2023年6月下旬



6月20日 火曜日 休みでも午前4時には目が覚めて …

 やはり習慣というものは恐ろしい。忙しかった週末を乗り越えてやっと定休日になったというのに、夕べも夜の9時にはもう瞼が重くなり、ブログを書いたまま床に就いてしまったものだから、今朝も外が明るくなる4時にはもう目が覚める。7時間の睡眠だから、健康には好いのだそうだが、休みの日ぐらいはゆっくりと眠りたいのです。床の中でもう一度眠ろうとしても、目が冴えてしまうから台所に行ってコーヒーを入れる湯を沸かすのでした。

 厨房で昨日の洗い物を片付けて、捨てるために固めた天麩羅鍋の油をゴミに出し、生ゴミを外の入れ物に持って行く。ついでに油を入れる漉し器に重曹を振りかけて、久々に綺麗に磨く。天麩羅鍋も同じように磨くのだけれど、こちらは尋常にはいかない。重曹を振りかけて大鍋に浸けて浸けておくのです。それでもまだ6時前だから、掃除機を押し入れから出し、二つの和室と廊下に洗面所と掃除機を掛ける。段ボールを紐でくくり、新聞紙とともに車に乗せる。

 今日は地域の子ども会の廃品回収があるのです。木槿と南天の木の間に白い花が咲いていたから、見ればクチナシの花。いつも他の木の成長に押されて、日影になってしまうから可哀想なのですが、健気にも毎年花を咲かせる。やっと6時半を過ぎて家の玄関を入れば、女将が起き出してきて「お早うございます」と朝の挨拶をするのでした。冷蔵庫にはもうあまり食べ物がないから、今朝は納豆と卵で朝食だろうと思っていたら、それにお新香が付いた。

 7時過ぎには朝食を終えて、書斎で横になってひと眠りしようと思ったら、どうも眠くならない。夕べは7時間以上もぐっすりと眠ったから、それも当然なのです。パソコンを開いて再仕込み醤油の発注をして、夕べ印刷しておいた今日の仕入れの食材を確認する。蕎麦屋に寄って、もう一度、現物があるのかどうかを確認したら、お袋様に電話をして迎えに行くのです。農産物直売所には夏の野菜が沢山並んでいました。今年は野菜も生育が早いらしい。

 隣町のスーパーに行って、残りの食材と家の買い物を済ませて、蕎麦屋に戻って野菜を片付けたら、残り少なくなったカレーを仕込んでおこうと具材を切り分ければ、鶏肉を買うのを忘れているのに気が付いた。これで午前中の仕込みは出来なくなる。早めに家に戻って、昼はスパゲッティーミートソースを作る。揚げたてのカツを買ってきたから、ベロネーズ風にして亭主は大満足。今日はインターホーンの交換に業者が来るので、ひと眠りも出来ない。

 近くのスーパーで買ってきた鶏肉を刻んで、やっとカレーのルーを作るのでしたが、シメジがないのに気が付いた。今度は団地の反対側の八百屋に出掛けて手に入れて来る。隣町では手に入らなかった蓮根があればついでに買おうと思ったけれど、新レンコンに変わる時期なのかまったく出ていない。シメジと青森県産の大蒜を買って帰り、カレーを完成させるのでした。6人分のルーを取って、少し余ったから、先週の残りと合わせて家に持ち帰る。

 夜は、今日買って帰った鰯が新鮮なので、女将が刺身と酢みそ和えにしてくれた。脂が乗りすぎて、全部は一人で食べられなかったから女将と分けて、亭主は昨日と同じく蛸の唐揚げを作ってもらった。1本80円で出ていたトウモロコシを茹でてくれたので、二人で半分ずつ食べるのでした。甘さが尋常ではないのが至福の味わい。ブログを書きながら、サッカーのペルー戦を見る間に風呂に入る。日本のサッカーも随分と強くなって、動きが好いのには驚いた。



6月21日 水曜日 もう夏至なのですね …

 最近は明るくなるのが随分と早いと思って、暦を見れば今日は一年で一番昼の時間が長いという夏至の日。夕べは真夜中の2時に携帯のアラームが鳴って目が覚め、しばらく寝付けなかったから、外が明るくなってからやっと眠りに就く有様でした。女将のスポーツクラブの予約の時間前に、アラームを鳴らそうとセットしたのですが、14時と2時とを間違えてしまったのです。お蔭で夕べ考えていた予定が狂って、今日は朝食を食べ終えてから蕎麦屋に出掛ける。

