の加水で蕎麦粉を捏ね始めました。1%違うだけでしっとりとした生地に仕上がる。蕎麦切りも均等な太さで、今日は楽しく蕎麦を打てたのです。柔らかくなるのを恐れて、水を減らすと捏ねるのにも力が要るし、伸すのにも一苦労なのです。ちょうど好いのが一番いいのですが、これがいつも難しいところ。

厨房に戻って野菜サラダの具材を刻みながら、鴨肉が届いたので鴨せいろに使う小松菜を茹でたり、天麩羅の具材を切り足したりとながら、11時前にはサラダをい上げる。天麩羅油を鍋に注ぎ、天つゆの鍋を冷蔵庫から取り出して、天麩羅の具材を調理台に並べたら店の床を掃いてテーブルをアルコール除菌液で拭いて回る。開店時刻の少し前に、高級外車が駐車場に入って、習志野からの常連さんがご来店。今日はコロナ禍で生まれた下の娘さんも一緒でした。

続けて若い女性一人のお客さんがカウンターの隅に座り、天せいろのご注文なのでした。昼前には、今日から復活した前のスタッフがやって来て、注文やお茶出しをしてくれたので、亭主はひたすら調理に専念できるというもの。皆さんが帰った1時前には、近所の常連さんの女性が今日は一人でいらっして、老犬を医者に連れて行ったのだと話をする。それきり今日はお客はなく、洗い物も終えて閉店時刻の前にはスタッフにも帰ってもらったのです。
7月15日 土曜日 開店前から8人ものお客が押し寄せ …

むーっとするような暑さの朝でしたが、陽が差していないのでなんとか我慢ができるのです。夕べはプールに出掛けて久し振りに泳いだのです。先週は泳いでいるうちに目が回って、これは行けないと慌てて水から上がったものだから、恐る恐るプールに入って、ゆっくりと身体をほぐしたのでした。お蔭で夜はぐっすりと眠れたから、今朝もすっきりと目覚めて蕎麦屋に出掛けるのです。朝の仕事を終えたら、蕎麦打ち室に入って今日の新蕎麦を打つ。

加水率は昨日よりも更に増やして、41%ぴったりで蕎麦粉を捏ね始めれば、好い具合に仕上がって、伸して畳んで綺麗に蕎麦切りを終えるのでした。女将が来て店の掃除や洗濯物を畳んでくれて、厨房でひと休みする亭主は、Wi-Fiに繋がった古いiPadで、小野リサの歌う懐かしいドック・オブ・ザベイをYouTubeで聴いてリラックスするのです。孤独な老人が一日中海を眺めて物思いに耽るという歌なのですが、彼女の歌い方にはその悲しみや寂しさがない。

野菜サラダの具材を刻み、開店の準備に追われていたら、11時過ぎにもう駐車場に車が入ってくる。まだ早すぎるだろうと思っていたら、親父様が玄関を開けて「まだやっていないよね」「もう10分ほど待っていただけますか」それを見てか、続けて2台も車が入ってくる。10分前に暖簾を出せば、我先にとお客が入って、テーブル席とカウンターが埋まるのでした。早く注文をしようとする奥様には、「前の方は11時から待っているので…」と亭主が一言。

最初の四人組がヘルシーランチセットを三つも頼まれたから、サラダも蕎麦豆腐もデザートもすべて売り切れる。せいろ蕎麦の大盛りを先に出して、女将がサラダを出している間に、亭主が盆や蕎麦皿をセットする。次のお客は、せいろ蕎麦と天せいろ蕎麦のご注文で、追加で白海老のかき揚げを頼まれる。順番に作ってお出しすれば、カウンターのお客は天せいろを二つだからすぐに準備する。この慌ただしさに女将もびっくりしたようだ。

全部出してもまだ昼前だったけれど、生舟に残った蕎麦はもう半分以上なくなっている。駐車場が空いたらまた次の車が入って、蕎麦の残りを見ながら店に入っていただく。最後のお二人が席に着いて、「お蕎麦売り切れ」の看板を出したのが12時40分。ちょっと早すぎるのです。それでも、注文の品を作ってお出しすれば1時過ぎになるのでした。今日は晴れてはいないけれど、外はかなり暑くなっているのでした。早くから洗い物が出来たので助かった。

