4月20日 木曜日 開店からわずか40分でお蕎麦完売 …
今朝も5時半に家を出て蕎麦屋に出掛ければ、駐車場の立木が茂っていたから、様子を見に西側の小径に出てみたのです。金木犀の新しい葉は勿論のこと、モミジの葉も生い茂って、奥の木槿も新芽が伸びているのでした。厨房に入ってカウンターの洗い物の片付けをして、蓮根の皮を剥いて酢水で茹でる。7時には家に戻って朝食を食べる。食後のひと眠りを終えたら、女将が海メロからパイナップルを送ってきたという。島の香りが食堂に広がっていた。
何時になったら石垣島に行けるのだろうかと、いつもFacebookの記事を読んではいるのだけれど、電車にも乗らない高齢者の亭主だから、飛行機はまだずっと先の事のように思えるのです。プールでのリハビリもまだ完全ではないし、蕎麦屋の経営もコロナ禍の前まではまだ戻っていない。それでも、二人の娘さん達が大学院と大学に進み、親の立場からは就職と結婚が心配な年頃。多くの人に見守られて島で育った子ども達は、本当に真面目で芯が強いのです。
蕎麦屋に着いたら南側のミニ菜園を覗いて見たけれど、荒れ放題でコゴミの葉が広がっていた。奥のタラの芽だけがもう一度くらい採れそうな様子なのでした。蕎麦屋の周囲の草取りは東西南北と四回に分けてしなければならない。その他にも、半年以上も掃除をしていない排水溝にも手を入れる必要があるのです。まったく維持管理という仕事は、目には見えないけれど、店の中の道具の掃除と同じように、着実に行わなければならないことなのです。
朝の仕事を終えたら、まずは蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。今日は暑くなると言うから、お客沢山来るのだろうとは思えたけれど、あまり欲張らずに9食分だけ打って終わりにしました。加水率は43%で、暖かいからか生地は少し柔らかめだったけれど、9人分の蕎麦を打って生舟に並べておく。やはり、包丁の切れ味が少し悪くなってきているのか、蕎麦が包丁の刃にくっついてしまう。暇を見つけて研いでおく必要がありそうです。
厨房に戻って生姜と大根をおろし、薬味の葱切りを済ませたら、苺大福を包んで野菜サラダの具材を刻む。時計を見れば時間は押しているのです。天麩羅鍋に油を注ぎ、天つゆの鍋を火にかけて、テーブルを拭いて回ったら、もう開店の時間なのでした。暖簾を出して間もなく、四人連れのお客がいらっして、天せいろを四つご注文なのでした。その後すぐに若い女性が二人連れでテーブルに座ってやはり天せいろ。まだ12時前なのです。すぐに女将に電話をする。
蕎麦は9つしかないから、順番に天麩羅を揚げて蕎麦を茹でていくしかないのですが、出すのが遅くなるから、女将の助けが必要なのでした。昼を過ぎてすぐに、ご夫婦でカウンターに座って、天せいろとヘルシーランチセットのご注文。女将が来てくれて亭主は調理に専念することが出来た。蕎麦の残りはひと束だけだったから、次にいらっしたお客には事情を説明してお断りする。その後も二組もお客が来たのです。歩いていらっした方もいたから申し訳ない。
もう一回、蕎麦を打っておけは好かったかと、後で反省するのでした。欲張らないまでは好いのですが、歩いていらっしたお客にも蕎麦を出せなかったから、ちょっと残念なのでした。それでも、最初のお客が「ここの天麩羅は美味しいんだよね」と言ってくれた。カウンターに座った最後のお客も、コゴミやタラの芽の天麩羅が美味しいとビールの他に日本酒まで頼まれたから嬉しかったのです。明日は亭主一人の営業で、果たしてどれだけ客が来るのだろうか。
4月21日 金曜日 今日も40分でお蕎麦売り切れ …