 蕎麦屋の中は25℃。窓を開ければ涼しい風も入って、昨日までの暑さが嘘のようなのです。大鍋に重曹を入れて浸けておいた天麩羅鍋を磨いて、内側だけは綺麗になったけれど、外側の焦げ付きはやはりもう落ちない。強い火で炭化させて叩くしかなさそうだが、今朝はそこまではやらずに、鍋を乾かして明日の使用に備える。出汁取りの支度をしておいたから、一番出汁を取って蕎麦汁を仕込む。二番出汁を取って水で冷やしたら、午前中の仕事はもう終わり。

 家に戻って昼食には先週残ったカレーを温めて、女将と二人でカレーライスを食べる。亭主は朝と昼とカレー続きなのでした。昼食を終えてひと休みしたら、女将はスポーツクラブに出掛けていく。亭主は居間の椅子に座って大谷選手の出る野球を観戦。ところが今日はまったく振るわず、相手チームのピッチャーに押さえ込まれてしまうのでした。書斎に戻って横になれば、10分ほど眠っただろうか、またしても14時にセットしたアラームの音で目が覚める。

 今日は使いつけないスマホのアラームのせいで、すっかり調子が狂ってしまうのでした。ぬか漬けを漬ける都合もあって、蕎麦屋に行くにはまだ早すぎるし、西瓜を食べながらテレビで洋画を観ていた。やっと女将が帰ったのが3時半で、亭主は重い腰を上げ、車で蕎麦屋に出掛けるのです。梅雨の中休みも今日までと言う。青空も覗いて気温も上がらないので、蕎麦屋の窓を明け放って、大きな音でBGMを流すのでした。過ごしやすい気持ちの好い気候です。

 まずは水羊羹を仕込んで型に流して冷ましておく。次は蕎麦豆腐を仕込んでこれも型に流し込む。生椎茸、ピーマン、茄子の順番で切り分けたら入れ物に入れ、お次は玉葱をスライスして水に浸す。人参を明日の野菜サラダに使う分だけ残し、千切りにして玉葱に加える。南瓜を切り分けてレンジでチーン。三つ葉を洗って刻んでタッパに入れておく。そしていよいよ時間も押してきたから、冷蔵庫から糠床を取り出して、キュウリとカブとナスを浸けておきます。

 5時を回ったので家に戻り、夜の防犯パトロールの前に夕食を食べておこうと、ざるラーメン・餃子を作って食べる。少し遅れて女将はキャベツの上に豚肉を載せて蒸し野菜を作っていた。書斎に入って6時過ぎまで少し眠ったら、コーヒーを入れて出掛ける支度をする亭主。集合場所に集まれば、「今晩わ」と言うのが不似合いなほどに明るい夕刻なのです。車の車上荒らしの報告がある。お年寄りとの今夕の会話は、耳の遠くなったという話ばかりなのでした。



6月22日 木曜日 昼の気温は23℃でしたが蒸し暑く …


 午前5時には蕎麦屋に着いて、夕べ漬けた糠漬けを切り分け、小鉢に盛り付けるのでした。昨日浸けておいたなた漬けも少しだけ盛り付けておく。朝の空気は涼しくて、蕎麦屋の厨房も24℃なのでした。長袖・長ズボンのトレーニングウエアを着て行った亭主は、その上に前掛けをして蕎麦打ち室に入る。残っている蕎麦粉は600gあまりで、打ち粉がなくなったので、小麦粉とキャッサバ粉とを混ぜて代用する。さらっとはいかないけれどないよりはまし。

 加水率は41%にして出来るだけ硬く打とうと考えた。打ち粉がないと生地と生地とがくっつくので、細い蕎麦は打てない。切りべら24本で135gの蕎麦を仕上げ、思ったよりも好く出来た。蕎麦を打ち終えて7時を過ぎたから、家に帰って朝食を食べる。食後は書斎に入ってひと眠り30分。今日は午前中に蕎麦粉が届く日だから、早めに蕎麦屋に出掛ける。みずき通りを渡ろうとすれば、通りかかった防犯パトロールのリーダーが車から手を振って挨拶をしてくれた。

