やっとブログの再開です……。
/2月10日木曜日 夜から雪が降り出して…
関東地方も大雪だと、朝からテレビは大騒ぎ。先月も雪が積もって蕎麦屋の雪かきに早朝から出掛けたのでした。明朝もスコップを持って朝飯前のひと仕事だろうとブログを書いている亭主。
10日前から新しいサーバーに切り替えて、高いお金を払った前のサーバーは不親切だったと諦める。結局、去年の 4月から三ヶ月ほど順調に稼働していただけで、いろいろいじっているうちに壊れてしまったのです。今回は慎重に何をどういじったかをメモして、最初に躓(つまづ)いた時点で、サポートセンターに電話をした。親切に対処方法を教え教えてくれたので、今度はマニュアルをひとつひとつ印刷して、やっとここまで辿り着きました。
今日の日中は開店しても冷たい雨が降り続き、とてもお客が来るような天気ではなかったのでした。それでも朝飯前のひと仕事で小鉢を盛り付けたりと、雨の中を 6時から蕎麦屋に出掛けた亭主。7時に家に戻って朝食を食べたら、8時過ぎにはまた蕎麦屋に出掛けていく。蕎麦打ちの合間に金柑大福を包み、大根、生姜をおろして葱きりを済ませたら、野菜サラダの具材を刻み始める。
3時間もかけて開店前の仕込みが終わったら、最後に店の掃除で床を掃いてテーブルと椅子をアルコールで拭いていく。だから、暖簾を出して一段落したらもう眠くなってしまうのです。カウンターの端の椅子に座って暗い外を眺める。外気温は 6度でこんな寒い日はお客は来るはずもないから、尚更、気が滅入る。
それでも眠るわけにはいかないので、足腰腕の体操をして、店の中を歩き回る。最後は厨房に戻って再び外を眺めるのです。やっとお客が来たのは 1時過ぎで、若いカップルが暖かい蕎麦をとぶっかけ蕎麦と鴨南蛮蕎麦をご注文。作り始めたら、若い奥さんが焼酎の蕎麦湯割りを頼まれるから、俄(にわか)に忙しくなるのです。
ぶっかけ蕎麦の天麩羅を揚げながら、鴨肉を解凍して焼酎を温めながら、蕎麦湯を作り始める。温かい物は入れ物も暖かくして出すのが基本だから、焼酎を徳利に入れて湯煎してお湯でグラスを温めて、蕎麦粉を溶いて蕎麦湯を作ったら、鴨南蛮蕎麦に添える野菜サラダと付け出しのなた漬けを盆に載せてお出しする。天麩羅を取り出して、蕎麦を茹でたら冷たい水で洗って、お湯を入れて暖めである丼の湯で蕎麦をもう一度洗い、次々とテーブルに運ぶのです。
蕎麦の好きな若夫婦らしく、いろいろ話をし始めて、最後に蕎麦饅頭までご注文。時計はとうに 1時半を回っていたのです。
/2月11日金曜日 雪の朝
ぐっすりと眠った朝は、窓を開ければ先月の雪の日よりも積もっていたからちょっと驚きました。朝飯前に蕎麦屋に出掛けて雪かきをするには起きる時間が少し遅すぎた。仕方がないので家の前の通りの雪かきだけでもしておこうと外に出れば、積雪は15cmほどで、今朝は大変だぞと隣の家まで道の片側だけ雪をかいたのです。
玄関から女将が「ご飯できましたよ」と、亭主を呼ぶので一段落で、食事を終えたら今朝は顔も洗わずに雪かきの道具を持って蕎麦屋に向かうのです。みずき通りもバス通りも畑も一面の雪景色で、店の駐車場も雪を掻くのが大変そうなのでした。陽が昇って青空が広がっているのが唯一の救い。店の暖房を入れたら暖簾を出して、チェーンポールを降ろし、あまりの雪の多さなので、どこから始めれば好いのか考えてしまうのです。
取りあえずは、お客が来て駐車場には入れるようにと、入り口から車止めのある奥まで、タイヤの通る場所の雪をどけていきます。これだけでもう一時間以上かかったから、朝の仕込みに取りかからなければならないし、途中で切り上げて蕎麦を打ち始める。バス通りは車が随分通るから、今朝の陽ざしも手伝って雪が溶けていく。
11時過ぎには仕込みを終えて、筋肉痛の背中をかばいながらカウンターの奥の席に座わってしばし休憩。朝早くから雪かきをしていたから、店の暖房で身体が暖まって眠くなってしまう亭主なのでした。「家から車で出るのも大変だから、お客は来るはずもない」と女将も諦めた口調で言うのでした。そうは判っていても準備だけはしておかなければいけないのが商売というもの。
/2月12日 土曜日 雪の翌日は…
真っ白な雪に覆われた翌朝は、陽射しはあったけれどかなり冷え込んでいました。好く晴れた昨日の午後のうちに、雪掻きを済ませた家が多く、住む人たちが年老いたお宅の前も何とか綺麗になっている。それでも北側に面した通りは手つかずのままで人一人歩く細道だけが雪をどけてある。陽が当たる通りは歩道まで雪が溶けて、春の淡雪の感があるのでした。