曇りという予報だったけれど、朝は怪しげな空の向こうから、太陽が昇っていました。曇っているのか朝霧が出ているのかが好く判らないのです。厨房に入って夕べ漬けた糠床からお新香を取り出して、小鉢に盛り付けていきます。蕪は大きいし、ラデッシュがある分小鉢が一杯になるほどの量なのです。知り合いの農家の野菜は、さすがに甘くて美味しい。蕎麦汁を補充して、今日は女将が来ないからと、洗濯物まで畳んで朝のひと仕事を終えるのです。
家に戻って朝食を食べたら、例によってひと眠り30分。朝ドラの終わる前に洗面と着替えを済ませ、コーヒーを一杯入れて飲むのです。蕎麦屋に出掛ければ、玄関前のツツジが満開で、季節の移り替わりが早いのには驚くばかりなのでした。看板と幟を出してチェーンポールを降ろしたら、早速、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を打つ。平日だから今日も850g9人分の蕎麦を、43%の加水率で打ち始める。昨日の残りがあったから、今日は10人分の蕎麦を用意する。
硬めに仕上がった生地は少し伸しムラが出来たらしく、今度は切るときに四苦八苦してしまう。何とかごまかして打ち終えたのだけれど、なかなか思うようにはいかないのが、日々の蕎麦打ちなのです。包丁の切れ味が悪いばかりが原因ではなさそうです。それでも10時前には厨房に戻って、次の仕事にかかるのでした。大根をおろすのにも、こんなに沢山のおろしが必要なのかと、途中で止めて残りをラップでくるんで冷蔵庫に入れる。
苺大福は昨日作ったのが今日も出せるから、野菜サラダの具材を刻んで、いつも通り三皿盛り付けておきます。天麩羅鍋に油を注いで、天つゆの鍋を温めて開店の準備をするのでした。アルコール除菌液でテーブルを拭いて少し早めに暖簾を出せば、11時半を過ぎた頃にはもう車が駐車場に入ってくるのでした。中年の男女がカウンターの奥の席に座って、天せいろのご注文。天麩羅を揚げて出す前に、仕事着姿の三人連れがやって来て皆さん大盛りのご注文。
辛味大根ととろろをおろして、蕎麦を茹でているところに、歩いていらっした二人組の男性が、せいろ蕎麦の大盛りと串焼きの注文でした。「今お茶をお出ししますから」と言って、カウンターのお客に蕎麦湯を出し、時計を見ればまだ12時を過ぎたばかり。三人組の大盛りを出し終えて、やっと後の二人の調理にかかる。大盛りが五つも出るのは珍しく、生舟の中の蕎麦はもうなくなっいたのです。急いでお蕎麦売り切れの看板を出したのが12時半でした。
テーブルの盆や蕎麦皿を片付け終わらないうちに、車が駐車場に入ってくる。外に出て、「蕎麦は売れ切れたので、うどんしか出せないのですけれど」と言えば、うどんでも好いからと店の中に入るのでした。何回がいらっしたリピーターのご夫婦らしく、残った野菜サラダをサービスでお出しして、食べていただいている間に、うどんを茹でてせいろでお出しするのでした。蕎麦の通らしくいろいろな話を聞かせてくれて、1時半にはお帰りになる。
時間が早かったから、お袋様にもSOSの電話をせずに、昼飯も食わずに一人で洗い物を済ませるのでした。暑い日だったから、お客が多かったのではないかと、3時過ぎにスポーツクラブから帰ったばかりの女将が心配して来てくれた。明日は涼しくなるというけれど、果たしてどれだけ蕎麦を打てば好いのか。早い夕食を食べて半袖のまま6時半には夜のプールに出掛ける亭主。泳ぐよりも歩く方に違和感を感じるのかちょっと不安なのです。
4月22日 土曜日 急に寒くなったと感じる朝 …
朝飯前のひと仕事から家に帰って、朝食を食べたら今日はひと眠りをしないで、また蕎麦屋に出掛けていく亭主。二日続けて蕎麦が売り切れになったから、週末なので少しは沢山蕎麦を打っておこうと考えたのです。それでも、随分と気温が低くなって曇り空だったので、どうなるかは判らない状況なのでした。看板と幟を出したらチェーンポールを降ろして、蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を二回打つ。8時半に打ち始めれば、いつもの時間には間に合うのです。