 今朝も5時過ぎに農家の親父様が犬の散歩で蕎麦屋の前を通り、頭を下げれば手を振って挨拶をしてくれた。歳を取るとそんなことでも心に残るのです。ノウゼンカズラがご近所のあちらこちらで咲いていました。気温は低いけれど、動くと何故か暑くなる。蕎麦屋に着いて、幟と看板を出すけれど、まだ蕎麦粉は届かないから蕎麦を打つことは出来ない。今日の気温ならばお客はそれほど来ないだろうけれど、最近は木曜日に13食を打つことにしているのです。

 二週続けて10人を越えるお客があったから、昼から女将が来る日には、蕎麦だけは打っておこうと考えるのです。蕎麦粉が届くまで大根や生姜をおろしたり、薬味の細葱を刻んだりと細々とした用意をしておくのです。9時半近くにやっと蕎麦粉と打ち粉と辛味大根が届いて、すぐに蕎麦を打ち始めるのでした。サラサラとした打ち粉があると本当に蕎麦が打ちやすい。13食分の蕎麦を生舟に並べ終えたら、今日は10時を過ぎていたのです。

 急いで厨房に戻って野菜サラダの具材を刻み、大釜の湯を沸かして、新しい油を天麩羅鍋に入れ、調理台に天麩羅の具材を並べる。店の掃除をして11時15分だったから、何とか開店の時刻には間に合った。今日も女将の来ない昼前に、女性二人がいらっして天せいろのご注文。天麩羅を揚げて蕎麦を茹で終えた頃に、やっと女将がやって来た。亭主は奥の座敷に入って休憩できたのです。昼からは常連さんがやって来て、せいろ蕎麦の大盛りと辛味大根のご注文。

 届いたばかりの辛味大根は、やはり辛かったらしく顔を真っ赤にしてお帰りになった。1時を過ぎていたので、新しくメニューボードに書いた富山産の白海老のかき揚げを揚げて、賄い蕎麦を食べておく。生でも食べられると言うけれど、殻や髭が引っかかるので、揚げた方が全部食べられて、海老の香りが香ばしく、なかなか美味しいのです。折角、女将が来てくれたけれど、今日はやはり涼しいから、それ以上はお客は来なかったのです。

 女性のお客が帰りがけに「この紫陽花は変わっているわね」と言うので、「銀河と言うのですよ」と教えてあげた。営業中に近所に住む昔のスタッフが、「お母さんにもどうぞ」と持って来てくれたジャガイモを持ってお袋様のマンションまで歩いて行く。今日は3000歩を越えたから、昨日の5000歩に続いて好いリハビリになった。昨日は体操の後で友だちが4人も来て夕方まで話をしていたとか。家に戻ってひと眠りしたら、業者が来るのでまた蕎麦屋に出掛ける。



6月23日 金曜日 気温も低く、涼しい昼だったのに …

 今朝は17℃まで気温が下がったら、昨日よりも寒いくらいに涼しいのでした。昨日打った蕎麦が9束近くも残っていたので、今日は蕎麦を打たないことにして、ゆっくりと家を出たのです。玄関の扉を開けると、目の前に紫色の木槿が賑やかに咲いていました。薄手のジャンパーを着て蕎麦屋に出掛けた亭主は、看板と暖簾を出したらチェーンポールを降ろして厨房に入る。まだ9時過ぎだから、蕎麦を打たないとなると、何をするにもちょっと早すぎるのです。

 蕎麦屋の中はそれでも 22℃と昨日の温もりが残っていたけれど、ちょっと肌寒い感じなのでした。コーヒーを入れて、何から始めようかと考えたのですが、野菜サラダの具材を刻むのには少し早すぎるのです。今朝方まで降っていた雨の雫が、窓の外のヤマボウシの新芽に連なって、夏の前にもう一度剪定をしなければいけないと思うのでした。昨日の洗濯物を干して、10時前には大釜に火を入れ、大根をおろしたら、やっとサラダに使う野菜を刻み始める。