美容院に予約を入れてあるからと、2時過ぎに女将が帰って、後は亭主が片付けや洗濯をする。3時過ぎに家に帰れば、エアコンが効いて涼しいのでひと休み。書斎で横になって、1時間以上眠ったら、飲み物を飲んで目を覚まし、再び蕎麦屋に出掛けるのでした。明日の蕎麦汁もない状態だったから、昼に干し椎茸や昆布を浸けておいた鍋に火を入れて、出汁を取り、蕎麦汁を作る。小鉢も全部なくなっているから、糠床を出してキュウリ、カブ、ナスを漬ける。6時半には家に戻ったけれど、夜の防犯パトロールには出られそうにない。疲れた女将は自分の食事を終えたら台所から引き上げた。
7月16日 日曜日 今日は朝から暑すぎて …

暑さで目が覚めるほどの朝でした。6時前に家を出て蕎麦屋に行けば、もう太陽は向かいの森の上に輝いていました。朝日を浴びながら一回目の蕎麦打ちを始め、今朝は42%弱の加水で捏ねたら、しっとりと仕上がるのです。蕎麦打ち室の室温は29℃、湿度は45%。目覚めてから動き出すまでの時間が長かったから、蕎麦玉を作って厨房に戻ったのが6時20分。寝かせている間に、夕べ漬けに来たお新香を取り出して、小鉢に盛り付けなければならない。

明日の月曜日も祝日だから、お客が来るかも知れないと、少し多めに漬けておいたので、小鉢はいつになく沢山なのです。これと切り干し大根の煮物があれば、十分な量だと考える。時計を見れば、もう7時前なので少し焦って蕎麦打ち室に戻るのでした。綺麗に仕上げた蕎麦玉は、綺麗に伸して畳んで包丁切り。蕎麦屋の亭主の楽しみは、この一瞬にあると言っても過言ではないのです。切りべら35本で8束と何十グラムかの蕎麦を生舟に並べる。

昨日の蕎麦はまったく残っていなかったから、朝食を食べに帰った後でまた来た時に、600gでも打って今日は14食の用意で好いかと考える。蕎麦豆腐もデザートの水羊羹も昨日でなくなったから、今朝は作っておかなくてはならないし、天麩羅の具材も切り分けたのが残り少なくなっているので、今日は結構忙しい。7時半前に家に戻れば、女将はもう朝ご飯を食べ始めていた。先日、お客様からいただいた新鮮なナスを炒めて、今日も食卓に出されていたのです。

食事を終えたら居間でひと休み。今日は映画チャンネルで、まだ見たことのないSFの宇宙映画が放映されていたから、最後まで観てしまった。それでも身体は回復していたから、暑い中をまた蕎麦屋まで歩く。青い空が広がるみずき通りまで出るのに、建物の日影で何度か立ち止まって、そこから一挙に蕎麦屋までの100m程を歩く。今日は本当に朝から暑さが厳しい。店に入れば早朝からエアコンを入れておいたので生き返る感じ。今日は暑すぎてお客が来るのか。

開店前の仕込みが沢山あったので、今日は休む暇もなかった。女将が洗濯物を畳んで店の掃除を終えたら、早お昼を食べに家に帰るので、その間に亭主は、天麩羅の具材の蓮根の皮を剥いて茹で、南瓜を切り分けてレンジでチーンする。生椎茸やヒーマン、ナスもほとんど容器に残っていなかったから、野菜サラダの具材を準備する合間に準備をして、座る暇もなく立ち働くのでした。何とか開店の時間に暖簾を出せば、駐車場に見慣れた車が入ってくる。

家のご近所の奥様で、歩いた方が早いくらいの距離なのに、やはりこの暑さのせいなのでしょう。「娘のいる大阪に行こうかとも思ったけれど、暑くてね」と、三連休の中日は蕎麦屋に来てくださったのです。続いて昼前に自転車の老人がやって来て、カウンターに座って天せいろのご注文。70歳になって週に二日だけ床屋をやっているという男性で、すべて予約制にしたので何ヶ月も先まで予約は埋まっているのだと言う。昼を過ぎたらご夫婦のお客がご来店。
今日は日曜日だから出だしが遅いのか、それからが忙しかった。外が随分と暑くなったから、食べ終わっても店の中で涼んでいくお客が多かったような気がする。昨日の混みようとは違ったので、女将も「暑いのに今日は楽だわ」と言う。亭主もエアコンを効かせた奥の座敷で涼む余裕があったのです。片付けを終えて二人で3時前には家に戻り、亭主は書斎に入って4時過ぎまでぐっすりとひと眠りするのでした。女将も暑すぎて買い物には行かなかったらしい。
7月17日 月曜日 昨日よも更に暑い日で …

連日の暑さと蕎麦屋の盛況とで、女将も亭主もかなり疲れているのですが、今日は連休の最終日とあって、朝の6時前から蕎麦屋に出掛けるのでした。なんと陽の当たる蕎麦打ち室は33℃もあった。昨日は29℃だったから、異様な暑さなのです。エアコンをフルパワーで運転して、まずは蕎麦打ちの一回目。750gの蕎麦粉を41%の加水で捏ねて、蕎麦玉を作ったら寝かせている間に厨房に戻る。カウンターの上に干した盆や蕎麦皿を片付けて、蕎麦汁を詰める。