加水率は43%のまま、少し気温が低いから硬めの生地に仕上がって、包丁切りも順調に終える。135gの蕎麦の束を13束生舟に並べ、これなら少しは持ちこたえるのではと思う。太陽の陽射しがないから不安なのですが、週末を甘く見てはいけない。店の中は窓を少しだけ開けて、エアコンの暖房を入れていたから、やはり寒く感じるのです。薬味の葱を刻んで、大根をおろしたら、苺大福を包み、野菜サラダの具材を刻む。11時過ぎにはお湯も沸いて準備が完了。
開店時刻の10分前に暖簾を出せば、5分前に大きな車に乗った若いカップルがご来店。天せいろとせいろ蕎麦を注文して、静かに蕎麦を啜るのでした。昼を過ぎて今度は年配の男女が作業着姿でいらっして、とろろ蕎麦とぶっかけ蕎麦を頼まれる。「あんたは幾つになる?」と親父様が尋ねるから、「今年で古稀になります」と応えれば、「若いねぇ。俺は喜寿だよ」とおっしゃる。二人で組んでシルバーの植木屋をやっているそうな。何もしないと老けてしまうのだとか。
今日は1時を過ぎても陽は差してこなかった。昼からは晴れマークの出ていた佐倉市の天気予報を見れば、天気を追いかけるように曇りマークに変わっているではありませんか。隣のお花畑も黄色いポピーの花は正直で、気温が下がったら朝から花びらを閉じているのでした。この調子ではもうお客が来ないかと思って、亭主は蕎麦を茹で、おろしと山葵だけ載せてぶっかけで食べる。コシがあって実に美味い蕎麦なのです。昼飯はこれだけなのですぐに腹が減る。
4月23日 日曜日 気温は17℃までしか上がらけれど …
今朝も6時に朝飯前のひと仕事で蕎麦屋に出掛け、糠床からお新香を取り出して、切り分けたら小鉢に盛り付ける。そして、昨日なくなった蕎麦汁を補充しておくのでした。蕎麦汁は夕べ蕎麦屋に来て、小一時間掛けて出汁を取り、返しを加えて温めたもの。ひと晩冷蔵庫に入れて冷ましておいたのです。ついでに天つゆも仕込んでおきます。7時前には家に戻り、女将の用意してくれた親御丼を食べてひと眠りする。満腹になって一時間は眠っただろうか。
朝は少し寒いくらいだったのですが、陽が差して隣のお花畑のポピーも花びらを開いていました。看板を出して幟を立てたら、チェーポールを降ろして、早速、蕎麦打ち室に入るのです。今朝は、昨日の蕎麦が随分と残っていたから、500g5人分だけ打ち足して、14人分の蕎麦を用意しました。気温が低いのが気がかりだけれど、日曜日を馬鹿にしてはいけないと思って、開店前の仕込みに精を出すのでした。加水率は43%弱。少し硬めできっちりと仕上げられた。
包丁の切れ味を心配していたけれど、生地の仕上がりの善し悪しで、切りべら26本で135gの蕎麦は、エッジが立って綺麗に等間隔に打ち上がるのでした。やはりこの時期はもう加水率を43%弱にしないといけないのか。朝が寒く、陽が出ていたことも関係するのかも知れない。まさにポピーの花の開き具合と共通しているような気がするから不思議。女将が来てくれて、「お早うございます」と挨拶を交わしたきり、二人とも黙々と開店の準備をするのでした。
「また来ますね」と女将が早お昼を食べに家に戻れば、亭主は一人で大根をおろし、野菜サラダの具材を刻むのです。まだ暖簾を出していないのに、開店の10分前にはもう車が駐車場に入って、リピーターの若い男女がいらっした。お湯も沸いていたから店の中に入っていただいて、ちょうど女将もやって来たから、お茶を出して注文を取るのでした。天せいろと鴨南蛮蕎麦のご注文で、鴨肉を解凍している間に、天麩羅を揚げて蕎麦を茹でてお出しする。
12時過ぎまでに4組のお客が入り、厨房はもうてんてこ舞い。駐車場も満配なのに、玄関を開けて「ほかに駐車場はないんですか」と聞くお客もいる。店の中を見れば満席だと判るはずなのに、申し訳ないけれど小さな蕎麦屋なのです。忙しい時間帯が過ぎた頃に、電話がなって3人で行きたいのだけれどと言う。女将が出て「大丈夫ですよ」と言ったけれど、予約は受けないから、先に来たお客が優先。生舟の蕎麦はもう残り少なかったのです。