 天麩羅鍋に油を入れて、天つゆの鍋を火にかけ、店の掃除を終えたら、もう開店の準備は終わりです。まだ11時過ぎなのでした。窓を開けて涼しい空気を店の中に入れ、今日はお客が見込めないと思っていたのです。ところが、昼を過ぎて女性三人連れのお客がご来店で、天せいろにカレーうどん、鴨せいろと三人三様のご注文で、時間はかかるけれど、他にお客がいないから順番にこなしていく亭主。蕎麦を出し終える頃に、また三人連れのお客がやって来た。

 今度は暖かいぶっかけ蕎麦と暖かい天麩羅蕎麦と冷たいぶっかけ蕎麦のご注文。やはり外は少し涼しいのでしょうか。全部出し終わらないうちに、お客がご夫婦でいらっして、カウンターの隅に座るのでした。「今お茶をお出ししますからお待ち下さい」とひと声掛けて、「これで今日はお蕎麦売り切れになりました」と看板を出す。時計を見れば、もう 1時20分なのでした。最後のお客は天せいろととろろ蕎麦のご注文で、待たせる間に残ったサラダをサービス。

 一人の営業の日に8人のお客は、続けて来るとかなり大変なのです。しかも、一人一人バラバラのご注文だから、スピードを上げようもない。最後のお客が帰ったのが 1時40分。それから腹の減った亭主は、冷凍うどんを茹で、かき揚げを揚げて賄いうどん。洗い物と片付けを始めたのは 2時過ぎなのでした。3時半には洗い物を片付けて、4時前には家に帰る。ひと眠りして5時過ぎには目覚め、夕食を食べたら、今日こそはとプールに出掛けていくのです。



6月24日 土曜日 今日もお蕎麦14食完売でした …

 5時に起き出して、まだ眠気も覚めないのに車に乗り込んだ。わずか 300m の距離だけれど、とても歩いては移動できない。左右を確認しながら慎重に蕎麦屋まで運転する。日の出の時刻は過ぎているのに、向かいの森の辺りで雲がかかって、不思議な光景なのでした。犬の散歩で蕎麦屋の前を通る知り合いの小母さんに挨拶をしたら、店に入ってコーヒーを沸かすのです。厨房の温度は25℃と、昨日よりもだいぶ暖かい。亭主も半袖・短パン姿なのでした。

 コーヒーを飲みながら、今朝の仕事の段取りを考える。まずは蕎麦打ち。蕎麦玉を寝かせている間に、カウンターに干した洗い物を片付けて、小鉢と蕎麦汁の準備。そして、天麩羅の具材の残りを調べて、野菜を切り分けるところまで行けば、一番いいのだけれど。今日の加水は41%強で蕎麦粉を捏ね始めたけれど、ちょうど好い硬さで蕎麦玉にしても、寝かせている間に、暖かいからか少し柔らかくなってしまうのです。これが曲者。かなり硬く打たなくては。

 打ち粉があるからよく振りかけて、八つに畳んで切るときに、切りべら24本ほどにして少し太めに仕上げる。これは生地が柔らかいときの対処法としてはかなり有効です。蕎麦包丁も単に押し切りでは蕎麦と蕎麦がくっついてしまうから、少し包丁を前に出しながら切っていくと上手く切れるのです。茹でた場合に、細い蕎麦に慣れた亭主には、見るからに太いと思うけれど、お客は案外美味しいと言ってくれるから解らないもの。歯ごたえがあるのかも知れない。

 結局、最後は天麩羅の具材の切り分けまでは、出来なかったけれど7時前になったので、区切りの好いところで家に戻るのでした。外も陽が差してきたから、今日は暑くなりそうだと、二回目の蕎麦を幾つ打とうかと考えながら、食後のひと眠りをする亭主。目が覚めてもすぐには起きられないから、結局、1時間は寝ていたことになる。意を決して玄関を出れば、今日は白の木槿が咲き出していまた。蕎麦屋に着けば青空が広がって、混みそうな予感がする。

 二回目の蕎麦打ちは、600g 6人分を打って、一回目と合わせて、14食の蕎麦を用意したのです。これが幸いして、今日は、最後の三人連れのお客が、大盛り二つにヘルシーランチセットだったから、生舟の中の蕎麦はすっかりなくなった。開店前から続々といらっしたお客も、無事にこなして、最初の5人で使った盆や皿を合間を見て洗っておいたので、ひと休みする暇はないけれど、後がかなり楽なのでした。天麩羅の具材も沢山用意したので助かった。