厨房は28℃までは下がっていたが、厨房はまだ31℃。しかし、蕎麦を打たなければならないから、我慢して今日も綺麗な蕎麦を仕上げるのでした。7時をだいぶ過ぎで家に戻れば、今朝はホッケとナスの焼き浸しが用意されていた。食後はエアコンの効いた書斎に入ってひと眠り。30分ほど熟睡したのか、頭もすっきりとして、早朝よりも更に暑くなった玄関を出て蕎麦屋に向かうのです。それでも純白の木槿が青い空に映えて爽やかなのでした。

9時前になると、太陽もかなり上の方に昇っているから、家々の影もなくなってひと息入れる場所もない。高台に立てられたお宅の影でやっとひと休み。ここまで100mちょっとしか移動していない。緩やかな登り坂になっているから、亭主の右足にはやはり負荷がかかるのかも知れない。みずき通りを越えて最後の坂を登れば、蕎麦屋の前の平坦なバス通りだから、日影のない代わりに歩きやすいのです。蕎麦屋に着いたら、朝の仕事を終え、二回目の蕎麦を打つ。

昨日の蕎麦も3束残っていたから、5束打ち足して、今日は16食の蕎麦を用意したことになる。さすがにこの数は出し切れないだろうと思う。しかし、野菜サラダの具材を刻み終えた11時には、もう車が道路に止まって店を窺っているではありませんか。ちょっと早すぎるので、そのままにしておいたら、何処かに行ってしまった。ところが11時15分を過ぎた頃に、駐車場に入って玄関を開けて店に入って来るお客がいたのです。皆さん少しばかり自分勝手。

暑いからと中で待ってもらえば、すぐ注文をするから、開店時刻の意味が分かっていない。お湯が沸いて油が温まらなければ調理は出来ない。「急ぎませんから」と悠長な顔で我が儘なお客。女将が取りなして相手をしてくれたので、亭主は怒り出さなくて済んだ。先ほどの車も戻って来て、開店前に店に入る。聞けば、先日は売り切れで蕎麦が食べられなかったのだとか。今日もとても暑いのに大入り満員で、天麩羅ばかり出るので具材が尽きたので売り切れ。

最後のお客には、生椎茸がなくなったのでアカイカを上げて代用したのです。ヘルシーランチセットの天せいろを頼んで「満腹になりました」と帰るご夫婦もいた。「天せいろがこの値段では安すぎる」とも言われ、「すぐに値上げをするのは難しいのですよ」と他のメニューとの関係を説明する亭主。コロナ前から同じ値段だと女将が言うから、もう何年も値段を上げていないのかも知れない。2時半には洗い物も片付いて、家でひと休みしたら、珍しく夫婦でショッピングモールに出掛け、夕食に特上の寿司を買って帰った。
7月18日 火曜日 暑すぎて日中は身動きが出来ない …

夕べはエアコンのタイマーを1時間にセットして心地よい眠りに就いたはずでしたが、エアコンが切れて2時間もするともう暑くなって目が覚めるのでした。朝飯前のひと仕事に蕎麦屋に出掛け、子ども会の廃品回収に出す段ボールや新聞を運んで帰る。朝食を食べてひと休みしたら、お袋様に電話をして今日の仕入れに出掛ける。「朝から暑いねぇ」と車に乗り込んでくる彼女も、朝の洗濯の時には、首に亭主の贈ったアイスノンを巻いて動いているのだそうな。

朝の9時だというのに、陽射しは強く、農産物直売所に置かれた野菜も、早くからお客が来て次々となくなっていくのでした。蕎麦屋に戻って検品も冷蔵庫に入れる時に行うだけ。30℃を越える暑さの中では、朝から入れてあるエアコンもあまり効かないのです。家に戻って、隣町のスーパーで家に買って帰った魚や肉を冷蔵庫に入れて、買い物に出掛けたらしい女将の帰るのを待って昼食を作る。昼は久し振りに素麺を茹でて、肉や野菜を添えて食べるのでした。

食後は女将のスポーツクラブの予約の時間まで、書斎に入ってひと眠りすれば、10分前には女将がスマホを持って現れる。無事に予約を済ませれば、冷えた西瓜を切って居間に運んでくれるから有り難い。MLBの野球中継も、大谷選手の35号ホームランを観て大満足だったし、暑さの中を蕎麦屋に出掛けて、出来ることをやっておこうと玄関を出る。うだるような暑さの中で、庭の団扇サボテンだけが、この間剪定したばかりなのに、元気に葉を広げていた。