1時前にやっと件の三名様がいらっして、見れば手押し車を押したお婆様を連れたリピーターさん。お婆様は前回と同じキノコ付け蕎麦を頼まれて、綺麗に完食したから好かった。ご主人はカレー蕎麦、奥様はとろろ蕎麦のご注文で、カレー蕎麦に付ける野菜サラダが終わっていたので、小鉢とトマトをお出ししたら、トマトが美味しかったらしくて、「家で作っているのですか?」と聞かれた。1時過ぎだったけれど、お蕎麦売り切れの看板を出して洗い物に入る。
4月24日 月曜日 肌寒い日だったから …
やはり店の混んだ昨日は疲れたのだろうか。今朝は何度も目が覚めるのだけれど、また眠ってしまうのでした。6時になってやっと起き出して、蕎麦屋に向かう準備をする。小鉢、蕎麦汁、洗濯物と二何度も自分に言い聞かせながら眠ったのに、朝になったら、もう何をするのかを忘れていた。厨房に入ってやっと思い出して、フライパンを取り出す。ニンジン、干し椎茸、油揚げを刻んで、切り干し大根を水で戻す。ごま油で炒めて出汁で煮込んで味つけをする。
出汁で煮ている間に、空の蕎麦徳利を取り出して蕎麦汁を補充していく。7時を過ぎていたけれど、洗濯機の中の洗濯物を干して、取り込んだ洗濯物は畳んで戸棚の中に入れておく。家に戻れば、女将が食堂で亭主の帰るのを待っていました。朝食を食べ終えても、今日はひと眠りをしなかった。眠くないのではなく、眠ったら起きられないと思っていたのです。洗面と着替えを済ませて、歩いて蕎麦屋に出掛ければ、ご近所のウツギが綺麗に咲いているのでした。
薄陽が差すほどには晴れていたけれど、風は冷たくやはり上着が必要なのでした。蕎麦屋に着いて外回りの仕事を終えるまで、ジャンバーは脱げなかった。店の中の室温は17℃だから、それほど寒いわけではないのに、寒く感じるのが最近の陽気。今日は湿度もかなり低かったから、身体が寒いと感じるのです。蕎麦打ち室に入って今朝の蕎麦を750g8人分打っておきます。加水率は43%と昨日と同じだったけれど、やはり少し硬めに仕上がるのでした。
この涼しさではお客はあまり期待できないと思いながらも、薄陽が差しているのが唯一の希望か。今月の月曜日の来客数は4人から 9人までと、結構、多かったので、ある程度の数は見込めるだろうと思っていたのです。苺大福を包み、野菜サラダの具材を刻んで、今日も三皿盛り付けておきます。女将がいない分、店の掃除もあるから、少しずつ早めに仕事を終えておく。テーブルを拭いて回ってもまだ11時ちょっと過ぎなのでした。新しい油を天麩羅鍋に注ぐ。
暖簾を出してお客を待てば、1時間経っても来る気配がない。前日が混むと次の日はお客が少ないと言うことはあるのです。あまりにも暇だったから、隣の畑に出て、近くで花の写真を撮ってくる。あの赤い花は何というのだったっけ。歳を取ってから調べた花の名は、なかなか思い出せないのです。1時過ぎになってやっとお客がご来店。天せいろの大盛りと辛味大根を注文なさって、カウンターの隅で静かにゆっくりと食べて行かれた。今日はこのお客だけ … 。
4月25日 火曜日 午前中は雲一つない青空で …
定休日だったけれど、いつもと同じ時間に目が覚めて、6時になったら蕎麦屋に出掛ける。午後の出汁取りの準備をして、少なくなった返しを仕込んでおきました。そして、洗濯機の中に入れたままの昨日の洗濯物を干したらお終い。7時過ぎには家に戻って、朝食を食べるのです。今朝も食後のひと眠りをせずに、洗面と着替えを済ませて早い時間に再び蕎麦屋に行くのでした。大鍋に冷めた返しを甕に移して、膝下の戸棚に収納する。