 大盛りが四つも出たから、来客数は12人と言うことになる。亭主はお客が帰ってから、今日もうどんを茹でて昼を食べた。最近はきちんと昼を食べる習慣が付いて、その後の片付けが元気に出来る。疲れも少しは回復するのだろうか。2時半には片付けが終わり、女将を先に返してから、夜は何を仕込めば好いのかと、冷蔵庫の中を眺める亭主。蕎麦豆腐が全部売れたから、作っておかなくてはならない。小鉢が残り二つで、夜はお新香を漬ける必要もある。

 肝心の蕎麦汁は、残り僅かで、ストック分を入れてもまだ足りない。予備の一番出汁を使って蕎麦汁を作る必要がある。天つゆや暖かい汁に使う二番出汁は十分にあるのだけれど、明日の出方次第では、もう一度出汁取りをしなければいけない。大甕の返しも残り少ないから、作っても明後日の分ぐらいだろう。晴れた午後の通りを暑い暑いと歩いて家に帰れば、女将が西瓜を切ってくれていた。昼寝をしたら、4時半から一時間、蕎麦屋で明日の仕込みをする。




6月25日 日曜日 晴れたけれど気温はあまり上がらずに …

 今朝は4時に目覚めて4時半には蕎麦屋に出掛ける。玄関を出れば、庭の金柑の木にびっしりと花が咲いていた。 今年も美味しい実が出来るのかと期待するのでしたが、肥料もやっているのに、年々実が小さくなっているような気がする。摘果する方法を調べても判らないので、剪定するだけで自然に任せているのですが、それでは本来の大粒の実は出来ないのでしょう。今は女将が家で金柑の甘露煮を作るのを楽しみにしているから、それで好い。

 蕎麦屋に着いたら、まずは蕎麦打ち。750gの蕎麦粉を加水率41%弱で捏ねていくけれど、力を入れて何とか菊練りにして、蕎麦玉を作るけれど、これが曲者で寝かせている間に生地が柔らかくなってしまうのです。伸し広げて行けば、まあそれほど柔らすぎることもなく、切りべら26本で140gの蕎麦の束を8束作るのでした。厨房に戻って小豆を煮ていたから様子を見れば、なかなか時間がかかるもの。南瓜を煮込んで、その隣で蕎麦豆腐の仕込みをするのです。

 これで7時になるから、コンビニに煙草を買いに寄って家に戻るのでした。2時間半の朝飯前のひと仕事です。ちょっと疲れた … 。朝食を食べて書斎でひと眠りしたら、なかなか起きられなくて結局8時半になってしまった。「行って来まーす。今日もよろしくね」と女将に声を掛けて門への階段を下りようとすれば、今朝は赤い木槿が元気に花を咲かせている。今年は薬を撒く時期が好かったのか、アブラムシが湧いていないのです。束の間の幸せか。

 蕎麦屋に着いて、朝の仕事を終えたら、二回目の蕎麦打ちにかかるのです。昨日と同じく600gの蕎麦粉を捏ねて、蕎麦玉にしたら、しばらく寝かせておきます。加水率は今朝と同じく41%弱。これで6束の蕎麦を仕上げたから、今日も14食の蕎麦を用意したことになります。昨日よりは少し涼しいけれど、蒸し暑いから動くと汗がにじみ出る。窓を全開にして、店の中の温度は26℃。エアコンの調子が悪いから、このまま営業できれば一番いいのですが。

 女将が早お昼に帰って、亭主は黙々と野菜サラダの具材を刻んだら、天麩羅油を鍋に空け、天つゆの鍋を火にかける。開店の10分前には駐車場に車が入ったから、店の中に入ってもらえば、じっとこちらを見ている男女。見覚えのある顔つきだけれど、「○○です」と言われて昔の教え子だと記憶が蘇る。女性の方は前にも来ているクラスの卒業生なのだけれど、美しくなっているので見違えた。注文を受けたら、しばらくは昔話が続く。男性は35年ぶりなのだとか。

 その間に、ご近所の奥さんがいらっして天せいろのご注文。前の二人はヘルシーランチセットの注文だったから、三人分をまとめて作るのでした。そうしている間に、カウンターにもう一人女性のお客がいらっしゃって、こちらもヘルシーランチセットを頼まれる。今日は12時前に野菜サラダが売り切れる。ご近所の奥様も会話に参加して、賑やかなひとときが流れる。もう一人の若い女性も笑って聴いている様子なのでした。あまり混まなくて好かった。