シャッターを開けたまま、ガレージに停めておいた車の車外温度は43℃。温度計のある部分の車体が蓄熱するとは言え、今までにない温度なのでした。蕎麦屋に着いたら、昨日の洗い物を片付けて、二回分の予備の一番出汁で蕎麦汁を作って蕎麦徳利に詰める。明日の仕事を少しでも減らしておこうと、新レンコンの皮を剥いて輪切りにしたら、酢水で湯がいて、南瓜を切り分けてレンジでチーンしておく。最後に大根を切り分けて、塩で漬けてなた漬けの準備。

7月19日 水曜日 夜も暑くて目が覚める日々 …
夕べも11時過ぎには床に就いたのに、1時には暑くて目が覚めたのです。エアコンのタイマーで電源が切れる時間帯で、寝室の温度が急に上がり始めるらしいのです。こんな夏の経験は今までになかったような気がする。日中の36℃などという気温もあまり記憶にないのです。日本の位置する温帯モンスーンという気候の様式が、既に変化してきているのではないかというのが亭主の考え方。今までと同じ生活では、熱中症が多発しても無理はないのでは。

最後に目が覚めたのは、女将が朝食が出来たと呼びに来た時で、8時間近く眠っているのに、何故か身体か疲れている感じなす。朝食を終えていつもの時間に蕎麦屋に出掛ければ、店の中は30℃を越える暑さなので、エアコンを20℃に設定して扇風機を回す。まずは時間のかかる小豆を煮始めて、昨日、塩で浸けておいた大根の水を絞って、甘酒の素と砂糖を加え、刻み柚子と輪切りにした京唐辛子を振りかける。抹茶と寒天の粉を水と氷糖蜜で溶いて沸騰させる。

荒熱を取ったら耐熱のガラス容器に入れて、半分ほど固まるのを待つのです。この間に小豆は煮えてくるから、柔らかくなってから小豆と同じ重量の砂糖を分けて加えて、塩を少々。1時間ちょっとの作業なのです。合間にほうじ茶を沸かして冷蔵庫に入れ、午後の出汁取りの準備を済ませれば、もう、医者に行く時間になるのでした。月に一度、尿酸値を下げる薬を処方してもらい、毎日飲むのが唯一の病院通い。帰りに昨日買えなかったアスパラと細葱を買う。

家に戻れば、女将が11時前だというのに、もう昼の食材を台所に並べて、早めに作って欲しいとでも言いたげなのでした。昼食は亭主がカレー炒飯を作って、女将が用意してあった豚汁の具材を煮直して味つけをするのでした。暑い時期だからか、昨日仕入れた肉の質が良かったからか、女将も頷くほど、カレー味はいつになく美味しく感じられたのです。午後は亭主がひと眠りする間に、女将はスポーツクラブに出掛ける。それからが午後のひと仕事なのです。

蕎麦屋に出掛けて30℃を越える暑さの中を、エアコンを入れたら首にアイスノンを巻いて、まずは蕎麦豆腐を仕込む。そして、出汁取りの鍋に火を入れたら、天麩羅の具材を切り分けて容器に入れ、糠床を冷蔵庫から取り出して、お新香を漬けるのです。夜の防犯パトロールの前に、家に戻って夕飯を食べなくてはいけないから、仕込みも時間との勝負なのです。一番出汁、二番出汁を取り終え、今週前半の蕎麦汁も鍋に作って冷蔵庫で保存する。

5時には家に戻って、相撲中継に夢中な女将に様子を尋ねる。亭主は台所に立って夕飯の支度を始め、餃子を焼きながらざるラーメンの麺を茹でる。女将は女将でもう肉と葱を煮込んで丼物の用意をしてあるのでした。テレビを観ながら夕食を済ませ、二人で大相撲を見終えたら、亭主はお茶をもらってエアコンを効かせた書斎に入り、ひと眠りするのです。20分ほどしか眠っていないけれど、暑さの中の仕事の後には、とても大事なひと眠りなのでした。

集合時間の7時前には間に合うように、6時40分には家を出る。気温は29℃。風があるので涼しく感じるけれど、湿っているから動けばもう汗がほとばしり出る。70歳台から80歳台までの老人達が、10人も集まって夕暮れ時の団地の中を歩き始めれば、足の具合の悪い亭主は坂道の上りになるとすぐに後れる。下りでなんとか追いついて、皆さんの会話に参加するのでした。家に戻ればもう汗でびっしょりで、冷たい焼酎の炭酸割りを飲んで風呂の用意をする。