みずき通りを右に折れて、蕎麦屋に続くバス通りまで出ると、北側の歩道はまだ雪に埋もれている。昨日の帰りがけに亭主がスコップを押しながら雪をどけた細い道が、蕎麦屋まで続いていました。それでも駐車場の前の部分だけが雪かきをしてあるのは、車で移動をする人たちの生活なのだと考えさせられる。
蕎麦屋に着けば、車を入れやすいように三台分のスペースの雪を掻いておいたから、駐車場はもう乾いているのです。まったく陽の光のありがたいこと言ったら…。朝の寒さに耐えたら、早春の優しい陽射しが嬉しいのです。午前中から、散歩に出掛ける老夫婦の姿がちらほらと見られる。日中は10℃近くまで気温も上がったのだろうか。昼過ぎにはご家族連れのお客がご来店なのでした。
蕎麦屋の周りの畑は一面の雪景色で、明るい陽射しが眩しいほどなのです。続けて駅前のマンションに住むという常連さんご夫婦が歩いていらっして、珍しくカレー蕎麦をご注文。カレーを解凍しながら天せいろを出し終えて、野菜サラダをお出しして、汁を作って蕎麦を茹でる亭主。蕎麦が捌(は)けていくのが小気味よい。明日は更に暖かくなると言うから、少しは期待できそうなのです。
2月13日 日曜日 寒い日なのに久々にお客が入って…
午前6時の東の空は、春になって早くから白んでくる。先日の雪かきの跡があちらこちらに残ってはいるけれど、今夜からまた雪になるというから心配なのです。みずき通りを渡る頃にはもうだいぶ空も明るくなってきました。青空なのかうっすらと雲がかかっているのか、どうも怪しい天気。
今朝の朝飯前のひと仕事は、昨日の洗い物の片付けと、小鉢の盛り付けだけだったから、大釜に水を汲んでいる間に、盆や蕎麦皿を戸棚にしまっていく。なた漬けを深めの小鉢に盛り付けたら、今度はまな板を出して白菜のお新香を包丁で切り分けていくのです。この他に切り干し大根の煮物があるから、10鉢もあれば足りるだろうと、亭主はポットに湯を沸かしてほうじ茶を入れるのでした。今飲む分と昼に飲む分を瀬戸物のグラスに三杯。
葱切りと大根おろしを入れる容器を準備して、今朝のひと仕事を終える。近ごろはとかく物忘れが激しいから、一連の仕込みの流れの中で準備できるものは早め早めに用意しておくのです。天麩羅を揚げるパットにもキッチンペーパーを敷いておく。一つ一つの細かな作業が、朝食後に再び店に来たときに重なると、それなりに時間がかかるから、仕込みの時間を短縮するためには大切なことです。
7時前に店を出る頃には、東の空から今朝の日の出が綺麗なのでした。いつもなら通勤時間帯なのに、今日は日曜日だから通る車も見当たらない。マスクをするのを忘れずに、さっき来た道を家に向かって歩き出す亭主。今朝は茄子とピーマンの味噌炒めだと夕べ女将が言っていたのを思い出す。タンパク質を取るために、豚のバラ肉を入れて作るのが最近の我が家の趣向。玉葱があれば尚更いい。
朝食を食べてひと休みしたら、最近はひと眠りをせずにまた蕎麦屋に出掛けるようになった。夜がぐっすりと眠れているからだろうか。昨日の蕎麦が残っているから、今朝は蕎麦はいつもより少なく打とうと決めていたけれど、天気予報が変わって、今日は最高 5℃までしか上がらずに曇りとなった。
果たしてお客は来るのだろうか。連休だからと三日連続で女将が来てくれて、亭主は打つ蕎麦の量も少ないし、薬味の葱を刻んで大根を卸し、野菜サラダの具材を刻んでも、まだ11時前なので開店までは随分と時間があった。奥の座敷に行って、隣の部屋の最後の障子の一枚に真新しい障子紙を貼る。僅か15分ぐらいの仕事なのに、年末から随分と時間がかかった。
「日曜日を馬鹿にしてはいけない」とは常々亭主の口癖なのですが、分からないものでこんな寒い日に昼前からお客がいらっして、一時間に8人もの客が入ったのです。県の指導だからと三組入ったところで満席の看板を出して、最初の二組の常連さんが鴨南蛮蕎麦と鴨せいろの注文だったから、時間がかかるのでした。毎週のようにいらっしてくださる老夫婦は、先週は二人とも鍋焼きうどんだったのに、今日は鴨南蛮蕎麦と暖かい天麩羅蕎麦。カウンターに座ったリピーターの中年のご夫婦は天せいろと鴨せいろ。食べ終えたところで、せいろ蕎麦の追加ときたから驚いた。
鴨肉を焼くのに時間がかかって、お待たせした三組目の中年のご夫婦は天せいろと辛味大根のおろし蕎麦大盛りで、こちらは食べ終わる前にご主人がご飯と味噌汁を追加でご注文なのでした。「コロナになってからしばらく来なかったけど、やはりまた来ますよ」と言って帰られる。皆さん蕎麦が好きな人たちなのだと嬉しかった。