駐車場のヤマボウシの柔らかい新芽が、陽を浴びてつやつやと光っていました。お袋様と仕入れに出掛けるのには、まだちょっと時間があったので、隣のお花畑まで行って花を見ていました。ストロベリーキャンドルの花が随分と沢山咲いていたから、近寄って見れば、葉はシロツメクサの様なのでした。毎年、この花は何というのだっけと調べ直すのですが、どうもカタカナの花の名前は頭に入りづらいのです。オランダレンゲともベニバナツメクサとも言う。
ベニバナツメクサなら紅花爪草と漢字で書ける。白詰草と花の形が似てはいるけれど、赤くて縦に長いから、どうもイメージが違うのです。ただ、葉の形がクローバーに似ているから、豆科の植物だと判るのです。豆科の花を検索して、沢山の花の画像を見ているうちにこの花を発見する。毎年、こんなことを繰り返していながら、未だにその名を覚えていないのは、やはり年齢のせいなのか。時間に余裕のある定休日だから、こんなことが許されるのです。
ツツジの咲きほこるお袋様のマンションを後に、農産物直売所へ出掛ければ、朝から随分と客が来ていた。にもかかわらず、農家がやって来るのが遅いのか、野菜はまだ並んでいないのでした。トマトと蕪と生椎茸だけを買って、後は隣町のスーパーで仕入れるのです。こちらは開店時刻に来たお客が帰って、ちょうど広い駐車場も空きが出て来る。パプリカとアスパラガスがまだは入っていないから、午後にもう一度来なければならないのでした。
お袋様を送って蕎麦屋に戻ったら、買ってきた野菜を検品して、冷蔵庫に収納したら月に一度の床屋へ出掛ける。ちょうど前のお客が終わりそうなので「ちょっと待ってね」と言われてからが長い。ご近所らしい白髪の老人の話が長いのでした。女将が家で昼を待っていると思って、散髪が終わったところですぐに電話をするのでした。昼は昨日残った蕎麦だから、亭主が帰らないと要領を得ない。女将にはキノコつけ蕎麦、亭主は胡麻味噌ダレで食べる。
結局、午後も昼寝をしないで、女将のスポーツクラブの予約を取ったら、三度、蕎麦屋に出掛けて午後の仕込みにかかる。干し椎茸と昆布を浸けてあった3㍑の鍋で出汁を取って蕎麦汁を仕込み、再び湯を沸かして二番出汁を取るのです。外はどんどん曇ってきた。明日は朝から雨になりそうで、この休みにも排水溝の掃除は出来そうにない。店の回りの草刈りもまだ終わっていないし、当分仕事が目白押しなのです。それが健康には好いのかも知れない。
4月26日 水曜日 終日雨が降り続けて …
今朝はゆっくりと9時過ぎに蕎麦屋に出掛けて、明日の仕込みを開始するのでした。まずは蕎麦豆腐を仕込んで冷蔵庫に入れたら、キノコ汁を作って塩味だけ付けておく。1.6㍑の鍋一杯の汁を、半分は小さなキノコ汁用の鍋に入れ、残りはタッパに入れて冷蔵庫で保存するのです。全部で5人分程か。鍋に張り切れなかったキノコは冷凍して、足りなくなったときに使う。先週は随分と残ったから、家で使わなくてはならないのです。
次にキノコ汁を作った鍋を洗ってレンコンを茹でる。レンコンは新しいものを買ってきて皮を剥いて輪切りにしたら、水に浸けて茹でるのですが、どうしてもポリフェノールが紫色に出て仕舞う。酢水に浸けても同じことだから、最近は水に浸けて茹でている。その間に南瓜の種を取って切り分け、レンジに入れて2分ほどチーンする。一度に2分ではなく、1分半チーンしたらしばらくおいて、もう一度30秒チーンしているのです。
天麩羅の具材を切り分けたら、午前中の仕込みは終わり。家に戻って昼食の支度をしなければならないのです。朝から降り続けている雨は、雨脚は弱まったものの止むことはなかった。昼は冷蔵庫の中の残りものを野菜炒め煮して、カレー味で皿に一人分ずつ盛り付ける。大皿にもって取り皿を使うより、大皿一枚分、女将が洗う手間が省けるのです。業者が持ってきたごまだれの蕎麦汁で食べてみる。「たまには味が変わって好いのかもね」と女将が言う。