 一区切り付いて片付けを始める前に、亭主はかき揚げを揚げて、久し振りに賄い蕎麦を食べる。1時半近くになったから、今日はこれで終わりかと思ったら、車が入ってきて、若い男女がご来店。天せいろとぶっかけ蕎麦のご注文だったので、すぐに作ってお出しするのです。退屈していた女将も少しは目が覚めたのでしょう。洗い物は済んでいたから、今日はお客の少ない分早く片付けを終えられたのです。ひと眠りしたら亭主は今夜の酒を買いに出掛ける。



6月26日 月曜日 えっ、月曜日なのにこんなにお客が …


 玄関前の真っ白の木槿がとうとう咲き出した。毎年、一番遅く花を咲かせるのは、何故なのだろうか。昨日はお客が少なかったので今朝は、朝飯前のひと仕事にも出掛けずに、再仕込み醤油の届く日だからと、朝ドラの終わる時間に家を出たのです。ところが、当の品物は午前中着のはずなのに、夕方まで待っても配達されることはなかったのです。これが来ないと、返しを作ることが出来ない。こんなことは滅多にないのだけれど、今ある分だけで作るしかない。

 蕎麦屋まで歩いて、今日は湿度がかなりあるのか、半袖で手掛けたのにもう汗をかいている。窓を開け放って店の中に風を入れ、コーヒーを沸かす間に、朝の仕事を終え、今日の段取りを考えるのです。まずは蕎麦打ち室に入って、昨日の残りの蕎麦があるので500gだけ打ち足しておこうと、加水率41%弱で蕎麦粉を捏ねる。どうしても生地を寝かせている間に柔らかくなるから、打ち粉を振ってその分少し多めの140gで5束の蕎麦を打ったのです。

 打ち終えても、数が少ないから、まだ10時前なのでした。昨日の残った蕎麦だけでも足りるかとも思ったけれど、この時期の陽気ではどれだけお客が来るのかは読めないのです。ただ、今日は亭主一人での営業だったから、そんなに沢山は出せない。お茶出しや注文を受け、盆に蕎麦皿を載せて小鉢や蕎麦汁をセットして、調理をしなければならないから、お客が増えればどんどんと出し遅れてくるからです。最初のお客が開店の10分前にはやって来るのでした。

 テーブル席を勧めたけれど、ご夫婦はカウンターに座って、せいろ蕎麦と天せいろをご注文。そして奥様が純米吟醸の日本酒を頼まれて、白海老のかき揚げまでご注文なのでした。盆や蕎麦皿をセットしていたら、「日本酒はないの?」と言われて、「お酒が先でしたね」と急いで日本酒と付け出しに小鉢をお出しする。富山県産の白海老のかき揚げを二つ出したら、「いくらなんでも、これで100円は安すぎるのじゃない」と言われる。「判る方はそうおっしゃる」

 と、亭主は嬉しそうに応えるのでした。昼になる前にテーブル席が埋まって、お茶を出したり、注文を取ったりで忙しくなる。ヘルシーランチセットやぶっかけ蕎麦や天せいろで、用意が楽だったので助かった。月曜日は天麩羅の具材も沢山は用意していないから、蕎麦はあっても天麩羅が出来なくなりそうなのでした。昼過ぎにはご家族三人連れでウンターに座って、鴨せいろ二つに天せいろのご注文。鴨肉を解凍して焼くには時間がかかるのです。

 皆さん、初めてのご来店らしく、亭主一人なのに蕎麦を茹でているときに会計をするから大変です。茹でた蕎麦を氷で締めている間に、急いで会計を済ませる。まだ時間は早かったのだけれど、途中で「お蕎麦売り切れ」の看板を出したら、玄関を開けてまだお客が入ってくる。「蕎麦は売り切れなんですけれど」と言えば「トイレを貸して欲しいのです」と言うから案内する。結局、全部の品を出し終えたのが1時前で、洗い物を終えたのは3時過ぎ。片付けを終えたのが3時半で、女将が荷物を取りに来てくれた。家に戻ってひと眠りしたら、パンを一枚食べてプールへ泳ぎに出掛ける。