珍しく二回転目の後半は、何度目かのリピーターの家のご近所の品のいい老夫婦で、顔を見知った女将が何やら話をしている。亭主もカウンターを夾んで厨房から、「最近は団地の中でもテレビの音が大きなお宅が増えましたね」という話をすれば、「うちも音が大きいと喧嘩になるのよ」とは奥様。老いは等しくどのご家庭にも訪れているらしい。のどかな午後なのでした。
閉店15分前のラストオーダーまであと10分という時間に、何度も電話をしてきたやはりリピーターの若いカップルがご来店で、カルビ丼セットと親子丼セットのご注文。天麩羅の具材をもう片付けを始めていたから違うオーダーで助かったけれど、ご飯と味噌汁を盛り付けながら、親子丼の具材を解凍してから卵を溶いて煮るのもひと手間なのです。暖簾をしまって、お蕎麦売り切れの看板を出しておく。こんな寒い日なのに、久々に10人を越えたお客が入って、やはり春なのかと片付けを終えて女将と家路に就くのでした。
2月14日 月曜日 寒い一日で…
今朝も朝飯前の一仕事で蕎麦屋に出掛けました。昨日はお客が多かったので、蕎麦皿と漆の盆や椀など片付け物も多いのでした。よく乾かして収納しないと黴が生えて大変なことになるのです。
かっぱ橋の蕎麦道具専門店のご主人に、特注で作ってもらった蕎麦皿を買うときに、「どうせ黴びが出たりするから」と、竹の中敷きを余分に買っておくことを勧められたけれど、黴を生えさせはしなかったが、7年の間に糸がほぐれて二つほど替えました。
家の正月に使う椀なども、しまう時に好く乾かさなかったものは、黴が酷かったのを覚えている。道具は大切に長く使いたい。
今日は昨日出尽くした小鉢にお新香や煮物を盛り付けて、家に戻って女将の作る朝食を食べる。脂ののったノルウェー産のサーモンを焼いて豚汁で飯を食う至福の時を過ごせば、食後のひと眠りは今朝もパス。予報よりも天気の回復は遅く、曇り空で寒い朝なのでした。それでも早朝から店の暖房を入れておいたから、蕎麦打ち室も13℃になっていたから、早速、蕎麦を打ち始める亭主なのでした。
捏ね上げた蕎麦玉を寝かせている間に葱切りを済ませ、昨日の洗濯物を干しておきます。蕎麦を伸して包丁打ちを終えたら、厨房に戻って大根と生姜をおろし、今朝は野菜サラダの具材を先に刻んでしまいました。最後に金柑大福を包んだのです。蕎麦茶を作り、四つのポットに沸いた湯を入れたら、天麩羅の具材を取り出して並べる。開店前の仕込みは11時には終わって、後はアルコールでテーブルや椅子を拭いていくだけなのでした。
早めに暖簾を出したけれど外は相当に寒いから、当然のことお客は来ないのです。古くからの友人にメールを出して新しいブログのURLを伝えておいたら、学生時代から世話になった奥さんから昨年の京都旅行の写真を添えて返信が届いていたので、印刷して家の女将に見せたら、亭主よりもよく読んで内容を理解していたから驚きなのでした。毎日のように新聞を熱心にに読んでいるからなのかも知れない。ニュースはテレビとネットで済ませる亭主は、書斎のパソコンを離れると、もう頭に何も残っていないのから困る。
昼になってもお客は来そうもないから、もう一人の古い友達に7ヶ月ぶりのブログの再開を、スマホからメールで伝えようとしたら、手の小さな割には指の太い亭主には、スマホの文字のキーが小さすぎて四苦八苦。パソコンのようには詳しい内容を送れないのが難点なのでした。これは歳のせいではなく、単に物理的なものでしょう。今の人たちは力仕事もしてこないから、指の細い人が多いのかしら。それでも無事に届いて喜んでくれたから嬉しかった。
開店休業のまま、今日もお客がないまま終わるのかと調理場の片付けに入っていたら、自転車に乗って若い男性がやって来たのでした。今日はお休みで、最近ユーカリに越してきたけれど、蕎麦屋がないと言って捜していたらしいのです。天せいろを注文して、これは美味しいと喜んでくださった。
「有り難うございます」としか応えようのない亭主は、どうして団地の外れの人気のない所に店を構えたのかとか、ここに住んでいるのかとか、他にお客もいなかったから、次から次へと尋ねるいろいろな質問に、カウンターのこちらから、いちいち丁寧に答えたのでした。みんなコロナ禍で人との会話が少なくなっているのだろうか。支払いの折に、店置きのパンフレットを持って帰られた。