でも、ごまだれでは蕎麦湯は飲めなかった。昔よく作ったざるラーメンのタレのようで、麺には絡むけれど、何時もの蕎麦汁のようには味わいがないのです。一人分100円ちょっとだから、自分で蕎麦汁を作る方が、当然、量もあるし、少し安上がりなのです。書斎に入ってひと眠りしている間に、女将はスポーツクラブに出掛けて行く。1時間ほどで目が覚めて、珈琲を入れて居間でテレビを観るのでした。何度も見たスティーブン・セガールの映画。
お新香を漬けるだけだから、急がなくても好かったのですが、今日は女将の帰る前に蕎麦屋に出掛け、珍しく夕刻に蕎麦を打つ。室温19℃、湿度が60%を越えていたから、43%の加水率でも柔らかい生地に仕上がるのでした。たまには好いかと薄く伸して、切りべら28本の細い蕎麦に仕上げる。これで明日の朝は一回の蕎麦打ちで済む。木曜日はやることが多いから、少しでも今日出来ることをしておきたい。4時半になったらお新香を漬け、包丁を研いでおいた。
今日は夜のプールへ出掛ける予定だったから、女将に「夜ご飯はなににするの?」と聞けば、「何にしましょうかね」と思案している様子だった。「キノコを入れてラーメンを食べるよ」と言えば、女将も残りものを食べて夕飯にしていた様子。雨の日だからか、夜のプールは2つのコースが空いて、誰も入っていなかったのです。いつも来ている若い人たちは姿を見せなかった。一人でクロールでアップしたら、バックストロークにブレストとゆっくりと泳いで行く。
4月27日 木曜日 晴れて雲一つない天気だったけれど …
6時前に家を出れば、もう太陽は森の木々の上に昇っている。日の出の時間がまた早くなっているのでした。雲一つない好い天気の朝なのです。厨房に入って、糠床を冷蔵庫から取り出して、漬けたお新香を切り分ける。このところ、お新香は順調に漬かっているのです。白菜の漬け物と違って、なくなったらその都度、漬けなければいけないのが大変ではあるのですが、それが美味しさの秘訣でもある。切り干し大根の煮物も小鉢に盛り、朝飯前の仕事は終わり。
家に戻って、女将が作る朝食を食べたら、ひと眠りしようと思って書斎に入るけれど、定休日の習慣が残っているのか、横になっても眠れずに、起き出して洗面と髭剃り、着替えを済ませて、蕎麦屋に出掛ける準備をするのでした。昨日の夕刻に一度蕎麦を打っているから、今朝はもう一度打てば終わりなのです。平日に二回分の蕎麦を用意するのも珍しいけれど、このところ客が増えているから、女将も手伝いに来てくれる日だし、頑張ってみたのです。
二度目の蕎麦打ちは加水率43%なのでしたが、湿度が32%とかなり低かったから、少し硬めでちょうど好い具合の生地が仕上がったのです。切りべら28本と少し細めで包丁切りを終えて、生舟一杯の蕎麦を用意するのでした。10時前には厨房に戻り、薬味の葱を刻んで、大根や生姜をおろし、野菜サラダの具材を刻み始めるのです。パイナップルは、この間、石垣島の海メロから送って頂いた島のパイナップルを使ってみました。小さいけれど甘さは抜群なのです。
先週の混みようを心配してか、女将が昼前に来てくれたけれど、今日はどういうわけかお客が来ない。朝が寒かったのが響いているのだろうか。12時半過ぎにやっと最初のお客がいらっして、急いでいるらしく、早く出来るものはないかとおっしゃるので、せいろ蕎麦とキノコ蕎麦を勧めたら、せいろ蕎麦だけのご主人が野菜サラダを頼まれて、ゆっくりと食べて行かれたのです。今日はこんなに天気が好かったのに、天せいろは一つも出なかったから不思議。
1時過ぎにいらっしたご夫婦も、二人ともキノコつけ蕎麦の大盛りをご注文で、やはり朝が涼しかったからなのでしょうか。世間は大型連休前とあって、ご近所でもお客が来ているらしく、バーベキューをするお宅があるのでした。晴れた日の割には、お客が少なくて、がっかりとした女将と亭主。明日はもっと暖かくなるというから、亭主一人でどれだけ出来るか、試練の一日になりそうです。夕刻にまた蕎麦屋に行って、業者の配送を受け取るのでした。